JPH04297413A - プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物 - Google Patents

プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物

Info

Publication number
JPH04297413A
JPH04297413A JP6807891A JP6807891A JPH04297413A JP H04297413 A JPH04297413 A JP H04297413A JP 6807891 A JP6807891 A JP 6807891A JP 6807891 A JP6807891 A JP 6807891A JP H04297413 A JPH04297413 A JP H04297413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fat
pgs
pge1
buffer
spherular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6807891A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3120461B2 (ja
Inventor
Yuichiro Inui
乾 祐一郎
Hiroshi Matsuda
寛 松田
Yuki Kobayashi
小林 由希
Yasuo Ueda
上田 泰生
Koichi Yamauchi
山内 紘一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Original Assignee
Green Cross Corp Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Green Cross Corp Japan filed Critical Green Cross Corp Japan
Priority to JP03068078A priority Critical patent/JP3120461B2/ja
Publication of JPH04297413A publication Critical patent/JPH04297413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3120461B2 publication Critical patent/JP3120461B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロスタグランジン類
(以下PG類という)の脂肪小体への取り込み率の向上
、組成物中における安定性の改善、放出速度の抑制等を
目的としたPG類を含有してなる脂肪小体組成物に関す
る。
【0002】
【従来技術】PG類は、血管拡張、末梢循環改善、降圧
、抗脂肪分解、ナトリウム利尿など種々多彩な生理作用
を有することから、医薬品への適用がなされている。 この有用なPG類を医薬品として適用する際には、生体
内で容易に不活性物質へ代謝されることと、病巣選択性
が問題となる。そのため、一般にPG類製剤は瀕回投与
が必要となり、患者の苦痛を増すばかりでなく、瀕回投
与に基づく副作用の恐れがある。これらの問題点の解決
の手段としてPG類を脂肪小体に含有させた製剤が提供
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PG類含有脂
肪小体製剤においても、脂肪小体へのPG類の取り込み
(以下、封入ともいう)率、製剤自体の安定性、脂肪小
体に含有させたPG類の遊離等の改善すべき問題点があ
り、様々な検討が行われている。特表昭63−5035
26号公報、特表平2−504027号公報には脂肪小
体にイオン勾配、pH勾配等の膜透過濃度勾配を持たせ
ることにより、これらの問題点を解消する試みがなされ
ている。しかしながら、上記公報に記載された脂肪小体
においても、これら問題点は十分改善されているとはい
えない。
【0004】本発明の目的は、前記の問題点が一挙に解
決されたPG類を脂肪小体に含有させた組成物を提供す
ることである。即ち、PG類の脂肪小体への取り込みが
改善され、PG類が取り込まれた脂肪小体組成物におけ
るPG類の安定性が改善され、しかも脂肪小体からのP
G類の放出速度の抑制された、PG類を脂肪小体に含有
させた組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々研究
を重ねてきたところ、膜透過濃度勾配を持たせる際の条
件等が、PG類含有脂肪小体組成物の特性に多大な影響
を及ぼすことをはじめて知見した。即ち、本発明者らは
、脂肪小体外液のpHを2〜6、脂肪小体内封溶液を弱
酸と強塩基にてpH7〜11に調整することにより、前
記問題点の解決されたPG類を脂肪小体に含有させた組
成物が得られることを見出した。即ち、本発明は、脂肪
