JPH0431192A - 船舶の電気防食装置 - Google Patents

船舶の電気防食装置

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JPH0431192A
JPH0431192A JP13618490A JP13618490A JPH0431192A JP H0431192 A JPH0431192 A JP H0431192A JP 13618490 A JP13618490 A JP 13618490A JP 13618490 A JP13618490 A JP 13618490A JP H0431192 A JPH0431192 A JP H0431192A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、船舶の船体、プロペラおよびプロペラ軸等
の被防食体の電食(電気化学腐食)を防止する外部電源
方式の電気防食装置に関する。
〔従来の技術〕
船舶に対する電気防食手段の−っに、流電陽極(犠牲陽
極)方式がある。
これは、船体、プロペラ、プロペラ軸、舵等の被防食体
に対して、例えば亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等
の金属から成る流電陽極を取り付けることによって強制
的に所定の陰電位を付与するものである。
この場合、被防食体の海水に対する電位には理想的な範
囲があり、その電位が被防食体の防食電位(これは防食
が働く電位のことであり、例えば鉄の場合で−785m
V)より高く(即ちプラス側に)なると電食が生じ、逆
にこれよりも大幅に低く(即ちマイナス側に)なると過
防食となってアルカリにより船体の塗膜が剥がれる等の
問題が生じる。
しかしながら、海水に対する被防食体の電位は、船舶の
走行速度等の腐食環境等の変化によって大きく変化する
が、流電陽極はその材質や大きさによってエネルギーが
決まっていて防食電流を腐食環境の変化に応じて変える
ことができないので、仮に停船中の被防食体の電位が理
想的なものになるようにしておいても走行中では電位が
それよりも高くなって防食作用が失われでしまい、逆に
走行中の電位が理想的なものになるように流電陽極を増
やすと重量が増えると共に停船中には被防食体の電位が
低くなり過ぎて過防食が起こるという問題がある。
流電陽極方式のそのような問題点を解決するものとして
、自動制御をした外部電源方式がある。
この方式の電気防食装置の従来例を第5図を参照をして
説明すると、この電気防食装置は、出力可変の直流電源
装置32と、それを制御する制御回路33と、船体21
の船底外の海水lO中に船体21から電気的に絶縁して
取り付けられた陽極34および照合電極35とを備えて
おり、直流電源装置32から陽極34に相対的に陽電位
を、船舶の船体21、プロペラ軸22、プロペラ23お
よび舵24等の被防食体に相対的に陰電位を与えて、陽
極34から海水10を通じて被防食体に防食室2iii
を供給するようにしている。36は、プロペラ軸22に
摺接されたブラシである。
しかも、照合電極35によって海水10に対する被防食
体の(より具体的にはその大部分を占める船体21の)
電位を検出して、それが所定の設定電位F!、(例えば
−900mV)に近づくように、制御回路33によって
直流電源装置32から出力する防食電流を自動的に制御
するようにしている。
このような電気防食装置によれば、腐食環境が変化して
も被防食体の電位を一定に近づけることができるので、
流電陽極の場合よりも効果的に被防食体の電食を防止す
ることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記のような電気防食装置を設けても、従来
はプロペラ23に、特にその翼根部に、壊食腐食を受け
るという現象が生じていた。
これは、従来は、電食とは別のキャビテーションによる
もので、電気防食装置でこれを抑制することはできない
と考えられていた。
これを防止するため、従来は例えば、プロペラ23の翼
根部に穴(キャビテーションホール)23aを設け、こ
れを通して、プロペラ23の水を押し出す側から水の剥
離現象を起こしやすい背面側に海水を供給するようにす
る場合もあるが、そのようにすると、■プロペラ23に
そのための穴加工が必要であり工数が増える、■キャビ
テーションホール23aをあけると強度が低下するため
プロペラ23のN根部を増厚する必要がありプロペラ効
率が悪くなる、等の別の問題が生しる。
そこでこの発明は、上記のような電気防食装置を改良し
、これによって従来不可能と考えられていたプロペラの
