JPH04290405A - 超電導磁石及びその組立方法 - Google Patents

超電導磁石及びその組立方法

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JPH04290405A
JPH04290405A JP7820491A JP7820491A JPH04290405A JP H04290405 A JPH04290405 A JP H04290405A JP 7820491 A JP7820491 A JP 7820491A JP 7820491 A JP7820491 A JP 7820491A JP H04290405 A JPH04290405 A JP H04290405A
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superconducting
coil
superconducting magnet
superconducting coil
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Application number
JP7820491A
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English (en)
Inventor
Toshio Ishizuki
石附 敏雄
Saburo Usami
三郎 宇佐美
Toshio Hattori
敏雄 服部
Sueo Kawai
末男 河合
Toru Koyama
徹 小山
Tadashi Sonobe
園部 正
Fumio Suzuki
鈴木 史男
Koro Owada
大和田 公郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体He中で超電導現
象を示す超電導コイルを使用した超電導磁石及びその組
立方法に係り、特に、機械的擾乱の原因の1つであるす
べり発熱を防止するため、超電導コイルを収納する内槽
内に収納される超電導コイルに、振動等による相対すべ
りを生じさせないように、スペーサを介して強固に支持
固定した超電導磁石及びその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液体ヘリウム(LHe)により冷却する
ことにより超電導現象を示す超電導材料、例えば、Nb
−Ti線等は、一般に熱伝導率の高いCu又はAl等(
安定化材)の中に、極細線として多数埋め込まれ、多芯
複合材の超電導体として使用される。そして、超電導コ
イルは、この超電導体を多層巻きし、接着剤として一般
にエポキシ材を含浸し、例えば、レーストラック状に一
体化して製作される。
【0003】この超電導コイルを、超電導磁石として使
用する超電導磁石に関する従来技術として、例えば、特
開昭57−48206号公報等に記載された技術が知ら
れている。
【0004】以下、従来技術による超電導磁石を図面に
より説明する。
【0005】図16は従来技術による超電導磁石の構造
を示す平面図、図17は超電導コイルを内槽内に支持固
定する部位のA−A’断面図、図18はその側面図であ
る。図16〜図18において、1は超電導コイル、2は
内槽、3は絶縁材、4a、4bはスペーサ、5はボルト
、6は空洞である。
【0006】すなわち、従来技術による超電導磁石は、
図16〜図18に示すように、レーストラック状に形成
された超電導コイル1が、極低温冷媒に浸漬して前記コ
イル1を収納する内槽2内に、所定の間隔で配置された
絶縁材3及び2分割されたスペーサ4a、4bを介して
電気的に絶縁されて支持固定されて構成されている。そ
して、スペーサ4a、4bは、超電導コイル1の自己電
磁力作用方向(図17に示す矢印方向)に弾性変形させ
られてボルト5により、強固に超電導コイル1に固定さ
れている。
【0007】これにより、この従来技術は、超電導コイ
ル1に電流を供給した場合、超電導コイル1が自己電磁
力で変形しようとするが、スペーサ4a、4bを超電導
コイル1の自己電磁力作用方向に弾性変形させてボルト
5によりコイル1に固定しているので、コイルが変形移
動することを防止することができるという効果を得るこ
とができるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