小体外液のpHが2〜6、脂肪小体内封溶液が弱酸と強
塩基にてpH7〜11に調整されてなることを特徴とす
るPG類含有脂肪小体組成物に関する。
【0006】本発明において、脂肪小体(リポソーム)
は、多重同心二重層、単一層あるいは多重層の構造をな
し、各種蛋白質その他の生理活性物質をその間隙に取り
込む能力を有するものである。
【0007】当該脂肪小体を形成するための脂質として
は、リン脂質、糖脂質、誘導脂質等が挙げられる。脂質
としては、生理的に許容され、そして代謝されうる脂質
であればいずれも本発明に用いられる。リン脂質として
は、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルセリ
ン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホ
スファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシ
トール、スフィンゴミエリン、ジセチルホスフェート、
リゾホスファチジルコリン(リゾレシチン)、あるいは
これらの混合物である大豆リン脂質、卵黄リン脂質等が
例示される。
【0008】糖脂質としては、セレブロシド、硫脂質(
Sulfatide)、ガングリオシド等が例示される
。誘導脂質としては、コール酸、デオキシコール酸等が
例示される。特に、好ましい脂質としては、ホスファチ
ジルコリンが挙げられる。脂質はPG類1重量部当たり
、通常10〜3000重量部、好ましくは150〜20
0重量部配合される。
【0009】本発明で用いられるPG類は、アラキドン
酸代謝物またはそれらの構造類似化合物である。アラキ
ドン酸代謝物としては、例えばプロスタグランジン、プ
ロスタサイクリン、トロンボキサン、ロイコトリエン等
が挙げられる。また、アラキドン酸代謝産物構造類似化
合物としては、例えばアラキドン酸代謝産物を基本骨格
とし構造修飾された6−ケト−PGE1 誘導体、カル
バサイクリン誘導体、PGD2 誘導体等が挙げられる
【0010】本発明の脂肪小体は、その外液がpHを2
〜6、好ましくはpH3〜5である。かかるpHとする
ためには、通常緩衝液が使用される。緩衝液は本発明の
目的を達成しうる限り特に制限はなく、具体的には、例
えばクエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、乳酸緩衝液等が例示
され、特に好ましい外液としてはクエン酸緩衝液が挙げ
られる。当該緩衝液の濃度は5〜500mM、好ましく
は20〜200mMである。また、浸透圧を調整するた
めに、蔗糖などを配合してもよい。
【0011】本発明の脂肪小体内封溶液は、弱酸と強塩
基にてpH7〜11、好ましくはpH9〜10に調整さ
れている。弱酸と強塩基の組み合わせとしては、炭酸と
炭酸ナトリウム、リン酸とリン酸ナトリウム、ホウ酸と
ホウ酸ナトリウム、ピロリン酸とピロリン酸ナトリウム
との組み合わせ等が挙げられ、特に好ましくは炭酸と炭
酸ナトリウムとの組み合わせが挙げられる。脂肪小体内
封溶液濃度は、通常100〜1000mM、好ましくは
500〜600mMである。
【0012】本発明の脂肪小体の製造の概略は、次の通
りである。即ち、適当な脂質を含有する溶液(当該溶液
は脂質を変成しない溶媒であればよく、例えばクロロホ
ルム等の溶液が例示される)から溶媒を留去して脂質の
薄膜を作り、この薄膜に脂肪小体内封溶液と同組成の溶
液を加え、凍結融解を行い、脂肪小体を調製する。凍結
融解の際の凍結はドライアイス上に静置する方法等によ
って行われ、融解は30〜40℃の温浴に浸漬する方法
等によって行われる。
【0013】均一なサイズ分布(200nm程度)にま
でサイズをフィルター等を用いて減少させた後、脂肪小
体外液と同組成の溶液を加え、膜透過pH勾配を形成さ
せる。これは30000〜70000rpm程度での超
遠心操作等により行う。脂肪小体外液の交換は、その他
、ゲル濾過、限外濾過等の既知の手段が使用できる。 次いでこの水性懸濁液にPG類を添加し、PG類含有脂
肪小体を得る。PG類の添加は膜透過pH勾配を形成さ
せる前に添加することもできる。
【0014】なお、脂質薄膜の調製に際し、トコフェロ
ール(ビタミンE)、コレステロール、ホスファチジン
酸、ジセチルホスフェート、脂肪酸(パルミチン酸等)
等を安定化剤として配合してもよい。特にコレステロー
ルは脂肪小体の安定性に寄与するのみでなく、膜透過p
H勾配を形成するうえでも有利である。コレステロール
は脂質1モル当たり0.5〜1.0モル添加、更に好ま
しくは0.8モル程度配合される。
【0015】上記に例示した製造法は凍結融解法(Pi
ck U.: Arch. Biochem. Bio
phys., 212, 186(1986))による
製造法であるが、これに限らず超音波処理法(Huan
g, C.: Biochemistry, 8, 3
44 (1969))、界面活性剤処理法(Brunn
er, J. et al. : Biochem. 
