JPH04302618A - オープンシールド掘進機の止水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、オープンシールド掘進
機の止水装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】オープンシールド工法は開削工法とシー
ルド工法の双方の利点を集めた工法で、上部および前後
端を開口した掘進機を使用する。この掘進機の内部に推
進ジャッキが設けられ、掘進機の前端および上部開口よ
り切羽の土砂を掘削、排土し、推進ジャッキを伸長して
コンクリート函体による地中構造物を反力受けにして掘
進機を前進させる。次いで、推進ジャッキを縮め、新た
な地中構造物を掘進機の内部に吊り降ろし、この新たな
地中構造物を地中構造物の最前にセットし、掘進機の前
端および上部開口より切羽の土砂を掘削、排土し、推進
ジャッキを伸長して新たな地中構造物及びこれに後続す
る地中構造物を反力受けにして掘進機を前進させる。

【０００３】このように掘削、前進、地中構造物の設置
の工程を繰り返して、掘進機を前進させていくが、掘削
や地中構造物の設置は掘進機の上面開口を利用して地上
から行うことができるのでシールド工法よりも簡単な施
工となり、また、シールド工法と同様に土砂の崩壊に対
しては、掘進機でその内部が保護されるので開削工法に
おける土留支保工等が不要となるものである。

【０００４】かかるオープンシールド工法に使用するオ
ープンシールド掘進機は、これが１体式のものであると
、推進機の長さが長くなり、方向修正が難しく、急カー
ブ施工ができない。そこで、分割式の掘進機として複数
の分割体の組合わせとすることで、各単位掘進機の長さ
を短くしたものが存在する。

【０００５】図６、図７はその一例を示すもので、地中
に前進させる上面および前端、後端を開口したオープン
シールド掘進機１を前部のフロント掘進機２と後部のテ
ール掘進機３に二分割して夫々の長さを短かく構成し、
両掘進機２，３の後端と前端同士を摺動自在に遊嵌させ
、フロント掘進機２の内部で左右側壁側に寄せて前進用
の推進ジャッキ４を後方へ向けて上下複数段に並べて突
出配設し、また、テール掘進機３にも内部で左右側壁側
に寄せて前進用の推進ジャッキ５を後方へ向けて上下複
数段に並べて突出配設した。

【０００６】フロント掘進機２の前進方法は、図８に示
すようなＨ型鋼材やボックス鋼材等を上下の横材６ａ，
６ｂと左右の縦材６ｃ，６ｄとを組合せて矩形枠体とし
た第１の押角６をフロント掘進機２の上部開口よりクレ
ーン等で吊り降ろしてフロント掘進機２の推進ジャッキ
４とテール掘進機３の前端との間に出し入れ自在に配設
し、また、この第１の押角６と同様で、上下の横材７ａ
，７ｂと左右の縦材７ｃ，７ｄとを組合せて矩形枠体と
した第２の押角７をテール掘進機３の推進ジャッキ５と
このテール掘進機２内に吊り降ろす地中構造物８の前端
との間に出し入れ自在に配設する。

【０００７】推進ジャッキ５は第２の押角７に当接して
おり、推進ジャッキ４を伸長してフロント掘進機２を地
中構造物８およびテール掘進機３を反力に用いて前進さ
せる。方向修正が必要な時は、上下左右の推進ジャッキ
４を調整して上下左右の方向修正をする。

【０００８】テール掘進機３の前進方法は、推進ジャッ
キ５を伸長して地中構造物８を反力に行う。この場合も
上下左右の推進ジャッキ５を調整して上下左右の方向修
正をする。このようにして、オープンシールド掘進機１
が前進すると、地中構造物８はその位置に残る。テール
掘進機３の前進後推進ジャッキ５を縮めれば、その前進
分だけ最前列の地中構造物８の前に空間ができるので、
ここに新たな地中構造物８を吊り降ろしセットし、その
周囲にグラウト９を施す。このようにしてオープンシー
ルド掘進機１が前進にともない後方の縦列する地中構造
物８はオープンシールド掘進機１のテール掘進機３から
でて地中に残置されるが地中構造物８の上には埋戻し土
１０を施す。

【０００９】オープンシールド掘進機１を前進させるの
に先立ち、地上のシャベルやクラムシエル等でフロント
掘進機１の開口より切羽からの掘削土砂を排土する。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】このようなオープンシ
ールド掘進機１を滯水軟弱地盤で使用する場合や河川の
改修などで使用する場合には、切羽にあたるフロント掘
進機２の前端開口やフロント掘進機２と後部のテール掘
進機３の遊嵌部分からの浸水があり、かかるオープンシ
ールド掘進機１内への浸水は、推進ジャッキ４，５や押
角６，７のある部分への浸水となり、掘進機１内での人
的作業の支障となる。そこで、従来、浸水対策としては
、掘進機１内に排水ポンプを設置するなどして排除して
いるが、きわめて時間がかかり効率の悪いものであった
。