は、超電導磁石を構成する材料間、すなわち、超電導コ
イル1、絶縁材3、スペーサ4a、4bの熱収縮差につ
いての考慮がなされておらず、使用温度であるLHeの
温度まで冷却すると超電導コイル1の面とスペーサ4a
、4bとの間に隙間を生じるという問題点を有する。
【0009】これは、構成材料として、Cu、Nb−T
i、エポキシ、絶縁材を使用する超電導コイル1及び絶
縁材3が、一般にステンレス鋼により形成される内槽2
及びスペーサ4a、4bよりも熱収縮が大きいため、使
用温度であるLHeの温度まで冷却すると超電導コイル
1の面とスペーサ4a、4bとの間に隙間を生じること
になるためである。以下、これについて説明する。
【0010】図19は超電導コイルを構成する材料の熱
収縮測定結果を説明する図である。この図は、40×7
5mmの断面をもつ超電導コイル1に絶縁材としてポリ
イミドをエポキシ樹脂で含浸したFRPを使用し、ステ
ンレス鋼(SUS)により形成されたスペーサをその周
囲に配置して、その端部を溶接して固定した場合の冷却
時における熱収縮測定結果を示す。
【0011】この図から理解できるように、使用温度ま
でのFRP層及び超電導コイルの収縮量が、ステンレス
鋼によるスペーサより大きいため、常温時にスペーサあ
るいは絶縁材とコイル面との間の隙間が0であったもの
が、使用温度になると、約75μmの隙間を生じてしま
う。
【0012】ところで、このような超電磁石は、その自
己電磁力を一定方向に作用させるが、完全な静止状態で
使用されるとは限らず、設置される建物の振動、地震等
により方向性の定まらない振動等が作用すると、超電導
コイルがいたる方向に変異移動する可能性がある。
【0013】図20は超電導コイルに作用する振動の解
析結果を説明する図であり、この図20に示す振動解析
例で分かるように、超電導コイルは、外部からの振動を
受けて容易に変移移動してしまうことになる。
【0014】前記の従来技術は、前述したように超電導
コイル1の面とスペーサ4a、4bとの間に隙間を生じ
るために、超電導コイルの変移移動による発熱のために
超電導コイルがクェンチを発生するという問題点を有す
る。
【0015】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決し、超電導コイルを内槽に支持固定する部位におい
て、構成材料間の熱収縮差に伴う変異及び自己電磁力さ
らには振動等の繰返し負荷に対しても、超電導コイルが
変位移動しない、従って、クエンチが生じることのない
超電導コイルの内槽への支持構造を有する超電導磁石及
びその組立方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、スペーサをコイルに押圧した状態で内層を組立ると
共に、冷却収縮差により作動温度においても、この押圧
力がなくならないようにすることにより達成される。
【0017】そして、押圧力がなくならないようにする
ために、超電導コイルに囲設されるスペーサは、内槽固
定時の締付力を拘束しないように、しゅう動可能な分割
型とし、かつ、スペーサと内槽とは、コイル及び絶縁材
との冷却熱収縮差及びコイルの自己電磁力による変形以
上の圧縮弾性変形する構造とされる。
【0018】
【作用】超電導コイルに対する押圧力は、スペーサを介
して全周から加えられ、超電導コイルは、内槽に強固に
支持固定される。これにより、方向性の定まらない振動
等の機械力が加わった場合にも、超電導コイルが変形移
動することを防止することができ、従って、すべり等に
よる摩擦発熱を防止し、その結果超電導コイルのクエン
チを防止することができる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明による超電導磁石及びその組
立方法の実施例を図面により詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の第1の実施例の構造を示す
要部切断斜視図、図2は内槽の溶接組立前の支持部の断
面図、図3は内層溶接後の支持部の断面図である。図1
〜図3において、2a、2bは分割された内層であり、
他の符号は図16〜図18の場合と同一である。
【0021】本発明は、以後説明する全ての実施例に渡