Biophys. Acta, 455, 322 (
1976)) 、逆相蒸発法(Szoka, F. e
t al. :Proc. Natl. Acad. 
Sci.: USA, 75, 4194 (1978
))、乳化機による方法(Talsma, H. et
 al.: Drug Dev. and Ind. 
Pharmacy, 15, 197 (1989))
 等によっても製造することができる。
【0016】また、本発明の脂肪小体はアルブミン、デ
キストラン、ビニル重合体、非イオン性界面活性剤、ゼ
ラチン、ヒドロキシエチル澱粉から選ばれた高分子物質
等を安定化剤として配合してもよい。当該高分子物質安
定化剤は、PG類と共に脂肪小体内の空隙に取りこまれ
ていてもよいし、またPG類を取りこんだ脂肪小体に配
合(即ち、脂肪小体外に配合)してもよい。もちろん脂
肪小体の内外ともに配合してもよいことはいうまでもな
い。当該安定化剤の添加量は脂質1重量部に対して0.
5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0017】また、糖類の添加は、浸透圧の調整および
、後述する凍結乾燥製剤を調製する際に有利である。 かかる糖類としては、単糖類(グルコース、マンノース
、ガラクトース、果糖等)、二糖類(ショ糖、麦芽糖、
乳糖等)、糖アルコール(マンニット、ソルビット、キ
シリット等)が好適なものとして例示されるが、これら
に限定されるものではない。その添加量は脂質1重量部
に対して0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部
である。
【0018】本発明の脂肪小体の直径は、通常20〜5
00nm、好ましくは100〜250nmであり、かか
る粒径のものは肺での不活化を受けにくいものである。 本発明の脂肪小体へのPG類の取り込み率は100%に
近いため、さらに精製処理する必要はなく、そのまま医
薬品として使用可能であるが、要すれば、さらに分子ふ
るい処理、夾雑物、遊離物を除去するためのゲル濾過処
理等の任意の少なくとも一つの処理を行うこともできる
【0019】PG類を取り込んだ脂肪小体は沈澱物とし
て回収することができる。例えば、脂肪小体を含有する
媒体を超遠心処理し、脂肪小体を沈澱として回収するこ
とができる。このものは次いで要すれば生理的に許容さ
れる水溶液で洗浄し、ペレット状、懸濁状の製剤として
調製する。製剤化は医薬品の製法において広く公知の方
法に準ずる。
【0020】かくして得られたPG類含有脂肪小体組成
物は脂質へのPG類の取込み率が非常に高く、しかもそ
の粒子径は均一であり、極めて微少であることから医療
用製剤として好ましい。また本発明の脂肪小体は、その
液状製剤を凍結させた後、減圧下で乾燥させ、凍結乾燥
製剤としても提供されるが、その調製法は公知の方法に
従えばよい。
【0021】本発明の脂肪小体組成物の製剤は、一般的
に経口薬または注射薬として使用され、その投与量は成
人の場合、PG類として1〜50μg/kg/1回、好
適には0.02〜1ng/kg/1回の量において投与
される。凍結乾燥製剤は、その使用時に、生理的に許容
される水性溶媒(例えば、注射用蒸留水)によって溶解
または希釈して用いられるのが一般的である。また、当
該凍結乾燥製剤は、製剤上の工夫によって錠剤化、カプ
セル化、腸液性カプセル化してもよい。
【0022】
【実施例・実験例】以下の実施例および実験例は、特に
言及しない限り各々次の要領で行った。1.PG類含有
脂肪小体の製造:卵黄由来フォスファチジルコリン(以
下、EPCと略す)70mgとコレステロール30mg
(モル比55:45)を混合する。この混合物をクロロ
ホルム1mlに溶解した後、25ml容の梨型フラスコ
に入れ、ロータリーエバポレータでクロロホルムを留去
し、脂質薄膜を調製した。内壁に脂質薄膜を形成したフ
ラスコをデシケーターに入れ真空ポンプで1時間吸引し
た。次に、フラスコに第1の緩衝液(脂肪小体内封溶液
と同組成)を1ml加え、ボルテクス・ミキサーで攪拌
して脂質懸濁液(MLV)を調製した。
【0023】次に、ドライアイス上で凍結後、37℃温
浴中で融解するという操作を5回繰り返し、脂肪小体(
LUV)を調製した。次に、0.2μmのNuclep
ore フィルター(Costar Corporat
ion)を用いて10回濾過を行い、粒子径を均一にし
