JPH04289453A - 測定装置 - Google Patents
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- JPH04289453A JPH04289453A JP3036603A JP3660391A JPH04289453A JP H04289453 A JPH04289453 A JP H04289453A JP 3036603 A JP3036603 A JP 3036603A JP 3660391 A JP3660391 A JP 3660391A JP H04289453 A JPH04289453 A JP H04289453A
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超音波、電磁波その
他の波動を用いた検査装置に関するものである。 【0002】特に、妨害エコーが検査結果に及ぼす悪影
響を低減できる超音波非破壊検査装置などの検査装置に
関するものである。 【0003】 【従来の技術】従来のこの種の検査装置と妨害エコーの
発生原因について、図38及び図39を参照しながら説
明する。 【0004】図38及び図39は、特開昭62−112
057号公報に示された従来の超音波を用いた検査装置
における超音探触子の配置と超音波パルスの伝搬状況を
示す説明図、及び従来の検査装置におけるAスコープ波
形と欠陥検出用時間ゲートを示す波形図である。 【0005】図38において、従来の検査装置は、斜角
形の超音波探触子(1A)及び(1B)が、丸棒状の試
験体(2)の円周上に沿って配されて構成されている。 【0006】図中、(3)は試験体(2)の表層部にあ
る欠陥である。また、実線(4A)及び点線(4B)は
、それぞれ、超音波探触子(1A)及び(1B)から放
射された超音波パルスの伝搬経路を示す。 【0007】図39(a)及び(b)は、超音波探触子
(1A)のみから単独で超音波パルスを試験体(2)に
送信したとき、それぞれ、超音波探触子(1A)及び(
1B)が受信するエコーのAスコープ波形を示す。 【0008】図39(c)及び(d)は、超音波探触子
(1B)のみから単独で超音波パルスを試験体(2)に
送信したとき、それぞれ、超音波探触子(1B)及び(
1A)が受信するエコーのAスコープ波形を示す。 【0009】なお、図39(a)〜(d)において、エ
コーの波形はその包絡線を示してある。 【0010】図39(e)は、超音波探触子(1A)及
び(1B)により受信されたエコーに関して設定される
欠陥検出用時間ゲートを示す。 【0011】つぎに、上述した従来の検査装置の動作及
び妨害エコーの発生原因について説明する。 【0012】まず、超音波探触子(1A)のみから単独
で超音波パルスを試験体(2)に送信した場合について
考えてみる。 【0013】超音波探触子(1A)から試験体(2)内
に入射した超音波パルスは、図中、実線(4A)で示す
ように、試験体(2)の外壁で反射し、試験体(2)を
一周した後、同じ超音波探触子(1A)へ戻ってくる。 【0014】このとき、超音波探触子(1A)で受信さ
れるエコーのAスコープ波形は図39(a) に示すよ
うになる。 【0015】図39(a)において、超音波探触子(1
A)を駆動した送信電気パルスTの後に、まず、超音波
パルスが試験体(2)の表面に入射した時点で試験体(
2)の表面から反射されて戻ってきた表面エコーSが観
測される。 【0016】次に、超音波パルスが試験体(2)を一周
した後、受信されるエコーR1が観測される。 【0017】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の3周した時点で、欠陥(3)で反射されて
、さらに4分の3周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、
受信される欠陥エコーF3が観測される。 【0018】超音波探触子(1B)が受信するエコーの
Aスコープ波形は図39(b)に示すようになる。 【0019】まず、超音波探触子(1A)から試験体(
2)内に入射した超音波パルスが、試験体(2)を2分
の1周した時点で、超音波探触子(1B)で受信される
エコーRB24が観測される。 【0020】次に、超音波パルスが、試験体(2)を4
分の3周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに
4分の1周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信され
る欠陥エコーF2が観測される。 【0021】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の6周した時点で、受信されるエコーRB6
4が観測される。 【0022】次に、超音波探触子(1B)のみから単独
で超音波パルスを試験体(2)に送信した場合について
考えてみる。 【0023】超音波探触子(1B)自身が受信するエコ
ーのAスコープ波形は図39(c)に示すようになる。 【0024】図39(c)において、超音波探触子(1
B)を駆動した送信電気パルスTの後に、まず、超音波
パルスが試験体(2)の表面に入射した時点で試験体(
2)の表面から反射されて戻ってきた表面エコーSが観
測される。 【0025】次に、超音波パルスが試験体(2)を4分
の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに4
分の1周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信される
欠陥エコーF1が観測される。 【0026】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を一周した後、受信されるエコーR1が観測される
。 【0027】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて
、さらに4分の5周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、
受信される欠陥エコーF3が観測される。 【0028】超音波探触子(1A)が受信するエコーの
Aスコープ波形は図39(d)に示すようになる。 【0029】まず、超音波探触子(1B)から試験体(
2)内に入射した超音波パルスが、試験体(2)を2分
の1周した時点で、超音波探触子(1A)で受信される
エコーRB24が観測される。 【0030】次に、超音波パルスが、試験体(2)を4
分の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに
4分の3周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信され
る欠陥エコーF2が観測される。 【0031】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の6周した時点で、受信されるエコーRB6
4が観測される。 【0032】次に、2つの超音波探触子(1A)及び(
1B)から試験体(2)に超音波パルスを送信した場合
について考えてみる。 【0033】この場合、超音波探触子(1A)が受信す
るエコーのAスコープ波形は、図39(a)及び(d)
に示す波形を交流波形レベルで加算した結果となる。 【0034】同様に、超音波探触子(1B)が受信する
エコーのAスコープ波形は、図39(c)及び(b)に
示す波形を交流波形レベルで加算した結果となる。 【0035】従来の検査装置においては、これらの加算
結果が各超音波探触子(1A)及び(1B)から受信さ
れる。 【0036】さて、上述した従来の検査装置においては
、超音波探触子(1A)で受信したエコーに対して設定
された図39(e)に示す欠陥検出用時間ゲート内に、
図39(d)に示すように、エコーRB24が混入して
いる。 【0037】このエコーは欠陥からのエコーではないが
、欠陥検出用時間ゲート内に入っているので、欠陥から
のエコーとして誤認してしまう問題がある。 【0038】つまり、エコーRB24は検査の邪魔にな
る妨害エコーである。 【0039】一方、超音波探触子(1B)で受信したエ
コーに対して同様に設定された図39(e)に示す欠陥
検出用時間ゲート内には、図39(c)に示すように、
欠陥エコーF1が現れる。 【0040】しかし、図39(b)に示すように、エコ
ーRB24が欠陥エコーF1に重畳してくる問題がある
。 【0041】したがって、このエコーRB24も妨害エ
コーである。 【0042】すなわち、従来の検査装置においては、R
B24やRB64などの妨害エコーにより検査の信頼性
が得られない問題点があった。 【0043】 【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
検査装置では、1つの超音波探触子から送信された超音
波パルスが、他の超音波探触子に妨害エコーとして受信
されてしまい、このため、妨害エコーのレベルが大きい
場合には検査が不可能となってしまったり、妨害エコー
のレベルが例え小さくても高精度な検査ができないとい
う問題点があった。 【0044】この発明は、上述した問題点を解決するた
めになされたもので、妨害エコーが検査結果に及ぼす悪
影響を取り除くことができる検査装置を得ることを目的
とする。 【0045】さらに、同時に、信号対雑音比の向上が図
れる検査装置を得ることを目的とする。 【0046】 【課題を解決するための手段】この発明に係る検査装置
は、次に掲げる手段を備えたものである。 【0047】〔1〕複数個の出力端子を有し、Nを自然
数、iを1からNまでの整数、jを1から(N−1)ま
での整数とすると、第1から第NまでのN個の系列を順
次繰り返して配列したとき、jを固定して、第i番目の
系列と第(i+j)番目の系列の相互相関関数をiが1
からNまで加算すると加算結果が零になり、かつ、上記
第1から第Nまでの系列の自己相関関数を加算するとサ
イドローブレベルが零となる第1から第Nまでの系列を
発生するとともに、上記第1から第Nまでの系列に基づ
いてそれぞれ生成される第1から第Nまでの送信信号を
発生し、上記第1から第Nまでの送信信号を、第k番目
の上記出力端子から、第k、第(k+1)、第(k+2
)、・・・、第N、第1、第2、・・・、第(k−1)
、第k、・・・の順番にしたがって順次繰り返して発生
する送信信号発生手段。 【0048】〔2〕上記複数個の出力端子に対してそれ
ぞれ設けられ、上記出力端子からの上記送信信号により
励振されて波動を対象物に送信する複数個の送信手段。 【0049】〔3〕上記対象物からのエコーを受信する
複数個の受信手段。 【0050】〔4〕上記複数個の受信手段のそれぞれに
対して設けられ、上記第1から第Nまでの系列にそれぞ
れ基づいて生成される第1から第Nまでの参照信号を用
いて、それぞれ、上記第1から第Nまでの送信信号に対
応する第1から第Nまでの上記エコーを相関処理する複
数個の相関手段。 【0051】〔5〕上記複数個の相関手段に対してそれ
ぞれ設けられ、上記第1から第Nまでのエコーに対応す
る上記相関手段の出力を加算する複数個の加算手段。 【0052】 【作 用】この発明においては、複数個の出力端子を
有する送信信号発生手段によって、Nを自然数、iを1
からNまでの整数、jを1から(N−1)までの整数と
すると、第1から第NまでのN個の系列を順次繰り返し