って、その基本的な構成が、図16〜図18により説明
した従来技術の場合とほぼ同一であり、レーストラック
状の超電導コイル1を内槽2に支持して構成されている
【0022】図1〜図3に示す本発明の第1の実施例に
よる超電導コイル1は、極細線の多数のNb−Ti線を
安定化材として銅(Cu)に埋め込んだ超電導体を層間
にガラスクロスの絶縁材を介して、張力をかけながら強
巻きし、長さ方向の断面がほぼ四角形となるように型枠
で固定した状態でエポキシ樹脂を含浸してレーストラッ
ク状に形成して製作されたものである。
【0023】この超電導コイル1の表面の内層への支持
部に囲設される絶縁材3は、熱伝導性が悪く、対摩耗性
のあるポリイミドにアラミド繊維を裏打ちしたテープに
エポキシ樹脂を塗込んだものであり、張力をかけながら
超電導コイル1に巻き、さらに周囲から押圧しながら超
電導コイル1に固着一体化させられている。また、スペ
ーサ4は、例えば、ステンレス鋼等により、4a、4b
に2分割されL型に形成されている。また、内層2も、
図2、図3に示すように、その中央部でコイルの軸方向
に2a、2bに分割されて構成されている。
【0024】本発明の第1の実施例による超電導磁石は
、絶縁材3及びL形の2分割されたスペーサ4a、4b
を介して2分割された内槽2a、2b内に、超電導コイ
ル1を支持固定して構成されるものであり、2分割され
た内槽2a、2bは、溶接により接合される。
【0025】L形の2分割スペーサ4a、4bは、絶縁
材3の周方向にしゅう動可能に配置される。これは、2
分割された内槽2を締付け溶接する場合の締付け力をス
ペーサ4で拘束しないようにするためである。そして、
スペーサ4が絶縁材3と接する面は、内槽2a、2bに
よる押圧力を均一に超電導コイル1に伝達させるため平
らにして密着性の向上を図ることができるようにされて
いる。また、スペーサ4は、絶縁材3よりもその幅が狭
く構成されており、絶縁材3と一体化した超電導コイル
1が冷却熱収縮した場合にスペーサ4と絶縁材3とが接
する面で、図2の紙面に直角な方向、すなわち、軸方向
に変位しても絶縁材3の面からスペーサ4が外れないよ
うにされている。
【0026】さらに、スペーサ4は、ステンレス鋼と銅
とを高温真空中で加圧して拡散接合した複合材料を使用
し、スペーサ4の絶縁材3に接する面には熱伝導性の極
めて良い銅を配しており、この面ですべりが生じた場合
の摩擦熱が、冷媒であるLHeに拡散され、超電導コイ
ル1に対する熱の侵入量を大幅に減少できるようにされ
ている。そして、2分割されたスペーサ4a、4bは、
これらの合わせ面のコーナ部が短く構成されており、冷
媒であるLHeが内槽2内を流動できるように、この部
分で軸方向に空洞6ができるように形成されている。こ
れらにより、超電導コイル1のクェンチを防止すること
ができる。
【0027】次に、2分割された内槽2a、2b内への
超電導コイル1の固定方法について説明する。なお、内
槽2は、非磁性材のステンレス鋼により形成されている
【0028】図2に示すようにL形の2分割されたスペ
ーサ4a、4bは、2分割された内槽2a、2bの溶接
部となる側に接する面がコーナ部より、その中央部を厚
くして傾斜を付けた形状を有している。一方、この部分
と接する内槽2a、2bの面は、平らでも傾斜を付けて
もどちらでもよいが、傾斜を付けることによりスペーサ
4との密着性をよくすることができる。
【0029】超電導磁石は、図2に示すように、内槽2
a、2bに上下方向から圧縮力を加えながら、図3に示
すように、分割されている部分を強固に溶接されて組立
られるが、このため、内槽2a、2bの突合せ部に弾性
変形分を許容するギャップが設けられている。このよう
にして組立られた超電導磁石は、内槽2a、2bの上下
方向に圧縮残留歪が、左右方向に内槽2a、2bの側壁
によるバネ効果によるで歪が残留した状態で、スペーサ
4を介し超電導コイル1を内槽2内に強固に支持固定し
たものとなる。
【0030】前述した本発明の第1の実施例は、L形に
2分割されたスペサー4a、4bの2分割された内槽2
a、2bの溶接部となる側に接する面がコーナ部より中
央部を厚くして傾斜を付けた例であるが、この本発明の
第1の実施例は、逆に中央部を薄くして傾斜を付けるよ
うに変形することもできる。
【0031】図4は本発明の第1の実施例の変形例を示
