JPH04312466A - 生体吸収性外科用フィラメント - Google Patents

生体吸収性外科用フィラメント

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JPH04312466A
JPH04312466A JP7765791A JP7765791A JPH04312466A JP H04312466 A JPH04312466 A JP H04312466A JP 7765791 A JP7765791 A JP 7765791A JP 7765791 A JP7765791 A JP 7765791A JP H04312466 A JPH04312466 A JP H04312466A
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JP
Japan
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lactic acid
lactide
mol
polymer
acid unit
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Application number
JP7765791A
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English (en)
Inventor
Norimasa Shinoda
法正 篠田
Masazo Otaguro
太田黒 政三
Shigeru Iimuro
飯室 茂
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外科手術用の結紮糸や縫
合糸等に用いられる生体吸収性外科用フィラメントに関
する。さらに詳しくは、柔軟性が改良された生体吸収性
外科用フィラメントに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野において生体内にて一定
期間の機能を果たした後、分解されて吸収される生体吸
収性材料が使われるようになってきている。生体吸収性
材料としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジオ
キサノン、トリメチレンカーボネート重合体、ポリカプ
ロラクトンおよびこれらの共重合体等の加水分解性樹脂
、あるいは、ポリ3−ヒドロキシブチレート、ポリ3−
ヒドロキシバリレート、キチンおよびキトサン等の酵素
分解性樹脂が提案され、すでに実用に供されている。
【0003】中でもポリ乳酸、ポリグリコール酸(以下
、PGAという)およびグリコール酸と乳酸との共重合
体(以下、PGLAという)は、生体内で容易に加水分
解され、その分解生成物は最終的には炭酸ガスと水とに
代謝され体外へ排出される興味ある生体吸収性材料であ
る。
【0004】生体吸収性の縫合糸として高分子量のPG
AまたはPGLAが既に実用化されており、米国のアメ
リカンサイアナミッド社やエチコン社からそれぞれDe
xon(グリコール酸単位100%)またはVicri
l(グリコール酸単位85〜90モル%,乳酸単位10
〜15%)の商品名で市販されている。
【0005】伝統的には、吸収性の外科用フィラメント
としては、腸線として知られる羊もしくは牛の腸から得
られた天然のコラーゲン物質である。この腸線はヤング
率がおよそ250〜300kg/mm2程度であり、し
たがって、十分な柔軟性を有するためモノフィラメント
の形態で提供されている。
【0006】しかしながら、腸線は天然物からつくられ
るため、品質的に均一なものを大量かつ安定的に生産す
ることが困難である。また、腸線の体内における分解速
度が患者により個人差が大きく、問題であった。
【0007】これに対し、上記のPGAまたはPGLA
は、グリコール酸や乳酸から化学合成により得られるた
め、品質的に均一なものを大量に供給可能である上に、
その生体内での分解が加水分解であるため、個人差がほ
とんどない。
【0008】しかし、これらの生体吸収性重合体の唯一
最大の欠点は、柔軟性、屈曲性に乏しいことであり、モ
ノフィラメントの形態では硬すぎて縫合糸としては適さ
ないことである。したがって、現在これらの重合体から
なる縫合糸および結紮糸等は極細な多数のモノフィラメ
ントをマルチフィラメントの編組み構造の形態に加工し
て提供されている。このことが、縫合糸および結紮糸等
の製造造行程を煩雑化、複雑化する原因となっている。
【0009】また、縫合糸および結紮糸等がマルチフィ
ラメントの編組み構造である場合、縫合糸等の表面が当
然のことながら平滑でなくなり、外科手術等に使用し結
び目をつくる際、あるいは、生体組織を通過させる際に
無視し得ない摩擦を生ずる。そのため、マルチフィラメ
ントよりなる縫合糸においては、表面の平滑性を向上さ
