JPH04314747A - エラストマー組成物およびその加硫ゴム - Google Patents

エラストマー組成物およびその加硫ゴム

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JPH04314747A
JPH04314747A JP8020891A JP8020891A JPH04314747A JP H04314747 A JPH04314747 A JP H04314747A JP 8020891 A JP8020891 A JP 8020891A JP 8020891 A JP8020891 A JP 8020891A JP H04314747 A JPH04314747 A JP H04314747A
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propylene
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diene rubber
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Hidenari Nakahama
仲 濱  秀 斉
Takashi Mishima
三 島   孝
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、エラストマー組成物およ
びその加硫ゴムに関し、さらに詳しくは、共役ジエン系
ゴムとの共加硫性に優れるとともに、天然ゴム(NR)
、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴ
ム(IR)、ブタジエンゴム(BR)などの共役ジエン
系ゴムが有する優れた機械的特性、耐摩耗性、耐動的疲
労性を損なうことなく、耐動的疲労性、耐候性、耐オゾ
ン性および耐熱老化性に優れた加硫ゴムを付与し得るよ
うなエチレン・プロピレン・ジエン系ゴムを含有するエ
ラストマー組成物、およびこのエラストマー組成物から
なる加硫ゴムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン・プロピレン・ジエン系
ゴム(EPDM)は、耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性
が優れるゴムとして、ウエザーストリッピング、ドアグ
ラスランチャンネル、ラジエーターホースなど、自動車
部品の静的な力が加わる部分に多く用いられている。
【0003】一方、タイヤ、防振ゴムといった動的な疲
労に対して機械的強度を必要とする部品の殆どは、NR
、SBR、BRなどの共役ジエン系ゴム、あるいはこれ
らのブレンド物が用いられている。
【0004】ところで、昨今の自動車の高性能化に伴い
、自動車部品の耐熱老化性や耐候性の向上が望まれてい
る。しかしながら、EPDMは耐候性、耐オゾン性およ
び耐熱老化性に優れているものの、耐動的疲労性が悪い
ため、EPDMはタイヤや防振ゴムなどに単独で使用す
ることができなかった。
【0005】そこで、従来よりEPDMに共役ジエン系
ゴムをブレンドしてこれら材料の長所を生かすべく、E
PDMと共役ジエン系ゴムとのブレンドの研究が多く行
なわれているが、共加硫性に優れるEPDMと共役ジエ
ン系ゴムとのブレンド物が得られず実用化の域には達し
ていなかった。
【0006】上記研究におけるEPDMと共役ジエン系
ゴムとのブレンドに関する既存技術は、小田康博、青島
正志の両氏により「日本ゴム協会誌,51,685(1
978)」に列挙されており、このブレンドの手法とし
て、■ポリスルフィド加硫、■ペルオキシド加硫、■予
備加硫EPDMの応用、■高ヨウ素価EPDMの応用、
■ハロゲン化EPDMの応用、■長鎖アルキル基を持つ
促進剤の利用等が紹介されている。
【0007】また上記記載によれば、70℃のキシレン
中で測定した固有粘度が3.0dl/g以上、プロピレ
ン含量が35%以下で、かつ高ヨウ素価のEPDMが良
好であるとしている。
【0008】しかしながら、これらの記載は、EPDM
の共役ジエン系ゴムとの共加硫性が向上する方向を示し
てはいるものの、実際の製品、特に動的な強度が要求さ
れる場合の品質上必要な品質項目の記載がなく、上記の
ような手法では、耐動的疲労性に優れたEPDMと共役
ジエン系ゴムとのブレンド物は全く得られなかった。
【0009】EPDMを共役ジエン系ゴムとブレンドす
る目的は、共役ジエン系ゴムが有する優れた耐摩耗性や
耐動的疲労性、耐亀裂成長性を実用上低下させることな
く、優れた耐熱老化性および耐候性を付与することにあ
る。したがって、共役ジエン系ゴムのブレンドする相手
となるEPDMにも耐動的疲労性を付与させる必要があ
る。
【0010】防振ゴム材料は、耐動的疲労性が最も必要
とされている。「ラバーケミストリーテクノロジー,4
4巻,1971年10月,1043頁」によれば、高ム
ーニーEPDMを防振ゴム材料として用いれば、耐動的
疲労性に優れた加硫ゴムが得られるとされている。しか
しながら、高分子量EPDMを用いることは同業者が誰
しも考えることであり、最も研究開発が必要なポイント
は加工性を損なうことなく物性を向上させることである
。EPDMの加工性と高分子量化は相反する因子であり
、この両者を両立させる手段は従来、開示されていなか
った。これまでの技術は、パラフィン系、ナフテン系等
の伸展油をEPDMに油展して高ムーニーEPDMの加
工性を良好にするという技術であったが、単に伸展油を
用いるだけでは、共役ジエン系ゴムの優れた耐摩耗性、
耐動的疲労性を損なうことなく、優れた共加硫性を示す
エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム(EPDM)を含
むエラストマー組成物を得ることはできなかった。
【0011】したがって、従来より共役ジエン系ゴムと
の共加硫性に優れるとともに、NR、IR、SBR、B
Rなどの共役ジエン系ゴムが有する優れた機械的特性、
耐摩耗性、耐動的疲労性を損なうことなく、耐動的疲労
性、耐候性、耐オゾン性および耐熱老化性に優れた加硫
ゴムを付与し得るようなエチレン・プロピレン・ジエン
系ゴムを含有し、かつ、加工性に優れるエラストマー組
成物およびこのエラストマー組成物からなる加硫ゴムの
出現が望まれていた。
【0012】なお、特開昭53−22551号公報には
、疲労破壊寿命を改良したエチレン・プロピレンゴム製
防振ゴム組成物として、キシレン溶液として70℃で測