す溶接組立前の支持部の断面図である。図4において、
7はR部であり、他の符号は図1〜図3の場合と同一で
ある。この変形例は、図4に示すように、スペーサ4a
、4bの中央部を薄くするような前述とは逆の傾斜(傾
斜角度:β)を付けて形成したものである。この場合、
当然、のことながら、内槽2a、2bの側面のスペーサ
との接触面には逆の大きな傾斜(α<β)を付ける必要
がある。また、図4に示すように内槽2a、2bの内側
コーナ部にR部7を付けると、内槽2a、2bが変形し
やすくなりよりバネ効果を発揮させることができ、左右
方向の収縮変形に対する追従性をよくすることができる
【0032】このような変形例によっても、本発明の第
1の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0033】図5は本発明の第1の実施例の他の変形例
を示す溶接組立後の支持部の断面図である。この変形例
は、内槽2の上下方向の弾性変形量を大きくすることの
できる形状を有するものである。
【0034】すなわち、図5に示す変形例において、ス
ペーサ4は、コ字型に形成され超電導コイル1の上下面
で分割されている。また、内槽2a、2bの溶接面とな
る側面側は、上下面側に比較して薄く形成されており、
コーナーにR部7が付けられて、上下方向の変位に対し
て拘束しないようにされている。なお、スペーサ4は、
4分割して、超電導コイル1の角部に設置しても同一の
効果を得ることができるが、R付き薄板8により一体化
型して2分割構成としているのは、取付け時の作業性を
容易にするためである。
【0035】また、スペーサ4の内槽2との接触面には
傾斜が設けられており、内槽2の内周面コーナ部にはR
部7が、上下面中央部には円形状の切欠き部9が設けら
れており、これにより、内層2は、より弾性変形しやす
い形状とされていると同時に、この部分に形成される空
洞6を介して、冷媒であるLHeが流動しやすくされて
いる。これにより、図示変形例は、超電導コイル1の冷
却効果を大きなものとすることができる。
【0036】前述のような、本発明の第1の実施例の他
の変形例によっても、前述した本発明の第1の実施例と
同様な効果を得ることができる。
【0037】なお、図4及び図5に示す第1の実施例の
変形例は、組立時、内槽2a、2bを押し広げた状態で
、スペーサ4、超電導コイル1を内槽2内に入れ、内槽
2a、2bの上下方向から押圧した状態で内槽2a、2
b同士が溶接される。
【0038】図6は本発明の第2実施例の構成を示すス
ペーサ取り付け部の斜視図、図7はその断面及び側面を
示す図である。図6、図7において、10は弾性バンド
であり、他の符号は図5までの場合と同一である。
【0039】この本発明の第2の実施例は、内槽2が第
1の実施例と同様に2分割され、組立時に溶接されるも
のであり、図6、図7では、本実施例を明確に説明する
ため図示を省略した。図6、図7において、スペーサ全
体4は、L型に2分割された溝付きのスペーサ4a、4
bにより構成されており、絶縁材3の周方向にしゅう動
可能に取付けられている。
【0040】この本発明の第2の実施例は、超電導コイ
ル1に固着一体化された絶縁材3の上にスペーサ4a、
4bを配し、溝内に弾性バンド10に張力をかけた状態
で巻き掛け、その端部を図示しないがボルト締め、ある
いは溶接して固定されて構成される。このような本発明
の第2の実施例によっても、前述した本発明の第1の実
施例の場合と同様な効果を得ることができる。
【0041】この本発明の第2の実施例の場合、弾性バ
ンド10として、超電導コイル1及びスペーサ4よりも
熱収縮量の大きなアルミニウム(Al)等を使用すると
、使用温度に冷却しただけで、超電導コイル1をより強
力に締付けることができ、2分割された内槽2a、2b
に、強力な押圧力を加えながら溶接する必要をなくすこ
とができる。
【0042】また、図8は前述した本発明の第2の実施
例の変形例を示す断面図である。
【0043】この変形例は、スペーサ4を4分割し、超
電導コイル1の一辺より短くして各側面に配置し、溝の
形を超電導コイル1の中心を同心円としたものである。 このように、スペーサ4に設ける溝を円形の溝とするこ
とにより、弾性バンド10をスムーズに締付けることが