【００１１】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、掘進機を前部のフロント掘進機と後部のテール掘進
機に分割して摺動自在に遊嵌させる場合に、軟弱滞水地
盤でも簡単かつ確実に掘進機内への浸水を防止できるオ
ープンシールド掘進機の止水装置を提供することにある
。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、上部と前端に開口を有するフロント掘進機と
上部と後端に開口部を有するテール掘進機をその前後端
を摺動自在に遊嵌させ、フロント掘進機内とテール掘進
機内とに推進ジャッキを後方に向けて上下複数段並べて
突設し、このフロント掘進機の推進ジャッキとテール掘
進機前端との間に、Ｈ型鋼材等による矩形枠体からなる
第１の押角をフロント掘進機上部開口より出し入れ自在
に配設し、また、テール掘進機の推進ジャッキとこのテ
ール掘進機内に吊り降ろす地中構造物との間にＨ型鋼材
等による矩形枠体からなる第２の押角をフロント掘進機
上部開口より出し入れ自在に配設するオープンシールド
掘進機において、フロント掘進機は内部を仕切壁で前後
に区画し、また、第１の押角および第２の押角は矩形枠
体を構成する上下の横材の途中に拡径ジャッキを介在さ
せて横巾を拡径可能なものとし、かつ左右の縦材および
下の横材の外側面に板状シール材を貼設し、さらに、第
１の押角の後面とテール掘進機前端との間に板状シール
材を介在させることを要旨とするものである。

【００１３】

【作用】本発明によれば、フロント掘進機２を前進させ
る前に、第１の押角６をフロント掘進機２の上部開口よ
りクレーン等でフロント掘進機２の推進ジャッキ４とテ
ール掘進機３の前端との間に吊降ろして、かつ拡径ジャ
ッキを調整し、巾を広げて外周がフロント掘進機２の内
周に板状シール材を介して水密に当接するように配設す
る。また、第１の押角の後面とテール掘進機前端との間
に板状シール材を介在させることでフロント掘進機２と
テール掘進機３の遊嵌部分の掘進機内側の開口は第１の
押角の後面の板状シール材で閉塞される。なお、フロン
ト掘進機の前端開口からの浸水はフロント掘進機内の仕
切壁で阻止され、フロント掘進機とテール掘進機の遊嵌
部分からの浸水は前記のごとく第１の押角とその後面の
板状シールー材で阻止される。また、テール掘進機の後
端開口からの浸水は、テール掘進機内に吊り降ろした地
中構造物の周囲のグラウト材で阻止される。このように
して推進ジャッキや押角がある部分は、周囲を完全に閉
塞した水密区画となり、作業員が安全に作業できるもの
となる。

【００１４】

【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図１は本発明のオープンシールド掘進機の止
水装置の１実施例を示す横断平面図、図２は同上縦断側
面図で、前記従来例を示す図６、図７と同一構成要素に
は同一参照符号を付したものである。

【００１５】先に、本発明で使用する押角について説明
する。図３に示すように本発明の第１の押角６も従来例
と同じくＨ型鋼材やボックス鋼材等を上下の横材６ａ，
６ｂと左右の縦材６ｃ，６ｄとを組合せて矩形枠体とし
たものであるが、このうち上下の横材６ａ，６ｂの途中
に拡径ジャッキとしてキリンジャッキ１２を配設し、枠
の全体を横方向で拡巾可能なものとする。

【００１６】さらに、この押角６は左右の縦材６ｃ，６
ｄおよび下の横材６ｂの外側面すなわちシールド掘進機
の内周面に当接する側の面にゴム板等の弾性板による板
状シール材１３を貼設した。

【００１７】詳細な図示は省略するが、第２の押角７も
上下の横材７ａ，７ｂと左右の縦材７ｃ，７ｄとを組合
せてなる矩形枠体であり、このうち上下の横材７ａ，７
ｂの途中にキリンジャッキ１２を配設して全体を横方向
で拡巾可能なものとし、縦材７ｃ，７ｄおよび下の横材
７ｂの外側面すなわちシールド掘進機の内周面に当接す
る側の面に板状シール材１３を貼設した。

