JPH0429966B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の属する技術水準 本発明は、ジヤイロコンパスのレピータコンパ
ス用調整装置に関する。その場合、ジヤイロコン
パスは追従制御モータを有し、この追従制御モー
タは、指北ジヤイロ装置とこのジヤイロ装置を囲
繞するケーシングとの間の差信号に依存して調節
される。またジヤイロ装置は、ケーシングの中で
公知のようにして（例えば支持液によつて）支承
され、ケーシングはコンパスカードと連結されて
いる。

レピータコンパスは、乗物の正確な針路をいつ
でも読取れるようにするため、乗物の各所に配置
されるコンパスである。このコンパスは、マスタ
コンパスのコンパスカードの追従制御動作と同期
して動作する。

従来、この種の調整装置ではジヤイロ装置とそ
れに追従するコンパスカードとの間の偏差に対応
するアナログ差信号を増幅し、それをサーボモー
タに供給する方法が用いられてきた。この場合、
サーボモータは相応の伝動装置を介してマスタコ
ンパスのコンパスカードの動きを追従制御するよ
うになつている。

また、電波によつてマスタコンパスカードの角
度位置をレピータコンパスカードに伝送すること
もできる。

しかし、この追従制御方式はコストが高い。つ
まり、多種類の部品を必要とする。また、マスタ
コンパスの調整装置とレピータコンパスの調整装
置では、その構成に原理的な違いがあり、そのた
めに障害が起るおそれがある。さらに、非常に高
価なサーボモータを必要とする。

そのため、また連鎖的に発生する障害のため
に、マスタコンパスに対する調整誤差がレピータ
コンパスに生じかねない。表示の誤りを検出する
ことは極めて困難である。同じように、欠陥のあ
るコンパスの交換や調整が必要な場合でも、それ
を発見することは難しい。

発明の目的 本発明の課題は、レピータコンパスを調整する
ことができ、かつマスタコンパスとレピータコン
パスとの間の同期位置を一意的に検査できる、ジ
ヤイロ装置のレピータコンパス用の調整装置を提
供することである。

またこの調整装置は、その構造が簡単で、部品
数が少なく、かつマスタコンパスとレピータコン
パスとの追従制御機構の規格が統一されていなけ
ればならない。同時に、コストを低減することも
必要である。さらに、レピータコンパスを交換し
た時に、マスタコンパスとの調整が容易に行なえ
なければならない。

発明の構成と効果 本発明によればこの課題は、特許請求の範囲第
１項記載の特徴構成によつて解決される。

本発明によれば、高価なサーボモータを省略す
ることができる。その代わりに使用されるステツ
プモータはかなり安く製造することができる。ま
た、電波を発生するための素子も省略できる。

さらに、通常の増幅器の代わりに他の装置、つ
まりモータ電子制御装置が設けられる。この装置
は、アナロダ差信号からパルス列を発生する。パ
ルス列はジヤイロ装置とコンパスカードとの間の
アナログ差信号に対応している。それに対する基
準としては、例えばパルス列の繰返し周波数、ま
たはその持続時間が用いられる。このパルス列
は、マスタコンパスとレピータコンパスとの、同
一に構成されたステツプモータに供給される。従
つて、通常のギアを介して、マスタコンパスおよ
びレピータコンパスのコンパスカードが、相応す
る同期追従動作を行なう。

追従制御スイツチが遮断された後、つまり通常
の追従動作が中断された時には、調節電圧をモー
タ電子制御装置およびマスタコンパスとレピータ
コンパスのステツプモータに印加すれば、すべて
のコンパスカードを追従回転させることができ
る。マスタコンパスカードと連結されているスリ
ツプリングは、本発明の思想に基いて遮断箇所を
有している。

調整電圧を導く、スリツプリングに接触するす
べりブラシがマスタコンパスカードの遮断箇所に
達すると、即座に調整電流が遮断され、従つてコ
ンパスカードの調整過程も終了する。マスタコン
パスカードは、本発明の装置によつていつも所定
の位置で、つまり遮断位置で止める。従つて、す
べてのレピータコンパスのコンパスカードを、そ
れらが同じ位置で止まつているかどうかに関して
簡単に検査することができる。もし、コンパスカ
ードが同じ位置になければ、対応するレピータコ
ンパスのステツプモータが１または数ステツプだ
け回転する。これらの原因が除去された後で（例
えば減速ギアの減速比を大きくして）、これらの
レピータコンパスはマスタコンパスのコンパスカ
ードが表示する値に調整される。追従制御スイツ
チを介して追従動作が再び投入接続されれば、す
べてのコンパスカードがジヤイロ装置によつて定
められた位置まで回転する。ステツプモータを使
用した場合、レピータコンパス、特にその駆動装
置が誤つて１ないし数ステツプだけ回転する危険
が大きい。しかし本発明は、上述のようにして、
極めて安価なステツプモータを用いてジヤイロ装
置を確実に動作させることを可能にした。