定した極限粘度[η]が1.0dl/g以下のエチレン
・プロピレン・エチリデンノルボルネン三元共重合体1
0〜50重量%、同じように測定した極限粘度[η]が
3.0dl/g以上のエチレン・プロピレン・エチリデ
ンノルボルネン三元共重合体90〜50重量%、および
ゴム100重量部に対して20〜80重量部の伸展油を
混合してなる油展ゴムに、ゴム成分100重量部に対し
て5〜90重量部のカーボンブラックおよび0.1〜2
重量部のイオウさらに必要に応じてプロセス油を添加し
てなることを特徴とする加硫可能な防振ゴム用組成物が
開示されている。
【0013】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、共役ジエン系
ゴムとの共加硫性に優れるとともに、NR、IR、SB
R、BRなどの共役ジエン系ゴムが有する優れた機械的
特性、耐摩耗性、耐動的疲労性を損なうことなく、耐動
的疲労性、耐候性、耐オゾン性および耐熱老化性に優れ
た加硫ゴムを付与し得るようなエチレン・プロピレン・
ジエン系ゴムを含有し、かつ、加工性に優れるエラスト
マー組成物、およびこのエラストマー組成物からなる加
硫ゴムを提供することを目的としている。
【0014】
【発明の概要】本発明に係るエラストマー組成物は、エ
チレンとプロピレンと5−エチリデン−2− ノルボル
ネンとからなり、かつ、GPC法測定により求められた
分子量分布(Mw/Mn)Q値が4未満であり、エチレ
ン含量が73〜85モル%であり、135℃デカリン中
で測定した極限粘度[η]が4.0〜6.0dl/gで
あり、ヨウ素価が15〜35であるエチレン・プロピレ
ン・ジエン共重合体ゴムからなる高分子量成分(A):
90〜50重量%、およびエチレンとプロピレンとから
なり、かつ、135℃デカリン中で測定した極限粘度[
η]が0.2〜0.7dl/gである液状エチレン・プ
ロピレン共重合体からなる低分子量成分(B):10〜
50重量%からなるエチレン・プロピレン・ジエン系ゴ
ムであって、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が
50〜120の範囲内にあり、分子量3,000〜15
,000のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴムのヨウ
素価(IV1 )と分子量80,000〜120,00
0のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴムのヨウ素価(
IV2 )との比(IV1 /IV2 )が0.1以下
であるエチレン・プロピレン・ジエン系ゴム[I]と、
共役ジエン系ゴム[II]と、無機充填剤[III]と
を含有していることを特徴としている。
【0015】また、本発明に係る加硫ゴムは、上記の本
発明に係るエラストマー組成物を共加硫してなることを
特徴としている。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るエラストマー
組成物および加硫ゴムについて具体的に説明する。
【0017】本発明に係るエラストマー組成物は、エチ
レン・プロピレン・ジエン系ゴム[I]と共役ジエン系
ゴム[II]と無機充填剤[III]とから構成されて
いる。 エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム[I]本発明で用
いられるエチレン・プロピレン・ジエン系ゴム[I]は
、特定のエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムか
らなる高分子量成分(A)と、特定の液状エチレン・プ
ロピレン共重合体からなる低分子量成分(B)とから構
成されている。
【0018】本発明で用いられる高分子量成分(A)は
、エチレンとプロピレンと5−エチリデン−2− ノル
ボルネン(ENB)とからなるエチレン・プロピレン・
ジエン共重合体ゴムである。
【0019】本発明で用いられるエチレン・プロピレン
・ジエン共重合体ゴムのエチレン含量は、73モル%〜
85モル%、好ましくは75モル%〜82モル%の範囲
内である。
【0020】本発明において、共役ジエン系ゴム、たと
えばNRやSBRのようなゴムとの共加硫性を得るため
には、第一にこれら共役ジエン系ゴムと加硫速度、加硫
度を合わせることが必要であり、この意味でエチレン・
プロピレン・ジエン共重合体ゴムを構成する非共役ジエ
ンとしては、ENBが最も優れている。
【0021】また、本発明で用いられるエチレン・プロ
ピレン・ジエン共重合体ゴムは、非共役ジエン含量の一
指標であるヨウ素価が15〜35、好ましくは18〜2
5である。
【0022】EPDMの非共役ジエン量を高くすると、
見かけ上、つまり、共役ジエン系ゴムとEPDMのブレ
ンド比を横軸に取って引張り強さを調べた場合、直線関
係に近づく傾向になるが動的疲労試験の一つである耐亀
裂成長性が極端に悪くなるため、このようなEPDMは
、動的歪が大きく機械的強度が必要とされる防振ゴム、
空気入りタイヤのトレッド、タイヤサイドウォールなど
に用いるブレンド用EPDMとしては実用化できない。
【0023】本発明で用いられるエチレン・プロピレン
・ジエン共重合体ゴムは、GPC法測定により求められ
る分子量分布(Mw/Mn)Q値が4未満、好ましくは
3以下である。このような分子量分布を有するエチレン
・プロピレン・ジエン共重合体ゴムを高分子量成分(A
)として用いることによって、機械的強度特性、圧縮永
久歪特性、耐疲労性、耐摩耗性に優れた加硫ゴムを提供
することができるエチレン・プロピレン・ジエン系ゴム
を得ることが可能となる。
【0024】また、本発明で用いられるエチレン・プロ
ピレン・ジエン共重合体ゴムは、135℃デカリン中で
測定した極限粘度[η]が4.0〜6.0dl/gであ
る。上記のような分子量分布(Mw/Mn)Q値を有す
るエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムの中でも
、上記のような極限粘度を有するエチレン・プロピレン
・ジエン共重合体ゴムを用いて得られるエチレン・プロ
ピレン・ジエン系ゴムは、上記物性の改良効果が顕著に
現われる。
【0025】上記のようなエチレン・プロピレン・ジエ
ン共重合体ゴムは、たとえば特公昭59−14497号
公報に記載されている方法により製造することができる
。すなわち、チーグラー触媒の存在下に、水素を分子量
調節剤として用い、エチレンとプロピレンとジエンとを