【００１８】また、これら第１の押角６および第２の押
角７は、下の横材６ｂ，７ｂのキリンジャッキ１２の周
囲を止水のため着脱可能に封止できるようにする。この
封止を行う手段としては、拡巾後にスポンジ等の止水部
材を詰めるようにしてもよい。他の方法としては、キリ
ンジャッキ１２を操作しての拡巾後に鉄板等の板部材で
蓋をすることが考えられる。一例として、図４に示すよ
うに断面コ字形の蓋１４を封止部材としてキリンジャッ
キ１２の周囲に被せるようにしてもよい。

【００１９】さらに、鉄板等の板部材で蓋をする他の方
法として図示は省略するが、同じくキリンジャッキ１２
を操作しての拡巾後にこのキリンジャッキ１２がある部
分の押角６，７の背面側を鉄板を溶接またはボルト止め
して封止することも考えられる。押角６，７を再使用す
るためシールド掘進機から吊り上げるには、キリンジャ
ッキ１２を操作して拡巾した横巾を縮小するが、この場
合には前記封止用の鉄板は取り外し、または破断する。

【００２０】オープンシールド掘進機の主たる構成とし
ては従来と同じであり、地中に前進させる上面および前
端、後端を開口したオープンシールド掘進機１を前部の
フロント掘進機２と後部のテール掘進機３に二分割して
夫々の長さを短かく構成し、両掘進機２，３の後端と前
端同士を摺動自在に遊嵌させ、フロント掘進機２の内部
で左右側壁側に寄せて前進用の推進ジャッキ４を後方へ
向け、かつ上下複数段に並べて突出配設した。また、テ
ール掘進機３にも内部で左右側壁側に寄せて前進用の推
進ジャッキ５を後方へ向け、かつ上下複数段に並べて突
出配設した。

【００２１】本発明は、フロント掘進機２の内部で、推
進ジャッキ４の前方部分に仕切壁１１を形成し、この仕
切壁１１でフロント掘進機２を前後に区画した。

【００２２】また、第１の押角の後面とテール掘進機前
端との間に板状シール材を介在させる。この板状シール
材は、一例として図５に示すようなＵ字形のゴム板等に
よる薄板である弾性止水板１５を、第１の押角６のテー
ル掘進機３側の面に添設するものとする。先に述べたよ
うに第１の押角６は図３、図４に示すように途中にキリ
ンジャッキ１２を介在させ、横巾を調整できるようにし
たものであるが、この弾性止水板１５はフロント掘進機
２内でその内径に合致するように横巾を調整した後の押
角６の形状に対応するものとした。すなわち、この弾性
止水板１５の巾はフロント掘進機２の内巾と合致させる
。図中１５ａは吊下げ用の係止孔である。

【００２３】フロント掘進機２を前進させる前に、第１
の押角６をフロント掘進機２の上部開口よりクレーン等
でフロント掘進機２の推進ジャッキ４とテール掘進機３
の前端との間に吊降ろして、かつ　　キリンジャッキ１
２を調整し、巾を広げて外周がフロント掘進機２の内周
に板状シール材１３を介して水密に当接するように配設
する。 この時、前記弾性止水板１５もクレーン等で吊り降ろし
、この第１の押角６の後方面に添置すれば、フロント掘
進機２とテール掘進機３の遊嵌部分の掘進機内側の開口
はこの弾性止水板１５で閉塞される。

【００２４】推進ジャッキ４を第１の押角６に当て、こ
れに押圧力をわずかに加えるようにすれば、押角６およ
び弾性止水板１５はその状態で固定される。また、この
第１の押角６と同様の第２の押角７を、テール掘進機３
の推進ジャッキ５とこのテール掘進機２内に吊り降ろし
セットした地中構造物８の前端との間に配設する。この
第２の押角７も吊り降ろす前は縮径されており、テール
掘進機３内でキリンジャッキ１２を調整し、巾を広げて
外周をテール掘進機３の内周に板状シール材１３を介し
て水密に当接させる。そして、推進ジャッキ５をこの第
２の押角７に当接して固定する。第２の押角７を配置後
、ただちに、地中構造物８の周囲隙間をグラウト材９を
充填するが、押角７によりこのグラウト材９のテール掘
進機３前部への流出は阻止される。

【００２５】推進ジャッキ４を伸長してフロント掘進機
２を地中構造物８およびテール掘進機２を反力に用いて
前進させる。その際、板状シール材１３付きの第１の押
角６および弾性止水板１５は前進せずに残る。また、フ
ロント掘進機２の前進で仕切壁１１も前に移動し、これ
で土砂が圧密できるので、地上のシャベルやクラムシエ
ル等でフロント掘進機１の開口より切羽からの掘削土砂
を排土するが容易となる。