上記のような壊食腐食をも抑制することができるように
することを主たる目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明に係る第1の電気防
食装置は、船舶のプロペラ軸を船体から回転自在に支え
る張出し軸受の支持部に当該支持部から電気的に絶縁し
て取り付けられた陽極と、この陽極から海水を通して船
舶の船体に防食電流を供給する出力可変の第1の直流電
源装置と、船舶の船体外の海水中に船体から電気的に絶
縁して取り付けられていて船体の海水に対する電位を検
出する照合電極と、この照合電極によって検出した船体
の電位が設定電位に近づくように前記第1の直流電源装
置から出力する防食電流を制御する制御回路と、前記プ
ロペラ軸に取り付けられたプロペラと前記張出し軸受と
の間の電位差をプロペラ軸を介して検出する電位差検出
回路と、この電位差検出回路からの信号に応答して、前
記電位差が零に近づくように前記プロペラにプロペラ軸
を介して相対的に陰電位を付与し前記陽極に相対的に陽
電位を付与する出力可変の第2の直流電源装置とを備え
ることを特徴とする。
また、この発明に係る第2の電気防食装置は、船舶のプ
ロペラ軸を船体から回転自在に支える張出し軸受の支持
部に当該支持部から電気的に絶縁して取り付けられた陽
極と、この陽極から海水を通して船舶のプロペラ軸およ
びそれに取り付けられたプロペラを含む軸系に防食電流
を供給する出力可変の第1の直流電源装置と、船舶の船
体外の海水中に船体から電気的に絶縁して取り付けられ
ていて前記軸系の海水に対する電位を検出する照合電極
と、この照合電極によって検出した軸系の電位が設定電
位に近づくように前記第1の直流電源装置から出力する
防食電流を制御する制御回路と、前記張出し軸受と前記
プロペラとの間の電位差をプロペラ軸を介して検出する
電位差検出回路と、この電位差検出回路からの信号に応
答して、前記電位差が零に近づくように前記陽極に相対
的に陽電位を付与し前記張出し軸受および船体に相対的
に陰電位付与する出力可変の第2の直流電源装置とを備
えることを特徴とする。
〔作用〕
実験を重ねた結果、電気防食装置の陽極を上記のような
場所に取り付けることによって、更にプロペラと張出し
軸受との間の電位差を打ち消す電位差検出回路および第
2の直流電源装置を設けることによって、プロペラの壊
食腐食をも効果的に抑制することができた。その理由は
次のとおりである。
即ち、船舶においては、プロペラに対する相対水流速度
は他の部分に比べて極めて太き(、しかもプロペラはそ
の表面の酸化皮膜がキャビテーションや水中のごみ等で
剥がされて裸金属になるため、プロペラは他の部分に比
べてイオン化傾向が活性化しやすい(即ち動態化しやす
い)状況にある。そのため、前述したような従来の外部
電源方式の電気防食装置を設けても、船体等の電位(例
えば−900mV程度)に対してプロペラの電位が一番
高く(例えば−750mV〜−350mV程度に)なり
、このプロペラから海水を通して電位の低い方へ、例え
ばプロペラ軸を回転自在に支えている張出し軸受や船体
等の方へ電流が流れる現象が生じる。これは、プロペラ
があたかも前述した流電陽極(犠牲陽極)として働くこ
とであり、これによってプロペラが電気化学腐食を受け
る。
プロペラの壊食腐食は、従来はキャビテーションの水撃
による壊食が殆どだと考えられていたが、発明者は、種
々実験した結果、プロペラの壊食腐食は上記のような電
気化学腐食と水撃による壊食との合併であり、しかも電
気化学腐食による方が大きいことを見出した。
プロペラの電気化学腐食を抑制するには、この動態化し
やすいプロペラに十分に防食電流を陽極から海水を通し
て供給すれば良いことになるが、従来はこのような考え
がなかったため、それが陽極の取付位置にも反映されて
いなかった。例えば、従来の陽極34は、船長方向の位
置については第5図に示すようにプロペラ軸22が船体
21から出た所付近に、船幅方向の位置については第6
図に示すように船底の左右の適当な所に設けられていた
(なお、図示例はプロペラ軸22およびプロペラ23等
が二つある2軸の船舶を示すが、1軸の場合も陽極34
の位置はこれとほぼ同様である。
)。
このような場所では、陽極34に近い船体21に主とし
て防食電流iが流入し、動態化しやすいプロペラ23は
陽極34から遠いのでそれに十分に防食電流iを供給で
きる状況にはない。そのため従来は、電気防食装置を設
けていてもプロペラ23の電気化学腐食をあまり抑制す
ることはできなかった。
これに対してこの発明では、陽極を、プロペラ軸を回転