て配列したとき、jを固定して、第i番目の系列と第(
i+j)番目の系列の相互相関関数をiが1からNまで
加算すると加算結果が零になり、かつ、上記第1から第
Nの系列までの自己相関関数を加算するとサイドローブ
レベルが零となる第1から第Nまでの系列が発生される
とともに、上記第1から第Nまでの系列に基づいてそれ
ぞれ生成される第1から第Nまでの送信信号が発生され
、上記第1から第Nまでの送信信号が、第k番目の上記
出力端子からは、第k、第(k+1)、第(k+2)、
・・・、第N、第1、第2、・・・、第(k−1)、第
k、・・・の順番にしたがって順次繰り返して発生され
る。 【0053】また、上記複数個の出力端子に対してそれ
ぞれ設けられた複数個の送信手段によって、上記出力端
子からの上記送信信号により励振されて波動が対象物に
送信される。 【0054】さらに、複数個の受信手段によって、上記
対象物からのエコーが受信される。 【0055】さらにまた、上記複数個の受信手段のそれ
ぞれに対して設けられた複数個の相関手段によって、上
記第1から第Nまでの系列にそれぞれ基づいて生成され
る第1から第Nまでの参照信号が用いられて、それぞれ
、上記第1から第Nまでの送信信号に対応する第1から
第Nまでの上記エコーが相関処理される。 【0056】そして、上記複数個の相関手段に対してそ
れぞれ設けられた複数個の加算手段によって、上記第1
から第Nまでのエコーに対応する上記相関手段の出力が
それぞれ加算される。 【0057】 【実施例】これから、この発明の5つの実施例について
順次説明する。 【0058】この発明の第1実施例の構成について図1
を参照しながら説明する。図1は、この発明の第1実施
例を示すブロック図であり、超音波探触子(1A)及び
(1B)は、図38で示した従来の検査装置のものと全
く同一である。 【0059】図1において、この発明の第1実施例は、
上述した従来の検査装置のものと全く同一のものと、2
チャンネルの出力端子(5A)及び(5B)を有する送
信信号発生器(5)と、この送信信号発生器(5)のチ
ャンネル1の出力端子(5A)及び超音波探触子(1A
)に接続された相関器(6A)と、相関器(6A)に接
続されたメモリ機能を含む加算器(8A)と、送信信号
発生器(5)に入力側が接続されかつ相関器(6A)に
出力側が接続された参照信号発生器(9A)と、送信信
号発生器(5)のチャンネル2の出力端子(5B)及び
超音波探触子(1B)に接続された相関器(6B)と、
相関器(6B)に接続されたメモリ機能を含む加算器(
8B)と、送信信号発生器(5)に入力側が接続されか
つ相関器(6B)に出力側が接続された参照信号発生器
(9B)と、加算器(8A)及び(8B)に接続された
表示器(7)とから構成されている。 【0060】なお、超音波探触子(1A)及び(1B)
は、それぞれ、送信信号発生器(5)のチャンネル1の
出力端子(5A)及びチャンネル2の出力端子(5B)
にも接続されている。 【0061】また、超音波探触子(1A)及び(1B)
は、従来と同様に、試験体(2)の円周上に沿って配し
てある。 【0062】つぎに、上述した第1実施例の動作につい
て、図2から図13までを参照しながら説明する。 【0063】図2はこの発明の第1実施例における第1
の単位信号を示す波形図、図3、図4、図5及び図6は
この発明の第1実施例における第1、第2、第3及び第
4の送信信号を示す波形図、図7及び図8はこの発明の
第1実施例における前記4つの送信信号の繰り返しを示
す波形図、図9はこの発明の第1実施例における第2の
単位信号を示す波形図、図10、図11、図12及び図
13はこの発明の第1実施例における第1、第2、第3
及び第4の参照信号を示す波形図である。 【0064】送信信号発生器(5)は、第1の単位信号
を発生する。この第1の単位信号をgs(t)で表す。 ただし、tは時間である。また、送信信号発生器(5)
は、第1の系列{a}、第2の系列{b}、第3の系列
{c}及び第4の系列{d}を発生する。 【0065】さらに、送信信号発生器(5)は、第1の
系列{a}及び第1の単位信号gS(t)により規定さ
れる第1の送信信号、第2の系列{b}及び第1の単位
信号gs(t)により規定される第2の送信信号、第3
の系列{c}及び第1の単位信号gS(t)により規定
される第3の送信信号、並びに、第4の系列{d}及び
第1の単位信号gS(t)により規定される第4の送信
信号を発生する。 【0066】これら第1、第2、第3及び第4の送信信
号をそれぞれ、sa(t)、sb(t)、sc(t)及
びsd(t)で表す。 【0067】第1の単位信号gs(t)は、図2に示す
ように、矩形波形を有する信号である。図中、δs は
固定時間である。 【0068】第1の送信信号sa(t)は、図3に示す
ように、第1の系列{a}として長さnが4である、{
a}={a1,a2,a3,a4}={+,+,+,−
}を採用し、この系列と図2に示した第1の単位信号g
s(t) とから、次に述べる手順にしたがって発生し
た信号である。 【0069】すなわち、第1の系列{a}の符号+には
第1の単位信号gs(t)を割り当て、符号−には第1
の単位信号gs(t)に−1を掛けて得られる信号−g
s(t)を割り当てて、第1の系列{a}の符号の現れ
る順序にしたがって、±gs(t)が時間軸上に配列さ
れている。 【0070】第1の系列{a}の符号(±)と、信号±
gs(t)との間の関係をわかりやすくするため、図3
中、第1の系列{a}の符号(±)を合わせて記入して
ある。 【0071】なお、図3中、δは固定時間である。 【0072】固定時間δが固定時間δsに等しい場合に
は、第1の送信信号は、振幅を符号化された波形を有す
る信号に等しい。 【0073】第2の送信信号sb(t)は、図4に示す
ように、第2の系列{b}として、長さnが4である、
{b}={b1,b2,b3,b4}={+,+,−,
+}を採用し、この系列と図2に示した第1の単位信号
gs(t)とから、第1の送信信号の発生手順と同様の
手順にしたがって発生した信号である。 【0074】第3の送信信号sc(t)は、図5に示す
ように、第3の系列{c}として、長さnが4である、
{c}={c1,c2,c3,c4}={−,−,−,
+}を採用し、この系列と図2に示した第1の単位信号
gs(t)とから、第1の送信信号の発生手順と同様の
手順にしたがって発生した信号である。 【0075】第4の送信信号sd(t)は、図6に示す
ように、第4の系列{d}として、長さnが4である、
{d}={d1,d2,d3,d4}={+,+,−,
+}を採用し、この系列と図2に示した第1の単位信号
gs(t)とから、第1の送信信号の発生手順と同様の
手順にしたがって発生した信号である。 【0076】図4、図5及び図6において、それぞれ、
第2の系列{b}、第3の系列{c}及び第4の系列{
d}の符号(±)と、信号±gs(t)との間の関係を
わかりやすくするため、それぞれの系列の符号を合わせ
て記入してある。 【0077】なお、第3の系列{c}は、第1の系列{
a}において、符号+と符号−を反転させて得られる系
列に等しい。 【0078】また、第4の系列{d}は、第2の系列{
b}に等しい。 【0079】送信信号発生器(5)は、上記第1から第
4の4つの送信信号を、図7に示すように、第1、第2
、第3、第4、第1、・・・の順番にしたがって、ある
一定の送信繰り返し周期Trで順次繰り返して発生し、
出力端子(5A)から超音波探触子(1A)に伝達する
。 【0080】また、送信信号発生器(5)は、上記第1
から第4の4つの送信信号を、図8に示すように、第2
、第3、第4、第1、第2、・・・の順番にしたがって
、ある一定の送信繰り返し周期Trで順次繰り返して発
生し、出力端子(5B)から超音波探触子(1B)に伝
達する。 【0081】超音波探触子(1A)及び(1B)は、上
記4つの送信信号により、それぞれ上述した順番にした
がって順次駆動されて、超音波パルスを試験体(2)内
へ送信する。 【0082】そして、超音波探触子(1A)及び(1B
)は、試験体(2)内の欠陥(3)などの反射体により
反射されたエコーを受信する。 【0083】超音波探触子(1A)及び(1B)により
受信されたエコーは、それぞれ、相関器(6A)及び(
6B)に伝達される。 【0084】一方、参照信号発生器(9A)及び(9B
)は、それぞれ、超音波探触子(1A)及び(1B)に
より受信されたエコーの相関処理に用いられる第1、第
2、第3及び第4の参照信号を発生する。 【0085】これら第1、第2、第3及び第4の参照信
号を、それぞれ、ua(t)、ub(t)、uc(t)
及びud(t)で表す。 【0086】参照信号発生器(9A)は、上記4つの参
照信号を、第1、第2、第3、第4、第1、・・・の順
番にしたがって相関器(6A)に伝達する。 【0087】一方、参照信号発生器(9B)は、上記4
つの参照信号を、第2、第3、第4、第1、第2、・・
・の順番にしたがって相関器(6B)に伝達する。 【0088】ここで、第1〜第4の参照信号は、第1〜
第4の系列と第2の単位信号により規定される信号であ
る。 【0089】上記第2の単位信号は、図9に示すように
、矩形波形を有する信号である。図中、δu は固定時
間である。第2の単位信号をgu(t)で表す。 【0090】第1の参照信号ua(t)は、図10に示
すように、第1の系列{a}と第2の単位信号gu(t
)とから、第1の送信信号の発生手順と同様の手順にし
たがって発生した信号である。 【0091】すなわち、第1の系列{a}の符号+には
第2の単位信号gu(t)を割り当て、符号−には第2
の単位信号gu(t)に−1を掛けて得られる信号−g
u(t)を割り当てて、第1の系列{a}の符号の現れ
る順序にしたがって、±gu(t)が時間軸上に配列さ
れている。 【0092】第1の系列{a}の符号(±)と、信号±
gu(t)との間の関係をわかりやすくするため、図中
、第1の系列{a}の符号を合わせて記入してある。 【0093】また、図中、固定時間δが固定時間δuに
等しい場合には、第1の参照信号は、振幅を符号化され
た波形を有する信号に等しい。 【0094】また、固定時間δuが固定時間δsに等し
い場合には、第1の参照信号は、第1の送信信号に等し
い。 【0095】第2の参照信号ub(t)は、図11に示
すように、第2の系列{b}と第2の単位信号gu(t
)とから、第1の参照信号の発生手順と同様の手順にし
たがって発生した信号である。 【0096】第3の参照信号uc(t)は、図12に示
すように、第3の系列{c}と第2の単位信号gu(t
)とから、第1の参照信号の発生手順と同様の手順にし
たがって発生した信号である。 【0097】第4の参照信号ud(t)は、図13に示
すように、第4の系列{d}と第2の単位信号gu(t
)とから、第1の参照信号の発生手順と同様の手順にし
たがって発生した信号である。 【0098】図11、図12及び図13において、それ
ぞれ、第2の系列{b}、第3の系列{c}及び第4の
系列{d}の符号(±)と、信号±gu(t)との間の
関係をわかりやすくするため、これらの系列の符号を合
わせて記入してある。 【0099】相関器(6A)では、第1の送信信号sa
(t)を発生した送信機繰り返し周期で受信されたエコ
ーと第1の参照信号ua(t)との間で相関演算を実行
する。 【0100】同様に、相関器(6A)では、第2の送信
信号sb(t)を発生した送信繰り返し周期で受信され
たエコーと第2の参照信号ub(t)との間で、第3の
