JPH0429901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は水道水等の加圧水を加圧第１液とし、
この加圧第１液を噴射させることによつて生じる
負圧を利用して、例えば単一洗浄液やワツクス成
分を含有した複合洗浄液等の第２液を吸液混合し
て噴射させて、好適な洗車を行う洗車液噴射装置
に関する。

（従来の技術） 従来より、水道水等の加圧水を加圧第１液と
し、この加圧第１液に単一洗浄液やワツクス成分
を含有した複合洗浄液等の第２液を混合して噴射
させる装置は種々提案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかし、従来のこの種のものは一般に部品点数
が多く、構造が複雑であるため、高価格であるの
にもかかわらず、液体流通系のシール性が損なわ
れ易く、比較的短期間で漏液を生じ事実上使用不
可能になる状態を招くおそれを有している。

しかも大形化されているので携行、使用および
収納等が煩雑である等の問題点がある。

本考案はこのような事情に鑑み創案されたもの
で、部品点数の低減と構造の簡略化を図つて漏液
等の不本意な状態の発生を回避して延命化を達成
するとともに、小形化を図つて使用性を向上さ
せ、かつ携行および収納等が容易なされ、しかも
低価格化を実現して経済的な有利性を確保するこ
とができる洗車液噴射装置を提供することを目的
とする。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するために、本考案は加圧第１
液の噴射によつて生じる負圧で第２液を吸液混合
して噴射させる洗車液噴射装置であつて、加圧第
１液供給源に着脱可能に接続させるメイン通路
と、このメイン通路の先端に形成された噴射ノズ
ルと、該噴射ノズルを開閉させる弁機構と、前記
噴射ノズルの前方位置にその軸線に交差して設け
られたキヤツプ部と、このキヤツプ部の上方かつ
前記噴射ノズルの軸線延長位置に形成したベンチ
ユリ部と、該ベンチユリ部の負圧発生位置に出口
が開口されるとともに前記キヤツプ部を第２液貯
留容器の開口部に着脱可能に装着したとき入口が
第２液貯留容器内に開口する第２液供給通路と、
前記キヤツプ部に形成されて第２液貯留容器の内
部を外部に連通させる大気導入通路と、前記第２
液供給通路にブリードエアを導入するブリードエ
ア導入通路とを具備したものである。

（作用） 本考案においては、メイン通路に加圧第１液供
給源を接続し、弁機構を開作動させて噴射ノズル
を開成することにより、加圧第１液がメイン通路
を通つて噴射ノズルから噴射され、該噴射ノズル
の軸線延長上に形成されているベンチユリ部を通
過する。

ベンチユリ部の負圧発生位置には第２液供給通
路の出口が開口しているから、予めキヤツプ部を
第２液貯留容器の開口部に接続し、かつ第２液供
給通路の入口を第２液貯留容器に貯留されている
第２液に浸漬しておくことで、前記出口の直前位
置に生じる負圧と大気導入通路を介して第２液に
作用する大気圧との差圧によつて第２液が吸引導
出され、この直前にブリードエア導入通路から導
入されるブリードエアによつて微細化した気泡状
で加圧第１液に分散され、加圧第１液に対して均
等に混合した状態で前方に噴射される。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は要部の縦断側面図を示し、これらの図におい
て洗車液噴射装置１は合成樹脂によつて成形さ
れ、例えば水道供給ホース等の加圧第１液供給源
２に着脱可能に接続されるメイン通路３が水平軸
線C₁を有して上部に設けられている。

メイン通路３の先端部には加圧第１液を噴射さ
せる噴射ノズル４が同心位置において前方に延出
形成され、この噴射ノズル４は弁機構５によつて
開閉される。

メイン通路３の前方にアーム６を介してキヤツ
プ部７が設けられている。

このキヤツプ部７は周知の単一洗浄液またはワ
ツクス成分を含有した複合洗浄液等の第２液を貯
留している第２液貯留容器８の上端開口部８ａに
着脱可能に装着されるもので、前記メイン通路３
の軸線C₁に直交する垂直軸線C₂を有している。

