JPH04306007A - 自動車用多周波共用アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、放送波受信用アンテナ
素子と電話波送受信用アンテナ素子とを、自動車のルー
フ上に一体的に取付けるようにした自動車用多周波共用
アンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】周知の如く、放送波のうち振幅変調方式
の放送波（ＡＭ波）は垂直偏波であり周波数変調方式の
放送波（ＦＭ波）は水平偏波（諸外国では水平偏波のほ
か垂直偏波，円偏波を用いる例もある）である。電話波
（ＭＴ波）は垂直偏波である。なお垂直偏波は水平面に
対して無指向性を有し、鉛直面に対して指向性を有して
いる。従って放送波受信用アンテナ素子と電話波送受信
用アンテナ素子とは機能上は本来別個に取付けられるこ
とが望ましい。

【０００３】かくして従来はＡＭ／ＦＭ波受信用アンテ
ナ素子は鉛直方向に対して所定角度傾斜して取付けられ
、ＭＴ波送受信用アンテナ素子は別の場所に鉛直方向を
向くように垂直に取付けられていた。

【０００４】しかし、両アンテナ素子を車体に対して別
個に取付けると、車体の複数箇所にアンテナ取付部（孔
）を設けなければならず、煩雑な加工処理を要する上、
車体デザイン上の美観を損うという問題があった。

【０００５】車体に複数本のアンテナ素子を設ける場合
の美観上の不具合およびアンテナ取付部（孔）架設に伴
なう車体への新たな加工処理を避けるべく、放送波受信
用アンテナ素子と電話波送受信用アンテナ素子とを一体
化するようにした自動車用三波共用アンテナは公知であ
る。

【０００６】図２は従来の自動車用三波共用アンテナの
構成を示す略式断面図である。図のように、垂直偏波で
送受信を行なうべく電気長Ｌ１（電話波の波長λの１／
４）の電話波送受信用アンテナ素子１が車体上面に鉛直
方向を向くように設けられている。このアンテナ素子１
の頂部には、電話波阻止用トラップ回路２を介して導電
素子３が直列に接続されている。この導電素子３は主と
して水平偏波で送信されている放送波を有効に受信する
ために、鉛直方向に対して所定角度だけ傾斜して取付け
られている。この傾斜した導電素子３と、前記電話波送
受信用アンテナ素子１とをもって電気長Ｌ２の放送波受
信用アンテナ素子４を構成している。電話波送受信用ア
ンテナ素子１の電気長Ｌ１は、通常の場合、電話波長λ
の１／４に設定されている。

【０００７】上記両アンテナ素子１，４に受信される電
話波および放送波は、両アンテナ素子１，４の共通の給
電部５に接続されているハイパスフィルタ６およびロー
パスフィルタ７からなる分波器８によって電話波信号と
放送波信号とに分波される。９は分波器ケース（シール
ドケース）であり、自動車のルーフＲの内面に固定され
ている。分波された電話波信号は電話波用給電ケーブル
１０を通して電話機セット１１へ、また放送波信号は放
送波用給電ケーブル１２を通してラジオ受信セット１３
へ、それぞれ入力されるしくみになっている。なお電話
機セット１１から出力された電話波信号は、ケーブル１
０，フィルタ６を介してアンテナ素子１へ供給される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記した自動車用三波
共用アンテナは、両アンテナ素子１，４が一体化されて
いるため、取付部（孔）は単純化される。しかし次のよ
うな問題があった。

【０００９】元来、設置スペースが殆どないルーフ内面
の狭小空間内に分波器８を設置する必要があるため、設
置スペースを確保することが極めて困難である。ともす
ればルーフ内面に見苦しい突出部が現出することになる
。また分波器８を確実にアースをとりながら車体内部に
取付けるためには多大な工数を要する上、取付後の信頼
性も低かった。つまり取付けビス等を使用できないので
、接着による方法等を用いる必要があり、耐熱性に乏し
い等の問題があった。

【００１０】また電気長がλ／４という水平面内マイナ
ス利得のアンテナ素子１を用いているのに加え、分波器
８のハイパスフィルタ６による電話波損失が無視できな
かった。また、電話波と放送波との分離度（Ｉｓｏｌａ
ｔｉｏｎ　）を効果的に得るために、ローパスフィルタ
７を数段に分けて設ける等の必要があり、ここでの損失
も問題であった。

【００１１】そこで本発明の目的は、放送波の受信を良
好に行なえると共に電話波の送受信を感度よく行なえる
のは勿論、アンテナ取付部（孔）の単一化を維持でき、
車体に対し新たに格別の加工を施すことなく、放送波受
信用アンテナ素子と電話波送受信用アンテナ素子とを一
体的に取付けることができ、さらに自動車のルーフ内面
に分波器収容スペースを確保する必要が全くなく、しか
も電話波損失も少なく加えて放送波受信用アンテナ素子
および電話波送受信用アンテナ素子の単独使用等が可能
な自動車用多周波共用アンテナを提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、本発明においては次のような手段を講
じた。