送信信号sc(t)を発生した送信繰り返し周期で受信
されたエコーと第3の参照信号uc(t)との間で、第
4の送信信号sd(t)を発生した送信繰り返し周期で
受信されたエコーと第4の参照信号ud(t)との間で
、それぞれ、相関演算を実行する。 【0101】超音波探触子(1A)で受信されたエコー
の前記4つの相関演算結果は、加算器(8A)に伝達さ
れ、記憶される。 【0102】加算器(8A)では、前記4つの相関演算
結果を加算する。 【0103】この加算結果を、超音波探触子(1A)で
受信されたエコーの合成圧縮パルスと呼ぶことにする。 【0104】この合成圧縮パルスは、加算器(8A)か
ら表示器(7)に伝達され、従来と同様に表示される。 【0105】一方、相関器(6B)では、第2の送信信
号sb(t)を発生した送信機繰り返し周期で受信され
たエコーと第2の参照信号ub(t)との間で相関演算
を実行する。 【0106】同様に、相関器(6B)では、第3の送信
信号sc(t)を発生した送信繰り返し周期で受信され
たエコーと第3の参照信号uc(t)との間で、第4の
送信信号sd(t)を発生した送信繰り返し周期で受信
されたエコーと第4の参照信号ud(t)との間で、第
1の送信信号sa(t)を発生した送信繰り返し周期で
受信されたエコーと第1の参照信号ua(t)との間で
、それぞれ、相関演算を実行する。 【0107】超音波探触子(1B)で受信されたエコー
の前記4つの相関演算結果は、加算器(8B)に伝達さ
れ、記憶される。 【0108】加算器(8B)では、前記4つの相関演算
結果を加算する。 【0109】この加算結果を、超音波探触子(1B)で
受信されたエコーの合成圧縮パルスと呼ぶことにする。 【0110】この合成圧縮パルスは、加算器(8B)か
ら表示器(7)に伝達され、従来と同様に表示される。 【0111】次に、上述したこの発明の第1実施例の動
作原理および効果を説明する。 【0112】説明に際しては、次の順番で説明する。ま
ず、超音波探触子(1A)のみから超音波を送信し、超
音波探触子(1A)によりエコーを受信した場合につい
て説明する。次に、超音波探触子(1B)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合について説明する。次に、超音波探触子(1A
)のみから超音波を送信し、超音波探触子(1B)によ
りエコーを受信した場合について説明する。次に、超音
波探触子(1B)のみから超音波を送信し、超音波探触
子(1A)によりエコーを受信した場合について説明す
る。最後に、超音波探触子(1A)及び(1B)の両方
から超音波を送信し、超音波探触子(1A)及び(1B
)によりエコーを受信した場合について説明する。 【0113】まず、超音波探触子(1A)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1A)によりエコーを受信
した場合について、図14〜図18を参照しながら考え
てみる。 【0114】図14〜図17は超音波探触子(1A)で
受信されたエコーの圧縮パルスを示す波形図、図18は
超音波探触子(1A)で受信されたエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。 【0115】図3で示した第1の送信信号sa(t)は
、次の式で表される。 【0116】 sa(t)=Σaigs[t−(i−1)δ]
(和はiについて1〜n
までとる。) ・・・式(1)【011
7】ここで、ai(i=1,2,・・・,n)の符号±
は±1(複合同順)と同一と見なして掛算している(以
下同様)。 【0118】第1の送信信号sa(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1A)により受信したエコーをrAAa(
t)で表すと、rAAa(t)は次の式で表わされる。 【0119】 rAAa(t)=C0×∫sa(t1)hAA
(t−t0−t1)dt1
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・式(2)【0120】ここで、C
0は定数を表す。 【0121】また、hAA(t)は、送信信号発生器(
5)のチャンネル1の出力端子(5A)から、超音波探
触子(1A)、試験体(2)の反射体、再び超音波探触
子(1A)を経由して、相関器(6A)の入力端に至る
までの信号伝搬経路における周波数応答特性の逆フーリ
エ変換を表す。すなわち、前記信号伝搬経路のインパル
ス応答を表す。 【0122】また、t0は、第1の送信信号sa(t)
により超音波探触子(1A)を駆動した時間からエコー
rAAa(t)が受信されるまでの時間である。 【0123】C0=1としても説明上、一般性を失わな
いので、以下C0=1として説明する。 【0124】第1の送信信号sa(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において受信
されたエコーは、相関器(6A)において、第1の参照
信号ua(t)を用いて相関処理される。 【0125】図10に示した第1の参照信号ua(t)
は、次の式で表される。 【0126】 ua(t)=Σaigu[t−(i−1)δ]
(和はiについて1〜n
までとる。) ・・・式(3)【012
7】したがって、相関器(6A)による相関演算結果(
以下、圧縮パルスCAAaa(t)と呼ぶ。)は、次の
式で表わされる。 【0128】 rAAaa(t)=∫ua(t2−t)rAA
a(t2)dt2 [
積分範囲:−∞〜∞]
・・・式(4)【0129】ところで、前記圧縮
パルスCAAaa(t)は、第1の系列{a}の自己相
関関数を、ρaa(i)、(i=0、±1、±2、・・
・、±(n−1))で表わし、さらに、 AAA(t)=∫∫gs(t1)gu(t2)
hAA(t+t2−t1)dt1dt2
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・式(5) とおけば
、式(1)〜式(5)から次式に等しい。 【0130】 CAAaa(t)=ρaa(0)AAA(t−
t0)+ Σρaa(i)[A
AA(t−t0−iδ)+AAA(t−t0+iδ)]
(和はiについて1〜(
n−1)までとる) ・・・式(6)【0131】同
様に、図4に示した第2の送信信号sb(t)は、式(
1)の右辺において、第1の系列の要素aiを、第2の
系列の要素biで置き変えた式で表せる。 【0132】ただし、時間原点は、第2の送信信号sb
(t)により超音波探触子(1A)を駆動した時間に取
り直している(以下、第3及び第4の送信信号について
も同様である。)。 【0133】第2の送信信号sb(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1A)により受信したエコーをrAAb(
t)で表すと、rAAb(t)は、式(2)の右辺にお
いて、第1の送信信号sa(t)を、第2の送信信号s
b(t)で置き換えた式で表せる。 【0134】第2の送信信号sb(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において受信
されたエコーは、相関器(6A)において、第2の参照
信号ub(t)を用いて相関処理される。 【0135】図11に示した第2の参照信号ub(t)
は、式(3)の右辺において、第1の系列の要素aiを
、第2の系列の要素biで置き変えた式で表せる。 【0136】したがって、相関器(6A)による相関演
算結果(以下、圧縮パルスCAAbb(t)と呼ぶ。)
は、式(4)の右辺において、第1の参照信号ua(t
)を第2の参照信号ub(t)で置き換えるとともに、
エコーrAAa(t)を、エコーrAAb(t)で置き
換えた式で表せる。 【0137】したがって、第2の系列{b}の自己相関
関数を、ρbb(i)、(i=0、±1、±2、・・・
、±(n−1))で表せば、前記圧縮パルスCAAbb
(t)は、式(6)の右辺において、第1の系列{a}
の自己相関関数ρaa(i)を、第2の系列{b}の自
己相関関数ρbb(i)で置き換えた式で表せる。 【0138】以下、同様に、第3及び第4の送信信号の
場合について考えてみる。 【0139】第3の送信信号sc(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1A)により受信したエコーrAAc(t
)で表す。 【0140】第3の送信信号sc(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において受信
エコーは、相関器(6A)において、第3の送信信号u
c(t)を用いて相関処理される。 【0141】相関器(6A)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCAAcc(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCAAcc(t)は、第3の系列{c}の自己
相関関数を、ρcc(i)、(i=0、±1、±2、・
・・、±(n−1))で表すと、式(6)の右辺におい
て、第1の系列{a}の自己相関関数ρaa(i)を、
第3の系列{c}の自己相関関数ρcc(i)で置き換
えた式で表せる。 【0142】第4の送信信号sd(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1A)により受信したエコーrAAd(t
)で表す。 【0143】第4の送信信号sd(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において受信
されたエコーは、相関器(6A)において、第4の参照
信号ud(t)を用いて相関処理される。 【0144】相関器(6A)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCAAdd(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCAAdd(t)は、第4の系列{d}の自己
相関関数を、ρdd(i)、(i=0、±1、±2、・
・・、±(n−1))で表せば、式(6)の右辺におい
て、第1の系列{a}の自己相関関数ρaa(i)を、
第4の系列{d}の自己相関関数ρdd(i)で置き換
えた式で表せる。 【0145】したがって、超音波探触子(1A)で受信
されたエコーの前記4つの圧縮パルス(CAAaa(t
)、CAAbb(t)、CAAcc(t)及びCAAd
d(t)の加算結果である合成圧縮パルスを、CAA(
t)で表せば、CAA(t)は次式に等しい。 【0146】 CAA(t)=CAAaa(t)+CAAbb(t
)+CAAcc(t)+CAAdd(t)
=[ρaa(0)+ρbb(0)+ρcc(0)
+ρdd(0)]AAA(t−t0)
+Σ[ρaa(i)+ρbb(i)+ρcc(i
)+ρdd(i)]×
[AAA(t−t0−iδ)+AAA(t−t0+iδ
)] (和はiについて1
〜(n−1)までとる) ・・・・式(7)【0
147】図14は、式(6)から計算により求めた圧縮
パルスCAAaa(t)を示す。 【0148】図15、図16及び図17は、それぞれ、
同様の計算に求めた圧縮パルスCAAbb(t)、CA
Acc(t)及びCAAdd(t)である。 【0149】これらの計算において、第1〜第4の送信
信号として、図3〜図6に示したものを用い、第1〜第
4の参照信号として、図10〜図13に示したものを用
