JPH04303422A - Ｎｍｒ装置の励起装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、核磁気共鳴（ＮＭＲ
）を利用してイメージングを行ったり、スペクロトスコ
ピを行うＮＭＲ装置に関し、とくに被検体を高周波信号
で励起する励起装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＮＭＲ装置では、電波シールドを施した
検査室内にマグネットを配置し、このマグネット内に被
検体を置いて、高周波励起パルスを与えてその核スピン
を励起し、共鳴信号を得る。この共鳴信号は非常に微弱
（数十μボルト程度）なので外部からの雑音はできるだ
け避ける必要がある。そこで、上記のように電波シール
ドを施した検査室内で検査を行い、さらに外部からの信
号はすべてフィルターあるいはゲート回路を通して検査
室内に送りこむようにして雑音除去効果を高めるように
している。

【０００３】高周波励起パルスを励起用コイルに送って
、このコイルから高周波信号を被検体に照射し被検体を
励起する励起装置においても、その信号経路に、従来よ
り、雑音除去のためにクロスダイオードフィルターある
いは応答速度の速いＰＩＮダイオードを用いたゲート回
路を挿入している。

【０００４】すなわち、図１に示すように、高周波電源
出力段１から励起用のコイル２への、コネクタ３、４な
どで接続されたケーブルによる信号系にクロスダイオー
ドフィルター５を挿入する。このクロスダイオードフィ
ルター５は２つのダイオードを逆方向に並列接続したも
ので、図２に示すようなダイオードの特性を利用し、斜
線で示すような不感帯の電圧レベルの雑音を通過させな
いようにしたものである。

【０００５】図３では、ＰＩＮダイオード８を用いたゲ
ート回路１０を高周波電源出力段１と励起用のコイル２
との間の高周波信号系に挿入し、制御電流発生回路１１
からＰＩＮダイオード８を駆動する直流の制御電流を与
えるようにしている。この直流制御電流は図４に示すよ
うに高周波励起信号と同期して与えられる。この直流制
御電流がＰＩＮダイオード８及びコイル９を通って流れ
ることにより、このダイオード８がオンになり、このゲ
ート回路１０を高周波電源出力段１からの高周波励起パ
ルスが通ることになる。この直流制御電流が他に流れな
いように直流カット用コンデンサ６、７が挿入される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ような励起装置では、雑音除去効果が不十分であったり
、あるいは構成が複雑であるという問題がある。すなわ
ち、クロスダイオードフィルターを用いたものは、ダイ
オードの不感領域を利用しているため雑音除去効果に優
れない。また、応答速度に優れるゲート回路を用いたも
のは制御電流を別に与えなければならないので構成が複
雑になる。さらに、クロスダイオードフィルターにノッ
チフィルターを付加する方式もあるが、スペクトロスコ
ピを行う場合には周波数帯域が広くなるため、効果が得
られない。

【０００７】この発明は、上記に鑑み、非常に簡単な構
成でありながら十分に雑音を除去して高周波励起信号を
送ることができるように改善した、ＮＭＲ装置の励起装
置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明によるＮＭＲ装置の励起装置においては、
高周波電源より送出する高周波励起信号に直流成分を重
畳させ、信号送信系に挿入した、ＰＩＮダイオードによ
るゲート回路を制御することが特徴となっており、高周
波励起信号にゲート回路制御用の直流成分を重畳させる
ことによって構成を簡単化している。これにより、制御
用直流電流を与えるための専用のケーブルなども不要と
なって構成が複雑化することを避けることができる。他
方、応答の速いＰＩＮダイオードを用いたゲート回路に
より、十分な雑音除去効果を得ることができる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照しながら詳細に説明する。図５において、ゲート回路
１０が、高周波電源出力段１と励起用のコイル２との間
の、コネクタ３、４で接続された信号伝送用ケーブルな
どの途中に挿入される。このゲート回路１０は、応答の
速いＰＩＮダイオード８を用いて構成されたものである
。このＰＩＮダイオード８を駆動するための直流電流は
、高周波電源出力段１の電源電流を利用して、励起用の
高周波信号に重畳して与える。そのため、高周波電源出
力段１からゲート回路１０のＰＩＮダイオード８までの
間には直流カット用のコンデンサは挿入されない。

【００１０】すなわち、この高周波電源出力段１から励
起用の高周波パルスが送出されるとき、図６に示すよう
に、それと同期して直流成分が重畳される。この直流成
分はゲート回路１０の制御用であって、この直流成分が
高周波電源出力段１から送られると、ＰＩＮダイオード
８及びコイル９を流れて、ＰＩＮダイオード８がオンに
なり、そのオンになっている間だけ励起用の高周波パル
スが励起用のコイル２に送られる。なお、このとき直流
成分は直流カット用コンデンサ７で阻止されるので、励
起用コイル２には送られない。

【００１１】高周波電源出力段１が励起用の高周波パル
スを送出しないときは、この直流成分も送られないため
、ＰＩＮダイオード８はオフ状態になっており、雑音は
励起用コイル２に伝達されることがない。

【００１２】このように、高周波電源出力段１から励起
用高周波信号に重畳してゲート回路１０の制御用直流成
分を送るようにしたため、制御電流発生回路からゲート
回路まで制御用の直流信号を送るための専用ケーブルな
ども不要となり、構成がきわめて簡単なものとなる。ま
た、ＰＩＮダイオード８によるゲート回路１０で雑音除
去回路を構成しているため、従来のノッチ付きクロスダ
イオードフィルターでは効果をあげることができない周
波数帯域の広いスペクトロスコピ時にも、十分な雑音除
去効果をあげることができる。

【００１３】

【発明の効果】以上、実施例について説明したように、
この発明のＮＭＲ装置の励起装置によれば、制御用直流
電流を送るための専用のケーブルなどを用いることなく
、構成を簡単にしながら、十分に雑音を除去した上で高
周波励起信号を送ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の回路図。

【図２】ダイオードの特性を示すグラフ。

【図３】他の従来例の回路図。

【図４】図３の回路における信号波形図。

【図５】この発明の一実施例の回路図。

【図６】図５の回路における信号波形図。

【符号の説明】

１　　　　　　　　　　　　高周波電源出力段２　　　
　　　　　　　　　励起用コイル３、４　　　　　　　
　コネクタ ５　　　　　　　　　　　　クロスダイオードフィルタ
ー６、７　　　　　　　　直流カット用コンデンサ８　
　　　　　　　　　　　ＰＩＮダイオード９　　　　　
　　　　　　　コイル １０　　　　　　　　　　ゲート回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　励起用コイルと、該コイルに励起用高
   周波信号を送る高周波信号系に挿入されたＰＩＮダイオ
   ードによるゲート回路と、該ゲート回路制御用直流成分
   を重畳させた上で上記ゲート回路を介して励起用コイル
   に高周波励起信号を送出する高周波電源とを備えること
   を特徴とするＮＭＲ装置の励起装置。