自在に支える張出し軸受の支持部に設けたので、陽極の
位置が動態化しやすいプロペラに非常に近くなり、その
結果、この陽極から海水を通してプロペラに防食電流を
十分に供給することができる。その結果、プロペラの電
気化学腐食を効果的に抑制することができるようになる
また、上記のようにしても厳密に見れば、プロペラとそ
れに一番近い張出し軸受との間に動態化の程度の差によ
り依然として電位差が存在し、これが原因でプロペラ、
特にその翼根部から張出し軸受の方へ腐食電流が流れ、
これがプロペラの翼根部の壊食腐食の原因として残る可
能性が否定できないが、この発明では、電位差検出回路
および第2の直流電源装置を更に設け、これらによって
プロペラと張出し軸受との間の電位差が零に近づくよう
にしているので、上記腐食電流が流れることを防止する
ことができる。
これらの結果、従来不可能と考えられていたプロペラの
、特にその翼根部の壊食腐食を電気防食装置によって効
果的に抑制することができるようになった。
なお、上記第1の電気防食装置は、制御回路および第1
の直流電源装置を用いて船体の電位が設定電位に近づく
ようにしているので、どちらかと言えば船体を主体にし
て電気防食を施していると言えるし、第2の電気防食装
置は、制御回路および第1の直流電源装置を用いて軸系
の電位が設定電位に近づくようにしているので、どちら
かと言うと軸系を主体にして電気防食を施していると言
えるが、いずれにしても、プロペラと張出し軸受との間
の電位差を打ち消すようにしているので、プロペラの、
特にその翼根部の壊食腐食を効果的に抑制することがで
きる。
〔実施例〕
第1図は、この発明の一実施例に係る電気防食装置を示
す概略図である。第5図の従来例と同等部分には同一符
号を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に
説明する。
プロペラ軸22は、通常は図示例のようにプロペラ23
のすぐ近くに設けられた張出し軸受25によって船体2
1から回転自在に支えられている。
そこでこの実施例では、従来例の船底に取り付けていた
陽極34に変わるものとして、陽極34aを、上記張出
し軸受25の支持部25aにそれから電気的に絶縁して
取り付けており、この陽極34aに前述した直流電源装
W(第1の直流電源装置)32から相対的に陽電位を付
与するようにしている。またこの例では、船体21およ
びそれに取り付けられた張出し軸受25に直流電源装置
32から相対的に陰電位を付与するようにしている。
更に、張出し軸受25とプロペラ23との間の電位差Δ
■をプロペラ軸22を介して検出する電位差検出回路3
8と、この電位差検出回路38からの信号に応答して、
前記電位差Δ■が零に近づくように、プロペラ23にプ
ロペラ軸22を介して相対的に陰電位を付与し前記陽極
34aに相対的に陽電位を付与する第2の直流電源装置
39とを設けている。またこの例では、舵24にも直流
電源装置39から相対的に陰電位を付与するようにして
いる。
電位差検出回路38の入力部は、具体的には、張出し軸
受25の付は根であって後述する絶縁物50で覆われた
点Pと、プロペラ軸22に摺接するブラシ37とに接続
されている。
なお、張出し軸受25は大部分は金属製であり、これと
船体21とは支持部25aの構造材を介して電気的につ
ながっているが、この張出し軸受25におけるプロペラ
軸22との摺接部には、海水中にあって潤滑油を使用す
ることができないので金属ではなく通常は樹脂系のもの
が使われており、従って張出し軸受25とプロペラ軸2
2とは、電気的には直接は接続されていない。但し、海
水10を通して液絡的には電流が流れる。
支持部25a周りの構造のより具体例を説明すると、第
2図および第3図に示すように、張出し軸受25の支持
部25aを例えばエポキシガラスのような絶縁物50で
被い(第2図中に点々を付したのがその領域である)、
その表面であってこの実施例では支持部25aの前方側
の(即ち進行方向側の)端部から左右の側方部にかけて
の部分に、三角状をした陽極34aを例えばエポキシ系
の接着剤によって貼り付けている。
この陽極34aは、例えばチタンの表面に白金をメツキ
したものである。ちなみに、前述した照合電極35は例
えば塩化銀電極である。
上記支持部25aはその取付座25bの部分で、船体2
1の船底の増厚部26に複数本の取付ボルト64(第3
図参照)によって取り付けられている。
そして、上記陽極34aに接続された給電導体52を絶
縁物50の前方の内側を通して支持部25aの根本から
引出し、これをこの実施例では取付座25bおよび増厚