いた。 【0150】また、hAA(t)はデルタ関数とした。 また、δs=δu=δ/2とした。 【0151】また、第1〜第4の系列の自己相関関数に
おいて、ρaa(0)=4、ρaa(1)=1、ρaa
(2)=0、ρaa(3)=−1、ρbb(0)=4、
ρbb(1)=−1、ρbb(2)=0、ρbb(3)
=1、ρcc(0)=4、ρcc(1)=1、ρcc(
2)=0、ρcc(3)=−1、ρdd(0)=4、ρ
dd(1)=−1、ρdd(2)=0、ρdd(3)=
1であることを用いた。 【0152】図14〜図17において、4つの圧縮パル
スとも、信号のエネルギーの大半は、t=t0近傍に集
中しているが、t≠t0における振幅(レンジサイドロ
ーブレベル)が高い。 【0153】しかし、図18に示すように、前記4つの
圧縮パルスを加算して得られた合成圧縮パルスCAA(
t)では、主ローブは強めあい、レンジサイドローブは
相殺されて、主ローブのみ残り、レンジサイドローブレ
ベルは零になっている。 【0154】このレンジサイドローブの相殺効果は、δ
s=δu=δ/2の関係が成り立たない場合でも生じる
。 つまり、この相殺効果は、δs及びδuがともに零以上
の任意の値の場合についても生じる。無論、δs≠δu
であってもよい。 【0155】なお、δsあるいはδuが零の場合は、g
s(t)あるいはgu(t)がデルタ関数の場合に相当
する。 【0156】すなわち、この発明の第1実施例において
は、超音波探触子(1A)のみから超音波を送信し、超
音波探触子(1A)によりエコーを受信した場合、t=
t0近傍にのみ大きな振幅(主ローブ)を有し、t≠t
0における振幅(レンジサイドローブレベル)が零の合
成圧縮パルスが得られる作用、効果があることがわかっ
た。 【0157】また、パルス圧縮の手法を用いたこの発明
に関わる第1実施例では、この発明と関連する特願平1
−203909号からわかるように、従来装置に比べ、
信号対雑音比を改善できる効果が期待できる。 【0158】なお、上記第1実施例で用いた第1及び第
2の系列において、ρaa(0)=ρbb(0)、ρa
a(i)=−ρbb(i)、(i=±1、±2…、±(
n−1))が成り立つ。つまり、第1及び第2の系列は
相補系列である。言い換えれば、第1及び第2の系列は
相補関係にある。 【0159】また、第3及び第4の系列においても、ρ
cc(0)=ρdd(0)、ρcc(i)=−ρdd(
i)、(i=±1、±2…、±(n−1))が成り立つ
。つまり、第3及び第4の系列は相補関係にある。 【0160】さらに、第1及び第3の系列において、ρ
aa(i)=ρcc(i)、(i=0、±1、・・・、
±(n−1))が成り立つ。つまり、第1の系列の自己
相関関数と第3の系列の自己相関関数は等しい。これは
、前述したように、第3の系列{c}が、第1の系列に
おいて、符号+と符号−を反転させて得られる系列に等
しいことによる。 【0161】また、第2及び第4の系列において、ρb
b(i)=ρdd(i)、(i=0、±1、・・・、±
(n−1))が成り立つ。つまり、第2の系列の自己相
関関数と第4の自己相関関数し等しい。 これは、前
述したように、第4の系列{d}が、第2の系列{b}
に等しいことによる。 【0162】以上より、次に示す関係、 ρaa
(0)+ρbb(0)+ρcc(0)+ρdd(0)=
4ρaa(0)、 ρaa(i)+ρbb(i)
+ρcc(i)+ρdd(i)=0、 (i
=±1、±2、…、±(n−1))
・・・・式(8) が成り立つ。 【0163】式(8)に示した関係が成り立つ場合には
、式(7)の右辺におけるAAA(t)がいかなる波形
であっても、すなわち、AAA(t)を規定する式(5
)の右辺における第1の単位信号gs(t)、第2の単
位信号gu(t)及びインパルス応答hAA(t)が、
いかなる波形であっても、式(7)の右辺において、第
2項は相殺されて零となる。 【0164】したがって、 CAA(t)=4ρaa(0)AAA(t−t
0) ・・・・式(9)が成立
する。 【0165】したがって、レンジサイドローブレベルが
零の合成圧縮パルスが得られる作用、効果がある。 【0166】次に、超音波探触子(1B)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合について、図19〜図23を参照しながら考え
てみる。 【0167】図19〜図22は超音波探触子(1B)で
受信されたエコーの圧縮パルスを示す波形図、図23は
超音波探触子(1B)で受信されたエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。 【0168】第2の送信信号sb(t)で超音波探触子
(1B)を駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1B)により受信したエコーをrBBb(t)
で表す。rBBb(t)は、次の式で表わされる。 【0169】 rBBb(t)=C1×∫sb(t1)hBB
(t−t0−t1)dt1
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(10)【0170】ここで、C
1は定数を表す。 【0171】また、hBB(t)は、送信信号発生器(
5)のチャンネル2の出力端子(5B)から、超音波探
触子(1B)、試験体(2)の反射体、再び超音波探触
子(1B)を経由して、相関器(6B)の入力端に至る
までの信号伝搬経路における周波数応答特性の逆フーリ
エ変換を表す。すなわち、前記信号伝搬経路のインパル
ス応答を表す。 【0172】また、t0は、第2の送信信号sb(t)
で超音波探触子(1B)を駆動した時間からエコーrB
Bb(t)が受信されるまでの時間である。 【0173】C1=1としても説明上、一般性を失わな
いので、以下C1=1として説明する。 【0174】第2の送信信号sb(t)で超音波探触子
(1B)を駆動した送信繰り返し周期において受信され
たエコーは、相関器(6B)において、第2の参照信号
ub(t)を用いて相関処理される。 【0175】したがって、相関器(6B)の相関演算結
果(以下、圧縮パルスCBBbb(t)と呼ぶ。)は次
の式で表わされる。 【0176】 CBBbb(t)=∫ub(t2−t)rBB
b(t2)dt2 [積分
範囲:−∞〜∞]
・・・・式(11)【0177】したがって、この圧
縮パルスCBBbb(t)は、 ABB(t)=∫∫gs(t1)gu(t2)hB
B(t+t2−t1)dt1dt2
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(12)とおけば、式(
10)〜式(12)から次式に等しい。 【0178】 CBBbb(t)=ρbb(0)ABB(t−t0
)+ Σρbb(i)[ABB(
t−t0−iδ)+ABB(t−t0+iδ)]
(和はiについて1〜(n−1
)までとる) ・・・・式(13)【0179】以下
、同様に、第3の送信信号sc(t)、第4の送信信号
sd(t)、第1の送信信号sa(t)により、それぞ
れ、超音波探触子(1B)を駆動した送信繰り返し周期
において、相関器(6B)の相関演算結果について同様
に求めてみる。 【0180】ただし、時間原点は、それぞれの送信信号
により超音波探触子(1B)を駆動した時間に取り直す
。 【0181】第3の送信信号sc(t)により超音波探
触子(1B)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1B)により受信したエコーをrBBc(
t)で表す。 【0182】このエコーrBBc(t)は、相関器(6
B)において、第3の参照信号uc(t)を用いて相関
処理される。 【0183】相関器(6B)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCBBcc(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCBBcc(t)は、式(13)の右辺におい
て、第2の系列{b}の自己相関関数をρbb(i)を
、第3の系列{c}の自己相関関数ρcc(i)で置き
換えた式で表せる。 【0184】第4の送信信号sd(t)により超音波探
触子(1B)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1B)により受信したエコーをrBBd(
t)で表す。 【0185】このエコーrBBd(t)は、相関器(6
B)において、第4の参照信号ud(t)を用いて相関
処理される。 【0186】相関器(6B)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCBBdd(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCBBdd(t)は、式(13)の右辺におい
て、第2の系列{b}の自己相関関数ρbb(i)を、
第4の系列{d}の自己相関関数ρdd(i)で置き換
えた式で表せる。 【0187】第1の送信信号sa(t)により超音波探
触子(1B)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1B)により受信したエコーをrBBa(
t)で表す。 【0188】このエコーrBBa(t)は、相関器(6
B)において、第1の参照信号ua(t)を用いて相関
処理される。 【0189】相関器(6B)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCBBaa(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCBBaa(t)は、式(13)の右辺におい
て、第2の系列{b}の自己相関関数ρbb(i)を、
第1の系列{a}の自己相関関数ρaa(i)で置き換
えた式で表せる。 【0190】したがって、超音波探触子(1B)で受信
されたエコーの前記4つの圧縮パルス(CBBbb(t
)、CBBcc(t)、CBBdd(t)及びCBBa
a(t)の加算結果である合成圧縮パルスを、CBB(
t)で表せば、CBB(t)は次式に等しい。 【0191】 CBB(t)=CBBbb(t)+CBBcc(t
)+CBBdd(t)+CBBaa(t)
=[ρbb(0)+ρcc(0)+ρdd(0)
+ρaa(0)]ABB(t−t0)
+Σ[ρbb(i)+ρcc(i)+ρdd(i
)+ρaa(i)]×
[ABB(t−t0−iδ)+ABB(t−t0+iδ
)] (和はiについて1
〜(n−1)までとる) ・・・・式(14)【01
92】図19は、式(13)から計算により求める圧縮
パルスCBBbb(t)を示す。 【0193】図20、図21及び図22は、それぞれ、
同様の計算により求めた圧縮パルスCBBcc(t)、
CBBdd(t)及びCBBaa(t)である。 【0194】これらの計算において、第1〜第4の送信
信号は、それぞれ、図3〜図6に示したものを用い、第
1〜第4の参照信号は、それぞれ、図10〜図13に示
したものを用いた。 【0195】また、hBB(t)はデルタ関数とした。 また、δs=δu=δ/2とした。 【0196】図19〜図22において、4つの圧縮パル
スとも、信号のエネルギーの大半は、t=t0近傍に集
中しているが、t≠t0における振幅(レンジサイドロ
ーブレベル)が高い。 【0197】しかし、図23に示すように、前記4つの
圧縮パルスを加算して得られた合成圧縮パルスCBB(
