JPH04303729A - 滅菌検体収納容器キット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般に滅菌検体収納容
器キットに関し、殊に加工食品産業における微生物検査
の対象となる検体、及び給食・外食産業において義務付
けられている検食用の検体を収納するに適した検体収納
容器キットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、検食用の検体収納容器としては、
専らアルミニウム製の容器が用いられて来た。

【０００３】また、ある種の加工食品の微生物検査にお
いては、広口ビンに所定量の食品（製品）を封入し、所
定量の希釈液を加えて所定回数振盪した検体液を調製す
ることが義務付けられている（例えば、乳及び乳飲料、
練乳、粉乳等の乳製品）。ここで用いられる広口ビンは
主としてガラス製、射出成形によるプラスチック製のも
のが用いられている。

【０００４】法的に規制のない一般の微生物検査の検体
収納容器としては、検体液を調整するためのストマッカ
ーで用いられる滅菌されたビニル袋などがある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来の検食用容
器は、堅牢であるが故に取り扱いが安易である点におい
てメリットがあったが、反復使用するために滅菌処理を
行う必要があった。滅菌処理には、オートクレーブに代
表される高温蒸気滅菌処理、滅菌液，滅菌ガス等による
薬剤処理、紫外線に代表される電磁波処理、乾熱滅菌処
理等、様々な方法があるが、何れも滅菌設備のコストの
問題や，取り扱いが面倒であることなどの問題があり、
中小規模の業者は簡単な煮沸消毒か、単なる洗浄を行っ
ているのが現状である。煮沸消毒では、短時間の滅菌に
充分な条件（例えば１２０℃，２気圧）は達成できず、
また洗浄による場合には滅菌は不可能である。このこと
は、食中毒の発生した際の検査時におけるその業者の不
利益に留どまらず、その調査の結果を誤らせる原因とも
なり、公衆衛生の面においても問題であった。

【０００６】また、広口ビンを用いて検体を調製するこ
とが義務付けられている食品の生産業者の上述の検査に
おいては、生産ラインの数に対応した広口ビンを多数用
意し、使用のたびに滅菌処理を行うことは煩わしい。ッ
ディスポーザブルの臨床検査用プラスチック容器を使用
している業者もあるが、この容器は前述のストマッカー
用滅菌袋などと比較すると遥かに高価なものである。

【０００７】ストマッカー用の袋も、広く食品の微生物
検査に使用されているが、容器が袋であるために自立性
がなく、検査者はその取り扱いに余分な注意を払わなけ
ればならず、検体収納容器の改善が望まれていた。

【０００８】本発明者等は、上述の問題点に鑑みて、よ
り完全で、しかも業者にコスト負担を強いることのない
検体収納容器の提供に関して、研究を重ね、本発明を完
成するに至った。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の滅菌検体収納容
器キットは、検体収納容器の開口部の周辺部に密封シー
ル貼着面を有し，検体収納容器の複数個を重ね合わせた
際にそれらの表面が密着嵌合するのを防止する離隔手段
を設けた容器のｎ個（但し、ｎは１以上の整数）と、上
記容器の密封シール貼着面に貼着されるべき密封シール
の粘着面を離型紙で覆った粘着シートの粘着面を予め滅
菌した密封シールのｎ枚とを含み、少なくとも上記ｎ個
の容器は少なくとも一部が除菌フィルタで形成された密
封包装容器に封入した後滅菌した包装物とし、上記密封
シールのｎ枚は上記ｎ個の容器と共に上記密封容器に封
入した後滅菌した包装物とするか，他の密封容器に封入
した包装物として提供される。

【００１０】本発明の一実施例においては容器の断面形
状を円形とし、密封シール貼着面の外形の一部に密封シ
ール貼着位置合わせ手段を設けている。これにより、密
封シールと容器開口との整合，貼着が容易となる。

【００１１】密封シールの粘着面の滅菌は、電磁波を用
いる公知の方法によって滅菌処理する。用いられる電磁
波としては、例えば紫外線，ガンマ線などがあるが、様
々な素材に対する透過率からガンマ線の使用が望ましい
。