せるために、滑剤等を表面にコーティングすることが不
可欠とされている。
【0010】このことがさらに製造工程を複雑にするう
えにコーティング剤の安全性の問題もあり好ましくない
【0011】特公昭45−31696号公報には、α−
ヒドロキシプロピオン酸(乳酸)の単一の対掌体種の反
復単位を85〜98.5重量%と、これとは異なるアル
キルエステル基の反復単位を15〜1.5重量%とから
なる重合体からつくられる外科用フィラメントが開示さ
れている。
【0012】具体例としては、L(−)−ラクチド/D
L−ラクチド共重合体、L(−)−ラクチド/グリコリ
ド共重合体、L(−)−ラクチド/β−プロピオラクト
ン共重合体、L(−)−ラクチド/γ−ブチロラクトン
共重合体、L(−)−ラクチド/ピバロラクトン共重合
体、L(−)−ラクチド/α−ヒドロキシ酪酸、L(−
)−ラクチド/α−ヒドロキシヘプタノン酸共重合体が
開示されている。しかし、これらの共重合体から得られ
たフィラメントはいずれもその引張りヤング率(モジュ
ラス)が300kg/mm2以上であり、モノフィラメ
ントとして縫合糸に使用するにはまだ十分に柔軟である
とは言い難い。
【0013】該公報中に例示されているL(−)−ラク
チド/グリコリド(90/10)共重合体は、これらの
なかで最小のヤング率をもつフィラメントであるが、そ
の値は323kg/mm2であり、しかもその引張り強
度も小さい(19.3kg/mm2)ため、モノフィラ
メント縫合糸として使用するのには適当ではない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、柔軟性と充分な引張り強度を有する生体
吸収性外科用フィラメントを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決することを目的として鋭意検討を重ねた結果、特
定範囲の異対掌体乳酸単位をもつ乳酸系重合体と特定量
の乳酸または乳酸オリゴマーよりなる樹脂組成物を紡糸
し、延伸すると低いヤング率と高い引張り強度をもつ外
科用モノフィラメントが得られることを見出し、本発明
に到達した。
【0016】すなわち、本発明は、分子構造がL−乳酸
単位85〜98モル%とその対掌体の乳酸単位または該
対掌体の乳酸単位およびグリコール酸単位2〜15モル
%、または、D−乳酸単位85〜98モル%とその対掌
体の乳酸単位または該対掌体の乳酸単位およびグリコー
ル酸単位2〜15モル%から構成される乳酸系重合体8
0〜95重量%、および、乳酸、乳酸オリゴマーおよび
/またはラクチド5〜20重量%からなる樹脂組成物を
紡糸し、かつ、延伸してなる生体吸収性外科用フィラメ
ントである。
【0017】以下、本発明について詳しく説明する。
【0018】本発明に用いられる樹脂組成物の主成分で
ある、L−乳酸またはD−乳酸いずれかの単位85〜9
8モル%と、その対掌体の乳酸単位または該対掌体の乳
酸単位およびグリコール酸単位2〜15モル%とから構
成される乳酸系重合体は、乳酸または乳酸とグリコール
酸の混合物の脱水重縮合により得ることができるが、好
ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、または、
該ラクチドとグリコール酸の環状二量体であるグリコリ
ドの開環重合により合成される。
【0019】ラクチドは乳酸の脱水重縮合反応およびそ
れに続く熱分解反応により容易に調製される環状二量体
である。また、グリコリドはグリコール酸の脱水重縮合
反応およびそれに続く熱分解反応により容易に調製され
る環状二量体である。
【0020】乳酸は、別名α−ヒドロキシプロピオン酸
とも呼ばれ、不斉炭素を一個もつため、L−乳酸とD−
乳酸の2種の光学異性体が存在する。また、ラクチドに
は、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、L−乳
酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸とL−乳
酸とが環状二量化したメソ−ラクチド、およびD−ラク
チドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラク
チドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いること
ができる。但し、主原料は、D−ラクチドまたはL−ラ
クチドである。
【0021】すなわち、本発明におけるL−乳酸または
D−乳酸いずれかの単位85〜98モル%と、その対掌
体の乳酸単位または該乳酸単位およびグリコール酸単位
2〜15モル%とから構成される乳酸系重合体は、■L
−ラクチドをおよそ85〜98モル%とD−ラクチドお
よび/またはグリコリドをおよそ2〜15モル%とを共
重合させる、■D−ラクチドをおよそ85〜98モル%