共重合することにより、エチレン・プロピレン・ジエン
共重合体ゴムを得ることができる。
【0026】本発明で用いられる低分子量成分(B)は
、エチレンとプロピレンとからなる液状エチレン・プロ
ピレン共重合体であり、ジエン成分を含まない。上記の
液状エチレン・プロピレン共重合体は、エチレンとプロ
ピレンとのランダム共重合体である。
【0027】本発明においては、高分子量成分に、機械
的強度特性、耐疲労性、耐摩耗性などの向上効果を担わ
せ、一方、低分子量成分には、エチレン・プロピレン・
ジエン系ゴムと共役ジエン系ゴムとのブレンド物の加工
性(流動性)の向上効果を担わせるように、エチレン・
プロピレン・ジエン共重合体ゴムの品質設計をした。
【0028】しかしながら、単にバイモーダルな、すな
わち2つのモードを有する分子量分布を示すエチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムでは、高分子量成分による上
記物性の向上効果の割合と、低分子量成分による上記特
性の向上効果の割合とが綱引きの関係にあるため、加工
性に優れていても、上記のような物性が飛躍的に向上し
た加硫ゴム成形体を提供し得ることはできない。
【0029】そこで、本発明者らは、この低分子量成分
について、さらに鋭意研究したところ、バイモーダルな
分子量分布を示すエチレン・プロピレン・ジエン系ゴム
から加硫ゴム成形体を得た際に、加硫ゴム成形体を構成
する低分子量成分が、ポリマーとして架橋されていない
ことが必要であることを見出した。すなわち、本発明で
は、低分子量成分としてジエンを含まない液状エチレン
・プロピレン共重合体を用いることにした。
【0030】本発明で用いられる液状エチレン・プロピ
レン共重合体のエチレン含量は、通常20〜80モル%
、好ましくは30〜70モル%、さらに好ましくは40
〜60モル%の範囲内である。エチレン含量が上記のよ
うな範囲にある液状エチレン・プロピレン共重合体は、
熱安定性が良好であるため、上記のような高分子量成分
(A)との混練り操作中に減量するようなことはなく、
また成形時に炭化して成形品を汚染することもない。
【0031】本発明で用いられる低分子量成分(B)、
すなわち液状エチレン・プロピレン共重合体は、135
℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.2〜0.
7dl/g、好ましくは0.24〜0.5dl/gであ
る。
【0032】上記のような極限粘度を有する液状エチレ
ン・プロピレン共重合体を低分子量成分(B)として用
いると、加工性(流動性)に優れるエチレン・プロピレ
ン・ジエン系ゴムを提供することができる。
【0033】本発明で用いられる低分子量成分(B)と
しての液状エチレン・プロピレン共重合体は、極限粘度
[η]が0.2dl/g未満になると、パラフィン系あ
るいはナフテン系の軟化剤の性状と等しくなるため、機
械的強度および疲労寿命の向上効果は望めず、また加工
性(流動性)が悪くなる。一方、液状エチレン・プロピ
レン共重合体の極限粘度[η]が0.7dl/gを超え
ると、上記高分子量成分(A)とのブレンド後の粘度が
上昇する。また、実際に加硫ゴム成形体を製造する場合
には、製品の硬度をある範囲に規定することが必要であ
る。したがって、液状エチレン・プロピレン共重合体の
極限粘度[η]が0.7dl/gを超える場合には、上
記の粘度上昇と製品硬度のアップの割合を低下させる必
要があり、さらにオイルを使用しなければならない。し
たがって、極限粘度[η]が0.7dl/gを超えるよ
うな液状エチレン・プロピレン共重合体を低分子量成分
(B)として用いたエチレン・プロピレン・ジエン系ゴ
ムからは、機械的強度特性に優れた加硫ゴム成形体を得
ることはできない。
【0034】上記液状エチレン・プロピレン共重合体は
、組成的には、オイルと同等であるが、極限粘度[η]
が0.2〜0.7dl/gの範囲内にある液状エチレン
・プロピレン共重合体では、この低分子量成分(B)と
組み合わせて用いる高分子量成分(A)の分子量(極限
粘度[η])が非常に高い場合でも、この液状エチレン
・プロピレン共重合体の使用割合を増加させることによ
って、ロール、バンバリーミキサーなどによる混練工程
および成形工程で必要な加工性(流動性)を確保するこ
とができる。
【0035】なお、従来、通常に用いられる、プロセス
油、パラフィン油、ナフテン油等のオイルが伸展された
エチレン・プロピレン・ジエン系ゴムでは、その加工性
改良効果に限界がある。また、極限粘度[η]が3.5
dl/g以上の油展タイプのエチレン・プロピレン・ジ
エン共重合体ゴムでは、製品硬度が所定の範囲内に入る
ようにして加工性を改良するのに、オイルを多量に使用
して加工時の粘度を下げようとしても、カーボン等の分
散性が悪いため、耐動的疲労性に優れた加硫ゴム成形体
を得ることはできない。
【0036】上記のような液状エチレン・プロピレン共
重合体は、たとえば特公平2−1163号公報に記載さ
れている方法により製造することができる。すなわち、
チーグラー触媒の存在下に、水素を分子量調節剤として
用い、エチレンとプロピレンとをランダム共重合するこ
とにより、液状エチレン・プロピレン共重合体を得るこ
とができる。
【0037】本発明に係るエチレン・プロピレン・ジエ
ン系ゴムでは、高分子量成分(A)としてのエチレン・
プロピレン・ジエン共重合体ゴムは、高分子量成分(A
)および低分子量成分(B)の合計量100重量%に対
して90〜50重量%、好ましくは85〜60重量%の
割合で存在し、低分子量成分(B)としての液状エチレ
ン・プロピレン共重合体は、上記(A)および(B)の
合計量100重量%に対して10〜50重量%、好まし
くは15〜40重量%の割合で存在する。
【0038】上記のような高分子量成分(A)と低分子
量成分(B)とから構成される本発明に係るエチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムは、ムーニー粘度ML1+4
 (100℃)が50〜120、好ましくは100〜1
20であり、かつ、分子量3,000〜15,000の
エチレン・プロピレン・ジエン系ゴムのヨウ素価(IV
1)と分子量80,000〜120,000のエチレン
・プロピレン・ジエン系ゴムのヨウ素価(IV2 )と
の比(IV1 /IV2 )が0.1以下、好ましくは
0である。ムーニー粘度ML1+4(100 ℃)およ
び上記のヨウ素価の比(IV1/IV2)が上記のよう