部26を電気的に絶縁して貫通させたボルト56の頭部
に接続し、その接続部の周りをパテ54で覆っている。
ボルト56は、それが取付座25bおよび増厚部26を
貫通する部分の表面は、例えばガラスエポキシのような
絶縁物(図示省略)で被覆されている。また、ボルト5
6を固定するナツト58と増厚部26との間には例えば
ガラスエポキシのような絶縁物60が挟まれている。そ
してこのボルト56を給電導体62によって直流電源装
置32の陽極端子に接続するようにしている。
また、検出導体72を絶縁物50の後方の内側を通し、
その一端部を、張出し軸受25の付は根であって絶縁物
50で覆われた点Pにおいて、張出し軸受25と構造的
にかつ電気的につながっている部材に接続している。検
出導体72をこのような点Pで接続するのは、検出導体
72を海水中に露出した点で張出し軸受25に接続する
と、異種金属同士が海水に触れる所で接続されることに
なってそこに微妙な電位差が生じて外乱要因になるため
、これを避けるためである。
そして、検出導体72の他端部を支持部25aの根本か
ら引き出し、これを取付座25bおよび増厚部26を電
気的に絶縁して貫通させたボルト76の頭部に接続し、
その接続部の周りをパテ74で覆っている。このボルト
76の絶縁構造は前述したボルト56の場合と同様であ
るのでその詳細な説明は省略する。78はナツト、80
は絶縁物である。そしてこのボルト76を検出導体82
によって電位差検出回路38の入力部に接続するように
している。
陽極34aをこのように張出し軸受25の支持部25a
に設けると、前述したように、動態化しやすいプロペラ
23にそのすぐ近くから海水を通して防食電流iを十分
に供給することができるので、プロペラ23の電気化学
腐食を効果的に抑制することができる。なお、陽極34
aを張出し軸受25の支持部25aに設けても、それか
らプロペラ23以外の部分、例えば船体21、プロペラ
軸22、舵24等にも防食電流iが供給されるので、そ
れらの防食を少なくとも従来例と同程度には防止するこ
とができるのは勿論である。
また、プロペラ23と張出し軸受25との間に電位差Δ
■が存在していると、これが電位差検出回路38によっ
て検出され、直流電源装置39は、この電位差検出回路
38からの信号に応答して、前記電位差Δ■が零に近づ
くように、プロペラ23にプロペラ軸22を介して強制
的に陰電位を付与する。□その結果、プロペラ23と張
出し軸受25との間の電位差ΔVに起因してプロペラ2
3から、特にその翼根部から張出し軸受25の方へ腐食
電流が流れるのを防止することができる。
これらの結果、従来不可能と考えられていたプロペラ2
3の、特にその翼根部の壊食腐食を電気防食装置によっ
て効果的に抑制することができる。
その結果、従来のようにキャビテーションホール23a
を設けなくても、プロペラ23の寿命を大幅に延ばすこ
とができる。しかもキャビテーションホール23aを設
けない場合は、プロペラ23の加工が楽になると共に、
プロペラ23の肉厚を薄くできるのでプロペラ効率が低
下する心配もない。
なお、上記電位差検出回路38は、設定電位E0(例え
ば0を含む可変)だけ検出電圧を補正することができる
ようにしても良く、そのようにすれば、制御の仕方を少
しずらせることができるので、個々の船舶の状況等に応
じたよりきめ細かな制御が可能になる(第4図の電気防
食装置の場合も同様)。
ところで、上記電気防食装置は、制御回路33および直
流電源装置32を用いて船体21の電位が設定電位Eに
近づくようにしているので、どちらかと言うと船体21
を主体にして電気防食を施していると言える。
これに対して、第4図の電気防食装置は、制御回路33
および直流電源装置32を用いてプロペラ軸22および
プロペラ23を含む軸系の電位が設定電位上に近づくよ
うにするものであり、どちらかと言うと軸系を主体にし
て電気防食を施していると言える。
第4図の電気防食装置を、第1図の電気防食装置との相
違点を主体に説明すると、この電気防食装置においては
、前述した直流電源装置32から前記陽極34aに対し
て相対的に陽電位を付与し、プロペラ軸22およびそれ
に取り付けられたプロペラ23を含む軸系に対して相対
的に陰電位を付与するようにしている。そして、照合電
極35によって海水10に対する軸系の電位を検出して
、それが所定の設定電位上に近づくように、制御回路3
3によって直流電源装置32から出力する防食電流を自
動的に制御するようにしている。
また、前述した直流電源装置39から陽極34aに対し
て相対的に陽電位を付与し船体21、舵24および張出
し軸受25に相対的に陰電位を付与するようにすると共