でき、しかも、超電導コイル1のコーナ部四角に空洞6
を形成することができ、冷媒であるLHeが流動しやす
くなり超電導コイル1に対する冷却効果を大きくするこ
とができる。
【0044】図9は本発明の第3実施例の構成を示す溶
接組立前の支持部の断面図である。図示本発明の第3の
実施例は、2分割したL型のスペーサ4a、4bを圧縮
弾性変形させるようにした例であり、他の構成は、前述
した実施例と同一であるのでそのその説明を省略する。
【0045】図9において、スペーサ4a、4bは、そ
の内部に軸方向に貫通したスリット11が設けられ、さ
らに、内槽2と接する面に山形の傾斜を設けて構成され
ている。一方、内槽2は、スペーサ4と接する側に、ス
ペーサ4に付けた傾斜よりも大きな傾斜が付けられてい
る。この本発明の第3の実施例は、内槽2を上下方向か
ら押圧して溶接することにより、スペーサ4a、4bを
上下、左右方向に圧縮弾性変形させて超電導コイル1を
内槽2内に支持固定するものである。
【0046】この本発明の第3の実施例によれば、超電
導コイル1の表面に近いスリット11内をもLHeが流
動するので、冷却効果を非常によくすることができる。
【0047】図10は本発明の第4の実施例の構成を示
す支持部の断面図、図11は弾性体の構造を示す斜視図
、図12は弾性体の変形状況を説明する平面図である。 図10〜図12において、12は弾性体であり、他の符
号は図9までの場合と同一である。この本発明の第4の
実施例は、弾性体12以外の他の構成は、前述までの実
施例と同一であるのでその説明を省略する。
【0048】図示実施例において、弾性体12は、4分
割され超電導コイル1の4角に置かれるスペーサ4と内
槽2との間の四角に設置される。この弾性体12は、図
12に破線で示すような組込前の形状を有し、内槽2内
に組込んだ状態では実線で示すような形状を有している
。そして、部材12aが圧縮バネとして作用し、部材1
2bが引張りバネとして作用する。
【0049】この本発明の第4の実施例は、内槽2a、
2bを上下方向に押圧して組立てることにより、超電導
コイル1がスペーサ4を介して上下、左右方向に常に押
圧されるように支持固定される。この実施例は、スペー
サ4がなくても同一の効果を得ることができるが、スペ
ーサ4は、絶縁材3が、一般に強度が弱いのでその損傷
を防止する役目を果たしている。従って、このスペーサ
4は、弾性体12と同一の熱収縮特性を持つものがよい
。また、弾性体12は、超電導コイル1の軸方向に対し
てもバネ効果を有しており、超電導コイル1の変形移動
に対する追従性をより高めることができる。
【0050】図13は本発明の第5実施例の構成を示す
支持部の断面図である。
【0051】この本発明の第5の実施例は、内槽2とス
ペーサ4との間に中間材13を介在させている点で、本
発明の前述までの実施例と大きく相違している。
【0052】この中間材13は、内槽2及びスペーサ4
よりも線膨張係数が小さく、高剛性の材料を使用して形
成されている。一般に、超電導磁石を構成する材料とし
ては、非磁性材が使用される。そして、前記本発明の第
5の実施例においては、内層2及びスペーサ4として、
ステンレス鋼〔線膨張係数α=17×(1/1060)
/℃〕を使用し、中間材13として、チタン〔線膨張係
数α=8.4×(1/1060)/℃〕を使用した。
【0053】これにより、この本発明の第5の実施例は
、使用温度まで冷却した場合に、中間材13がない場合
に比較して、超電導コイル1とスペーサ4との熱収縮差
を小さくすることができ、しかも、中間材13の収縮が
小さいので、その分超電導コイル1をより強固に押圧し
て支持固定することができる。
【0054】すなわち、一般に、超電導磁石を構成する
材料は、非磁性材が使用される。前記本発明の第5の実
施例においては、内層2及びスペーサ4として、ステン
レス鋼〔線膨張係数α=17×(1/1060)/℃〕
を使用し、中間材13として、チタン〔線膨張係数α=
8.4×(1/1060)/℃〕を使用した。
【0055】前述した本発明の第1〜第5の実施例は、
内層2を軸方向に中央部から2分割した内層2a、2b
を、組立時に溶接するとしたが、本発明は、内層2を軸
方向に、その角部から2分割するように構成することも
できる。この場合、分割する角部は、L型に形成される
スペーサ4a、4bの角部となるようにすることが望ま