な範囲内にあるエチレン・プロピレン・ジエン系ゴムは
、バンバリーミキサーなどによる混練性に優れている。 合成ゴムは、カーボン等の副資剤が充分ポリマー中に分
散して初めてゴムとしての機能を果たすことから考えて
、エチレン・プロピレン・ジエン系ゴムのムーニー粘度
が高いことは好ましくなく、ムーニー粘度が上記のよう
な範囲内にあるエチレン・プロピレン・ジエン系ゴムを
用いると、優れたエラストマー組成物が得られる。
【0039】なお、上記のIV1 /IV2 は、下記
の装置および測定条件に従って、分子量3,000〜1
5,000のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴムのヨ
ウ素価(IV1 )と分子量80,000〜120,0
00のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴムのヨウ素価
(IV2 )を求めて算出する。ヨウ素価は、滴定法に
より求めたヨウ素価とENBの吸収に基因するIRチャ
ートから検量線を描いて、IRでの吸収ピークから求め
る。
【0040】[装置および測定条件] 測定装置:GPC装置(Millipore社製、Wa
ters  150C) FI−IR装置(Perkin−Elmer社製、17
60X型) カラム:TSK  gel  GMH6HT[東ソウ(
株)製]60cm×1本 溶媒:ヘキサクロロブタジエン 温度:140℃ サンプル濃度:3mg/ml 本発明において、エラストマー組成物中に、軟化剤が多
量に含まれる場合、疲労試験結果に悪影響を与えること
がわかった。軟化剤部分は、応力が断続的に加えられる
と、定伸長の場合は緩和作用を及ぼすため効果的である
が、定荷重試験の場合、つまり、実際の動的用途の製品
に使用される場合に近い試験の場合、クラック発生が多
く見られる。このことから、本発明で用いられるエチレ
ン・プロピレン・ジエン系ゴムは、非油展ゴムとし、ま
た後添加用の軟化剤は、上記エチレン・プロピレン・ジ
エン系ゴム[I]および共役ジエン系ゴム[II]の合
計量100重量部に対して30重量部未満の量で用いる
こととした。また上記のことから、本発明で用いられる
エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム[I]を構成する
低分子量成分(B)が、その高流動性の影響により共役
ジエン系ゴムとのブレンド効果を物理的に高め、また加
硫後は架橋に関与しない。もし、加硫により架橋される
ような低分子量成分を用いると、エチレン・プロピレン
・ジエン系ゴムを構成する分子鎖の自由末端鎖数が増加
し、その結果、得られる加硫ゴムの耐発熱性および圧縮
歪特性が悪化する。したがって、このようなエチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムとジエン系ゴムとをブレンド
して得られる加硫ゴムも、耐発熱性、耐動的疲労性およ
び圧縮歪特性が悪化する。そこで、本発明においては、
低分子量成分としてジエン成分を含まない液状エチレン
・プロピレン共重合体を用いることを必須とした。
【0041】本発明で用いられるエチレン・プロピレン
・ジエン系ゴム[I]は、高分子量成分(A)の溶液ま
たは懸濁液と、低分子量成分(B)の溶液または懸濁液
とを混合した後、固体状物を回収することにより得るこ
とができる。また、最初に高分子量成分(A)または低
分子量成分(B)のいずれかを重合によって得、さらに
その重合体の存在下で、他の成分を重合によって得る、
いわゆる多段重合の方式によっても上記エチレン・プロ
ピレン・ジエン系ゴム[I]を得ることができる。
【0042】本発明に係る加硫ゴムは、本発明に係るエ
ラストマー組成物を加硫してなる。本発明に係る加硫ゴ
ムを製造するに際し、エチレン・プロピレンゴム等から
なる加硫ゴムの製造において従来より広く一般に用いら
れている充填剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等の配
合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で用いることが
できる。たとえば、充填剤としてカーボンブラックを使
用する場合、その添加量は、上記エチレン・プロピレン
・ジエン系ゴム100重量部に対して5〜90重量部、
好ましくは20〜40重量部の範囲である。
【0043】上記のような配合剤と本発明に係るエチレ
ン・プロピレン・ジエン系ゴムとの混練は、通常のゴム
混練機、たとえばバンバリーミキサー、オープンロール
、ニーダーなどを用いて行われる。
【0044】ゴムの成形および加硫する手段は、特に限
定されないが、通常、トランスファー成形法、射出成形
法が用いられる。本発明に係るエラストマー組成物にお
いて、上記エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム[I]
は、エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム[I]および
共役ジエン系ゴム[II]の合計量100重量部に対し
て25〜50重量部、好ましくは30〜40重量部の量
で用いられる。エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム[
I]を上記のような範囲内の量で用いることによって、
共役ジエン系ゴム[II]の優れた機械的特性を保持す
るとともに、耐動的疲労性、耐候性および耐熱老化性に
優れた加硫ゴムを付与することができるエラストマー組
成物が得られる。
【0045】共役ジエン系ゴム[II]本発明に係るエ
ラストマー組成物を構成する共役ジエン系ゴム[II]
としては、共役ジエン系ゴムの中で最も機械的強度のバ
ランスがとれているイソプレン系ゴム、すなわち天然ゴ
ム(NR)、イソプレンゴム(IR)のどちらか一方ま
たは両者が用いられ、エチレン・プロピレン・ジエン系
ゴム[I]および共役ジエン系ゴム[II]の合計量1
00重量部に対して50〜75重量部、好ましくは60
〜70重量部の量で用いられる。イソプレン系ゴムを上
記のような範囲内の量で用いることによって、機械的強
度に優れ、実用に耐えるエラストマー組成物が得られる
。また、本発明においては、イソプレン系ゴムとともに
、ブタジエンゴム(BR)、スチレン− ブタジエンゴ
ム(SBR)、アクリロニトリル− ブタジエンゴム(
NBR)、クロロプレンゴム(CR)などを用いること
ができる。この場合、イソプレン系ゴムの使用量を、エ
