JPH0431309Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は水流を利用して回転する回転手段でご
み除去手段を回転させることによつて水路内のご
みを除去する水路用ごみ除去装置に関する。

（従来技術とその手段） 従来、農業水路等の水路内の水と一緒に流れて
くる木片、プラスチツク片等のごみ類を除去する
には棒材の先端に引掛具を取付けた道具を用いて
人力によつて行なつていたので、大変に時間と労
力を必要としており、この点の解決が望まれてい
た。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上記の課題に鑑みてなされたものであ
つて、特に構造が簡単であるとともに、水路内に
流れるごみ類を容易且つ確実に取除くことができ
る水路用ごみ除去装置を提案することをその目的
とする。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するための手段として、本考案
に係る水路用ごみ除去装置は、水流を利用して回
転する回転手段と、水路外から水路内にかけて配
置された回転体の表面に水路内のごみを受けるご
み受け片を設けてなるごみ除去手段とを備え、上
記回転手段によつて上記ごみ除去手段を回転させ
る水路用ごみ除去装置において、 上記回転手段を、上記水路外の上流側及び下流
側位置と水路内の下流側の片寄り位置とにそれぞ
れ配置されたチエンホイールと、上記チエンホイ
ールに巻装された無終端チエンと、該無終端チエ
ンに一定の間隔をおいて回動可能に取り付けられ
た多数の可動羽根とから構成するとともに、各可
動羽根を、無終端チエンに対し、上記上流側のチ
エンホイールと水中のチエンホイールとの間にお
いて水圧により水流に対してほぼ直角を成すよう
に取り付けたことを特徴とする。

（実施例） 以下、図面によつて本考案に係る実施態様につ
いて説明する。

図において、符号Ａは本考案に係る水路用ごみ
除去装置を示す。この水路用ごみ除去装置Ａは水
路ａ内に設置された回転手段１と、この回転手段
１に連係されるとともに、この回転力を利用して
回転するごみ除去手段３０とによつて構成されて
いる。

上記回転手段１はチエンホイール６，６′，８
と複数の可動羽根９を備えた無終端チエン１０，
１０とから構成され、第１図及び第２図に示すよ
うに、水路ａの両側に所定間隔をもつて立設され
た支持部材２と、この支持部材２の上端の上記水
路ａ外に固定された横部材３とによつて形成され
た支持枠体４に設けられている。すなわち、横部
材３は水路ａに沿つて上流側と下流側に設けら
れ、横部材３に架設された軸５，５′のうち上流
側の軸５の両端部にはチエンホイール６が、下流
側の軸５′にチエンホイール６′がそれぞれ取着さ
れている。また、上記支持部材２の下方で、水路
ａ内の下流側の片寄り位置に架設された軸７の両
端部にもチエンホイール８が取着されている。そ
して上記チエンホイール６，６′，８には多数の
可動羽根９を取付けた無終端チエン１０が巻装さ
れている。１１は上記軸５と同軸上に取着された
チエンホイールを示し、このチエンホイール１１
は後述するごみ除去手段３０と無終端チエン４４
によつて連係されている。

上記可動羽根９を無終端チエン１０に取付ける
構成は、第４図ａ乃至ｄに示す通りである。すな
わち、この無終端チエン１０間の内側の対向する
位置にブラケツト部材１２を等間隔をもつて固定
し、このブラケツト部材１２間に、その両端に取
付金具１７を取付けた断面略Ｌ字状を有する取付
部材１３を架設し、この取付金具１７を上記ブラ
ケツト部材１２に螺子１４で固定する。そして、
取付部材１３の裏面両側の近傍に設けた一対の取
付支持部材１８に上記可動羽根９の裏面に設けた
嵌合突片１５を嵌合して螺子１６で固定する。こ
れによつて、可動羽根９は螺子１６を支点にし
て、無終端チエン１０に対してほぼ倒伏する状態
から直角を少し越える状態までの範囲を回動可能
となり、上流側のチエンホイール６と水中のチエ
ンホイール８との間においては水流に対してほぼ
直角を成し、また水中のチエンホイール８と下流
側のチエンホイール６′との間においてはやや水
流に沿う角度をなし、更に水路外のチエンホイー
ル６′，６間においてはその自重によつてチエン
上に到伏する。

一方、上記回転手段１に連係されるとともに、
この回転手段１の前部に設置されるごみ除去手段
３０は、水路ａ内に没入する回転体の表面に多数
のごみ受け片３４を間隔的に設けたもので、水路
ａの両側に水路ａの底部から傾斜をもつて立設し
た支持部材３１と、この支持部材３１の下端に設
けた底部材３１ａによつて凹状の支持枠体４０が
形成され、この支持枠体４０内に回転体が設けら
れている。

回転体は支持部材３１，３１の上下部に架設さ
れた軸３２，３２′の両端部に設けられたチエン
ホイール３３，３３′とこのチエンホイール３３，
３３′に巻装された無終端チエン３５とこの無終
端チエン３５間に所定間隔に取着された多数の取
付部材４６とから構成され、さらに上記取付部材
４６の表面には等間隔をもつて多数のごみ受け片
３４が取付けられ、これによつてごみ除去手段３
０が構成されている。

