JPH0429499A - 水中用電気音響変換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は水中で用いられるスピーカやマイクロホンの如
き電気音響変換器に関する。

（従来の技術） 従来、この種の水中用電気音響変換器としては、第５図
に示すように、振動板（３°）が外部に露出した構成の
直接放射型の水中用電気音響変換器や、第６図に示すよ
うに、振動板（３′）の前面に可撓性フィルムや金属箔
（１６’　）が設けられた間接放射型の水中用電気音響
変換器等がある。

そして、これらの各水中用電気音響変換器では磁気回路
等の振動板駆動部を有する外部金属ケース（１１’）内
の内部空間部Ａ“に空気等の気体が充填された構成とな
っていたが、次の如き欠点があった。

■　装置を水中に浸漬させた場合、水中の外圧に対し、
内部空間部Ａ゛の内圧とに差が生ずる。

この時、外圧と等圧になろうと振動板等の駆動部は内部
容積を小さくする方向で変形を生ずる。

このため、振動板面をはしめ、その駆動部に外圧の力が
大きく加わるため、振動板（３゛）やその駆動機構体の
強度によって、装置そのものの浸漬できる深さが厳しく
制限されるという欠点があった。

■　また、空気等気体は熱伝導性が悪く、保温効果によ
ってボイスコイル（８゛）部分から発生するジュール熱
を外部に伝えに（く、熱放散性が悪いため、熱的に耐入
力が劣る。

そζで、上記■の欠点に対し第７図や第８図に示すよう
に、内部密閉部と外圧との接する部分に、伸縮可能な風
船状の内圧調整装置（１３）を設け、浸漬可能な深さの
改善をはかったものもあるが、気体充填のため、その効
果は充分なものでなかった。

また、上記■、■の欠点に対し、内部空間部Ａ”をヒマ
シ油で充填したものがあるが、この場合、外圧負荷に対
する力が大きくなり、第５図、第６図の場合であっても
、気体充填に比べ、より水中深部への浸漬が可能となっ
た。

さらに、第７図や第８図に示す構成をとることにより、
より水中深部への浸漬が可能となる利点がある。

（発明が解決しようとするＲＨ） しかしながら、内部空間部Ａ°内にヒマシ油を充填した
ものでは、 ■　ヒマシ油は粘度が高く、その粘性抵抗が高いことか
ら、内部駆動部の動きを抑える力が大きく、充分な性能
を得ることができない、とりわけ、常温付近では粘度が
著しく高く、立上がり時等の初期段階での過渡特性が悪
い。

■　ヒマシ油は比熱が高く、気体の場合と同様に熱蓄積
によって放熱が抑えられ、熱的に不利な上に、誤動作な
どによるボイスコイル（３′）部分にスパークなどが生
じた場合、着火、燃焼の危険も伴う。

■　ヒマシ油は可塑剤的な作用があるため、接着剤への
影響が大きく使用する接着剤の選択に厳しい制限がある
上に、装置そのものの寿命を短くする、などの課題があ
った。

本発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的
とするところは、大入力が可能で、かつ常温以下、低温
環境下においても駆動部が動き易く、また、耐久性が向
上する水中用電気音響変換器を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明は、内部が外圧から遮断された密閉状であって、
内部空間部に充填材を充填した電気音９変換器において
、 前記充填材は、高絶縁性、低粘度、高沸点、低比熱、高
熱伝導率を有する液体にて構成し、この液体としては、
比重が１．８〜２．１程度の液状フルオロカーボンまた
は比重が０．９〜１．０程度のシリコーンオイルを用い
ることにより、上記目的を達成している。

（作用） 本発明では、上記のように構成し、内部空間部に充填材
を充填したタイプであり、水中深部への浸漬を可能とし
ている。

そして、その充填材として、高絶縁性、低粘度、高沸点
、低比熱、高熱伝導率を保持した液体、例えばその具体
例として液状フルオロカーボン（以下、単にフロン液と
言う）や、シリコーンオイルを用いており、従前のヒマ
シ油の常温付近の粘度は７００Ｐａ−５（’９０年度版
理科年表）であるのに対し、本発明のものでは極めて低
い粘度としたため、粘性抵抗が小さく、よって駆動部が
動き易く、かつ粘度の温度依存性においても、特に北極
海や南氷洋で想定される５°Ｃ以下においても、ヒマシ
油に対し極めて低粘度であるため、常温以下低温環境下
においても、有利に動作させることができるようにして
いる。

また、ヒマシ油に対し、本発明の液体の比熱は小さく、
しかも低粘度であるため、充填液自体の熱伝導や対流が
起こり昌く、外部金属ケースに熱が伝わり易くなり、さ
らに、外部金属ケースは外部の水などに直接接触してい
るため、水冷効果が得られることから、ボイスコイル部
の温度上昇を最小限に抑えることができ、大人力可能で
、かつ信輔性の高い水中用電気音響変換器としている。

また、ヒマシ油に比ベシリコーンオイルは、接着剤等高
分子材あるいは接着界面への浸透性が小さく、さらに、
フロン液はそれ以上に極めて小さいため、接着剤をはし
め、構造材料の選沢が広範囲になる上、装置そのものの
寿命を長くすることができるようにしている。