チレン・プロピレン・ジエン系ゴム[I]および共役ジ
エン系ゴム[II]の合計量100重量部に対して50
重量部以上75重量部未満の量とし、かつイソプレン系
ゴムおよびイソプレン系ゴム以外の共役ジエン系ゴムの
合計使用量を75重量部以下とする。
【0046】無機充填剤[III] 本発明で用いられる無機充填剤[III]としては、具
体的には、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF
、SAF、FT、MTなどのカーボンブラック、微粉ケ
イ酸、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、などが挙げられる。本発明において、無機
充填剤[III]はエチレン・プロピレン・ジエン系ゴ
ム[I]および共役ジエン系ゴム[II]の合計量10
0重量部に対して20〜150重量部、好ましくは30
〜100重量部、さらに好ましくは40〜80重量部の
量で用いられる。無機充填剤[III]を上記のような
範囲内の量で用いることによって、耐摩耗性および耐動
的疲労性に優れたエラストマー組成物が得られる。
【0047】加硫ゴムの製造 本発明に係るエラストマー組成物から加硫ゴムを得るに
は、通常一般のゴムを加硫するときと同様に、後述する
方法で未加硫の配合ゴム(エラストマー組成物)を一度
調整し、次いで、この配合ゴムを意図する形状に成形し
た後加硫を行なえばよい。
【0048】本発明に係る加硫ゴムを製造する際に、意
図する加硫ゴムの用途、それに基づく性能に応じて、上
記成分[I]、[II]および[III]の他に、軟化
剤の種類および配合量、さらには加硫剤、加硫促進剤、
加硫助剤などの加硫系を構成する化合物の種類および配
合量、そして加硫ゴムを製造する工程が適宜選択される
【0049】上記軟化剤としては、通常、ゴムに用いら
れる軟化剤が用いられるが、具体的には、プロセスオイ
ル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスフ
ァルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コ
ールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油
、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;ト
ール油;サブ;密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等の
ロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の
脂肪酸および脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプ
ロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質な
どが用いられる。なかでも石油系軟化剤が好ましく用い
られ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
【0050】本発明に係る加硫ゴムを製造する際に、加
硫剤として、以下のようなイオウ系化合物が用いられる
。イオウ系化合物としては、具体的には、イオウ、塩化
イオウ、二塩化イオウ、モルホリンジスルフィド、アル
キルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジ
スルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが
用いられ、なかでも、イオウが好ましく用いられる。
【0051】上記イオウ系化合物は、エチレン・プロピ
レン・ジエン系ゴム[I]および共役ジエン系ゴム[I
I]の合計重量100重量部に対して、0.1〜5重量
部、好ましくは0.5〜3重量部の割合で用いられる。
【0052】本発明に係る加硫ゴムを製造する際に、加
硫剤としてイオウ系化合物を用いるときは、加硫促進剤
の併用が好ましい。加硫促進剤としては、具体的には、
N−シクロヘキシル−2− ベンゾチアゾール− スル
フェンアミド、N−オキシジエチレン−2− ベンゾチ
アゾール− スルフェンアミド、N,N−ジイソプロピ
ル−2− ベンゾチアゾール− スルフェンアミド、2
−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニト
ロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,
6−ジエチル−4− モルホリノチオ)ベンゾチアゾー
ル、ジベンゾチアジル− ジスルフィド等のチアゾール
系化合物;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニ
ジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル・バイ
・グアナイド、ジフェニルグアニジン・フタレート等の
グアニジン系化合物;アセトアルデヒド− アニリン反
応物、ブチルアルデヒド− アニリン縮合物、ヘキサメ
チレンテトラミン、アセトアルデヒド− アンモニア反
応物等のアルデヒド−アミンまたはアルデヒド− アン
モニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミ
ダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユ
リア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジ
オルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テト
ラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、
テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチ
ウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチ
ルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン
酸亜鉛、ジ−n− ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エ
チルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニル
ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸
ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエ
チルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物
;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物
;その他、亜鉛華などの化合物が用いられる。
【0053】上記加硫促進剤は、エチレン・プロピレン
・ジエン系ゴム[I]および共役ジエン系ゴム[II]
の合計重量100重量部に対して、0.1〜20重量部
、好ましくは0.2〜10重量部の割合で用いられる。
【0054】未加硫の配合ゴムは、以下の方法により調
製される。すなわちバンバリーミキサーなどのミキサー
類を用いて、前記成分[I]、[II]および[III
]、軟化剤を80〜150℃の温度で3〜10分間混練
し、次いで、オープンロールなどのロール類を用いて、
加硫剤、必要に応じて加硫促進剤または加硫助剤を追加
混合し、ロール温度40〜60℃で5〜30分間混練し
た後、混練物を押出し、リボン状またはシート状の配合
ゴムを調製する。
【0055】このように調製された配合ゴムは、押出成
形機、カレンダーロール、またはプレスにより意図する
形状に成形され、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内
に導入し、150〜270℃の温度で1〜30分間加熱
し、加硫ゴムとする。このような加硫を行なう際に、金
型を用いてもよいし、また金型を用いなくてもよい。金
型を用いない場合には、成形、加硫の工程は通常、連続
的に実施される。
【0056】
【発明の効果】本発明に係るエラストマー組成物は、特
定のバイモーダルな分子量分布を有するエチレン・プロ
ピレン・ジエン系ゴム[I]と、共役ジエン系ゴム[I
I]と、無機充填剤[III]とからなるので、共加硫
性および加工性に優れるとともに、機械的特性、耐摩耗
性、耐動的疲労性、耐候性、耐オゾン性および耐熱老化
性に優れるという効果があり、また上記のような効果を
有する加硫ゴムを提供することができる。
【0057】本発明に係るエラストマー組成物から得ら
れる加硫ゴムは、上記のような効果を有するので、タイ
ヤ、自動車部品、一般工業用部品、土木建材用品などの
用途に広く用いられる。とりわけ、耐動的疲労性の要求
される用途、たとえばタイヤトレッド、タイヤサイドウ
ォール、ワイパーブレードなどに好適に用いることがで
きる。
【0058】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例におけるEPDMおよび加硫シ
ートの評価試験方法は、以下のとおりである。
【0059】[1]分子量分布(Mw/Mn)Q値分子
量分布(Mw/Mn)Q値の測定は、武内著、丸善株式
会社発行の「ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
」に準じて下記の通り行なった。 (1)分子量既知の標準ポリスチレン(東ソー(株)製
単分散ポリスチレン)を使用して分子量MとそのGPC
(Gel  Permeation  Chromat
ography)カウントを測定し、分子量Mと溶離体
積EV(Elution  Vlume)との相関図較
正曲線を作成する。この時のポリスチレン濃度は、0.
02重量%とする。 (2)GPC測定法により試料のGPCパターンをとり
、前記(1)により分子量Mを知る。その際のサンプル
調製条件およびGPC測定条件は、以下の通りである。
【0060】サンプルの調製条件 (イ)試料を、その濃度が0.04重量%になるように
、o− ジクロルベンゼン溶媒とともに三角フラスコに
分取する。 (ロ)試料の入っている三角フラスコに老化防止剤2,
6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー
溶液に対して0.1重量%添加する。 (ハ)三角フラスコを140℃に加温して約30分間攪
拌し、試料を溶解させる。 (ニ)その後三角フラスコを135〜140℃に保ちな
がら、径1μmのポアフィルターでろ過する。 (ホ)そのろ液をGPC分析にかける。
【0061】GPC測定条件 (イ)装置:Waters社製200型(ロ)カラム:
東ソー(株)製S−タイプ(Mixタイプ) (ハ)サンプル量:2ml (ニ)温度:135℃ (ホ)流速:1ml/mm (へ)カラムの総理論段数:2×104〜4×104(
アセトンによる測定値) [2]共加硫度 共加硫度は、下記の式により求めた。
【0062】共加硫度[%]=TB (blend)×
100/[TB (EPDM)×a+TB (NR)×
b]上記式において、TB (blend)は、実際の
ブレンド材料の引張強さを表わし、TB (EPDM)
は、エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム(EPDM)
の引張強さを表わし、TB (NR)は、天然ゴム(N
R)の引張強さを表わし、aは、エチレン・プロピレン
・ジエン系ゴム(EPDM)の重量分率を表わし、bは
、天然ゴム(NR)の重量分率を表わし、a+b=1で
ある。
【0063】[3]ロール加工性 前ロールおよび後ロールの温度を55℃にして、エラス
トマー組成物を5分間素練りを行ない、素練り後のエラ
ストマー組成物の喰込みおよび巻付きの様子を観察し、
ロール加工性を5段階評価した。
【0064】5段階評価 5 ・・・ゴムバンドがロールに完全に密着しており、
バンクがスムーズに回転している。 4 ・・・ロールの頂点からバンクの間で、ゴムバンド
がロール表面から時々離れる。 3 ・・・ロールの頂点からバンクの間で、ゴムバンド
がロール表面から離れる。 2 ・・・ロール表面にゴムバンドが密着せず、ゴムバ
ンドに手を添えないとロール加工ができない。 1 ・・・ロール表面にゴムバンドが全く密着せず垂れ
下がり、ゴムバンドに手を添えないとロール加工ができ
ない。
【0065】[4]引張り試験 加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6301(19
89年)に記載されている3号形ダンベル試験片を得、
該試験片を用いて同JIS K 6301第3項に規定