【００１３】（１）自動車のルーフ上に設けた取付孔に
対して底部を取付け固定される中空状の単一のアンテナ
取付基体と、このアンテナ取付基体に鉛直方向に対して
所定角度傾斜して取付けられる放送波受信用アンテナ素
子と、この放送波受信用アンテナ素子とは分離された状
態で前記アンテナ取付基体に鉛直方向を向くように取付
けられる電話波送受信用アンテナ素子と、上記放送波受
信用アンテナ素子および電話波送受信用アンテナ素子の
各給電部に各一端をそれぞれ独立に接続され、各他端を
前記取付基体の底部から前記取付孔を通して車体内へ導
かれる放送波用給電ケーブルおよび電話波用給電ケーブ
ルと、を備えるようにした。

【００１４】（２）放送波受信用アンテナ素子の電気長
を、電話波の１／４波長の奇数倍に設定すると共に、前
記アンテナ取付基体の中空部内において上記アンテナ素
子の基端部と放送波用給電ケーブルとの間に介在する如
く、電話波阻止用のトラップ手段を設けるようにした。

【００１５】（３）アンテナ取付基体の内面または外面
に、放送波受信用アンテナ素子と電話波送受信用アンテ
ナ素子との干渉を防止するためのシールド処理を施すよ
うにした。

【００１６】（４）放送波受信用アンテナ素子および電
話波送受信用アンテナ素子を、アンテナ取付基体に対し
てそれぞれ着脱自在に取付けるようにした。

【００１７】

【作用】上記手段を講じた結果、次のような作用が生じ
る。

【００１８】放送波受信用アンテナ素子と電話波送受信
用アンテナ素子とがアンテナ取付基体に対して分離され
た状態で設置され、かつ放送波用給電ケーブルと電話波
用給電ケーブルとが独立に接続されるので、放送波の受
信を良好に行なえる上、電話波の送受信を感度よく行な
える。また車体へのアンテナ取付けに際しては、単一の
アンテナ取付基体を、自動車のルーフ上の取付孔に対し
て取付け固定すればよい。従って車体に対し新たに格別
の加工を施すことなく、前記両アンテナ素子の取付けを
行なえる。さらに放送波と電話波とを各々単独に処理で
きるので分波器が不要となる。このため自動車ルーフの
内面に分波器収容スペースを確保する必要がなく、分波
器のアース取付け工事等が一切不要となる。しかも分波
器内のハイパスフィルタ等による電話波の損失がなくな
り、効率のよい送受信が可能となる。さらに放送波受信
用アンテナ素子および電話波送受信用アンテナ素子は取
付基体に対し着脱自在に取付けられるので、各アンテナ
素子の一方のみを取付けて使用することも可能であり、
またカーウォッシング時等においては両アンテナ素子を
全部取外した状態で洗浄することが可能となる。

【００１９】

【実施例】図１は本発明の一実施例に係る自動車用多周
波共用アンテナの構成を一部切断して示す側面図である
。同図において、２０はアンテナ取付基体であり、絶縁
性の樹脂で形成された中空保持体２１の底部開口端を、
金属製のグランドベース２２で蓋をした構造を有してい
る。なお中空保持体２１の内面には、放送波と電話波の
分離度（Ｉｓｏｌａｔｉｏｎ　）を効果的に得るための
シールド部材２１ａが設けられている。グランドベース
２２の外面中央部には、軸筒２３が突設されており、こ
れが自動車のルーフＲに設けてある取付孔Ｈに挿入可能
となっている。かくして取付基体２０の底部周辺に弾性
部材からなるパッド２４を嵌め込んだ状態で、軸筒２３
をルーフＲの内面側に突出する如く挿入し、突出した軸
筒２３に歯付座金２５を嵌め込み、さらに軸筒外周のネ
ジ部に対し取付ナット２６を螺合させることによって、
取付基体２０はルーフＲに固定される。取付基体２０に
おける中空保持体２１の斜めに突出した頂部には、導電
部材からなる第１のアンテナ取付部材２７が埋設されて
いる。 この第１のアンテナ取付部材２７には放送波受信用アン
テナ素子２８の基端部が、ネジ込み固定されている。か
くして上記アンテナ素子２８は垂直あるいは水平偏波で
送信されている放送波（ＡＭ，ＦＭ波）を有効に受信可
能な如く、鉛直方向に対して所定の角度だけ後傾した状
態に取付けられる。上記アンテナ素子２８の電気長は、
電話波の波長をλとしたとき、λ／４の奇数倍に設定さ
れている。