とL−ラクチドおよび/またはグリコリドをおよそ2〜
15モル%とを共重合させる、■L−ラクチドをおよそ
70〜96モル%とDL−ラクチドおよび/またはグリ
コリドをおよそ4〜30モル%とを共重合させる、■L
−ラクチドをおよそ70〜96モル%とメソ−ラクチド
および/またはグリコリドをおよそ4〜30モル%とを
共重合させる、■D−ラクチドをおよそ70〜96モル
%とDL−ラクチドおよび/またはグリコリドをおよそ
4〜30モル%とを共重合させる、■D−ラクチドをお
よそ70〜96モル%とメソ−ラクチドおよび/または
グリコリドをおよそ4〜30モル%とを共重合させる、
のいずれかの方法にて合成できるのである。
【0022】この乳酸系重合体は高分子量であることが
好ましく、0.5g/dlのクロロホルム溶液(25℃
)中の固有溶液粘度が3以上であることが好ましい。 さらに好ましくは4以上である。
【0023】高分子量のポリ乳酸を使用することは、本
発明において最も肝要な点の一つであり、高分子量のポ
リ乳酸を合成するには高純度のモノマー(ラクチドおよ
びグリコリド)を用いることが重要である。モノマー中
に存在し、重合の際、乳酸系重合体の重合度の生長を妨
げると考えられる不純物は、乳酸、乳酸の鎖状二量体、
グリコール酸、グリコール酸の鎖状二量体および水分で
ある。
【0024】本発明に用いられる乳酸系重合体の合成に
おいて、上記の不純物が500ppm未満、水分100
ppm未満のラクチドおよび/またはグリコリドをモノ
マーとして使用することが好ましい。
【0025】後述するように、乳酸およびグリコール酸
は、連鎖増大剤として用いられることがある。そのため
、これらが不純物として未知量ラクチドまたはグリコリ
ド中に含有されると重合度および重合速度の調節を困難
にする。
【0026】ラクチドおよび/またはグリコリドを重合
させて、短時間で高分子量の重合体を得るためには触媒
を用いるのが好ましい。このような重合触媒としては、
この重合反応に触媒効果を示す各種のものが使用できる
。例えば、公知のものとして、オクタン酸第一スズ、四
塩化スズ、塩化亜鉛、四塩化チタン、塩化鉄、三フッ化
ホウ素エーテル錯体、塩化アルミニウム、三フッ化アン
チモン、酸化鉛等の主として多価金属を含む化合物が挙
げられ、中でもスズ化合物または亜鉛化合物が好ましく
使用される。スズ化合物の中ではオクタン酸第一スズが
特に好ましい。使用量はラクチドおよび/またはグリコ
リドに対して、およそ0.001  〜0.1重量%程
度が好ましい。
【0027】また、重合の際には、公知の連鎖増大剤を
用いることができる。連鎖増大剤としては、ラウリルア
ルコール等の高級アルコール類、乳酸やグリコール酸等
のヒドロキシ酸類等が好ましく用いられる。連鎖増大剤
の共存により、重合速度が大きくなるため短時間で重合
体を得ることができる。また、連鎖増大剤の量を加減す
ることにより重合体の分子量を調節することもできる。 しかし、連鎖増大剤の量を多くしすぎると生成重合体の
分子量は小さくなる傾向にあるため、連鎖増大剤を使用
する場合には、その量はラクチドおよび/またはグリコ
リドに対して0.1重量%以下であることが好ましい。
【0028】重合には溶媒を用いても用いなくてもよい
が、高分子量の重合体を得るには、溶融状態での塊状重
合が好ましい。
【0029】重合温度は、溶融重合の場合には原則的に
はモノマーであるラクチドおよび/またはグリコリドの
融点(90℃付近)以上の温度であればよい。また、例
えばクロロホルム等の溶媒を用いる溶液重合の場合には
ラクチドおよび/またはグリコリドの融点以下の温度で
重合が可能である。いずれの場合も、250℃を越える
と生成ポリマーの分解が起こるので好ましくない。
【0030】本発明にかかる樹脂組成物は上記乳酸系重
合体と、乳酸、直鎖状乳酸オリゴマー、環状乳酸オリゴ
マーおよび/またはラクチドからなる組成物である。
【0031】乳酸オリゴマーは、50〜280℃におい
て、乳酸を加熱脱水縮合することにより容易に調製でき
る。通常の場合、この方法で得られるオリゴマーの重合
度は1〜30程度である。また、グリコリドやラクチド
を水、グリコール酸、乳酸の存在下で50〜280℃に
加熱することによっても調製することができる。なお、
本発明で言うオリゴマーには、上記乳酸系重合体の合成
時にモノマーとして用いたラクチド(乳酸の環状二量体
)も含まれる。
【0032】上記乳酸オリゴマーが混在することにより
乳酸系重合体は効果的に可塑化され、得られる樹脂組成
物は柔軟性を帯びる。該樹脂組成物中の好ましい乳酸オ
リゴマーの量は、5〜20重量%である。5重量%未満
では十分な柔軟性を得ることが困難であり、20重量%
を越えると該組成物を紡糸、延伸して得られるフィラメ
ント強度が低くなり好ましくない。
【0033】乳酸系重合体に乳酸または乳酸オリゴマー
を混合する方法には2方法、すなわち、■ラクチドまた