t)では、主ローブは強めあい、レンジサイドローブは
相殺されて、主ローブのみ残り、レンジサイドローブレ
ベルは零になっている。 【0198】なお、このレンジサイドローブの相殺効果
は、図18の場合と同様に、δs=δu=δ/2の関係
が成り立たない場合でも生じる。つまり、この相殺効果
は、δs及びδuがともに零以上の任意の値の場合につ
いても生じる。 【0199】すなわち、この発明の第1実施例において
は、超音波探触子(1B)のみから超音波を送信し、超
音波探触子(1B)によりエコーを受信した場合、t=
t0近傍にのみ大きな振幅(主ローブ)を有し、t≠t
0における振幅(レンジサイドローブレベル)が零の合
成圧縮パルスが得られる作用、効果があることがわかっ
た。 【0200】また、上述のように、パルス圧縮の手法を
用いたこの発明に関わる第1実施例では、超音波探触子
(1B)により受信され相関処理された結果においても
、この発明と関連する特願平1−203909号からわ
かるように、従来装置に比べ、信号対雑音比を改善でき
る効果が期待できる。 【0201】なお、上記第1実施例で用いた第1〜第4
の系列において、式(8)が成り立つ。 【0202】したがって、式(14)の右辺におけるA
BB(t)がいかなる波形であっても、すなわち、AB
B(t)を規定する式(12)の右辺における第1の単
位信号gs(t)、第2の単位信号gu(t)及びイン
パルス応答hBB(t)が、いかなる波形であっても、
式(14)の右辺において、第2項は相殺されて零とな
る。 【0203】したがって、 CBB(t)=4ρaa(0)ABB(t
−t0) ・・・・式(15)が成立す
る。 【0204】したがって、レンジサイドローブレベルが
零の合成圧縮パルスが得られる作用、効果がある。 【0205】次に、超音波探触子(1A)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合について、図24〜図28を参照しながら考え
てみる。 【0206】これらのエコーは、検査の邪魔となる妨害
エコーである。 【0207】図24〜図27は超音波探触子(1B)で
受信されたエコーの圧縮パルスを示す波形図、図28は
超音波探触子(1B)で受信されたエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。 【0208】超音波探触子(1A)を第1の送信信号s
a(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1B)により受信したエコーをrABa(t)
で表す。このエコーrABa(t)は、次の式で表わさ
れる。 【0209】 rABa(t)=C2×∫sa(t1)hAB
(t−t0−t1)dt1
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(16)【0210】ここで、C
2 は定数を表す。 【0211】また、hAB(t)は、送信信号発生器(
5)のチャンネル1の出力端子(5A)から、超音波探
触子(1A)、試験体(2)の反射体、超音波探触子(
1B)を経由して、相関器(6B)の入力端に至るまで
の信号伝搬経路における周波数応答特性の逆フーリエ変
換を表す。すなわち、前記信号伝搬経路のインパルス応
答を表す。 【0212】また、t0は、第1の送信信号sa(t)
を発生した時間からエコーrABa(t)が受信される
までの時間である。 【0213】C2=1としても説明上、一般性を失わな
いので、以下C2=1として説明する。 【0214】前記エコーrABa(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1B)を第2の送信
信号sb(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrABa(t)は、相関器(
6B)において、第2の参照信号ub(t)を用いて相
関処理される。 【0215】したがって、このエコーrABa(t)に
関する相関器(6B)の相関演算結果(以下、圧縮パル
スCABab(t)と呼ぶ。)は、次の式で表わされる
。 【0216】 CABab(t)=∫ub(t2−t)rAB
a(t2)dt2 [積分
範囲:−∞〜∞]
・・・・式(17)【0217】ところで、この圧縮
パルスCABab(t)は、第1の系列{a}と第2の
系列の相互相関関数を、ρab(i)、(i=0、±1
、±2、・・・、±(n−1))で表わし、さらに、 AAB(t)=∫∫gs(t1)gu(t2)
hAB(t+t2−t1)dt1dt2
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(18)とおけば、
式(16)〜式(18)から次式に等しい。 【0218】 CABab(t)=Σρab(i)[AAB(
t−t0+iδ)] (和はiについて
−(n−1)〜(n−1)までとる)・・・式(19)
【0219】同様に、超音波探触子(1A)を第2
の送信信号sb(t)で駆動した送信繰り返し周期にお
いて、超音波探触子(1B)により受信されたエコーを
rABb(t)で表すと、このrABb(t)は、式(
16)の右辺において、第1の送信信号sa(t)を第
2の送信信号sb(t)で置き換えた式で表わされる。 【0220】ただし、時間原点は、第2の送信信号sb
(t)により超音波探触子(1A)を駆動した時間に取
り直している(以下、第3及び第4の送信信号について
も同様である。)。 【0221】一方、前記エコーrABb(t)が受信さ
れる送信繰り返し周期は、超音波探触子(1B)を第3
の送信信号sc(t)で駆動する送信繰り返し周期に相
当する。 【0222】したがって、前記エコーrABb(t)は
、相関器(6B)において、第3の参照信号uc(t)
を用いて相関処理される。 【0223】したがって、前記エコーrABb(t)に
関する相関器(6B)の相関演算結果(以下、圧縮パル
スCABbc(t)と呼ぶ。)は、式(17)の右辺に
おいて、エコーrABa(t)をエコーrABb(t)
で置き換えるとともに、第2の参照信号ub(t)を第
3の参照信号uc(t)で置き換えた式で表わされる。 【0224】したがって、この圧縮パルスCABbc(
t)は、第2の系列{b}と第3の系列{c}の相互相
関関数を、ρbc(i)、(i=0、±1、±2、・・
・、±(n−1)で表わすと式(19)の右辺において
、ρab(i)をρbc(i)で置き換え式で表せる。 【0225】以下、同様にして、超音波探触子(1A)
を第3の送信信号sc(t)、及び第4の送信信号sd
(t)で駆動した送信繰り返し周期において、それぞれ
、超音波探触子(1B)により受信されたエコーについ
て、相関器(6B)の相関演算結果を求めてみる。 【0226】超音波探触子(1A)を第3の送信信号s
c(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1B)により受信されたエコーrABc(t)
で表す。 【0227】このエコーrABc(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1B)を第4の送信
信号sd(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、前記エコーrABc(t)は、相関器(
6B)において、第4の参照信号ud(t)を用いて相
関処理される。 【0228】したがって、前記エコーrABc(t)に
関する相関器(6B)の相関演算結果を、以下、圧縮パ
ルスCABcd(t)と呼べば、この圧縮パルスCAB
cd(t)は、第3の系列{c}と第4の系列{d}の
相互相関関数を、ρcd(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1))で表わすと、式(19)の右
辺において、ρab(i)をρcd(i)で置き換えた
式で表せる。 【0229】超音波探触子(1A)を第4の送信信号s
d(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1B)により受信されたエコーrABd(t)
で表す。 【0230】このエコーrABd(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1B)を第1の送信
信号sa(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、前記エコーrABd(t)は、相関器(
6B)において、第1の参照信号ua(t)を用いて相
関処理される。 【0231】したがって、前記エコーrABd(t)に
関する相関器(6B)の相関演算結果を、以下、圧縮パ
ルスCABda(t)と呼べば、この圧縮パルスCAB
da(t)は、第4の系列{d}と第1の系列{a}の
相互相関関数を、ρda(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1)で表わすと、式(19)の右辺
において、ρab(i)をρda(i)で置き換えた式
で表せる。 【0232】したがって、超音波探触子(1B)で受信
された前記4つのエコーに関する前記4つの圧縮パルス
(CABab(t)、CABbc(t)、CABcd(
t)及びCABda(t)の加算結果である合成圧縮パ
ルス、CAB(t)で表せば、CAB(t)は、次式に
等しい。 【0233】 CAB(t)=CABab(t)+CABbc
(t)+CABcd(t)+CABda(t)
=Σ[ρab(i)+ρbc(i)+ρ
cd(i)+ρda(i)]×
AAB[t−t0+iδ)] (和はi
について−(n−1)〜(n−1)までとる) ・・
・・式(20)【0234】図24は、式(19)から
求めた圧縮パルスCABab(t)である。 【0235】図25、図26及び図27は、それぞれ、
同様の計算により求めた圧縮パルスCABbc(t)、
CABcd(t)、及びCABda(t)である。 【0236】これらの計算において、第1〜第4の送信
信号として、図3〜図6に示したものを用い、第1〜第
4の参照信号として、図10〜図13に示したものを用
いた。 【0237】また、hAB(t)はデルタ関数とした。 【0238】また、δs=δu=δ/2とした。 【0239】また、第1の系列と第2の系列の相互相関
器関数、第2の系列と第3の系列の相互相関器関数、第
3の系列と第4の系列の相互相関器関数、及び第4の系
列と第1の系列の相互相関器関数において、次の関係を
用いた。 【0240】ρab(−3)=1、ρab(−2)=0
、ρab(−1)=1、ρab(0)=0、ρab(1
)=3、ρab(2)=0、ρab(3)=−1 ρbc(−3)=1、ρbc(−2)=0、ρbc(−
1)=−3、ρbc(0)=0、ρbc(1)=−1、
ρbc(2)=0、ρbc(3)=−1 ρcd(−3)=−1、ρcd(−2)=0、ρcd(
−1)=−1、ρcd(0)=0、ρcd(1)=−3
、ρcd(2)=0、ρcd(3)=1 ρda(−3)=−1、ρda(−2)=0、ρda(
−1)=3、ρda(0)=0、ρda(1)=1、ρ
da(2)=0、ρda(3)=1 【0241】図24〜図27において、圧縮パルスCA
Bab(t)、CABbc(t)、CABcd(t)及
びCABda(t)では、信号の振幅は零にはなってい
ない。すなわち、超音波探触子(1A)から送信され、
超音波探触子(1B)で受信された妨害エコーの影響が
残っている。 【0242】しかし、最終結果として、表示器(7)に