される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500m
m/分の条件で引張り試験を行ない、100%モジュラ
ス(M100 )、200%モジュラス(M200)、
300%モジュラス(M300 )、引張破断点応力T
B および引張破断点伸びEBを測定した。
【0066】[5]硬さ試験 硬さ試験は、JIS K 6301(1989年)に準
拠して、スプリング硬さHS(JIS  A硬度)を測
定した。
【0067】[6]発熱試験 ASTM  D  623に準じて、グッドリッチ(G
oodrich)のフレキソメーター(flexome
ter)を用い、荷重15 lb 、ストローク6.9
mmの条件で発熱試験を行ない、上昇温度(変化温度)
T2 −T1 =Tを測定した。 なお測定に供した試験片の数は2個であり、T1 は実
験開始温度37℃であり、T2 は測定を開始してから
40分経過後の温度である。。
【0068】[7]伸長疲労試験 加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6301に記載
されている1号形ダンベル試験片を得、この試験片の縦
方向の中心に2mmの傷を入れた。このようにして得ら
れた試験片20本についてそれぞれ伸長率を40%、8
0%、120%とし、測定温度25℃、回転速度300
rpmの条件で伸長疲労させ、そのダンベル切断時の回
数の平均値をもって耐動的疲労性(耐久性)の指標とし
た。
【0069】[8]耐オゾン試験 JIS  K  6301に準じて、オゾン濃度50p
pm 、測定温度40℃、伸長率(静的伸長)20%の
条件でクラック発生時間を測定し、クラック発生時間を
もって耐オゾン性ないし耐候性の指標とした。
【0070】
【比較例1】エチレン含量79モル%、135℃デカリ
ン中で測定した極限粘度[η]4.8dl/g、ヨウ素
価13のエチレン・プロピレン−5− エチリデン−2
− ノルボルネン共重合体ゴム70重量%およびエチレ
ン含量68モル%、135℃デカリン中で測定した極限
粘度[η]0.28dl/gの液状エチレン・プロピレ
ン共重合体30重量%からなる、ムーニー粘度ML1+
4 (100℃)150のエチレン・プロピレン・ジエ
ン系ゴム30重量部と、天然ゴム(NR)[RSS  
1号]70重量部と、ステアリン酸1重量部と、亜鉛華
5重量部と、FEFカーボンブラック[旭カーボン(株
)製、60G]40重量部と、オイル[三新化学工業(
株)製、サンセン4240]7.1重量部と、老化防止
剤[大内新興化学工業(株)製、810−NA]2.0
重量部と、老化防止剤[精工化学(株)製、サンタイト
S]1.0重量部とを容量4.3バンバリーミキサー[
(株)神戸製鋼所製]で混練した。なお、上記天然ゴム
は、8インチロール(前ロールおよび後ロールの温度8
0℃)を用いて素練りを行ない、ムーニー粘度ML1+
4 (100℃)を60に調整して用いた。
【0071】このようにして得られた混練物に、硫黄1
.5重量部および加硫促進剤[大内新興化学工業(株)
製、ノクセラー  CZ]1.0重量部を加えてロール
で混練した後、シート状に分出して150℃で30分間
プレスし、厚み2mmの加硫シートを得、この加硫シー
トについて物性評価を上記方法に従って行なった。
【0072】結果を表1に示す。
【0073】
【比較例2】比較例1において、比較例1のエチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムの代わりに、エチレン含量7
9モル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η
]3.8dl/g、ヨウ素価22のエチレン・プロピレ
ン−5− エチリデン−2− ノルボルネン共重合体ゴ
ム70重量%およびエチレン含量78モル%、135℃
デカリン中で測定した極限粘度[η]0.24dl/g
、ヨウ素価22のエチレン・プロピレン−5− エチリ
デン−2− ノルボルネン共重合体ゴム30重量%から
なる、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)80のエ
チレン・プロピレン・ジエン系ゴムを用いた以外は、比
較例1と同様にして、加硫シートを得、この加硫シート
について物性評価を行なった。
【0074】結果を表1および表2に示す。
【0075】
【実施例1】比較例1において、比較例1のエチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムの代わりに、エチレン含量7
9モル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η
]4.8dl/g、ヨウ素価24のエチレン・プロピレ
ン−5− エチリデン−2− ノルボルネン共重合体ゴ
ム70重量%およびエチレン含量68モル%、135℃
デカリン中で測定した極限粘度[η]0.30dl/g
の液状エチレン・プロピレン共重合体30重量%からな
る、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)152のエ
チレン・プロピレン・ジエン系ゴムを用いた以外は、比
較例1と同様にして、加硫シートを得、この加硫シート
について物性評価を行なった。
【0076】結果を表1および表2に示す。
【0077】
【実施例2】比較例1において、比較例1のエチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムの代わりに、エチレン含量7
9モル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η
]4.8dl/g、ヨウ素価24のエチレン・プロピレ
ン−5− エチリデン−2− ノルボルネン共重合体ゴ
ム70重量%およびエチレン含量68モル%、135℃
デカリン中で測定した極限粘度[η]0.49dl/g
の液状エチレン・プロピレン共重合体30重量%からな
る、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)152のエ
チレン・プロピレン・ジエン系ゴムを用いた以外は、比
較例1と同様にして、加硫シートを得、この加硫シート
について物性評価を行なった。
【0078】結果を表1および表2に示す。
【0079】
【比較例3】比較例1において、比較例1のエチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムの代わりに、エチレン含量7