【００１２】検体収納容器のｎ個（但し、ｎは１以上の
整数）、又は検体収納容器のｎ個と予め粘着面を滅菌さ
れた密封シールのｎ枚とを封入する密封容器は、少なく
とも一部が除菌フィルタで形成されたプラスチック製の
袋であって良い。かかる容器自体は公知であり、市販さ
れている。検体収納容器のｎ個、又は検体収納容器のｎ
個と予め粘着面を滅菌された密封シールのｎ枚とを、上
述の密封包装容器に封入した後、開口を密閉した包装物
を真空雰囲気中において、包装物内の空気を上記除菌フ
ィルタを介して排出せしめた後，加圧滅菌ガス雰囲気中
において滅菌ガスを上記除菌フィルタを介して上記包装
物内に侵入させて容器または容器と密封シールの全表面
と接触させる滅菌処理をｍ回行う（但し、ｍは１以上の
整数）。この際、ｎ枚の密封シールの外表面が滅菌ガス
と充分に接触するよう配慮する必要がある。滅菌処理後
、上記と同様の手法で滅菌ガスを加圧空気と置換する。

【００１３】粘着面を予め滅菌された密封シールを検体
収納容器と別個に他の密封容器に封入した包装物とする
場合には、密封シールの外表面は必ずしも滅菌するには
及ばないが、望ましくはそれらの外表面をも滅菌して無
菌的に密封容器に封入するのが良い。

【００１４】本発明による滅菌検査収納容器キットは、
給食・外食産業における検食用の検体収納容器、及び一
般にあらゆる微生物検査用の検体収納容器としてだけで
はなく、食品の日もち試験用容器、食品サンプルの運搬
のための収納容器、増菌培養容器、尿検査用容器、水質
検査用容器などの用途にも用いられ得る。

【００１５】本発明による滅菌検体収納容器は、その開
口部における密封シール貼着面が開口部の全周にわたり
密封されるので、密封シール貼着面が密封シールの貼着
，剥離に耐え得る強度を有する限り、他の部分は頑丈で
ある必要はなく、したがって真空成形によって形成する
ことができ、従来の射出成型によるプラスチック容器よ
りも大幅に安価に成形でき、しかも容器は自立性をもつ
ので取り扱いに便利である。

【００１６】

【実施例】図１は、本発明の一実施例による食検用の滅
菌検体収納容器キットの模式的断面図である。この実施
例においては、容器１は異なった寸法形状の複数の凹部
１２を有し、それらは各凹部１２の開口部の周辺部にお
ける密封シール貼着面１３を介して一体的に連結されて
いる。図１においては、離隔手段は省略されており図２
において詳細に示されている。３個のかかる容器が対応
する凹部を嵌合させて図１には示されていない離隔手段
によってそれら容器の表面を互いに離隔して積み重ね嵌
合されているものとして示されている。図１においては
、図面を簡略にするために、容器１の厚さは省略して太
い実線で示されている。これらの容器を封入した包装容
器２はポリエチレン製の袋の一部に除菌フィルタ２１を
設けたものであって、かかる袋自体は市販されている。 除菌フィルタ２１は微生物の通過を許さず、気体の通過
を許す微細な孔隙を多数もった素材で形成されている。 かかる包装容器に容器１を封入した後、包装容器の開口
を例えばヒートシール２２（×××で示されている）し
て封入し、その封入物を滅菌処理室に入れ、処理室を真
空にして包装容器２内の空気を除菌フィルタ２１を介し
て排除し、次いで処理室にエチレンオキサイドのような
滅菌ガスを加圧導入して、滅菌ガスを除菌フィルタ２１
を介して包装容器２内に導入する。必要ならば、同様の
操作を何回か反復した後、同様な態様で滅菌ガスを空気
に置換する。重ね合わされた複数の容器１の表面は、後
述の離隔手段によって互いに離隔されており、また減圧
及び加圧の反復の際に、複数の容器１が変形して離隔手
段が接触する表面が変化するので、実際上、容器１の全
表面が滅菌される。滅菌ガスはエチレンオキサイドガス
に限定されるものではなく、上記の方法によって、最終
的に滅菌済みの包装物内から滅菌ガスを完全にパージで
きるものであればいかなる滅菌ガスでも用い得る。