た。次に前記調製に用いたのと同じ緩衝液3mlに脂肪
小体100μlを加えたサンプルに、第2の緩衝液〔脂
肪小体外液と同組成、800mM蔗糖含有20mMクエ
ン酸(pH3.0)を使用〕を5ml加え、超遠心(5
0000rpm、30分間)を2回行い、膜透過pH勾
配を有した脂肪小体を調製した。次に、風乾したPG類
に上記脂肪小体を加え25℃、1時間インキュベーショ
ンした。以上の工程によりPG類含有脂肪小体を調製し
た。尚、MLVは多重ラメラ小胞を、LUVは粒子径の
大きな多重ラメラ小胞を示す。
【0024】2.PG類の封入効率の測定:トリチウム
標識PG類を利用して、限外濾過法にて測定した。即ち
、限外濾過膜(Amicon製AP−1)上に補足され
たPG類を脂肪小体に取り込まれたPG類とし、限外濾
過膜を通過したPG類をフリーのPG類とした。そして
、全体のPG類に対する補足されたPG類の割合を以て
PG類の封入効率とした。即ち、PG類の封入効率は、
図1に示した如き手法を経て、限外濾過膜の放射活性お
よび濾液の放射活性を各々測定し、下式によって求めた
ものである。 (限外濾過膜の放射活性)÷(限外濾過膜の放射活性+
濾液の放射活性)×100 (放射活性の測定) サンプリングした液100μlに液体シンチレーター1
0mlを加え、良く攪拌した後、放射活性を測定した。
【0025】3.リン脂質(PC)の定量:リン脂質測
定用試薬(酵素剤)(デンカ生研社製)を用いて測定し
た。
【0026】実施例1・実験例1 内封緩衝液のpHを7.0〜10.0とした時のPGE
1 封入効率:PG類として、PGE1 を使用し、前
記脂肪小体の製造法の項目に記載した方法に準じて製造
した脂肪小体であって、内封緩衝液pHを7.0、8.
0、9.0および10.0と1刻みで変化させたものの
PGE1 封入効率を調べ、その結果を図2に示した。 なお、本実施例ではPGE1 5μgに対しPC量を変
化させた。内封緩衝液としては、各々次のものを使用し
た。即ち、本発明の脂肪小体としては、pH7.0は5
00mMリン酸、pH8.0および9.0は500mM
トリス、pH10.0は500mM炭酸である。また、
対照脂肪小体としては、pH3.0は20mMクエン酸
を使用した。これに対して、脂肪小体のPC量として、
0.0075mg、0.075mgおよび0.75mg
の3段階を用いた(以下の実施例においても同じ)。P
GE1 封入効率は脂肪小体量と比例しているが、pH
10.0の炭酸が最も高く、次いでpH7.0のリン酸
であった。
【0027】実施例2・実験例2 内封炭酸緩衝液のpH、濃度のPGE1 封入効率への
影響:a)PG類として、PGE1 を使用し、前記脂
肪小体の製造に準じて製造した脂肪小体であって、炭酸
緩衝液(500mM)のpHを変えたもののPGE1 
封入効率を調べ、その結果を図3に示した。対照脂肪小
体(コントロール)としては、20mMクエン酸にてp
H3.0に調製された脂肪小体を用いた(以下の実施例
においても同じ)。図3の結果から明らかなように、p
H10.0においては、pH9.0より多少封入効率が
低下した。しかし、炭酸におけるpH9.0の場合は、
トリスにおけるpH9.0より遙に高いPGE1 封入
効率を示した。b)PG類として、PGE1 を使用し
、前記脂肪小体の製造法の項目に記載した方法に準じて
製造した脂肪小体であって、炭酸緩衝液(pH10.0
)の濃度を250mM、500mM、1000mMに変
化させた時のPGE1 封入効率を測定し、その結果を
図4に示した。図4に示した結果から明らかなように炭
酸濃度が高い程、PGE1 封入効率も高くなることが
わかる。なお、上記a)およびb)の実験においては、
PGE1 5μgに対しPC量を変化させた。
【0028】実施例3・実験例3 内封リン酸緩衝液のpH変化によるPGE1 封入効率
への影響:PG類として、PGE1 を使用し、前記脂
肪小体の製造に準じて製造した脂肪小体であって、リン
酸緩衝液(500mM)のpHを、pH7.0、pH8
.0、pH9.0、pH10.0に変化させてPGE1
 封入効率を調べた(濃度は全て500mM)。その結
果を図5に示す。図5の結果から明らかなようにリン酸
のpHが高くなる程、封入効率も高くなる。
【0029】実施例4・実験例4 内封緩衝液pH9.0とした時の緩衝液種のPGE1 
封入効率への影響:PG類として、PGE1 を使用し
