JPH0430922Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、自動車などのシート構造、詳しく
は、シートクツシヨンフレームの取付部に、クツ
シヨンパツド材を支持するためのばね体または支
持板のいずれもが取り付け可能であるシート構造
に関するものである。

〔従来の技術および考案が解決しようとする課題〕

一般に、自動車シートは、車の特性、車格また
は仕向地などに応じてシートの乗心地を替えてい
るために、シート構造が多種類となる場合が多
い。上記シート構造は、たとえば、クツシヨンパ
ツド材をジグザグばねで支持するばね形式（実公
昭57−24209号公報参照）、または、クツシヨンパ
ツド材を金属製の板で支持する支持板形式に大別
でき、上記ばね形式および支持板形式に対応し
て、シートクツシヨンフレームも多種多様になつ
ているのが現状である。このため、上記各形式に
応じたシートクツシヨンフレームを製造する必要
があり、多種類のシートクツシヨンフレームを使
い分ける煩わしさも重なつて生産性が低下すると
いう欠点がある。

この考案は上記従来の欠点を解消するためにな
されたもので、１種類のシートクツシヨンフレー
ムでばね形式および支持板形式に対応でき、これ
により、生産性の向上を図ることができるシート
構造を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この考案に係るシート構造は、シートクツシヨ
ンフレームの取付部に、クツシヨンパツド材を支
持するためのばね体または支持板のいずれか一方
が取り付けられてなるシート構造であつて、上記
シートクツシヨンフレームに上記ばね体のフツク
部、および上記支持板の係止孔が係止可能な爪を
立設したものである。

〔作用〕

この考案によれば、ばね体のフツク部、および
支持板の係止孔が係止可能な爪をシートクツシヨ
ンフレームに立設するようにしたので、上記フツ
ク部、または、上記係止孔の係止後に上記爪を折
り曲げることにより、上記ばね体または上記支持
板のいずれか一方をシートクツシヨンフレームに
選択的に取り付けることができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図はこの考案の一実施例であるシート構造
を示す分解斜視図であり、図において、１は金属
製のシートクツシヨンフレームであり、矢印Ａで
示す左右方向の両側部１ａ，１ｂには、互いに対
向した一対の爪２，３が複数組設けられている。
上記爪２，３は、側部１ａ，１ｂの各上端面に対
してそれぞれ直角方向に立設されており、ジグザ
グ状のばね体４の各フツク部５，６がそれぞれ係
止可能となつている。

一方、支持板１０は、上記シートクツシヨンフ
レームの中空部１１に向けて凸となるように窪ん
だシート受け面１０ａを有しており、上記シート
受け面１０ａの左右方向Ａの両側方には、上記爪
２，３に個別に対応した一対の係止孔１２，１３
が複数組設けられている。上記係止孔１２，１３
の各外端部１２ａ，１３ａ間の距離ｄ１は、上記
爪２，３の対向距離ｄ２よりも僅かに大きく設定
されており、上記爪２，３が係止孔１２，１３に
挿通した状態で、支持板１０がシートクツシヨン
フレーム１に嵌め込まれている。

また、上記支持板１０の前後方向Ｂの両端部に
は、複数の嵌合孔８がそれぞれ穿設されており、
シートクツシヨンフレーム１の両端部１ｃ，１ｄ
には、上記嵌合孔８に対応した複数の嵌合孔７が
それぞれ穿設されている。上記支持板１０がシー
トクツシヨンフレーム１に嵌め込まれた状態で、
上記各嵌合孔７，８が互いに一致するようになつ
ている。

上記構成において、ばね形式のシート構造を作
成するにあたつては、まず、第２図のように、各
爪２，３にばね体４のフツク部５，６をそれぞれ
係止し、その後、第３図の仮想線Ｎのように上記
爪２，３の各先端を互いに離間する方向へ折り曲
げて、ばね体４をシートクツシヨンフレーム１に
取り付ける。

これに対して、支持板形式のシート構造を作成
するにあたつては、まず、第４図のように、シー
トクツシヨンフレーム１上に支持板１０を覆つて
各爪２，３を係止孔１２，１３に挿通させ、シー
トクツシヨンフレーム１に支持板１０を嵌め込
む。その後、爪２，３の各先端を、上記ばね形式
の場合と同様、第５図の仮想線Ｍのように折り曲
げ、第４図に示す支持板１０の左右方向Ａの両側
部１０ａ，１０ｂをシートクツシヨンフレーム１
に固定する。さらに、第６図のシートクツシヨン
フレーム１および支持板１０の各嵌合孔７，８
に、スクリユーまたはプラスチツクタツカーなど
の止め片１４をそれぞれ圧入し、第４図に示す支
持板１０の前後方向Ｂの両端部１０ｃ，１０ｄを
シートクツシヨンフレーム１に固定する。これに
より、シートクツシヨンフレーム１に対する支持
板１０の固定強度がさらに高められる。

このように、第１図のばね体４または支持板１
０のいずれか一方を選択してシートクツシヨンフ
レーム１に取り付け、その後、クツシヨンパツド
材（図示せず）をばね体４または支持板１０に乗
載することにより、一種類のシートクツシヨンフ
レーム１を用いて２種類のシート構造を得ること
ができる。したがつて、従来のようにシート構造
の種類に応じて複数種類のシートクツシヨンフレ
ームを製造したり、また、シートクツシヨンフレ
ームを使い分ける煩わしさも解消されるので、生
産性が著しく向上される。

さらに、第４図の支持板１０は、爪２，３によ
りシートクツシヨンフレーム１に固定されるた
め、第６図の止め片１４による支持板１０とシー
トクツシヨンフレーム１との固定作業は必らずし
も必要でなくなり、作業時間の短縮が図られる。

上記支持板１０の材料は、従来のような金属材
料に限定されず、たとえば、合成樹脂材料であつ
てもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、ばね
体または支持板のいずれをもシートクツシヨンフ
レームに選択的に取り付けることができるので、
シートクツシヨンフレームに互換性が生じ、これ
により、生産性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の分解斜視図、第
２図はばね体を取り付けた状態を示す斜視図、第
３図は第２図の−線に沿つた縦断面図、第４
図は支持板を取り付けた状態を示す斜視図、第５
図は第４図の−線に沿つた縦断面図、第６図
は第４図の−線に沿つた縦断面図である。 １……シートクツシヨンフレーム、２，３……
爪、４……ばね体、５，６……フツク部、１０…
…支持板、１２，１３……係止孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向する両側部に複数の係止爪をほぼ垂直に突
   設した金属製の枠体からなるシートクツシヨンフ
   レームと、このフレームに載置されて上記各係止
   爪に係合される係止孔をもつたクツシヨンパツド
   材の支持板と、上記フレームの対向する各係止爪
   に係合されるフツク部を両端部にもつたクツシヨ
   ンパツド材の支持ばね体とを具備し、上記支持板
   と支持ばねのいずれか一方を上記シートクツシヨ
   ンフレームに装着し、上記各係止爪の先端部を互
   いに離間方向へ折り曲げて係止したことを特徴と
   するシート構造。