【００１７】容器の密封シール貼着面に貼着されるべき
密封シール３は、粘着剤を塗布された粘着シート３１と
粘着面に貼り合わされた離型紙３２とで構成された市販
の粘着シートであって良く、上記容器１の密封シール貼
着面１３の寸法形状に対応したシール面と貼着，開封の
際に指で挟んで支持する把持部分３３とを有し、周知の
ように、剥離紙はシール面と把持部分との間で所謂ハー
フカット３４が施されている（詳細は図３ａ，３ｂ参照
）。密封シール３の粘着面は滅菌されている必要がある
が、その粘着面は使用前には離型紙によって覆われてい
るので、上述の滅菌ガスによっては滅菌できない。した
がって、粘着面は例えばガンマ線のような電磁波によっ
て滅菌処理する。電磁波による滅菌法自体は公知である
。粘着面を滅菌処理された密封シール３は、上述の検体
収納容器１と共に包装容器２内封入した後、上述の方法
で密封シール３の外表面を滅菌してもよいが、図示の実
施例においては、３枚のかかる密封シール３を例えばポ
リエチレン製の袋のような別個の包装容器２に封入し、
袋の開口部を例えばヒートシールによって密封するもの
として示されている。この際、密封シール３の外表面の
滅菌は必須ではないが、勿論、粘着面の滅菌後、包装容
器２内に無菌的に封入すること、あるいは包装容器２内
に封入し，密封した後に包装容器２の内部及び密封シー
ル３の外表面を滅菌しても良い。図１の実施例において
は、検体収容容器１の包装体と密封シール３の包装体と
は互いにヒートシールされて結合されているものとして
示されている。

【００１８】図２ａは、図１における容器１の詳細を示
す平面図、図２ｂは図２ａのＡ−Ａ線における断面図で
ある。この実施例においては、寸法形状の異なる３種類
の凹部１２を有し、そのうちの２種類の凹部が２個づつ
形成された容器１として示されている。この実施例にお
いては、離隔手段１４は各凹部１３の外側面と密封シー
ル貼着面１３の背面とに近接して複数の突起として示さ
れている。かくて、この容器１の複数個は、対応する凹
部１２を互いに嵌合させて積み重ねられたとき、上方に
配置された容器１の離隔手段１４が下方に配置された容
器１の密封シール貼着面１３に当接して、それらの容器
の表面を離隔した状態で保持する。離隔手段１４は下方
に配置された容器の密封シール貼着面１３の一部分に接
触するが、上述のように滅菌処理の際に与えられる減圧
と加圧によって、上下の容器１が相対的に変形し、その
際に、接触部位が変化するので、実質的に容器１の全表
面が滅菌される。

【００１９】図３ａは、図１における密封シール３の平
面図、図３ｂは図３ａのＢ−Ｂ線における模式的断面図
である。粘着シート３１は好ましくは塩化ビニル，透明
ルミラー等の透明な素材で形成され、その上面には、必
要なデータを記入できる表示面３５を形成するのが望ま
しい。図示の実施例においては、把持部分３３にも表示
面３５が設けられており、容器１の複数の凹部１２（点
線で示されている）に収納された検体に共通するデータ
を記入することができるようになっている。

【００２０】使用に際して、包装物の夫々を開封し、容
器１の各凹部１２に検体を入れた後、手早く密封シール
３を公知の態様で貼着する。包装物の開封並びに検体の
採取は必要がある場合には無菌室内で行う。

【００２１】上述の実施例における容器１は、複数の容
器の連接体と考えることができるが、場合によっては独
立した容器１とすることが望ましい。図４ａは、円錐台
状の単一の凹部１２を有する容器１の平面図、図４ｂは
図４ａのＣ−Ｃ線における断面図を示す。この実施例に
おいては、容器１の密封シール貼着面１３は概してカマ
ボコ型の外形を有する。図において右側の直線的部分の
中央部にはｖ字状の切り欠き１５ａが形成されており、
この領域は密封シール貼着位置合わせ手段１５として用
いられる。離隔手段１４は、この実施例においては凹部
１２の外側面に母線方向に延長する複数の突条として形
成されている。

【００２２】図５ａは図４ａ，４ｂの容器１に用いられ
る密封シール３の平面図、図５ｂは図５ａのＤ−Ｄ線に
おける断面図である。この密封シール３は、図３ａ，３
ｂにおける密封シール３と本質的に異なるものではない
が、下記の点において特徴がある。即ち、凹部１２の断
面が円形である場合には、密封シール３の貼着の際に、
それらの中心を合わせることが困難であるが、密封シー
ル貼着面１３と密封シール３の形状をカマボコ型とし、
カマボコの板に相当する部分に所謂ハーフカット３４を
いれて把持部分３３を形成し、且つ密封シール３の粘着
シート３１の密封シール貼着面１３に形成したｖ字状の
切り欠き１５ａに対応する位置に位置合わせマークを表
示しておくことにより、容器１の密封シール貼着面１３
と密封シール３との位置合わせが容易，確実となる。