表示されるのは、これら4つのエコーに関する相関演算
結果の加算結果であるCAB(t)である。 【0243】図28において、前記加算結果であるCA
B(t)では、前記4つの圧縮パルスCABab(t)
、CABbc(t)、CABcd(t)及びCABda
(t)において残っていた振幅は相殺されて、信号振幅
が完全に零になっている。 【0244】なお、この相殺効果は、δs=δu=δ/
2の関係が成り立たない場合でも生じる。つまり、この
相殺効果は、δs及びδuがともに零以上の任意の値の
場合についても生じる。無論、δs≠δuであってもよ
い。 【0245】すなわち、この発明の第1実施例において
は、超音波探触子(1A)から送信され、超音波探触子
(1B)で受信された妨害エコーの影響は、検査結果に
全く影響を及ぼさない作用、効果があることがわかった
。 【0246】なお、上記第1実施例で用いた第1から第
4の系列において、ρbc(i)=−ρba(i)、(
i=0、±1、…、±(n−1))が成り立つ。これは
、前記したように、第3の系列{c}が、第1の系列{
a}において、符号+と符号−を反転させて得られる系
列に等しいことによる。ところで、ρba(i)につい
ては後で説明するが、第2の系列{b}と第1の系列{
a}の相互相関関数である。 【0247】また、ρcd(i)=−ρab(i)、(
i=0、±1、…、±(n−1))が成り立つ。これは
、前記したように、第3の系列{c}が、第1の系列{
a}において、符号+と符号−を反転させて得られる系
列に等しいこと、及び第4の系列{d}が、第2の系列
{b}に等しいことによる。 【0248】また、ρda(i)=ρba(i)、(i
=0、±1、・・・、±(n−1))が成り立つ。これ
は、前記したように、第4の系列{d}が、第2の系列
{b}に等しいことによる。 【0249】したがって、iの値に依存せず常に、次の
示す関係、 ρab(i)+ρbc(i)+ρcd(i)+
ρda(i)=0 ・・・式(21)が成り立つ
。 【0250】式(21)に示す関係が成り立つ場合には
、式(20)の右辺におけるAAB(t)がいかなる波
形であっても、すなわち、AAB(t)を規定する式(
18)の右辺における第1の単位信号gs(t)、第2
の単位信号gu(t)及びインパルス応答hAB(t)
が、いかなる波形であっても、次式が成り立つ。 【0251】 CAB(t)=0
・・・式(22)
【0252】したがって、妨害エコーの影響は完全に相
殺されて、妨害エコーは、検査結果に全く影響を及ぼさ
ない作用、効果がある。 【0253】次に、超音波探触子(1B)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1A)によりエコーを受信
した場合について、図29〜図33を参照しながら考え
てみる。 【0254】これらのエコーも、全て妨害エコーであり
、検査の邪魔になるものである。 【0255】図29〜図32は超音波探触子(1A)で
受信されたエコーの圧縮パルスを示す波形図、図33は
超音波探触子(1A)で受信されたエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。 【0256】超音波探触子(1B)を第2の送信信号s
b(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1A)により受信したエコーをrBAb(t)
で表す。このエコーrBAb(t)は、次の式で表わさ
れる。 【0257】 rBAb(t)=C3×∫sb(t1)hBA
(t−t0−t1)dt1
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(23)【0258】ここで、C
3は定数を表す。 【0259】また、hBA(t)は、送信信号発生器(
5)のチャンネル2の出力端子(5B)から、超音波探
触子(1B)、試験体(2)の反射体、超音波探触子(
1A)を経由して、相関器(6A)の入力端に至るまで
の信号伝搬経路における周波数応答特性の逆フーリエ変
換を表す。すなわち、前記信号伝搬経路のインパルス応
答を表す。 【0260】また、t0は、第2の送信信号sb(t)
を発生した時間からエコーrBAb(t)が受信される
までの時間である。 【0261】C3=1としても説明上、一般性を失わな
いので、以下C3=1として説明する。 【0262】前記エコーrBAb(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1A)を第1の送信
信号sa(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrBAb(t)は、相関器(
6A)において、第1の参照信号ua(t)を用いて相
関処理される。 【0263】したがって、このエコーrBAb(t)に
関する相関器(6A)の相関演算結果(以下、圧縮パル
スCBAba(t)と呼ぶ。)は、次の式で表わされる
。 【0264】 CBAba(t)=∫ua(t2−t)rBA
b(t2)dt2 [積分
範囲:−∞〜∞]
・・・・式(24)【0265】ところで、この圧縮
パルスCBAba(t)は、第2の系列{b}と第1の
系列{a}の相互相関関数を、ρba(i)、(i=0
、±1、±2、・・・、±(n−1))で表わし、さら
に、 ABA(t)=∫∫gs(t1)gu(t2)
hBA(t+t2−t1)dt1dt2
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(25)とおけば、
式(23)〜式(25)から次式に等しい。 【0266】 CBAba(t)=Σρba(i)[ABA(
t−t0+iδ)] (和はiについて
−(n−1)〜(n−1)までとる)・・・式(26)
【0267】以下、同様に、超音波探触子(1B)
を第3、第4及び第1の送信信号で駆動した送信繰り返
し周期において、超音波探触子(1A)により受信され
たエコーについて考えてみる。 【0268】ただし、時間原点は、それぞれの送信信号
により超音波探触子(1B)を駆動した時間に取り直す
。 【0269】超音波探触子(1B)を第3の送信信号s
c(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1A)により受信されたエコーをrBAc(t
)で表す。 【0270】このエコーrBAc(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1A)を第2の送信
信号sb(t)で駆動する送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrBAc(t)は、相関器(
6A)において、第2の参照信号ub(t)を用いて相
関処理される。 【0271】したがって、前記エコーrBAc(t)に
関する相関器(6A)の相関演算結果、以下、圧縮パル
スCBAcb(t)と呼べば、この圧縮パルスCBAc
b(t) は、第3の系列{c}と第2の系列{b}の
相互相関関数を、ρcb(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1))で表わすと、式(26)の右
辺において、ρba(i)をρcb(i)で置き換え式
で表せる。 【0272】超音波探触子(1B)を第4の送信信号s
d(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1A)により受信されたエコーをrBAd(t
)で表す。 【0273】このエコーrBAd(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1A)を第3の送信
信号sc(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrBAd(t)は、相関器(
6A)において、第3の参照信号uc(t)を用いて相
関処理される。 【0274】したがって、前記エコーrBAd(t)に
関する相関器(6A)の相関演算結果を、以下、圧縮パ
ルスCBAdc(t)と呼べば、この圧縮パルスCBA
dc(t)は、第4の系列{d}と第3の系列{c}の
相互相関関数を、ρdc(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1))で表わすと、式(26)の右
辺において、ρba(i)をρdc(i)で置き換えた
式で表せる。 【0275】超音波探触子(1B)を第1の送信信号s
a(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1A)により受信されたエコーrBAa(t)
で表す。 【0276】このエコーrBAa(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1A)を第4の送信
信号sd(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrBAa(t)は、相関器(
6A)において、第4の参照信号ud(t)を用いて相
関処理される。 【0277】したがって、前記エコーrBAa(t)に
関する相関器(6A)の相関演算結果を、以下、圧縮パ
ルスCBAad(t)と呼べば、この圧縮パルスCBA
ad(t)は、第1の系列{a}と第4の系列{d}の
相互相関関数を、ρad(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1))で表わすと、式(26)の右
辺において、ρba(i) をρad(i)で置き換え
た式で表せる。 【0278】したがって、超音波探触子(1A)で受信
された前記4つのエコーに関する前記4つの圧縮パルス
(CBAba(t)、CBAcb(t)、CBAdc(
t)及びCBAad(t))の加算結果である合成圧縮
パルスを、CBA(t)で表せば、CBA(t)は、次
式に等しい。 【0279】 CBA(t)=CBAba(t)+CBAcb
(t)+CBAdc(t)+CBAad(t)
=Σ[ρba(i)+ρcb(i)+ρ
dc(i)+ρad(i)]×
ABA[t−t0+iδ)] (和はi
について−(n−1)〜(n−1)までとる) ・・
・・式(27)【0280】図29は、式(26)から
計算により求めた圧縮パルスBAbaC(t)である。 【0281】図30、図31及び図32は、それぞれ、
同様の計算により求めた圧縮パルスCBAcb(t)
、CBAdc(t) 及びCBAad(t) である。 【0282】これらの計算において、第1〜第4の送信
信号として、図3〜図6に示したものを用い、第1〜第
4の参照信号として、図10〜図13に示したものを用
いた。 【0283】また、hBA(t)はデルタ関数とした。 【0284】また、ρba(i)=ρab(−i)、ρ
cb(i)=ρbc(−i)、 ρdc(i)=ρcd
(−i)、ρad(i)=ρda(−i)であることを
用いた。 【0285】また、δS=δu=δ/2とした。 【0286】図29〜図32において、圧縮パルスBA
baC(t)、CBAcb(t) 、CBAdc(t)
及びCBAad(t)では、信号の振幅は零にはなって
いない。すなわち、超音波探触子(1B)から送信され
、超音波探触子(1A)で受信された妨害エコーの影響
が残っている。 【0287】しかし、最終結果として、表示器(7)に
表示されるのは、これら4つの妨害エコーに関する相関