キヤツプ部７の上面おける前記噴射ノズル４の
軸線延長位置、つまりメイン通路３の水平軸線
C₁の延長位置にベンチユリ部９が設けられ、こ
のベンチユリ部９の負圧発生位置に第２液供給通
路１０の出口１０ａが上向きに開口している。

第２液供給通路１０はキヤツプ部７の垂直軸線
C₂に沿つて垂下状かつキヤツプ部７を貫通して
形成された出口側通路１０Ａと、この出口側通路
１０Ａに着脱可能に接続されたチユーブによつて
なる入口可撓性通路１０Ｂによつてなり、入口側
可撓性通路Ｂを前記第２液に浸漬させることで第
２液供給通路１０の入口１０ｂを第２液貯留容器
８の内部に開口させている。

キヤツプ部７には、その上壁７Ａを上下方向に
貫通した大気導入通路１１が形成されている。

したがつて、キヤツプ部７が装着された第２液
貯留容器８の内部は大気導入通路１１を介して大
気と連通することになる。

また、前記上壁７Ａを水平方向に貫通して大気
と第２液供給通路１０における出口側通路１０Ａ
を連通させるブリードエア導入通路１２が形成さ
れている。

噴射ノズル４を開閉する弁機構５は、第３図に
示すように、弁体５Ａと、この弁体５Ａを軸方向
に進退移動させる弁体移動機構５Ｂとから構成さ
れている。

そして、弁体移動機構５Ｂは、メイン通路３の
外周を軸まわりに回転自在かつ液密に巻回した操
作リング部材５B₁と、この操作リング部材５B₁
の曲率中心を通つて外周の上端部から下端にかけ
て差し込み固定されたピン部材５B₂およびメイ
ン通路３の周壁部３Ａにおいて上下に対向し、か
つ同一投影平面においてＸ字状に交叉する１対の
開閉ガイド用切欠部５B₃，５B₄とからなり、弁
体５Ａの基部に形成した上下方向の貫通孔５ａに
前記ピン部材５B₂を挿通することで、第２図に
示すように弁体５Ａと弁体移動機構５Ｂを一体結
合し、弁体５Ａを噴射ノズル４の後部に対応させ
ている。

尚図中１３，１３は０リングを示し、メイン通
路３の周壁部３Ａ外周と操作リング部材５B₁の
内周とのシール性を確保しており、環状パツキン
１４は加圧第１液供給源２とメイン通路３とのシ
ール性を、また環状パツキン１５はキヤツプ部７
と第２液貯留容器８とのシール性をそれぞれ確保
している。

また１６は把手を示す。

つぎに、前記構成の使用手順ならびに作動につ
いて説明する。

周知の洗車用単一洗浄液もしくはワツクス成
分を含有した複合洗浄液等の第２液を貯留して
いる第２液貯留容器８の上端開口部８ａに、洗
車液噴射装置１のキヤツプ部７を例えば螺合に
よつて液密に接続し、かつ第２液供給通路１０
における入口側可撓性通路１０Ｂを前記第２液
に浸漬させる。

弁機構５における弁体移動機構５Ｂの操作リ
ング部材５B₁を、例えば軸まわり左方向終端
位置まで回動させ、ピン部材５B₂と開閉ガイ
ド用切欠部５B₃，５B₄との相互干渉によつて、
操作リング部材５B₁および弁体５Ａを前端位
置に前進させ、第２図のように弁体５Ａで噴射
ノズル４を閉成した閉弁状態を得る。

メイン通路３に水道水供給ホース等の加圧第
１液供給源２の先端を、例えば螺合によつて液
密に接続し、加圧第１液供給源２に介装されて
いる開閉手段（例えば水道の蛇口）を開成させ
る。

これによつて、加圧第１液がメイン通路３に
導入される。

第２液貯留容器８を把持し、噴射ノズル４を
例えば自動車に対して適当な間隔を存して指向
させる。

操作リング部材５B₁を軸まわり右方向終端
位置まで回動させ、前記の逆作動によつて弁
体５Ａを終端位置に後退させて、第４図に示す
ように、弁体５Ａが噴射ノズル４から離間した
開弁状態を得る。

