JPH04307095A - 乾燥装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は乾燥装置に関し、特に電
磁波を用いた乾燥装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】以下従来の衣類を乾燥する乾燥機につい
て図面を基にして説明する。

【０００３】図２において、６は乾燥すべき衣類５が入
れられたドラムであり、外部ヒータ７によって加熱され
るようになっている。前記ドラム６は保温用の断熱材８
を有している。上記構成においてドラム６が回転するこ
とによって衣類５を攪拌し、乾燥を行う。そして濡れた
衣類から蒸発した蒸気は放出口（図示していない）から
放出される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで従来の乾燥機
は、外部ヒータ７の熱を空気を介在してドラム６に伝達
してドラム６を加熱する間接加熱方式のため、大きな電
力を必要とする欠点があった。たとえば容積１０ｌのド
ラム乾燥機の場合、１２５０Ｗが必要であった。

【０００５】本発明はこのような欠点を解決するもので
、小さな電力量で、すばやい乾燥を可能にする乾燥装置
を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
の本発明の乾燥装置は、少なくとも強誘電性結晶を析出
しうる結晶化ガラスを含むガラスを被覆した容器（衣類
乾燥機の場合はドラム）を具備し、前記容器に電磁波を
照射して前記容器を加熱するようにしたものである。

【０００７】

【作用】この構成において、ドラムが効率よく電磁波を
吸収して直接加熱されるので、小さな電力でしかも短い
時間で乾燥ができることとなる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の一実施例の乾燥装置について図
面を基にして説明する。ガラスの誘電率は一般にＰｂＯ
やＢａＯの成分によって増加することが知られている。 たとえばホウケイ酸ガラス（商品名：パイレックス）の
誘電率は室温、１ＭＨｚ（以下同様の測定条件で示す）
で４．８にすぎないが、バリウムホウケイ酸ガラスは５
．２、ソーダ鉛ガラスでは８．２、カリ鉛ガラスでは９
．６にもなる。さらに誘電率を上げようとすれば誘電率
の大きな結晶をガラス中に析出させればよい。すなわち
誘電率の大きな結晶を生成しうる成分（たとえばＰｂＴ
ｉＯ３を生成させるにはＰｂＯ，ＴｉＯ２）を含み、さ
らにガラス形成成分（Ａｌ２Ｏ３，ＳｉＯ２，Ｂ２Ｏ３
等）を加えたガラスバッチを容融し、急冷した後、加熱
結晶化処理を行うものである。

【０００９】本実施例に利用しうる強誘電性結晶を析出
しうるガラス組成についてはすでに多くの研究例が公知
である。たとえばＰｂＴｉＯ３が析出するガラス組成の
例としてＰｂＯ−ＴｉＯ２−Ａｌ２Ｏ３−ＳｉＯ２系ガ
ラス（Ｔ．Ｋｏｋｕｂｏ，窯業協会誌，７７（１９６９
）２９３）、ＰｂＯ−Ｂ２Ｏ３−ＴｉＯ２系ガラス（Ｃ
．Ｇ．Ｂｅｒｇｅｒｏｎ，Ｊ．Ａｍ．Ｃｅｒａｍ．Ｓｏ
ｃ．，４８　（１９６５）　１１５）、ＰｂＯ−ＴｉＯ
２−ＳｉＯ２−Ｂ２Ｏ３（ｏｒ　Ｎａ２Ｏ）系ガラス（
Ｆ．Ｗ．Ｍａｒｔｉｎ，Ｐｈｙｓ．Ｃｈｅｍ．Ｇｌａｓ
ｓｅｓ，　６　（１９６５）１４３）、ＰｂＯ−ＴｉＯ
２−ＢａＯ−Ｂ２Ｏ３系ガラス（Ｊ．Ｏ．Ｉｓａｒｄ，
Ｊ．Ａｍ．Ｃｅｒａｍ．Ｓｏｃ．，５２　（１９６９）
２３０）がある。

【００１０】なお当然ながらこれらの組成に微量酸化物
（ＺｒＯ２，ＳｒＯ，ＣａＯ，Ｍｎ２Ｏ３等）を添加し
て誘電率や、キュリー点（誘電率が最大になる温度）を
制御したりする事も可能である。この点に関してはすで
にセラミックコンデンサにおいて多数の研究例がある。

【００１１】またたとえば米国特許４３８２９３号には
ＰｂＯ−ＴｉＯ２−Ａｌ２Ｏ３−ＳｉＯ２系ガラスから
得られるＰｂＴｉＯ３が析出したガラスセラミック、特
公昭３９−２０１６９号にはＢａＯ−ＴｉＯ２−Ａｌ２
Ｏ３−ＳｉＯ２系ガラスから得られるＢａＴｉＯ３が析
出したガラスセラミック、特公昭４１−４９９０号には
ＢａＯ−Ｎｂ２Ｏ５−Ｎａ２Ｏ−ＳｉＯ２系ガラスから
得られるＮａＮｂＯ３および（または）ＢａＮｂ２Ｏ６
が析出したガラスセラミック、特公昭４７−８３６号に
はＡｌ２Ｏ３−Ｎｂ２Ｏ５−Ｔａ２Ｏ５−Ｌｉ２Ｏ−Ｓ
ｉＯ２系ガラスから得られるＬｉＴａＯ３が析出したガ
ラスセラミックが開示されている。しかしながらこられ
の従来例はキャパシタ，エレクトロルミネセンスセル、
抵抗器等への応用を意図したもので、未だ乾燥装置に応
用することは言及されていない。