しく、このようにすると、溶接時の熱が直接絶縁材3に
届いて、絶縁材3を劣化させることを防止することがで
きる。
【0056】また、前述した本発明の第1〜第5の実施
例は、スペーサ4としてステンレス鋼を使用するとして
説明したが、本発明は、スペーサとしてアルミニウムを
使用することも可能である。この場合、アルミニウムは
、熱膨張率が超電導コイル1より小さいため、使用温度
において、超電導コイル1を強い力で押圧することにな
るが、組立時に内層に加えられる押圧力をとの関係で、
常温から使用温度まで、ほぼ同一の押圧力を超電導コイ
ル1に加えることが可能となる。
【0057】次に、スペーサ4を内槽2に取付ける部位
の構造に関する本発明の第6の実施例を図面により説明
する。
【0058】図14、図15はスペーサ4を内槽2に取
付ける部位の構造を示す超電導コイル1中央での軸方向
断面の一部を示す図である。
【0059】本発明は、基本的に、スペーサ4自身が絶
縁材3を介して超電導コイル1に固定されていないので
、所定の位置に設置したスペーサ4が軸方向に変位しな
いように固定する必要がある。
【0060】図14に示す本発明の方法は、内槽2の内
周面の一部分に凸型の突起を設け、相対するスペーサ4
には凹型の溝を設けてスペーサ4の移動を防止するもの
である。そして、両者の溝には傾斜が付けられており、
これにより、スペーサ4を所定の位置に精度良く固定す
ることができる。
【0061】他方、図15に示す方法は、図13により
説明したのとは全く逆の形の溝を両者に付けたものであ
り同様な効果を得ることができる。
【0062】図14、図15の実施例において、内槽2
の内周方向に溝を付ける位置は、図上下面の一部、ある
いは、左右方向の一部であってもよい。なお、図6から
図8で示した実施例では、溝をつける必要はない。
【0063】なお、図14、図15には示していないが
、組立終了後、超電導磁石のスペーサをスペーサを介し
た超電導コイル1の支持部は、組立時に加えられた押圧
力を解放するように外方向に弾性変形してくるので、超
電導磁石の外観は、波状を呈するようになる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
ペーサ同士固定していないので、内槽を組立るとき時の
押圧力がスペーサで拘束されることがなく、従って、超
電導コイルを強固に支持固定することができる。
【0065】また、本発明によれば、内槽を一方向に押
圧して溶接することにより、押圧方向及び押圧方向と直
角方向にも内槽あるいはスペーサを弾性変形させた状態
で超電導コイルを支持固定することができ、自己電磁力
のような一定方向に作用する力だけでなく、方向性の定
まらない振動等の機械力に対しても、超電導コイルが変
位移動することを防止することができ、構成材料間のす
べりに伴う摩擦発熱によりクエンチが生じることことを
防止することができる。
【0066】さらに、本発明によれば、内槽あるいはス
ペーサが弾性変形しやすいように、内槽あるいはスペー
サに超電導コイルの軸方向に貫通したR部、スリット等
を設けているので、この部分にも冷媒のLHeが流動し
超電導コイルの冷却効果を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構造を示す要部切断斜
視図である。
【図2】内槽溶接組立前の支持部の断面図である。
【図3】内層溶接後の支持部の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例の変形例を示す溶接組立
前の支持部の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の他の変形例を示す溶接
組立後の支持部の断面図である。
【図6】本発明の第2実施例の構成を示すスペーサ取り
付け部の斜視図である。
【図7】図6の断面及び側面を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例の変形例を示す断面図で
ある。
【図9】本発明の第3実施例の構成を示す溶接組立前の
支持部の断面図である。
【図10】本発明の第4の実施例の構成を示す支持部の
断面図である。
【図11】弾性体の構造を示す斜視図である。
【図12】弾性体の変形状況を説明する平面図である。