演算結果の加算結果であるCBA(t)である。 【0288】図33において、この加算結果であるCB
A(t)では、前記4つの圧縮パルスCBAba(t)
、CBAcb(t)、CBAdc(t)及びCBAad
(t)において残っていた振幅は相殺されて、信号振幅
が完全に零になっている。 【0289】なお、この相殺結果は、δS=δu=δ/
2の関係が成り立たない場合でも生じる。つまり、この
相殺結果は、δS及びδuがともに零以上の任意の値の
場合についても生じる。無論、δS≠δuであってもよ
い。 【0290】すなわち、この発明の第1実施例において
は、超音波探触子(1B)から送信され、超音波探触子
(1A)で受信された妨害エコーの影響も、検査結果は
全く影響を及ぼさない作用、効果があることがわかった
。 【0291】なお、上記第1実施例で用いた第1から第
4の系列において、第3の系列{c}が、第1の系列{
a}において、符号+と符号ーを反転させて得られる系
列に等しいこと、また、第4の系列{d}が、第2の系
列{b}に等しいことから、iの値に依存せず常に、次
に示す関係が成り立つ。 【0292】 ρba(i)+ρcb(i)+ρdc(i)+ρa
d(i)=0
…式(28)【0293】式(28)に示す
関係が成り立つ場合には、式(27)の右辺におけるA
BA(t)がいかなる波形であっても、すなわち、AB
A(t)を規定する式(25)の右辺における第1の単
位信号gS(t)、第2の単位信号gU(t)及びイン
パルス応答hBA(t)が、いかなる波形であっても、
次に示す関係が成り立つ。 【0294】 CBA(t)=0
…式(29)【0295】した
がって、妨害エコーの影響は完全に相殺されて、妨害エ
コーは、検査結果に全く影響を及ぼさない作用、効果が
ある。 【0296】さて、最後に、超音波探触子(1A)及び
(1B)の両方から超音波を送信し、超音波探触子(1
A)及び(1B)によりエコーを受信した場合について
、図34及び図35を参照しながら考えてみる。 【0297】図34(a)及び(b)は超音波探触子(
1A)を第1の送信信号で駆動した送信繰り返し周期に
おいて、それぞれ、超音波探触子(1A)及び(1B)
で受信されるエコーを示す波形図、図34(c)及び(
d)は超音波探触子(1B)を第2の送信信号で駆動し
た送信繰り返し周期において、それぞれ、超音波探触子
(1B)及び(1A)で受信されるエコーを示す波形図
、図34(e)は、欠陥検出用時間ゲートを示す波形図
である。 【0298】なお、図7及び図8に示したように、超音
波探触子(1A)を第1の送信信号で駆動する送信繰り
返し周期は、超音波探触子(1B)を第2の送信信号で
駆動する送信繰り返し周期に相当する。 【0299】図35(a)及び(b)は、超音波探触子
(1A)を4つの送信信号で、第1、第2、第3、第4
、第1、…の順番で順次駆動したとき、それぞれ、超音
波探触子(1A)及び(1B)で受信されたエコーの合
成圧縮パルスを示す波形図、図35(c)及び(d)は
、超音波探触子(1B)を4つの送信信号で、第2、第
3、第4、第1、第2、…の順番で順次駆動したとき、
それぞれ、超音波探触子(1B)及び(1A)で受信さ
れたエコーの合成圧縮パルスを示す波形図、図35(e
)は、欠陥検出用時間ゲートを示す波形図である。 【0300】まず、超音波探触子(1A)を第1の送信
信号で駆動した送信繰り返し周期について考えてみる。 この送信繰り返し周期において、超音波探触子(1B)
は第2の送信信号で駆動されている。 【0301】超音波探触子(1A)を第1の送信信号S
a(t)で駆動したとき、試験体(2)に入射した超音
波パルスは、図1中実線(4A)で示すように、試験体
(2)の外壁で反射し、試験体(2)を一周した後、超
音波探触子(1A)に戻ってくる。 【0302】このとき、超音波探触子(1A)で受信さ
れるエコーは、図34(a)に示すようになる。 【0303】図34(a)において、第1の送信信号S
a(t)が受信回路側(相関器(6A)側)に漏れ込ん
だパルスTaの後に、まず、超音波パルスが試験体(2
)の表面に入射した時点で試験体(2)の表面から反射
されて戻ってきた表面エコーSaが観測される。 【0304】次に、超音波パルスが試験体(2)を一周
した後、受信されるエコーR1aが観測される。 【0305】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の3周した時点で、欠陥(3)で反射されて
、さらに4分の3周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、
受信される欠陥エコーF3aが観測される。 【0306】超音波探触子(1B)が受信するエコーは
図34(b)に示すようになる。 【0307】まず、超音波探触子(1A)から試験体(
2)内に入射した超音波パルスが、試験体(2)を2分
の1周した時点で、超音波探触子(1B)で受信される
エコーRB24aが観測される。 【0308】次に、超音波パルスが、試験体(2)を4
分の3周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに
4分の1周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信され
る欠陥エコーF2aが観測される。 【0309】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の6周した時点で、受信されるエコーFB6
4aが観測される。 【0310】超音波探触子(1B)がを第2の送信信号
Sb(t)で駆動されたとき、超音波探触子(1B)が
受信するエコーは図34(c)に示すようになる。 【0311】図34(c)において、第2の送信信号S
b(t)が受信回路側に漏れ込んだパルスTbの後に、
まず、超音波パルスが試験体(2)の表面に入射した時
点で試験体(2)の表面から反射されて戻ってきた表面
エコーSbが観測される。 【0312】次に、超音波パルスが試験体(2)を4分
の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに4
分の1周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信される
欠陥エコーF1bが観測される。 【0313】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を一周した後、受信されるエコーR1bが観測され
る。 【0314】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて
、さらに4分の5周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、
受信される欠陥エコーF3bが観測される。 【0315】超音波探触子(1A)が受信するエコーは
図34(d)に示すようになる。 【0316】まず、超音波探触子(1B)から試験体(
2)内に入射した超音波パルスが、試験体(2)を2分
の1周した時点で、超音波探触子(1A)で受信される
エコーRB24bが観測される。 【0317】次に、超音波パルスが、試験体(2)を4
分の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに
4分の3周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信され
る欠陥エコーF2bが観測される。 【0318】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の6周した時点で、受信されるエコーFB6
4bが観測される。 【0319】超音波探触子(1A)が第1の送信信号S
a(t)で駆動されている送信繰り返し周期において、
超音波探触子(1B)は第2の送信信号Sb(t)で駆
動されている。 【0320】したがって、超音波探触子(1A)が受信
するエコーは、図34(a)及び(d)に示すエコー波
形を交流波形レベルで加算した結果となる。 【0321】同様に、超音波探触子(1B)が受信する
エコーは、図34(c)及び(b)に示すエコー波形を
交流波形レベルで加算した結果となる。 【0322】この発明の第1実施例における装置におい
ても、従来の検査装置の場合と同様に、これらのエコー
の交流波形レベルでの加算結果が各超音波探触子(1A
)及び(1B)から受信される。 【0323】一方、欠陥検出用時間ゲートは、図34(
e)に示すように設定される。したがって、エコーRB
24a及びRB24bが欠陥検出用時間ゲート内に混入
する。このため、これらのエコーは、妨害エコーとなる
。 【0324】また、エコーRB64a及びRB64bも
、無い方が望ましいエコーであり、これらのエコーも妨
害エコーである。 【0325】超音波探触子(1A)が第2、第3及び第
4の送信信号で駆動された送信繰り返し周期において、
超音波探触子(1B)は、それぞれ、第3、第4及び第
1の送信信号で駆動されている。 【0326】したがって、これら3つの送信繰り返し周
期においても、図34に示したものと同様の妨害エコー
が生じる。 【0327】しかし、この発明の第1実施例においては
、エコーをそのまま表示するのではなく、エコーを相関
処理し、その後、4つの圧縮パルスを加算して得られた
合成圧縮パルスを表示するようにしている。 【0328】前述したように、この発明の第1実施例に
おいては、超音波探触子(1A)から超音波を送信し、
超音波探触子(1A)で受信したエコーの合成圧縮パル
スCAA(t)は、レンジサイドロープの無い鋭いピー
クをもつパルスとなる。 【0329】同様に、超音波探触子(1B)から超音波
を送信し、超音波探触子(1B)で受信したエコーの合
成圧縮パルスCBB(t)も、レンジサイドロープの無
い鋭いピークをもつパルスとなる。 【0330】一方、超音波探触子(1A)から超音波を
送信し、超音波探触子(1B)で受信したエコーの合成
圧縮パルスCAB(t)は、完全に零となる。 【0331】同様に、超音波探触子(1B)から超音波
を送信し、超音波探触子(1A)で受信したエコーの合
成圧縮パルスCBA(t)は、完全に零となる。 【0332】したがって、超音波探触子(1A)を第1
〜第4の4つの送信信号Sa(t)〜Sd(t)で順次
駆動したとき、超音波探触子(1A)により、4つの表
面エコーSa 〜Sd 、4つのエコーR1a〜R1d
、及び4つの欠陥エコーF3a〜F3dが、順次、受信
されるが、これらの3種類のエコーは、それぞれ、相関
器(6A)で相関処理を施されることにより圧縮された
後、加算器(8A)で加算されて、それぞれ、レンジサ
イドロープの無い鋭いピークをもつ3種類の合成圧縮パ
ルス(以下、S、R1及びF3で表す)となる。 【0333】したがって、これらの合成圧縮パルスS、
R1及びF3は、図35(a)に示すようになる。 【0334】同様に、超音波探触子(1B)を第2〜第
1の4つの送信信号Sb(t)〜Sa(t)で順次駆動
したとき、超音波探触子(1B)により、4つの表面エ
コーSb〜Sa、4つの欠陥エコーF1b〜F1a、4
つのエコーR1b〜R1a、及び4つの欠陥エコーF3
b〜F3aが、順次、受信される。 【0335】しかし、これらの4種類のエコーは、相関
器(6B)で相関処理を施されることにより圧縮された
後、加算器(8B)で加算されて、レンジサイドロープ
の無い鋭いピークをもつ4種類の合成圧縮パルス(以下