本発明の別の利点は、船舶の航行中でも、コン
パスカードが遮断箇所に達した後で、すべてのレ
ピータコンパスを一意的に検査し、場合によつて
は新たに同期できることである。従来、このこと
は実質的に不可能であつた。同様のことがコンパ
スの交換の際にも当嵌まる。つまり、“遮断位置”
または“０位置”においてコンパスを交換し、新
しいコンパスを組込んだ後で、このコンパスない
しすべてのレピータコンパスを、上述のようにし
てボタンを押すことによつて正しい位置に調整す
ることができる。従つて、コンパス交換の際にコ
ンパスカードが所定の０位置に留まつているの
で、外球を誤つて手で回転させることがなく、そ
の損傷を防止することができる。

スリツプリングには複数の遮断箇所を設けるこ
とができる。従来のスリツプリングの機能を阻害
しないためには、元来のスリツプリングに付加的
なスリツプリングを取付けるのが有利である。こ
のスリツプリングは、これに接触するブラシと一
緒にスイツチとして作用する。この場合、遮断箇
所で遮断が行なわれる。追従制御スイツチが投入
接続されている時には遮断は橋絡される。追従制
御スイツチを介して追従動作が遮断される時に
は、スリツプリングスイツチは追従制御電子装置
の入力回路に位置することになる。キースイツチ
を押すと、所定の回転速度が加えられ、スリツプ
リングスイツチが遮断箇所または休止箇所で遮断
するまで、追従動作としての回転が行なわれる。

スリツプリング遮断部の１つの縁のみが遮断作
用をなすようにするためには、追従動作が一方の
側からだけ開始されるようにすれば有利である。
そうすれば、スリツプリング遮断部を製作する際
にその幅の許容偏差を大きくすることができ、従
つて後で調整することができる。

上述の方法以外にも、マスタコンパスおよびレ
ピータコンパスのコンパスカードを所定の０位置
まで導くことが可能である。この場合、調節を行
なう際には、調整時間は相応に延長または短縮さ
れる。また休止箇所を見つけるために、例えば、
自己制御用の同期信号、あるいはホール発生器や
磁気抵抗効果素子のような特別に設けられたセン
サの信号を用いることもできる。

実施例の説明 次に図面を参照しながら本発明の実施例につい
て説明する。

図は、船舶のジヤイロコンパス装置の全体を略
線図で示している。この場合ジヤイロコンパス装
置は、マスタコンパスと３つのレピータコンパ
ス、および電気回路を有している。

マスタコンパスのジヤイロは１７で示し、それ
を囲繞する外球は１８で示している。外球１８は
球軸受２４を介してマスタコンパスのコンパスカ
ード１２と連結されている。コンパスカード１２
にはスリツプリング１１が取付けられ、スリツプ
リング１１には接触ブラシ６として構成されたタ
ツプが接触している。コンパスカード１２は減速
伝動装置１９を介して回転させられ、従つてコン
パスカードと連結された外球１８も回転する。減
速伝動装置１９はステツプモータ１によつて作動
される。ステツプモータ１は、モータ電子制御装
置１０が発生するパルス列によつて制御される。

この場合前述の接触ブラシ６を介して、マスタ
コンパスのジヤイロ装置１７，１８の電圧が伝送
される。この電圧は、ジヤイロ１７と外球１８の
間で０位置からのずれが生じた場合に発生するも
のである。生じたアナログ形式の差電圧は、復調
器として構成された電子装置８へ導びかれる。こ
の電子装置８は前記の差電圧を増幅し、このアナ
ログ差電圧から相応のパルス列を発生させる。こ
のパルス列はモータ電子制御装置１０および接触
ブラシ６へ導びかれる。

モータ電子制御装置１０の出力線路は、マスタ
コンパス用ステツプモータ１と並列に、レピータ
コンパスのステツプモータ２，３，４とも接続さ
れている。レピータコンパスのコンパスカード１
３，１４，１５は、それぞれの減速伝動装置２
０，２１，２２を介して同期調節される。

またモータ電子制御装置１０は、ジヤイロ１７
の接触ブラシ６として構成された前述のタツプと
接続されている。

図の左側に２つの切換接点を有する双投スイツ
チとして構成された追従制御スイツチ７が示され
ている。主信号線路２６は、追従制御スイツチ７
の接点Ｂから延びており、この線路は電子装置８
により生じた追従制御電圧をモータ電子制御装置
１０へ転送し、さらにそこから各レピータコンパ
スへ転送する。この場合、第１の線路、即ち電子
装置８から延びる前述の主信号線路２６は、追従
制御スイツチ７が投入接続された状態即ち実線で
示された状態において、スリツプリング１１と接
触する接触ブラシ６と接続される。このスリツプ
リング１１は遮断箇所５を有しており、さらにモ
ータ電子制御装置１０の手前で主信号線路２６と
接続されている。