【図13】本発明の第5実施例の構成を示す支持部の断
面図である。
【図14】超電導コイルを内槽に支持固定する部位の構
造を示す軸方向断面図である。
【図15】超電導コイルを内槽に支持固定する部位の構
造を示す軸方向断面図である。
【図16】従来技術による超電導磁石の構造を示す平面
図である。
【図17】図16における超電導コイルを内槽内に支持
固定する部位の断面図である。
【図18】図17の側面図である。
【図19】超電導コイルを構成する材料の熱収縮測定結
果を説明する図である。
【図20】超電導コイルに作用する振動の解析結果を説
明する図である。
【符号の説明】
1  超電導コイル 2、2a、2b  内槽 3  絶縁材 4、4a、4b  スペーサ 6  空洞 7  R部 8  R付き薄溝板 9  切欠き部 10  弾性バンド 11  スリット 12  弾性体 13  中間材

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  超電導コイルを内槽内にスペーサを介
    して収納し、内槽とコイル間に冷媒を保持してなる超電
    導磁石において、2分割された内層に外部より加えられ
    る押圧力によりスペーサをコイルに押圧した状態で、2
    分割された内層相互間を結合したことを特徴とする超電
    導磁石。
  2. 【請求項2】  前記スペーサは、内層を介して加えら
    れる押圧力を拘束しないようにされていることを特徴と
    する請求項1記載の超電導磁石。
  3. 【請求項3】  前記スペーサは、超電導コイルよりも
    線膨張係数の小さい材質の材料により形成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の超電導磁石。
  4. 【請求項4】  前記スペーサは、超電導コイルの周方
    向にしゅう動可能なように分割されて形成されているこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の超電導磁石
  5. 【請求項5】  前記内層は、軸方向の側面中央部で2
    分割され、組立時に分割部が溶接結合されることを特徴
    とする請求項1ないし4のうち1記載の超電導磁石。
  6. 【請求項6】  前記スペーサは、前記内層の溶接結合
    部に対応する部分が他の部分より厚く形成され、前記結
    合された内層の弾性力により、超電導コイル側面に押圧
    力が与えられることを特徴とする請求項5記載の超電導
    磁石。
  7. 【請求項7】  前記スペーサは、前記内層の溶接結合
    部に対応する部分が他の部分より薄く形成され、前記内
    層は、その分離部内側に傾斜して形成され、前記結合さ
    れた内層の弾性力により、超電導コイル側面に押圧力が
    与えられることを特徴とする請求項5記載の超電導磁石
  8. 【請求項8】  前記内層の内側の角部に、内層の弾性
    力を増強するR部が設けられていることを特徴とする請
    求項6または7記載の超電導磁石。
  9. 【請求項9】前記スペーサは、超電導コイルの4角のそ
    れぞれに配置されるようにL型に4分割され、あるいは
    、4分割された前記スペーサの2個がR付き薄板で連結
    されて構成されることを特徴とする請求項1ないし5の
    うち1記載の超電導磁石。
  10. 【請求項10】  前記内層は、その内側の角部にR部
    が設けられると共に、上下面中央部に円形状の切欠きが
    設けられていることを特徴とする請求項9記載の超電導
    磁石。
  11. 【請求項11】前記スペーサは、その周方向に溝が設け
    られ、該溝を使用して、スペーサの外周を弾性バンドで
    締付けることを特徴とする請求項1ないし5のうち1記
    載の超電導磁石。
  12. 【請求項12】  前記スペーサは、超電導コイルの各
    側面に配置されるように4分割され、各スペーサに超電
    導コイル中心と同心円となる溝が設けられていることを
    特徴とする請求項11記載の超電導磁石。
  13. 【請求項13】  前記スペーサは、その内部に軸方向
    のスリットを備え、超電導コイル押圧方向に弾性を有す