はラクチドとグリコリドの重合を行い、反応を完結させ
ないで未反応のラクチドを残存させる方法、■ラクチド
またはラクチドとグリコリドの重合を完結させた後、所
定量の乳酸または乳酸オリゴマー(ラクチドも含まれる
)を追加混合する方法がある。また、■と■の方法を併
用してもよい。
【0034】■の方法では未反応のラクチドが乳酸系重
合体と微視的によく混合し、良好な可塑化効果を示す。 モノマー(ラクチド)を、触媒の存在下、場合によって
は連鎖増大剤の共存下、加熱し反応を開始した後、所望
の残存モノマー濃度に到達した時点で加熱を止め反応を
停止する。生成する乳酸系重合体中の残存モノマー量は
、ガスクロマトグラフィー分析や熱重量分析により定量
することができる。
【0035】■の方法では、重合後に得られた乳酸系重
合体をクロロホルム、塩化メチレン、トルエンおよびキ
シレン等の溶媒に溶解させるか、180〜280℃に加
熱溶融させ、所定量の乳酸または乳酸オリゴマーを添加
、混合する。この方法は組成物中の乳酸または乳酸オリ
ゴマー量を容易に調節できるという利点がある。
【0036】本発明の生体内分解吸収性外科用モノフィ
ラメントは上記組成物を紡糸、延伸することにより製造
される。紡糸には通常の公知押出機が使用できる。押出
機の口金(ノズル)の口径は必要とするモノフィラメン
トの直径と、押出機の吐出速度、引き取り速度、延伸倍
率等との関係により適宜決定されるが、好ましくは口径
0.5〜3.0mm程度である。紡糸方法は溶融紡糸、
または、湿式紡糸、乾式紡糸  等の溶液紡糸等の公知
の方法が用いられる。
【0037】溶融紡糸の場合、紡糸温度は好ましくは1
80〜280℃である。180℃未満では組成物の溶融
粘度が高すぎて紡糸が困難であり、また、280℃を越
えると乳酸重合体が分解するためか、得られるフィラメ
ントの強度が低くなるため好ましくない。
【0038】溶液紡糸の場合、溶媒にはクロロホルム、
トルエン、キシレン等の溶媒が使用できる。この場合は
溶媒の沸点以下の温度にて紡糸を行なう。溶液濃度は通
常10〜30%程度が好ましい。
【0039】紡糸により得られた未延伸糸は延伸するこ
とにより、引張り強度20kg/mm2以上の強度を有
するフィラメントとなる。好ましい延伸条件は、延伸温
度が80〜210℃、延伸倍率が5〜25倍の範囲であ
る。延伸倍率が5以下であると充分な引張り強度が得ら
れない。また、25倍を越えると延伸の際にフィラメン
トが切れることがあるので好ましくない。
【0040】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の方
法を具体的に説明する。
【0041】なお、実施例中の物性値その他は以下の方
法により測定した。
【0042】残存モノマー量 重合反応終了後、反応混合物をヘキサフルオロイソプロ
パノール(以下、HFIPという)、または、塩化メチ
レンに溶解して濃度既知の溶液とし、ガスクロマトグラ
フィーにて残存モノマー量を定量した。
【0043】溶液粘度 重合体をクロロホルムに溶解し(濃度0.5g/100
ml)、ウベローデ型粘度計を用いて25±0.05℃
の恒温水槽中にて溶液粘度を測定し、固有粘度を求めた
【0044】引張強度試験 通常の引張り試験機を用いて、チャック幅20mm、ク
ロスヘッドスピード50mm/分で測定した。ヤング率
は試験の結果得られた応力−ひずみ曲線の初期直線的弾
性領域の傾きから次式により算出した。
【0045】ヤング率=(tanθ×L×C×S)/(
H×A) ただし、θは応力−ひずみ曲線の初期直線とx軸(ひず
み軸)との角度、Lはチャック間距離(mm)、Cはチ
ャートスピード(mm/分)、Sはy軸(応力軸)1目
盛りあたりの荷重(kg/mm)、Hはクロスヘッドス
ピード(mm/分)、Aはフィラメントの初期断面積(
mm2)である。
【0046】オリゴマーの重合度 オリゴマーをテトラハイドロフランまたはクロロホルム
に溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法
にて重合度分布を測定し、算出した。
【0047】調製例 試験管に入れたL−ラクチド7.2gに乳酸水溶液(濃
度87wt%)4.0gを加え、100℃において、2
時間加熱した。冷却したところ常温で粘りのある透明の
液体が得られた。平均重合度は2.9であった。以降L
Aオリゴマーと記す。
【0048】実施例1〜4、比較例1〜3市販のL−ラ
クチド(以下、L−LTDという)、D−ラクチド(以
下、D−LTDという)、DL−ラクチド(以下、DL
−LTDという)、メソ−ラクチド(以下、メソ−LT
Dという)をそれぞれ酢酸エチルにて4回再結晶して精
製した。表面をシラン処理したガラス製反応容器に表1
および表2に示す量のL−LTD、D−LTD,DL−
LTD,メソ−LTDおよび触媒としてオクタン酸第1