に、プロペラ23と張出し軸受25との間の電位差Δ■
を前記と同様にして電位差検出回路38によって検出し
、この電位差Δ■が零に近づくように直流電源装置39
からの出力を制御するようにしている。
第4図の電気防食装置の場合も、プロペラ23と張出し
軸受25との間の電位差ΔVを打ち消すようにしている
ので、第1図の電気防食装置の場合と同様、プロペラ2
3の、特にその翼根部の壊食腐食を効果的に抑制するこ
とができる。
また、第1図、第4図いずれの電気防食装置の場合も、
陽極34aを従来例のように船底ではなく張出し軸受2
5の支持部25aに設けることで、浸水の危険性を軽減
できるという効果も得られる。
即ち、従来の陽極34の取付構造は、第7図に示すよう
に、皿状をした絶縁物40の先に陽極34を取り付ける
と共に絶縁物40に穴のあいたボルト42の頭部を埋め
込み、このボルト42を船体21の船底にあけた穴に通
してナツト44で固定するものである。そして、前記直
流電源装置32につながる給電導体46であって絶縁被
覆されたものをボルト42の穴を通して陽極34に接続
している。
ところが、この船底外に突き出した陽極34および絶縁
物40には流木等の浮流物が当たる危険性があり、当た
った場合、ボルト42が切断される等して浸水する危険
性がある。この浸水の危険性を少なくするために、図示
例のように船内側においてボルト42の周りをダムと呼
ばれる箱48で覆う場合もあるが、そのようにしても船
底外板はあまり強度が高くないので、万全ではなく、ま
た構造も複雑化する。
これに対して、上記のように陽極34aを張出し軸受2
5の支持部25aに取り付ければ、従来例のように取付
用の穴を船底にあけなくて済むので、余計な浸水の危険
性はなくなる。給電用のボルト56を取付座25bおよ
び増厚部26の部分を貫通させるとしても、その頭部を
この実施例のように取付座25b内に埋め込めば良いの
で、ボルト56に浮流物が当たって浸水する危険性はな
い、検出側のボルト76についても同様である。
また、上記のように陽極34aを張出し軸受25の支持
部25aに取り付けると、浮流物が第2図中矢印Aのよ
うに下から上がって来ても、プロペラ軸22がガードす
る格好になるので、浮流物によって陽極34aが損傷を
受ける可能性が少なくなり、陽極34aの長寿命化を図
ることができるという効果も得られる。従来例の陽極3
4は、プロペラ軸22とは関係のない場所に設けられて
いたので、プロペラ軸22による上記のようなガードの
効果は期待できない。
また、上記実施例のように給電用のボルト56を設ける
代わりに、張出し軸受25の取付座25bを船体21に
取り付ける前述した複数本の取付ボルト64の内の1本
を、例えば第3図中に示す取付ポル)64aを他から電
気絶縁しくその絶縁構造は例えばボルト56の場合と同
様である)、この取付ポル)64aを陽極34aに対す
る給電に兼用しても良(、そのようにすれば、陽極34
aに対する給電用として船体21に別に穴をあける必要
がなくなるので、浸水の危険性を一層小さくすることが
できる。検出側のボルト76についても同様であり、そ
れを設ける代わりに、例えば第3図中に示す取付ポルl
−64bを他から電気絶縁することでこれを兼用しても
良い。
また、陽極34aは、張出し軸受25の支持部25aの
後方部に設けた方がプロペラ23により近くなるが、船
舶が高速になると支持部25aの後方部には水泡ができ
て海水10の電気抵抗が増大して防食電流iが流れにく
くなるので、この実施例のように支持部25aの少なく
とも前方側の端部から左右の側方部にかけての部分に設
けるのが好ましく、そのようにすれば防食電流iを安定
して供給することができる。また、支持部25aを帯状
に取り巻くように陽極34aを設けても良い。
なお、この発明は、プロペラ軸22およびプロペラ23
等が二つある2軸の船舶に限らず、それらが一つの1軸
の船舶にも勿論適用することができる。
〔発明の効果〕
この発明は、上記のとおり構成されているので、次のよ
うな効果を奏する。
即ち、電気防食装置の陽極を、船舶のプロペラ軸を船体
から回転自在に支える張出し軸受の支持部に当該支持部
から電気的に絶縁して取り付け、更にプロペラと張出し
軸受との間の電位差を打ち消す電位差検出回路および第
2の直流電源装置を設けることによって、プロペラの電
気化学腐食を効果的に抑制することができ、これによっ
て、従来不可能と考えられていたプロペラの、特にその
翼根部の壊食腐食を電気防食装置によって効果的に抑制
することができる。
その結果、従来のようにキャビテーションホールを設け