、前記脂肪小体の製造に準じて製造した脂肪小体であっ
て、5種類の緩衝液、即ちトリス緩衝液、グリシン緩衝
液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液および炭酸緩衝液を使
用したものについて、そのpH9.0におけるPGE1
 封入効率を調べ、その結果を図6に示した。これらの
緩衝液の特性は表1に示した通りである。
【0030】
【表1】
【0031】図6に示した結果から明らかなように、こ
れら緩衝液中、炭酸緩衝液が最も高いPGE1 封入効
率を示した。
【0032】実施例5・実験例5 脂肪小体からのPGE1 の遊離率:PG類として、P
GE1 を使用し、前記脂肪小体の製造に準じて製造し
た脂肪小体を、冷蔵庫で10℃以下にて保存し、経時的
に脂肪小体からのPGE1 の遊離を、限外濾過法によ
って調べた。その結果は表2に示した通りであり、90
時間保存によってもその遊離は僅かであった。このこと
から本発明の脂肪小体においては、PG類の放出性が抑
制されていること、即ち持続性のあることがわかる。な
お、内部緩衝液としては、500mM炭酸緩衝液を使用
した。
【0033】
【表2】
【0034】実施例6・実験例6 脂肪小体に封入されたPGE1 の安定性:PG類とし
て、PGE1 (5μg)を使用し、PC量は0.75
mgとし、内封液として、500mM炭酸緩衝液を使用
して前記脂肪小体の製造に準じて製造した脂肪小体を、
冷蔵庫で10℃以下にて保存し、経時的に末変化のPG
E1 と分解したPGE1 (即ち、PGB1 )との
割合をオクタデシルシリル化充填カラムを用いたポスト
カラム法によって調べた。その結果は図7に示した通り
である。 この結果から本発明の脂肪小体中におけるPGE1 は
、非常に安定であることがわかった。
【0035】〔HPLCによる分析法〕HPLCのポス
トカラム法によって、PGE1 およびPGB1 を定
量した。すなわちPGをカラムによって分離し、分離後
の溶出液に1N水酸化カリウム液を反応させた。次にP
GE1 をPGB1 に定量的に変換させた後、これを
紫外吸光光度計で検出し定量した。測定条件は以下の通
りである。分離条件 移動相:1/150Mリン酸緩衝液(pH6.3)/液
体クロマトグラフ用 内部標準:アセトニトリル混液(3/1)βナフトール カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル充填カラムカ
ラム温度:60℃ 流速:1.3ml/min. ポストカラム反応条件 反応液:1N  KOH 反応コイル:テフロンチューブ(内径0.5mm、長さ
10m) コイル温度:60℃ 流速:0.5ml/min. 分析条件 測定波長:278nm
【0036】実施例7・実験例7 脂肪小体に封入されたPGE1 の放出性:a)500
mM炭酸緩衝液(pH10.0)を封入した本発明の脂
肪小体と20mMクエン酸緩衝液(pH3.0)を封入
した脂肪小体(コントロール)を用いて脂肪小体外液と
同じpHの、または中性の緩衝液による希釈効果につい
て限外濾過法にて調べた。PGE1 5μg、ホスファ
チジルコリン7.5mgよりなる脂肪小体500μlを
10倍希釈した。その結果を図8に示した。その結果か
ら明らかなように、コントロール脂肪小体はpH3.0
クエン酸緩衝液で希釈するだけでPGE1 を遊離し、
さらにpH7.4のヘペス緩衝液中ではその殆どのPG
E1 を遊離した。一方、本発明脂肪小体ではPGE1
 の遊離抑制がみられた。
【0037】b)本発明脂肪小体について5%ヒト血清
アルブミン(pH7.4のヘペス緩衝液)中における脂
肪小体からのPGE1 の遊離を限外濾過法にて調べた
。 その結果を図9に示した。その結果から明らかなように
、5%ヒト血清アルブミン(pH7.4のヘペス緩衝液
)中ではPGE1 の遊離はあるが、その60%が保持
されていた。なお、b)の実験においてPGE1 は5
μgであり、ホスファチジルコリンは5%ヒト血清アル
ブミン中0.75mgである。
【0038】〔蔗糖密度勾配遠心法〕蔗糖で密度勾配を
設けた中にリポソームを加え、リポソームに封入された
PG類とフリーのPG類を分離するものである。本法を
適用することにより、限外濾過法では分析が不可能なリ
ポソームのPGE1 保持能に及ぼす蛋白質(例えばヒ
ト血清アルブミン(HSA))の影響も調べることがで