    ることを特徴とする請求項1ないし5のうち1記載の超
    電導磁石。
  14. 【請求項14】  前記スペーサは、超電導コイル側面
    中央部が他の部分より厚く山形に形成されていることを
    特徴とする請求項13記載の超電導磁石。
  15. 【請求項15】  超電導コイルを内槽内にスペーサを
    介して収納し、内槽とコイル間に冷媒を保持してなる超
    電導磁石において、前記スペーサと内層との間に、断面
    の面内方向に圧縮弾性変形し、さらに、超電導コイル軸
    方向にも弾性変形する弾性体を介在させ、2分割された
    内層に外部より加えられる押圧力により、前記弾性体を
    介してスペーサをコイルに押圧した状態で、2分割され
    た内層相互間を結合したことを特徴とする超電導磁石。
  16. 【請求項16】  前記スペーサは、超電導コイルの4
    角のそれぞれに配置されるようにL型に4分割され、前
    記弾性体は、前記スペーサと内層の角部との間に配され
    ることを特徴とする請求項15記載の超電導磁石。
  17. 【請求項17】  超電導コイルを内槽内にスペーサを
    介して収納し、内槽とコイル間に冷媒を保持してなる超
    電導磁石において、前記スペーサと内層との間に、内槽
    及びスペーサよりも線膨張係数が小さい材料による中間
    材を介在させ、2分割された内層に外部より加えられる
    押圧力により、前記弾性体を介してスペーサをコイルに
    押圧した状態で、2分割された内層相互間を結合したこ
    とを特徴とする超電導磁石。
  18. 【請求項18】  前記内層は、中央部ではなく、対向
    する角部で2分割され、組立時に分割部が溶接結合され
    ることを特徴とする請求項1ないし17のうち1記載の
    超電導磁石。
  19. 【請求項19】  前記スペーサの超電導コイルへの対
    向面は、絶縁材を介して超電導コイルに密着し、スペー
    サ及び内層が弾性変形することを特徴とする請求項1な
    いし18のうち1記載の超電導磁石。
  20. 【請求項20】  前記内槽の内周面のスペーサを接触
    押圧する部位の一部に突起を、スペーサの前記突起に対
    応する部位にへこみを設けたことを特徴とする請求項1
    ないし19のうち1記載の超電導磁石。
  21. 【請求項21】  前記内槽の内周面のスペーサを接触
    押圧する部位の一部にへこみを、スペーサの前記へこみ
    に対応する部位に突起を設けたことを特徴とする請求項
    1ないし19のうち1記載の超電導磁石。
  22. 【請求項22】  超電導コイルを内槽内にスペーサを
    介して収納し、内槽とコイル間に冷媒を保持してなる超
    電導磁石の組立方法において、押圧力を拘束しないよう
    に形成されているスペーサを、超電導コイルの周方向に
    配置し、2分割された内層内に前記超電導コイルとスペ
    ーサとを組み込んだ後、内層外部から押圧力を加えた状
    態で、前記内層の分割部を溶接結合することを特徴とす
    る超電導磁石の組立方法。
  23. 【請求項23】  超電導コイルを内槽内にスペーサを
    介して収納し、内槽とコイル間に冷媒を保持してなる超
    電導磁石の組立方法において、押圧力を拘束しないよう
    に形成されているスペーサを、超電導コイルの周方向に
    配置し、2分割された内層の分割部を、前記超電導コイ
    ルとスペーサとを組み込み可能に弾性変形させて、内層
    内に前記超電導コイルとスペーサとを組み込んだ後、内
    層外部から押圧力を加えた状態で、前記内層の分割部を
    溶接結合することを特徴とする超電導磁石の組立方法。
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WO2015174415A1 (ja) * 2014-05-13 2015-11-19 住友重機械工業株式会社 超伝導電磁石
JP2015216305A (ja) * 2014-05-13 2015-12-03 住友重機械工業株式会社 超伝導電磁石

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