【００２６】次いで、テール掘進機３を前進させるには
、推進ジャッキ５を伸長して地中構造物８を反力に行う
。第１の押角６および弾性止水板１５はこのテール掘進
機３の前進とともに押されて前進し、フロント掘進機２
とテール掘進機３の遊嵌部分の掘進機内側の開口の閉塞
を継続する。

【００２７】なお、前記実施例は、弾性止水板１５をＵ
字形の薄板としたが、ロ字形の薄板や、中央の開口がな
い矩形の薄板としても止水作用的には差がない。

【００２８】また、拡径ジャッキはキリンジャッキを使
用せずに、油圧もしくは空気等の制御可能なジャッキを
使用することもできる。その場合は、この制御可能なジ
ャッキの周囲を枠体に対し一端が固定し、他端が摺動可
能な止水部材で囲撓し、ジャッキがある部分に水が通過
しないように配慮する。

【００２９】

【発明の効果】以上述べたように本発明のオープンシー
ルド掘進機の止水装置は、掘進機を前部のフロント掘進
機と後部のテール掘進機に分割して摺動自在に遊嵌させ
る場合に、簡単かつ確実にしかも安価に掘進機内への浸
水を防止でき、掘進機内の作業に支障をきたさないよう
にできるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のオープンシールド掘進機の止水装置の
１実施例を示す横断平面図である。

【図２】本発明のオープンシールド掘進機の止水装置の
１実施例を示す縦断側面図である。

【図３】本発明で使用する押角の正面図である。

【図４】本発明で使用する押角の部分斜視図である。

【図５】弾性止水板の一例を示す斜視図である。

【図６】従来のオープンシールド掘進機例を示す横断平
面図である。

【図７】従来のオープンシールド掘進機例を示す縦断側
面図である。

【図８】従来の押角の正面図である。

【符号の説明】

１…オープンシールド掘進機　　　　２…フロント掘進
機３…テール掘進機　　　　　　　　　　　　　　４…
推進ジャッキ５…推進ジャッキ　　　　　　　　　　　
　　　６…第１の押角６ａ，６ｂ…横材　　　　　　　
　　　　　　　６ｃ，６ｄ…縦材７…第２の押角　　　
　　　　　　　　　　　　　７ａ，７ｂ…横材７ｃ，７
ｄ…縦材 ８…地中構造物 ９…グラウト材　　　　　　　　　　　　　　　　１０
…埋戻し土１１…仕切壁　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　１２…キリンジャッキ１３…板状シール材
　　　　　　　　　　　　　　１４…蓋１５…弾性止水
板　　　　　　　　　　　　　　　　１５ａ…吊下げ用
の係止孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　上部と前端に開口を有するフロント掘
   進機と上部と後端に開口部を有するテール掘進機をその
   前後端を摺動自在に遊嵌させ、フロント掘進機内とテー
   ル掘進機内とに推進ジャッキを後方に向けて上下複数段
   並べて突設し、このフロント掘進機の推進ジャッキとテ
   ール掘進機前端との間に、Ｈ型鋼材等による矩形枠体か
   らなる第１の押角をフロント掘進機上部開口より出し入
   れ自在に配設し、また、テール掘進機の推進ジャッキと
   このテール掘進機内に吊り降ろす地中構造物との間にＨ
   型鋼材等による矩形枠体からなる第２の押角をフロント
   掘進機上部開口より出し入れ自在に配設するオープンシ
   ールド掘進機において、フロント掘進機は内部を仕切壁
   で前後に区画し、また、第１の押角および第２の押角は
   矩形枠体を構成する上下の横材の途中に拡径ジャッキを
   介在させて横巾を拡径可能なものとし、かつ、左右の縦
   材および下の横材の外側面に板状シール材を貼設し、さ
   らに、第１の押角の後面とテール掘進機前端との間に板
   状シール材を介在させることを特徴とするオープンシー
   ルド掘進機の止水装置。
2. 【請求項２】　　拡径ジャッキはキリンジャッキであり
   、下の横材のキリンジャッキの周囲を着脱可能に封止す
   ることを特徴とする請求項１記載のオープンシールド掘
   進機の止水装置。
3. 【請求項３】　　拡径ジャッキは油圧もしくは空気、水
   等の制御可能なジャッキであり、この制御可能なジャッ
   キの周囲を枠体に対し一端が固定し、他端が摺動可能な
   部材で囲撓する請求項１記載のオープンシールド掘進機
   の止水装置。