【００２０】アンテナ取付基体２０における中空保持体
２１の自動車走行方向にみて前方の中腹部には、導電部
材からなる第２のアンテナ取付部材２９が取り付けられ
ている。この第２のアンテナ取付部材２９は樹脂製円筒
２９ａにて保持されており、この円筒２９ａは防水用Ｏ
リング２９ｂを介して中空保持体２１に設けてある挿着
孔内に挿着されている。上記第２のアンテナ取付部材２
９には電話波送受信用アンテナ素子３０の基端部がネジ
込み固定されている。電話波送受信用アンテナ素子３０
は金属製の導体３１と、これを覆う絶縁性の樹脂３２と
で構成されている。電話波送受信用アンテナ素子３０は
、図示の如く、前記アンテナ素子２８とは分離した形で
取付けられ、かつ垂直偏波で送受信が可能な如く、アン
テナ取付基体２０に対して鉛直方向を向くように取付け
られている。

【００２１】３３は放送波用給電ケーブルであり、３４
は電話波用給電ケーブルである。両ケーブル３３，３４
の各一端は、前記グランドベース２２の軸筒２３の中を
通して、中空保持体２１の中空部内に導入されている。 導入された放送波用給電ケーブル３３の芯線と前記第１
のアンテナ取付部材２７との間には、電話波阻止用トラ
ップ回路３５が接続されている。上記ケーブル３３の外
部導体（シールド用編組線）は、グランドベース２２の
一部に接続されている。かくして放送波受信用アンテナ
素子２８は、アンテナ取付基体２０の内部に収容されて
いる電話波阻止用トラップ回路３５を介して放送波用給
電ケーブル３３に接続されている。この放送波用給電ケ
ーブル３３の延長端には放送波用コネクタ３６が取付け
られている。アンテナ取付基体２０の内部に導入された
電話波用給電ケーブル３４の芯線は、第２のアンテナ取
付部材２９に接続されている。上記ケーブル３４の外部
導体（シールド用編組線）はグランドベース２２の一部
に接続されている。かくして電話波送受信用アンテナ素
子３０は電話波用給電ケーブル３４と直接的に接続され
ている。この電話波用給電ケーブル３４の延長端には電
話波用コネクタ３７が取付けられている。

【００２２】上記の如く構成された本実施例によれば、
次のような作用効果を奏し得る。

【００２３】放送波受信用アンテナ素子２８と電話波送
受信用アンテナ素子３０とがアンテナ取付基体２０に対
して分離された状態で設置され、かつ放送波用給電ケー
ブル３３と電話波用給電ケーブル３４とが独立に接続さ
れ、しかも電話波阻止用トラップ回路３５がアンテナ取
付基体２０の内部に収容された状態で、放送波受信用ア
ンテナ素子２８と前記ケーブル３３との間に介在してい
るので、両アンテナ素子２８，３０を効果的に分離する
ことができる。従って放送波の受信を良好に行なえる上
、電話波の送受信を感度よく行なえる。なおトラップ回
路３５を設けただけでは、トラップ回路３５以下のケー
ブル接続部分の僅かな露出部から電話波が混入し、分離
度を悪くするおそれがある。またアンテナ取付基体２０
の内部には電波の侵入を好まないトランジスタ等を使用
した電子回路を収納する場合もある。しかるに本実施例
においては、アンテナ取付基体２０の内面（外面でも可
）にシールド部材２１ａが施されているため、放送波側
に電話波が侵入するのをシャットアウトすることができ
、放送波と電話波の分離度（Ｉｓｏｌａｔｉｏｎ　）を
効果的に高めることができる。また車体へのアンテナ取
付けに際しては、単一のアンテナ取付基体２０を自動車
のルーフＲ上の単一の取付孔Ｈに対して取付け固定すれ
ばよい。 従って車体に対し新たに格別の加工を施すことなく、前
記両アンテナ素子２８，３０の取付けを行なえる。さら
に放送波と電話波とを各々単独に処理できるので、従来
のような分波器が不要となる。このため自動車ルーフＲ
の内面に分波器収容スペースを確保する必要がなく、分
波器のアース取付け工事等が一切不要となる。しかも電
話波が分波器内のハイパスフィルタを通過する際の通過
損失−０．７〜−１．５ｄＢが解消される。またローパ
スフィルタの通過損失−１〜−３ｄＢも解消される。従
って効率のよい送受信が可能となる。さらに放送波受信
用アンテナ素子２８および電話波送受信用アンテナ素子
３０はアンテナ取付基体２０に対し着脱自在に取付けら
れているので、各アンテナ素子の一方のみを取付けて使
用することが可能となる。特に電話波送受信用アンテナ
素子３０の着脱が自在であることから、ユーザーの要求
に応じて、例えばコーリニヤ方式等の高利得アンテナ素
子と容易に交換することができる。また放送波受信用ア
ンテナ素子２８も、その方式，用途に応じて必要な電気
長を有する棒状アンテナ、あるいはヘリカル方式の短縮
アンテナ、さらには車体の塗装色に合せたカラーアンテ
ナ等、趣向に応じて適宜交換できる利便性を有している
。またカーウォッシング時や車庫への出し入れ時等にお
いて両アンテナ素子を全部取外した状態にすることがで
きるので、アンテナ素子の折損事故を防止することがで
きる。