前記の開弁状態を得ることによつて、加圧
第１液が噴射ノズル４から前方に噴射されてベ
ンチユリ部９を通過する。

ベンチユリ部９のベンチユリ効果による負圧
発生位置には、第２液供給通路１０の出口１０
ａが開口され、かつ大気導入通路１１を介して
第２液貯留容器８内の第２液に大気圧が作用し
ているから、出口１０ａの直上（直前）位置に
生じる負圧と大気圧との差圧によつて第２液が
出口１０ａから吸引導出さる。

第２液供給通路１０の出口１０ａから導出さ
れる第２液には、導出される直前にブリードエ
ア導入通路１２から導入されたブリードエアが
混入される。

したがつて、第２液は微細化した気泡状で加
圧第１液に分散され、加圧第１液に対して均等
に混合した状態で前方、即ち自動車の被洗浄物
に噴射される。

噴射流体の流量および噴射は弁体５Ａの開
度、つまり操作リング部材５B₁の軸まわり右
方向の回動量によつて適宜調整可能であること
はいうまでもない。

洗車作業が完了すれば前記の操作を施して
噴射ノズル４からの流体噴射を停止させる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、加圧第
１液供給源に接続されるメイン通路の先端に噴射
ノズルを形成し、この噴射ノズルを開閉させる弁
機構を設け、前記噴射ノズルの軸線に交差して第
２液貯留容器に接続されるキヤツプ部を設けると
ともに、該キヤツプ部の上方かつ前記噴射ノズル
の軸線延長位置にベンチユリ部を形成し、かつベ
ンチユリ部の負圧発生位置に第２液供給通路の出
口を開口し、さらに前記第２液貯留容器の内部を
外部に連通させる大気導入通路および前記第２液
導入通路にブリードエアを導入するブリードエア
導入通路を設けた構成としているので、弁機構の
開弁操作によつて加圧第１液を噴射ノズルから噴
射させることにより、自動的に第２液を吸引導出
して洗浄に好適な混合液として噴射することがで
きる。

しかも、この噴射流体は、加圧第１液に対して
洗浄液としての第２液が微細した気泡状で分散さ
れ、加圧第１液に対して均等に混合した状態、即
ち、噴射流体の横断面領域に対して偏在すること
なく第２液が均等に分散された状態を呈している
から、きわめて高い洗浄効果を得ることができ
る。

また、従来のこの種のものと比較して、部品点
数が少なく、したがつて構造が簡単であるから、
漏液等の不本意な状態の発生を回避できるので、
延命化を達成できる。

さらに、小形化できるので、使用性が向上する
とともに、携行および収納等がきわめて容易にな
り、かつ低価格化を実現して経済的な有利性を確
保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は要部の縦断側面図、第３図は弁機構の分解斜
視図、第４図は第２図に相当する開弁状態の縦断
側面図である。 １……洗車液噴射装置、２……加圧第１液供給
源、３……メイン通路、４……噴射ノズル、５…
…弁機構、７……キヤツプ部、８……第２液貯留
容器、９……ベンチユリ部、１０……第２液供給
通路、１１……大気導入通路、１２……ブリード
エア導入通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加圧第１液の噴射によつて生じる負圧で第２液
   を吸液混合して噴射させる洗車液噴射装置であつ
   て、加圧第１供給源に着脱可能に接続されるメイ
   ン通路と、このメイン通路の先端に形成された噴
   射ノズルと、該噴射ノズルを開閉させる弁機構
   と、前記噴射ノズルの前方位置にその軸線に交差
   して設けられたキヤツプ部と、このキヤツプ部の
   上方かつ前記噴射ノズルの軸線延長位置に形成し
   たベンチユリ部と、該ベンチユリ部の負圧発生位
   置に出口が開口されるとともに前記キヤツプ部を
   第２液貯留容器の開口部に着脱可能に装着したと
   き入口が第２液貯留容器内に開口する第２液供給
   通路と、前記キヤツプ部に形成されて第２液貯留
   容器の内部を外部に連通させる大気導入通路と、
   前記第２液供給通路にブリードエアを導入するブ
   リードエア導入通路とを具備してなることを特徴
   とする洗車液噴射装置。