スズを仕込み、該容器内を減圧脱気して3日間乾燥した
【0049】反応容器を所定温度まで加熱して所定時間
重合した。反応終了後反応容器を割り、反応生成物を取
り出して粉砕した。
【0050】実施例1、2および4では、調製例で得ら
れたLAオリゴマーを添加物として、樹脂組成物中に占
める量が表1に示す量となるように添加・混合し、樹脂
組成物を得た。実施例3および比較例1〜3では何も添
加しないで樹脂組成物をとした。
【0051】それぞれの樹脂組成物を表1または表2に
示す温度で、押出機を用いて紡糸しし、モノフィラメン
トを得た。押出機のノズルの口径は2.0mmのものを
使用した。得られたモノフィラメントをさらに〔表1〕
および〔表2〕に示す温度、延伸倍率にて延伸した。延
伸後のフィラメントの引張試験の結果(引張強度、ヤン
グ率)を〔表1〕、および〔表2〕に示した。実施例で
得られたフィラメントはいずれも柔軟性に富んでいた。
【0052】次いで、実施例1において得られたモノフ
ィラメント複数本を37℃の蒸留水中に浸漬し、30日
および90日経過後の該フィラメントの25℃における
クロロホルム溶液(0.5g/100ml)の固有粘度
および重量減少率を測定した。
【0053】30日経過後の固有粘度は2.9、重量減
少は19%であり、また、90日経過後のそれらはそれ
ぞれ1.3、24%であった。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】実施例5 L−LTD47.5gのかわりに、酢酸エチルを用いて
4回再結晶して精製した市販のグリコリド2.5gおよ
びL−LTD45.0gを使用した以外は実施例1と同
様に重合を行った。
【0057】得られた反応生成物は、25℃におけるク
ロロホルム溶液(0.5g/100ml)の固有粘度が
4.3、残存ラクチドを0.9%含有する重合体であっ
た。
【0058】この重合体に調製例1で得られたLAオリ
ゴマーを10重量%添加して樹脂組成物とし、実施例1
と同様の条件で紡糸、延伸し、モノフィラメントを得た
【0059】得られたモノフィラメントの引張強度は3
1kg/mm2、ヤング率は180kg/mm2であっ
た。
【0060】
【発明の効果】本発明の生体吸収性外科用フィラメント
は柔軟性に富み、かつ、引張強度が高い。
【0061】従って、マルチフィラメントに加工するこ
となしに、モノフィラメントの形態で縫合糸または結紮
糸として用いることができる。そのため、マルチフィラ
メントでは得られない良好な表面滑り特性を有し、極め
て有用な外科用フィラメントである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子構造が、L−乳酸単位85〜98モル
    %とその対掌体の乳酸単位または該対掌体の乳酸単位お
    よびグリコール酸単位2〜15モル%、または、D−乳
    酸単位85〜98モル%とその対掌体の乳酸単位または
    該対掌体の乳酸単位およびグリコール酸単位2〜15モ
    ル%から構成される乳酸系重合体80〜95重量%、お
    よび、乳酸、乳酸オリゴマーおよび/またはラクチド5
    〜20重量%からなる樹脂組成物を紡糸し、かつ、延伸
    してなる生体吸収性外科用フィラメント。
  2. 【請求項2】乳酸系重合体のクロロホルム溶液の固有粘
    度が、25℃において3以上である請求項1記載の生体
    吸収性外科用フィラメント。
  3. 【請求項3】乳酸オリゴマーの重合度が1〜30である
    請求項1記載の生体吸収性外科用フィラメント。
  4. 【請求項4】フィラメントの引張り強度が20kg/m
    m2以上、かつ、ヤング率が250kg/mm2未満で
    ある請求項1記載の生体吸収性外科用フィラメント。
  5. 【請求項5】延伸倍率が5〜25である請求項1記載の
    生体吸収性外科用フィラメント。
  6. 【請求項6】フィラメントがモノフィラメントである請
    求項1記載の生体吸収性外科用フィラメント。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005519654A (ja) * 2001-09-05 2005-07-07 ジンテーズ アクチエンゲゼルシャフト クール ポリ(l−ラクチド−コ−グリコリド)コポリマーおよび該化合物を含有する医療用器具

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JP2005519654A (ja) * 2001-09-05 2005-07-07 ジンテーズ アクチエンゲゼルシャフト クール ポリ(l−ラクチド−コ−グリコリド)コポリマーおよび該化合物を含有する医療用器具

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