【００２４】最近では自動車電話の急激な普及により、
高級車にあっては自動車メーカーで生産時に電話用ケー
ブル等を予め車体内に配置，配線するようになっている
。このため、アンテナ素子を着脱自在にした効果は大き
い。即ちユーザーから電話機設置の要望があった場合、
アンテナに関する限り、電話波送受信用アンテナ素子の
み装着すればよい。要望がない場合は飾り蓋等を着脱部
分に取付けておくことにより、機能やデザインを害する
ことはない。

【００２５】なお本発明は本実施例に限定されるもので
はない。例えば前記実施例では放送波としてＡＭ波およ
びＦＭ波を用いることを想定して説明したが、ヨーロッ
パでは放送波としてＡＭ，ＦＭ波の他にＬｏｎｇ　ｗａ
ｖｅ　も使用している。このため放送波受信用アンテナ
素子２８としては、Ｌｏｎｇ　ｗａｖｅ　の受信も可能
なものを用いるようにしてもよい。このほか本発明の要
旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論
である。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、放送波の受信を良好に
行なえると共に電話波の送受信を感度よく行なえるのは
勿論、アンテナ取付部（孔）の単一化を維持でき、車体
に対し新たに格別の加工を施すことなく、放送波受信用
アンテナ素子と電話波送受信用アンテナ素子とを一体的
に取付けることができ、さらに自動車のルーフ内面に分
波器収容スペースを確保する必要が全くなく、しかも電
話波損失も少なく、加えて放送波受信用アンテナ素子お
よび電話波送受信用アンテナ素子の単独使用等が可能な
自動車用多周波共用アンテナを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る自動車用多周波共用ア
ンテナの構成を一部切断して示す側面図。

【図２】従来の自動車用三波共用アンテナの構成を示す
略式断面図。

【符号の説明】

２０…アンテナ取付基体、２１…中空保持体、２１ａ…
シールド部材、２２…グランドベース、２３…軸筒、２
４…パッド、２５…歯付部材、２６…取付ナット、２７
…第１のアンテナ取付部材、２８…放送波受信用アンテ
ナ素子、２９…第２のアンテナ取付部材、２９ａ…樹脂
製円筒、２９ｂ…防水用Ｏリング、３０…電話波送受信
用アンテナ素子、３１…金属製の導体、３２…絶縁性の
樹脂、３３…放送波用給電ケーブル、３４…電話波用給
電ケーブル、３５…電話波阻止用トラップ回路、３６…
放送波用コネクタ、３７…電話波用コネクタ。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　自動車のルーフ上に設けた取付孔に対
   して底部を取付け固定される中空状の単一のアンテナ取
   付基体と、このアンテナ取付基体に鉛直方向に対して所
   定角度傾斜して取付けられる放送波受信用アンテナ素子
   と、この放送波受信用アンテナ素子とは分離された状態
   で前記アンテナ取付基体に鉛直方向を向くように取付け
   られる電話波送受信用アンテナ素子と、上記放送波受信
   用アンテナ素子および電話波送受信用アンテナ素子の各
   給電部に各一端をそれぞれ独立に接続され、各他端を前
   記取付基体の底部から前記取付孔を通して車体内へ導か
   れる放送波用給電ケーブルおよび電話波用給電ケーブル
   と、を具備したことを特徴とする自動車用多周波共用ア
   ンテナ。
2. 【請求項２】　　放送波受信用アンテナ素子の電気長を
   、電話波の１／４波長の奇数倍に設定すると共に、前記
   アンテナ取付基体の中空部内において上記アンテナ素子
   の基端部と放送波用給電ケーブルとの間に介在する如く
   、電話波阻止用のトラップ手段を設けたことを特徴とす
   る請求項１に記載の自動車用多周波共用アンテナ。
3. 【請求項３】　　アンテナ取付基体の内面または外面に
   、放送波受信用アンテナ素子と電話波送受信用アンテナ
   素子との干渉を防止するためのシールド処理を施したこ
   とを特徴とする請求項１に記載の自動車用多周波共用ア
   ンテナ。
4. 【請求項４】　　放送波受信用アンテナ素子および電話
   波送受信用アンテナ素子を、アンテナ取付基体に対して
   それぞれ着脱自在に取付けることを特徴とする請求項１
   または２または３に記載の自動車用多周波共用アンテナ
   。