【００２３】図４ａ，４ｂ，５ａ，５ｂに示された実施
例による容器１と密封シール３とは、図１と同様に滅菌
処理され、滅菌検体収納容器キットとして提供される。 またその使用の態様も上述より明らかである。しかしな
がら、この実施例は粉末状，ペースト状，液状の食品等
の製造現場における検体溶液の調製に好都合に用い得る
。　　本発明の滅菌検体収納容器キット及びその製造方
法については上述の記載から明らかであるので、改めて
説明しない。

【００２４】以上に本発明の若干の実施例について詳述
したが、本発明は上述の実施例のみに限定されるもので
はなく、本発明の技術思想を逸脱する事なく、様々な変
形が可能である。

【００２５】例えば、離隔手段１４は、容器１の凹部１
２の底部外側面に形成してもよく、あるいは密封シール
貼着面の上面，凹部１２の側面の内側面，凹部１２の底
部の内側面に形成しても良い。また複数の凹部が密封シ
ール貼着面によって連接された容器における密封シール
３は各凹部１２毎に開封できるよう密封シールに切り込
みを入れ、夫々に開封用の把持部分３３を形成すること
も可能である。また、包装容器２の開口をヒートシール
する変わりに粘着剤を用いてシールするときは、包装物
内の複数の容器及び密封シールを複数回に分けて使用す
る場合の保存状態を改善することができる。

【００２６】

【発明の効果】本発明によって奏せられる効果は下記の
通りである。

【００２７】（１）　　検食用の検体収納容器として用
いる際には、廉価に提供できるので、使い捨てとするこ
とができ、したがって再使用のための滅菌作業を省略で
き、しかも一旦食中毒が発生した際には、滅菌が従来の
再使用容器に比較して完全であるので検査課結果に誤り
を防止でき、しかも業者に経済的負担を強いることがな
い。

【００２８】（２）　　一般にあらゆる微生物検査用の
検体収納容器として用いることができ、その際、上記と
同様の効果を有する。

【００２９】（３）　　食品の日もち試験、食品サンプ
ルの運搬、増菌培養用容器、自立型検体希釈用容器、尿
検査用容器、水質検査用採水容器などの用途をも有する
。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明の一実施例による食検用の滅菌検体
収納容器キットの模式的断面図、

【図２ａ】　　図１における容器１の詳細を示す平面図
、

【図２ｂ】　　図２ａのＡ−Ａ線における断面図、

【
図３ａ】　　図１における密封シール３の平面図、

【図
３ｂ】　　図３ａのＢ−Ｂ線における模式的断面図、

【
図４ａ】　　円錐台状の単一の凹部を有する容器１の平
面図、図４ｂは図４ａのＣ−Ｃ線における断面図、

【図
４ｂ】　　図４ａのＣ−Ｃ線における断面図、

【図５ａ
】　　図４ａ，４ｂの容器１に用いられる密封シール３
の平面図、図４ｂは図４ａのＤ−Ｄ線における断面図、

【図５ｂ】　　図５ａのＤ−Ｄ線における断面図。

【符号の説明】 １：　　容器 ２：　　包装容器 ３：　　密封シール １１： １２：凹部 １３：密封シール面 １４：離隔手段 １５：密封シール位置合わせ手段 ２１：除菌フィルタ ２２：ヒートシール ３１：粘着シート ３２：剥離紙 ３３：把持部分 ３４：ハーフカット ３５：表示面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　　　検体収納容器（１）の開口部の周
   辺部に密封シール貼着面（１３）を有し，検体収納容器
   の複数個を重ね合わせた際にそれらの表面が密着嵌合す
   るのを防止する離隔手段（１４）を設けた容器のｎ個（
   但し、ｎは１以上の整数）と、上記容器（１）の密封シ
   ール貼着面（１３）に貼着されるべき密封シール（３）
   の粘着面を離型紙で覆った粘着シートの粘着面を予め滅
   菌した密封シールのｎ枚とを含み、少なくとも上記ｎ個
   の容器（１）は少なくとも一部が除菌フィルタ（２１）
   で形成された密封包装容器（２）に封入した後滅菌した
   包装物とし、上記密封シール（３）のｎ枚は上記ｎ個の
   容器（１）と共に上記密封容器（２）に封入した後滅菌
   した包装物とするか，他の密封容器（２）に封入した包
   装物としたこと、を特徴とする滅菌検体収納容器キット
   。
2. 【請求項２】　　　　上記容器（１）の断面形状が円形
   であり、密封シール貼着面（１３）の外形の一部に密封
   シール貼着位置合わせ手段（１５）を設けたことを特徴
   とする請求項第１項記載の滅菌検体収納容器キット。