きる。本方法は具体的に以下の通りである。超遠心用チ
ューブ中で0.8M蔗糖を含むバッファー800μlに
分析すべきリポソームサンプル50μlを加える。pH
を変えたり、HSAを加えたりした分析すべきバッファ
ー800μlにリポソームサンプル50μlを加え、最
終蔗糖濃度を800mMに調整する。この液を超遠心用
チューブに入れ、この上から500mM蔗糖含有20m
Mクエン酸バッファーを4.15ml、静かに重層する
。次に230,000gで16時間、4℃下で超遠心処
理する。超遠心終了後、底部から1ml/フラクション
で分取する。そして全体のPG類に対する上層3mlの
PG類の割合をもってPG類の封入効率とした。
【0039】実施例8・実験例8 ラット血漿からの排泄: ラット血漿中濃度を遊離のPGE1 と本発明PGE1
 含有脂肪小体(脂肪小体内封緩衝液は500mM炭酸
ナトリウム、pH10.0)で比較した。トレーサーと
して、 1HラベルのPGE1 を用い、その放射活性
の変化で調べた。投与量はPGE1 20μg/PC3
0mg/kgとし、尾静脈より投与、採血は頸動脈に設
けたカニューレから行った。採血したサンプルは乾燥後
、放射活性を測定し、percent of dose
 を計算した。その結果を図10に示した。遊離のPG
E1の血中濃度は投与後急速に低下し、投与後2分目で
ほぼ0となった。これに対して、脂肪小体に封入したP
GE1 は低下は緩慢であり、投与後、5分目でも10
%以上を維持していた。
【0040】
【発明の効果】本発明PG含有脂肪小体組成物は以下の
特徴を有することがわかった。■PG類の封入量が多い
:脂質一定量当たりの封入量が対照リポソームの約10
0倍。■脂肪小体中のPG類は安定であった:4℃で2
0時間液状保存しても、漏出率は4%以下、PGA1 
またはPGB1 への分解は7%以下であった。■PG
類の放出は大きく抑制されていた:アルブミン存在下で
も放出抑制効果が認められた。■ラット血中のPG類濃
度が高かった:投与初期における血中濃度は有意にフリ
ーより高かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】分析に用いた限外濾過の原理図である。
【図2】脂肪小体内封緩衝液のpH変化によるPG類封
入効率への影響を示すグラフである。
【図3】内封炭酸緩衝液のpHを変化させた時のPG類
封入効率を示すグラフである。
【図4】内封炭酸緩衝液の濃度を変化させた時のPG類
封入効率を示すグラフである。
【図5】内封リン酸緩衝液のpHを変化させた時のPG
類封入効率を示すグラフである。
【図6】内封緩衝液のpHを9.0とした時のPG類封
入効率を示すグラフである。
【図7】脂肪小体に封入されたPG類の安定性を示すグ
ラフである。
【図8】脂肪小体からのPG類の放出性を示すグラフで
ある。
【図9】脂肪小体からのPG類の放出性を示すグラフで
ある。
【図10】ラット血漿からのPG類の排泄を示すグラフ
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪小体外液のpHが2〜6、脂肪小体内
    封溶液のpHが弱酸と強塩基の組み合わせにて7〜11
    に調整されてなることを特徴とするプロスタグランジン
    類含有脂肪小体組成物。
JP03068078A 1991-03-06 1991-03-06 プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物 Expired - Lifetime JP3120461B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03068078A JP3120461B2 (ja) 1991-03-06 1991-03-06 プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03068078A JP3120461B2 (ja) 1991-03-06 1991-03-06 プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04297413A true JPH04297413A (ja) 1992-10-21
JP3120461B2 JP3120461B2 (ja) 2000-12-25