9モル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η
]4.8dl/g、ヨウ素価24のエチレン・プロピレ
ン−5− エチリデン−2− ノルボルネン共重合体ゴ
ム70重量%およびエチレン含量68モル%、135℃
デカリン中で測定した極限粘度[η]1.2dl/gの
液状エチレン・プロピレン共重合体30重量%からなる
、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)200のエチ
レン・プロピレン・ジエン系ゴムを用いた以外は、比較
例1と同様にして、加硫シートを得、この加硫シートに
ついて物性評価を行なった。
【0080】結果を表1に示す。
【0081】
【比較例4】比較例1において、比較例1のエチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムの代わりに、エチレン含量7
9モル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η
]3.8dl/g、ヨウ素価23のエチレン・プロピレ
ン−5− エチリデン−2− ノルボルネン共重合体ゴ
ム100重量%からなる、ムーニー粘度ML1+4 (
100℃)235のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴ
ムを用い、かつ、オイルの配合量を20重量部とした以
外は、比較例1と同様にして、加硫シートを得、この加
硫シートについて物性評価を行なった。
【0082】結果を表1に示す。
【0083】
【比較例5】比較例1において、比較例1のエチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムを用いずに、比較例1の天然
ゴムの配合量を100重量部とし、かつ、オイルの配合
量を20重量部とした以外は、比較例1と同様にして、
加硫シートを得、この加硫シートについて物性評価を行
なった。
【0084】結果を表1および表2に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】表1より、以下のことが判る。エチレン・
プロピレン・ジエン系ゴムと天然ゴムとのブレンド後の
ロール加工性を見てみると、低分子量成分として極限粘
度[η]が0.2〜0.7dl/gの範囲内にある液状
エチレン・プロピレン共重合体を用いた比較例1、比較
例2、実施例1および実施例2のエラストマー組成物は
、ロール加工性が優れている。
【0088】これに対して、上記のような低分子量成分
を含まないエチレン・プロピレン・ジエン系ゴムを用い
た比較例4のエラストマー組成物は、ロール加工性が悪
い。実施例1および実施例2では、ロール加工性が優れ
る上に、共加硫性の指標である引張破断点応力TB が
大きい。また、実施例1および実施例2では、発熱性が
低く、伸長疲労性が比較例と比較して優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンとプロピレンと5−エチリデン−
    2− ノルボルネンとからなり、かつ、GPC法測定に
    より求められた分子量分布(Mw/Mn)Q値が4未満
    であり、エチレン含量が73〜85モル%であり、13
    5℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が4.0〜6
    .0dl/gであり、ヨウ素価が15〜35であるエチ
    レン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムからなる高分子
    量成分(A):90〜50重量%、およびエチレンとプ
    ロピレンとからなり、かつ、135℃デカリン中で測定
    した極限粘度[η]が0.2〜0.7dl/gである液
    状エチレン・プロピレン共重合体からなる低分子量成分
    (B):10〜50重量%からなるエチレン・プロピレ
    ン・ジエン系ゴムであって、ムーニー粘度ML1+4 
    (100℃)が50〜120の範囲内にあり、分子量3
    ,000〜15,000のエチレン・プロピレン・ジエ
    ン系ゴムのヨウ素価(IV1 )と分子量80,000
    〜120,000のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴ
    ムのヨウ素価(IV2 )との比(IV1 /IV2 
    )が0.1以下であるエチレン・プロピレン・ジエン系
    ゴム[I]と、共役ジエン系ゴム[II]と、無機充填
    剤[III]とを含有していることを特徴とするエラス
    トマー組成物。
  2. 【請求項2】前記エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム
    [I]の含有量が25〜50重量部であり、前記共役ジ
    エン系ゴム[II]の含有量が75〜50重量部(ただ
    し、[I]および[II]の合計量は100重量部とす
    る)であり、かつ前記無機充填剤[III]の含有量が
    、エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム[I]および共
    役ジエン系ゴム[II]の合計量100重量部に対し、
    20〜150重量部であることを特徴とする請求項第1
    項に記載のエラストマー組成物。
  3. 【請求項3】前記共役ジエン系ゴム[II]がイソプレ
    ン系ゴムであることを特徴とする請求項第1項または第
    2項に記載のエラストマー組成物。
  4. 【請求項4】エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム[I
    ]および共役ジエン系ゴム[II]の合計量100重量
    部に対して30重量部未満の軟化剤を含有していること
    を特徴とする請求項第1項〜第3項のいずれかに記載の
    エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】請求項第1項に記載のエラストマー組成物
    を共加硫してなることを特徴とする加硫ゴム。
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