通常の追従制御動作中、マスタコンパスカード
の接触ブラシ６がスリツプリング１１の遮断位置
５にたまたまおかれると、もし追従制御スイツチ
７から２つの信号案内路が設けられていなけれ
ば、この追従制御スイツチ７が投入接続位置にお
かれているにもかかわらず、通常の追従動作が中
断されてしまう。このように通常の追従制御中
に、スリツプリング１１の遮断箇所５に起因して
その動作が中断されてしまうのは望ましいことで
はない。したがつて遮断箇所５におかれる可能性
のある接触ブラシ６と並列に設けられた第２の信
号線路２５が、接点Ａと接触ブラシ６とを結ぶ線
路から接点Ｂを介して主信号線路２６へ案内され
ている。

図面には追従制御スイツチ７の投入位置が実線
で示されており、その遮断位置が破線で示されて
いる。遮断位置の場合、追従制御スイツチ７の接
点ＡおよびＢの両方の左側の接触点は上方へ旋回
する。これにより接点Ａの接触点のみが接点Ｃに
接続される。

まず、追従制御スイツチ７が実線で示された切
換位置に即ち投入位置にある時は、通常のコンパ
ス追従動作が行なわれる。追従動作の場合、接触
ブラシ６と並列に設けられた上記第２の信号線路
２５と、追従制御スイツチ７接点Ｂとにより、た
とえば接触ブラシ６が遮断箇所上におかれても、
電子装置８からモータ電子装置１０への信号の流
れが保持される。調整動作のために手動操作素子
を用いて追従制御スイツチ７を遮断すれば接点Ｂ
は開放され（図の破線位置）、その際、接触ブラ
シ６がスリツプリング１１の遮断箇所５上におか
れると、追従制御用のモータは停止する。

追従制御スイツチ７を遮断したままキースイツ
チ２３を投入接続すると、スリツプリング１１の
遮断箇所５に接触ブラシ６がおかれていなけれ
ば、第１の信号線路即ち主信号線路２６および接
触ブラシ６を介して、調節電源９からモータ電子
制御装置１０へ調節電圧が供給される。

すべてのコンパスカードは、マスタコンパス内
の接触ブラシ６が所属の遮断箇所５によつて接点
を解放するまで、回転を続ける。接点が開放され
た時、慣性モーメントが十分小さければ、すべて
のモータは即座に停止する。

次にキースイツチ２３を遮断すると、調節電源
９からの電圧も遮断される。

この時、正常なコンパス追従動作を再開するた
めに追従制御スイツチ７を投入接続すると、コン
パスカードが再びジヤイロ装置の位置に達するま
で、モータは回転する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるレピータコンパス調整装
置の実施例のブロツク回路図である。 １〜４……ステツプモータ、５……遮断箇所、
６……接触ブラシ、７……追従制御スイツチ、８
……電子装置、９……調整電源、１０……モータ
電子制御装置、１１……スリツプリング、１２〜
１５……コンパスカード、１３′……ジヤイロ、
１８……外球、１９〜２２……減速伝動装置、２
３……キースイツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 追従制御モータを有し、該追従制御モータが
   指北ジヤイロ装置と該ジヤイロ装置を囲繞するケ
   ーシング１８との間の差信号に依存して調節さ
   れ、またケーシング１８の中でジヤイロ装置が公
   知のようにして支承され、かつ該ケーシングがコ
   ンパスカードと連結されているジヤイロコンパス
   のレピータコンパス用調整装置において、 (a) モータ電子制御装置１０が設けられ、該モー
   タ電子制御装置が差信号からステツプモータに
   対する相応のパルス列を発生し、 (b) 実質的に同一のステツプモータ１〜４が設け
   られ、該ステツプモータが、モータ電子制御装
   置１０から供給されるパルス列に依存して、マ
   スタコンパスとレピータコンパスのコンパスカ
   ードを同期調整し、 (c) マスタコンパスのコンパスカードと連結され
   たそれ自体公知のスリツプリング１１が設けら
   れ、該スリツプリングが接触ブラシ６とすべり
   接触し、かつ遮断箇所５を有し、 (d) 調整電源９が設けられ、該調整電源が、追従
   制御スイツチ７の遮断の際にマスタコンパスと
   レピータコンパスとのステツプモータ１〜４を
   介して、接触ブラシ６が遮断箇所５と接触する
   までコンパスカードの調整が行なわれるよう
   に、接触ブラシ６に調整電流を供給する、 ようにしたことを特徴とするレピータコンパス用
   調整装置。