【００１２】さて誘電体の誘電率εと発熱量Ｊには次の
関係がある。 Ｊ＝ｃｆＥ２εｔａｎδ ここでｃは定数、ｆは周波数（たとえば民生用電子レン
ジの場合は２．４５ＧＨｚ）、Ｅは電界強度、ｔａｎδ
は誘電損失である。一定の条件のもとではｃｆＥ２は定
数と見なせるので、Ｊはεとｔａｎδに比例する。一般
に誘電体材料は誘電率が高いものは誘電損失も高く、発
熱体としては好都合になる。

【００１３】本実施例では、５５．９％ＢａＯ−２５．
０％ＴｉＯ２−２．７％Ａｌ２Ｏ３−１２．５％ＳｉＯ
２−２．１％ＭｇＯ−１．８％Ｂ２Ｏ３（ｗｔ％）の組
成になるように各種原料を混合し、白金坩堝中で１４０
０℃、１２０分溶融した後、ローラーカレッターで急冷
した。 次に平均粒径３μｍになるまで粉砕機で粉砕した。これ
とアルコールと少量の水を加えてボールミルで１２時間
粉砕して電着液をつくった。この電着液に容積１０ｌの
ドラム（材質はＳＵＳ４３０）を浸漬し、ドラムを陰極
、ＳＵＳ４３０板を陽極として１００Ｖ／ｃｍの電界強
度で電着すると、ガラス粒子が厚み約２００μｍ付着し
た。このドラムを電着液からひきあげ、電気炉にいれ１
００℃で乾燥した後、５℃／分で９００℃まで上昇し、
９００℃で４時間保護後、炉中で放冷した。析出した結
晶はＢａＴｉＯ３であった。

【００１４】このドラムを用いて図１に示すような乾燥
機を構成した。ここで１は乾燥すべき濡れた衣類、２が
ドラム、３が電磁波発生用のマグネトロン、４が断熱材
を入れた電磁波遮蔽板である。ドラム２は回転すること
によって衣類１を攪拌し、乾燥を早めようとしている。 濡れた衣類１から蒸発した蒸気は放出口（図示していな
い）から放出される。マグネトロン３として市販の電子
レンジ（高周波出力５００Ｗ）に使用されているものを
使用した。濡れた衣類１として通常の洗濯，脱水をした
成人男子のシャツ５枚をいれ、乾燥実験したところ、約
１５分で乾燥が終了した。

【００１５】一方従来の図２の従来の乾燥機で同じシャ
ツを乾燥した場合約３０分を必要とした。使用した電力
量を比較すると、実施例の乾燥機では５００×０．２５
＝１２５Ｗｈであるが、従来の乾燥機では１２５０×０
．５＝６２５Ｗｈであった。すなわち本実施例の乾燥機
では従来の乾燥機のわずか２割の電力量で乾燥できたこ
とになる。また乾燥時間も半分でありすばやい乾燥が可
能となった。この理由は本実施例の乾燥機は、ドラムが
効率よく電磁波を吸収して直接加熱されるのに対して、
従来の乾燥機は、ドラム内の濡れた衣類が空気を介在し
て間接加熱されることによるものである。

【００１６】なお実施例ではＢａＴｉＯ３を析出させた
例を代表的に述べたが、ＰｂＴｉＯ３，ＮａＮｂＯ３お
よびＢａＮｂ２Ｏ６，ＬｉＴａＯ３の少なくとも一方を
析出し得るガラスセラミックでも同様にできることは言
うまでもない。これらの結晶はいずれもペロブスカイト
と呼ばれる一群である。この場合ガラス組成および析出
する誘電体の種類によって、ガラスセラミックの誘電率
が変化し、加熱状態も変化する。しかし、電磁波を効率
よく吸収して発熱することはいずれも同じで有り、イン
バータによりマグネトロンの周波数あるいはパワーを調
整することによって加熱状態を調節できる。

【００１７】また本実施例の乾燥装置は衣類の乾燥のみ
ならず、産業分野，民生分野における様々ものの乾燥に
応用できることはいうまでもない。

【００１８】

【発明の効果】以上の実施例の説明により明らかなよう
に本発明の乾燥装置によれば小さな電力量で、すばやい
乾燥を可能にする。特に衣類の乾燥に使用した場合、従
来の２割の電力量で乾燥でき、また乾燥時間も半分にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の乾燥装置の構成の概念を示
す断面図

【図２】従来の乾燥装置の構成の概念を示す断面図

【符号の説明】

１　　　　衣類（乾燥すべき物） ２　　　　ドラム（容器） ３　　　　マグネトロン ４　　　　電磁波遮蔽板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　乾燥すべき物を入れる少なくとも強誘
   電性結晶を析出しうる結晶化ガラスを含むガラスを被覆
   した乾燥すべき物を入れる容器を具備し、前記容器に電
   磁波を照射して前記容器を加熱する手段を有する乾燥装
   置。
2. 【請求項２】　　強誘電性結晶がペロブスカイト型の結
   晶構造を有する請求項１記載の乾燥装置。