取付部材４６に対するごみ受け片３４の取付け
は、第５図ａ，ｂに示すように両側の無終端チエ
ン３５間の内側の対向する位置に等間隔をもつて
設けたブラケツト部材４５，４５に取付部材４６
を架設し、その両端を螺子４７で固定する。そし
て、この取付部材４６の上面に上記ごみ受け片３
４を立設することによつて構成されている。な
お、両側の無終端チエン３５間にごみ受け片３４
を取付ける構成は、例えば両側の無終端チエン３
５間にベルト部材を適宜手段によつて取付けて、
このベルト部材の表面に多数のごみ受け片を設け
て形成したものであつてもよい。３６は上記軸３
２の一方のチエンホイール３３の外側に設けた平
歯車、３７は支持枠体４０の前部に設けた複数の
固定バー、３８はこの支持枠体４０の上部裏面に
設けたごみ樋を示す。

上記回転手段の回転力を上記ごみ除去手段３０
の回転体に伝達する伝達手段は無終端チエン４４
によつて構成されている。４１は上記支持枠体４
０の上部一側に設けたチエンホイールを示し、こ
のチエンホイール４１の軸４２と同軸上には平歯
車４３が設けられている。そして、上記チエンホ
イール４１と前記回転手段１の軸５に取着された
チエンホイール１１には無終端チエン４４が巻装
されている。また、上記平歯車４３は支持枠体４
０の上部に設けた軸３２に取着された平歯車３６
に噛合されている。

水路用ごみ除去装置Ａは上述のように構成され
ているので、まず回転手段１の無終端チエン１０
に取付けた多数の可動羽根９は水路ａ内では流水
の水圧を受ける。これによつて上流側チエンホイ
ール６と水中チエンホイール８との間の可動羽根
９は水流に対してほぼ直角をなすから、効率的に
水流エネルギーを受けることができ、上記無終端
チエン１０を強力に駆動する。

次に、この回転手段１の前部に設けたごみ除去
手段３０はその上部に設けたチエンホイール４１
が上記回転手段１の軸５に取着したチエンホイー
ル１１と無終端チエン４４を介して連係されてい
るので、これによつて上記チエンホイール４１が
回転し、且つ、チエンホイール４１の軸４２と同
軸上に設けられた平歯車４３も同様に回転する。
また、平歯車４３は軸３２に取着された平歯車３
６と噛合されているので、軸３２の回転力は回転
体に伝達され、チエンホイール３３，３３′も回
動する。そして、チエンホイール３３，３３′の
可動に伴なつて上記無終端チエン３５に取付けた
多数の取付部材４６の上面に設けたごみ受け片３
４が無終端チエン３５と同様に回動し、ごみ受け
片３４によつて水路ａ内を流れて来る木片、プラ
スチツク等のごみ類を掻き上げて水路ａの外に取
除くことができる。

なお、上記実施例では、ごみ除去手段３０には
多数のごみ受け片３４を取付けた無終端チエン３
５を巻装したものを示したが、例えば無終端チエ
ン３５に網体を張設してすくい上げるような構成
のものであつてもよい。

（考案の作用、効果） 本考案に係る水路用ごみ除去装置は、水流を利
用して回転する回転手段と、回転手段に連係され
るとともに、回転力を利用して回転するごみ除去
手段を設置した簡単な構造によつて、確実に水路
内のごみを取除くことができ、水路を清浄に保つ
ことができる。

また、上流側チエンホイールと水中チエンホイ
ールとの間の各可動羽根は水流に対してほぼ直角
をなすから、効率的に水路内の水流エネルギーを
受けて無終端チエンを強力に駆動することができ
る。

さらに、水路の外に出る部分は、水路の水面に
沿つて配置されるので、簡単にカバー等で覆うこ
ともでき、強風の影響を受けにくくしたり、いた
ずらを防止したりすることができ、装置の監視等
の頻度も最小限に抑えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る水路用ごみ除去装置の正
面図、第２図は第１図の平面図、第３図は無終端
チエンに取付けされた可動羽根の可動状態を示す
説明図、第４図ａは第２図の回転装置の要部拡大
正面図、同図ｂはその底面図、同図ｃはその右側
面図、同図ｄは同図ｂのＡ−Ａ線断面図、第５図
ａは第２図のごみ除去手段の要部拡図、同図ｂは
その右側面図である。 符号、Ａ……水路用ごみ除去装置、ａ……水
路、１……回転手段、２……支持部材、３……横
部材、４，４０……支持枠体、６，６′，８，１
１，３３，３３′，４１……チエンホイール、１
３……取付部材、３０……ごみ除去手段、３１…
…支持部材、３４……ごみ受け片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 水流を利用して回転する回転手段と、水路外か
   ら水路内にかけて配置された回転体の表面に水路
   内のごみを受けるごみ受け片を設けてなるごみ除
   去手段とを備え、上記回転手段によつて上記ごみ
   除去手段を回転させる水路用ごみ除去装置におい
   て、 上記回転手段を、上記水路外の上流側及び下流
   側位置と水路内の下流側の片寄り位置とにそれぞ
   れ配置されたチエンホイールと、上記チエンホイ
   ールに巻装された無終端チエンと、該無終端チエ
   ンに一定の間隔をおいて回動可能に取り付けられ
   た多数の可動羽根とから構成するとともに、各可
   動羽根を、無終端チエンに対し、上記上流側のチ
   エンホイールと水中のチエンホイールとの間にお
   いて水圧により水流に対してほぼ直角を成すよう
   に取り付けたことを特徴とする水路用ごみ除去装
   置。