Family

ID=13363369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03068078A Expired - Lifetime JP3120461B2 (ja) 1991-03-06 1991-03-06 プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3120461B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3120461B2 (ja) 2000-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU617678B2 (en) Prostaglandin-lipid formulations
US5262168A (en) Prostaglandin-lipid formulations
Weder et al. The preparation of variably sized homogeneous liposomes for laboratory, clinical, and industrial use by controlled detergent dialysis
KR100216138B1 (ko) 초음파반향검사용 증진제로서의 안정한 미기포 현탁액
JP2911814B2 (ja) リポソーム性の水中分散する経口投与可能な固体乾燥治療用処方の製造方法
JPS6150912A (ja) リポソ−ム製剤の製造法
JPH0751496B2 (ja) リポソ−ムの製造法
JPH0761947B2 (ja) リン脂質ミセル粒子に被包されたアントラサイクリン抗腫瘍薬
JPH0753661B2 (ja) プロ―リポソーム組成物及びリポソームの水性分散物を作る方法
US5429823A (en) Phospholipid composition and liposomes made therefrom
JP2012520245A (ja) グリセロソームならびに局所適用のための医薬調製物および化粧用調製物におけるその使用
EP0069399B1 (en) Pharmaceutical composition containing ubidecarenone containing liposomes
JP5126874B2 (ja) リポソーム製剤の製造方法
US5525232A (en) Method for entrapment of cationic species in lemellar vesicles
JPH0395118A (ja) プロスタグランジン含有脂肪小体製剤
JPH08151334A (ja) リポソームおよびその製剤
TW201806585A (zh) 用於製備含有弱酸性劑之微脂體組合物的傳輸載體、方法及套組
JPH04356421A (ja) プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物
JPH04297413A (ja) プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物
JPH0362696B2 (ja)
JP3118869B2 (ja) プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物
JPH05139977A (ja) プロスタグランジン類リポソーム複合体を充填した注射器
WO1986001404A1 (en) Method for using nutrient-containing liposomes in hyperalimentation
JP3249583B2 (ja) リポソーム製剤
JP2705175B2 (ja) 低毒性薬剤‐脂質系

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081020

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081020

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 10

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 11