なくてもプロペラの寿命を大幅に延ばすことができる。
しかもキャビテーションホールを設けない場合は、プロ
ペラの加工が楽になると共に、プロペラの肉厚を薄くで
きるのでプロペラ効率が低下する心配もない。
しかも上記構成によれば、従来例のように陽極取付用の
穴を船底にあけなくて済むので、浸水の危険性を小さく
することができるという効果も得られる。
更に、浮流物に対してプロペラ軸が陽極をガードする格
好になるので、浮流物によって陽極が損傷を受ける可能
性が少なくなり陽極の長寿命化を図ることができるとい
う効果も得られる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、この発明の一実施例に係る電気防食装置を示
す概略図である。第2図は、第1図の張出し軸受周りを
拡大して示す図である。第3図は、第2図の張出し軸受
の支持部および取付座の部分を下から見上げた図である
。第4図は、この発明の他の実施例に係る電気防食装置
を示す概略図である。第5図は、従来の電気防食装置の
一例を示す概略図である。第6図は、第5図の船舶を後
方側から見た図である。第7図は、第5図の陽極周りを
拡大して示す断面図である。 10・・・海水、21・・・船体、22・・・プロペラ
軸、23・・・プロペラ、25・・・張出し軸受、25
a・・・支持部、32・・・第1の直流電源装置、33
・・・制御回路、34a・・・陽極、35・・・照合電
極、38・・・電位差検出回路、39・・・第2の直流
電源装置、 50・・・ 絶縁物。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)船舶のプロペラ軸を船体から回転自在に支える張
    出し軸受の支持部に当該支持部から電気的に絶縁して取
    り付けられた陽極と、この陽極から海水を通して船舶の
    船体に防食電流を供給する出力可変の第1の直流電源装
    置と、船舶の船体外の海水中に船体から電気的に絶縁し
    て取り付けられていて船体の海水に対する電位を検出す
    る照合電極と、この照合電極によって検出した船体の電
    位が設定電位に近づくように前記第1の直流電源装置か
    ら出力する防食電流を制御する制御回路と、前記プロペ
    ラ軸に取り付けられたプロペラと前記張出し軸受との間
    の電位差をプロペラ軸を介して検出する電位差検出回路
    と、この電位差検出回路からの信号に応答して、前記電
    位差が零に近づくように前記プロペラにプロペラ軸を介
    して相対的に陰電位を付与し前記陽極に相対的に陽電位
    を付与する出力可変の第2の直流電源装置とを備えるこ
    とを特徴とする船舶の電気防食装置。
  2. (2)船舶のプロペラ軸を船体から回転自在に支える張
    出し軸受の支持部に当該支持部から電気的に絶縁して取
    り付けられた陽極と、この陽極から海水を通して船舶の
    プロペラ軸およびそれに取り付けられたプロペラを含む
    軸系に防食電流を供給する出力可変の第1の直流電源装
    置と、船舶の船体外の海水中に船体から電気的に絶縁し
    て取り付けられていて前記軸系の海水に対する電位を検
    出する照合電極と、この照合電極によって検出した軸系
    の電位が設定電位に近づくように前記第1の直流電源装
    置から出力する防食電流を制御する制御回路と、前記張
    出し軸受と前記プロペラとの間の電位差をプロペラ軸を
    介して検出する電位差検出回路と、この電位差検出回路
    からの信号に応答して、前記電位差が零に近づくように
    前記陽極に相対的に陽電位を付与し前記張出し軸受およ
    び船体に相対的に陰電位付与する出力可変の第2の直流
    電源装置とを備えることを特徴とする船舶の電気防食装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006015421A1 (en) * 2004-08-11 2006-02-16 Vector Marine Pty Ltd Developments relating to corrosion protection
CN107672770A (zh) * 2017-11-01 2018-02-09 中国人民解放军海军工程大学 一种舵防腐蚀电极的安装结构
CN116829964A (zh) * 2023-04-24 2023-09-29 广东逸动科技有限公司 确定水域推进器与电池组对应关系的方法、水域推进器

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