（実施例１） 第１図は本発明の第１実施例のスピーカの如き水中用電
気音響変換器を示す。この実施例では直接放射型のもの
で、外部ケースを兼用する円筒状のプレート（１）の前
面に取付具（２）を介し振動Ｆｉ（３）が振動可能に設
けられている。また、プレート（１）の前部の背面とセ
ンターポール（４）を有するヨーク（５）との間にマグ
ネット（６）が設けられて磁気回路（７）が構成され、
かつセンターポール（４）の外周とプレート（１）の前
部の開口部との間に形成された磁気ギャップの間に振動
板（３）の背面に結合されたボイスコイル（８）が位置
されている。また、振動板（１）の背面にはボイスコイ
ル（８）に接続されたリード線（９）が設けられ、この
リード線（９）はセンターポール（４）、ヨーク（５）
に貫設された孔（１０）を介し導出されている。また、
プレート（１）の後部の開口部を閉塞して密閉状にすべ
くその開口部に外部金属ケース（１１）が設けられ、こ
の外部金属ケース（１１）に設けられた外部人出コード
（１２）と前記リード線（９）は電気的に接続されてい
る。

しかして、振動板（３）、外部ケース兼用のプレー）（
ＩＬ蓋として機能する外部金属ケース（１１）とによっ
て区画形成された内部空間部Ａに、別表１の充填液体物
性表に示した、高絶縁性、低粘度、高沸点、抵比熱、高
熱伝導率等の物性値を有するフロン液または、シリコー
ンオイルの如き液体Ｂが充填されている。このフロン液
としては、例えば関東電化工業社製の商品名エフリード
を用いると常温動粘度は１〜１４ｃｓｔとヒマシ油の常
温付近の粘度に比べかなり低いので好ましい、また、シ
リコーンオイルとしては東芝シリコーン社製のＴＳＦ−
４５１を用いると粘度は５０〜３０００ｃｓ　ｔであり
、低粘度であるため、ボイスコイル（８）、振動板（３
）等が動き易く、かつ上記した詩作用があり好適である
。なお、比重についてはフロン液は１．８〜２゜１程度
、シリコーンオイルでは０．９〜１．０程度のものが採
択される。

（実施例２） 第２図は本発明の第２実施例を示すもので、この例では
上記タイプのものに内圧調整装置（１３）を付設したも
のである。

すなわち、外部人出コード（１２）の位置がズラされ、
外部金属ケース（１１）のほぼ中央部乙こは孔（ｌｌａ
）が穿設され、かつその背面に有低円筒状をなし、かつ
外部と連通ずる孔（１４ａ）を有するカバー（１４）が
設けられ、孔（ｌｌａ）を有する外部金属ケース（１１
）の背面側であってケース（１４）内には袋状の内圧調
整用風船状伸縮材（１５）が設けられ、これによって内
圧を調整可能としている。

その他の構成、作用等は第１実施例と同様である。

（実施例３） 第３図は本発明の第３実施例を示す。この実施例では間
接放射型のもので、振動板（３）の前部に可撓性を有す
るフィルムまたは金属箔など（１６）がプレート（１ン
の前部に設けられた円筒状の支持部材（１７）を介し設
けられ、かつプレート（１）の前部に孔（１９）が形成
され、内部空間がフィルム（１６）背面と連通しており
、これら内部空間部Ａに上述の液体Ｂが充填され、振動
板（３）の振動によって生ずる音波は、スピーカの場合
、フィルムまたは金属箔など（１６）を介し外部に放射
されるように構成されでいる。

その他の構成、作用は第１実施例と同様である。

（実施例４） 第４図は本発明の第４実施例を示すもので、第３実施例
のものに第２実施例で説明した内圧調整装置（１３）を
付設したことに特徴を有している。

他の構成、作用は前述の実施例と同様である。

なお、上記第１ないし第４実施例ではスピ−カを前提と
して説明したが、マイクロホンにも同様の構成を適用し
得ることは言うまでもない。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、内部が外圧から遮断され
た密閉状であって、内部空間部に充填材を充填した電気
音響変換器において、前記充填材は、高絶縁性、低粘度
、高沸点、低比熱、高熱伝導率ををする液体にて構成し
、液体としては、比重が１．８〜２．１程度のフロン液
または比重が０．９〜１．０程度のシリコーンオイルを
用いれば、水中深部に浸漬可能であることは勿論のこと
、熱放散性が良く、ボイスコイル部の温度上昇を最小限
に抑えることができ、耐入力を向上させることができる
。

また、低粘度であるため、駆動部が動き易く、常温以下
、低温環境下でも所望の性能を得ることができる。

さらに、接着剤等高分子材あるいは接着界面への浸透性
が小さいので、材料の選択が広範囲となり、かつ装置の
耐久性、信鱈性が向上する、といった効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例の断面図、第２図ないし第
４図はそれぞれ本発明の第２ないし第４実施例、第５回
ないし第８図はそれぞれ従来例を示す。 Ａ・・・・・内部空間部 Ｂ・・・・・液体 （ほか１名） 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第６図 第７図 Ａ′ 第８図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）内部が外圧から遮断された密閉状であって、内部
   空間部に充填材を充填した電気音響変換器において、 前記充填材は、高絶縁性、低粘度、高沸点、低比熱、高
   熱伝導率を有する液体から成ることを特徴とした水中用
   電気音響変換器。
2. （２）前記液体は、比重が１．８〜２．１程度の液状フ
   ルオロカーボンまたは比重が０．９〜１．０程度のシリ
   コーンオイルから成る請求項（１）記載の水中用電気音
   響変換器。