、S、F1、R1及びF3で表す)となる。 【0336】したがって、これらの合成圧縮パルスS、
F1、R1及びF3は、図35(c)に示すようになる
。 【0337】一方、超音波探触子(1A)を第1〜第4
の4つの送信信号Sa(t)〜Sd(t)で順次駆動し
たとき、超音波探触子(1B)により、4つのエコーR
B24a〜RB24d 、4つの欠陥エコーF2a〜F
2d、及び4つのエコーRB64a〜RB64dが、順
次、受信される。 【0338】しかし、これらの3種類のエコーは、相関
器(6B)で相関処理を施されることにより圧縮された
後、加算器(8B)で加算されて、それぞれ、加算後に
は完全に相殺されレベルが零となる。 【0339】したがって、これらの合成圧縮パルスは、
図35(b)に示すようになる。 【0340】同様に、超音波探触子(1B)を第2〜第
1の4つの送信信号Sb(t)〜Sa(t)で順次駆動
したとき、超音波探触子(1A)により、4つのエコー
RB24b〜RB24a、4つの欠陥エコーF2b〜F
2a、及び4つのエコーRB64b〜RB64aが、順
次、受信される。 【0341】しかし、これらの3種類のエコーは、相関
器(6A)で相関処理を施されることにより圧縮された
後、加算器(8A)で加算されて、それぞれ、加算後に
は完全に相殺されレベルが零となる。 【0342】したがって、これらの合成圧縮パルスは、
図35(d)に示すようになる。 【0343】超音波探触子(1A)により受信され、相
関処理及び加算処理を施されて表示器(7)に表示され
る信号は、図35(a)及び(d)に示す合成圧縮パル
スの加算結果である。 【0344】図35(d)に示す合成圧縮パルスは零で
あるから、最終的に図35(a)に示す合成圧縮パルス
が表示器(7)に表示されることになる。 【0345】同様に、超音波探触子(1B)により受信
され、相関処理及び加算処理を施されて表示器(7)に
表示される信号は、図35(c)及び(b)に示す合成
圧縮パルスの加算結果である。 【0346】図35(b)に示す合成圧縮パルスは零で
あるから、最終的に図35(c)に示す合成圧縮パルス
が表示器(7)に表示されることになる。 【0347】したがって、図35(e)に示す欠陥検出
用ゲート内には、欠陥エコーF1に関する合成圧縮パル
スのみ入り、妨害エコーの影響を完全に除去できた検査
が可能となる。 【0348】つづいて、この発明の第2実施例について
説明する。 【0349】第2実施例では、第1から第4の系列とし
て、第1実施例のものを次のように変えて用いる。すな
わち、第1の系列{a}及び第2の系列{b}として、
上記第1実施例と同じものを用いる。しかし、第3の系
列{c}として、第1の系列{a}と同じものを用い、
第4の系列{d}として、第2の系列{b}において、
符号+と符号ーを反転させて得られる系列を用いる。 【0350】すなわち、 {a}={a1,a2,a3,a4}={+,+,+,
−}{b}={b1,b2,b3,b4}={+,+,
−,+}{c}={c1,c2,c3,c4}={a}
={+,+,+,−} {d}={d1,d2,d3,d4}={−,−,+,
−}【0351】第1から第4の送信信号は、それぞれ
、第1の単位信号と前記第1から第4の系列とから、第
1実施例の場合と同様の手順にしたがって発生させた信
号を用いる。 【0352】また、第1から第4の参照信号には、それ
ぞれ、第2の単位信号と前記第1から第4の系列とから
、第1実施例の場合と同様の手順似したがって発生させ
た信号を用いる。 【0353】次に、上述したこの発明の第2実施例の動
作原理および効果を説明する。 【0354】この発明の第2実施例において、第1の系
列{a}及び第2の系列{b}が相関関係にあること、
かつ、第3の系列{c}が第1の系列{a}と等しいこ
と、かつ、第4の系列{d}が、第2の系列{b}にお
いて、符号+と符号ーを反転させて得られる系列に等し
いことから、第1から第4の系列において、次の関係が
成り立つ。 【0355】ρaa(0)=ρbb(0)=ρcc(0
)=ρdd(0)、ρaa(i)=−ρbb(i)=ρ
cc(i)=−ρdd(i)、(i=±1、±2、…、
±(n−1))【0356】したがって、式(8)に示
した関係が成り立つので、式(9)及び式(15)に示
した関係が成立する。したがって、超音波探触子(1A
)から超音波を送信し超音波探触子(1A)によりエコ
ーを受信した場合、及び、超音波探触子(1B)から超
音波を送信し超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合には、レンジサイドローブレベルが零の合成圧
縮パルスが得られる作用、効果がある。 【0357】一方、次の関係が成り立つ。ρbc(i)
=ρba(i)、(i=0、±1、…、±(n−1))
ρcd(i)=−ρab(i)、(i=0、±1、…、
±(n−1))ρda(i)=−ρba(i)、(i=
0、±1、…、±(n−1)) 【0358】また、一般に、ρab(i)=ρba(−
i)が成り立つから、iの値に依存せず常に、式(21
)及び式(28)に示した関係が成り立つので、式(2
2)及び式(29)に示した関係が成立する。 【0359】したがって、超音波探触子(1A)から超
音波を送信し超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合、及び、超音波探触子(1B)から超音波を送
信し超音波探触子(1A)によりエコーを受信した場合
には、これらの合成圧縮パルスは零となり、妨害エコー
が検査結果に及ぼす悪影響を完全に排除できる作用、効
果がある。 【0360】以上にように、この発明の第2実施例にお
いても、上記第1実施例と同様の作用、効果がある。 【0361】つづいて、この発明の第3実施例について
説明する。第1実施例及び第2実施例では、2つの超音
波探触子(1A)及び(1B)を、試験体(2)の円周
上に沿って配した場合について説明した。この発明は、
これに限らず、3つ以上の超音波探触子(1A)、(1
B)、(1C)、…を用いる場合にも適用できる。 【0362】3つ以上の超音波探触子(1A)、(1B
)、(1C)、…を用いた場合についての第3実施例の
構成を、図36を参照しながら説明する。 【0363】図36は、この発明の第3実施例を示すブ
ロック図であり、超音波探触子(1A)、(1B)、(
1C)、…は、図38で示した上記従来の検査装置のも
のと全く同一である。 【0364】図36において、この発明の第3実施例は
、上述した従来装置のものと全く同一のものと、複数個
の出力端子(5A)、(5B)、(5C)、…を有する
送信信号発生器(5)と、この送信信号発生器(5)の
出力端子(5A)、(5B)、(5C)、…及び超音波
探触子(1A)、(1B)、(1C)、…にそれぞれ接
続された複数個の相関器(6A)、(6B)、(6C)
、…と、相関器(6A)、(6B)、(6C)、…にそ
れぞれ接続されメモリ機能を含む複数個の加算器(8A
)、(8B)、(8C)、…と、送信信号発生器(5)
に入力側が接続されかつ相関器(6A)、(6B)、(
6C)、…にそれぞれ出力側が接続された複数個の参照
信号発生器(9A)、(9B)、(9C)、…と、加算
器(8A)、(8B)、(8C)、…にそれぞれ接続さ
れた表示器(7)とから構成されている。 【0365】なお、超音波探触子(1A)、(1B)、
(1C)、…は、それぞれ、送信信号発生器(5)の出
力端子(5A)、(5B)、(5C)、…にも接続され
ている。 【0366】また、超音波探触子(1A)、(1B)、
(1C)、…は、試験体(2)の円周上に沿って配して
ある。 【0367】つぎに、上述した第3実施例の動作を、図
37を参照しながら説明する。 【0368】図37は、この発明の第3実施例における
4つの送信信号の繰り返しを示す波形図である。 【0369】送信信号発生器(5)は、第1実施例と同
一の第1〜第4の送信信号Sa(t)〜Sd(t)を発
生する。 【0370】送信信号発生器(5)は、上記第1から第
4の4つの送信信号を、図37に示すように、出力端子
(5A)からは第1、第2、第3、第4、第1、…の順
番にしたがって、出力端子(5B)からは第2、第3、
第4、第1、第2、…の順番にしたがって、出力端子(
5C)からは第3、第4、第1、第2、第3、…の順番
にしたがって、出力端子(5D)からは第4、第1、第
2、第3、第4、…の順番にしたがって、出力端子(5
E)からは第1、第2、第3、第4、第1、…の順番に
したがって、(以下、同様)ある一定の送信繰り返し周
期Trで順次繰り返して発生し、出力端子(5A)、(
5B)、(5C)、…から、それぞれ、超音波探触子(
1A)、(1B)、(1C)、…に伝達する。 【0371】超音波探触子(1A)、(1B)、(1C
)、…は、上記4つの送信信号により、それぞれ上述し
た順番にしたがって順次駆動されて、超音波パルスを試
験体(2)へ送信する。 【0372】そして、超音波探触子(1A)、(1B)
、(1C)、…は、試験体(2)内の欠陥(3)などの
反射体により反射されたエコーを受信する。 【0373】超音波探触子(1A)、(1B)、(1C
)、…により受信されたエコーは、それぞれ、相関器(
6A)、(6B)、(6C)、…に伝達される。 【0374】一方、参照信号発生器(9A)、(9B)
、(9C)、…は、それぞれ、超音波探触子(1A)、
(1B)、(1C)、…により受信されたエコーの相関
処理に用いられる第1、第2、第3及び第4の参照信号
を発生する。 【0375】これら第1〜第4の参照信号ua(t)〜
ud(t)は、上記第1実施例と同一である。 【0376】参照信号発生器(9A)、(9B)、(9
C)、…は、上記4つの参照信号を、参照信号発生器(
9A)では、第1、第2、第3、第4、第1、…の順番
にしたがって、参照信号発生器(9B)では、第2、第
3、第4、第1、第2、…の順番にしたがって、参照信
号発生器(9C)では、第3、第4、第1、第2、第3
、…の順番にしたがって、参照信号発生器(9D)では
、第4、第1、第2、第3、第4、…の順番にしたがっ
て、参照信号発生器(9E)では、第1、第2、第3、
第4、第1、…の順番にしたがって、(以下、同様)発
生し、それぞれ、相関器(6A)、(6B)、(6C)
、…に伝達する。 【0377】相関器(6A)、(6B)、(6C)、…
では、iを1〜4として、それぞれ、第i番目の送信信
号を発生した送信繰り返し周期で受信されたエコーと第
i番目の参照信号との間で相関演算を実行する。 【0378】超音波探触子(1A)、(1B)、(1C
)、…でそれぞれ受信されたエコーの前記4つの相関演
算結果は、それぞれ加算器(8A)、(8B)、(8C
)、…に伝達され、記憶される。 【0379】加算器(8A)、(8B)、(8C)、…
では、前記4つの相関演算結果を加算する。 【0380】この加算結果を、それぞれ、超音波探触子
(1A)、(1B)、(1C)、…で受信されたエコー
の合成圧縮パルスと呼ぶことにする。 【0381】これらの合成圧縮パルスは、それぞれ、加
算器(8A)、(8B)、(8C)、…から表示器(7
)に伝達され、従来と同様に表示される。 【0382】次に、上述したこの発明の第3実施例の動
作原理および効果を説明する。 【0383】第1実施例と同様に考えていけば、超音波
探触子(1A)、(1B)、(1C)、…から、それぞ
れ単独で超音波を送受信した場合には、第1の系列{a
}と第2の系列{b}とが相補関係にあること、及び、
第3の系列{c}が第1の系列{a}において符号+と
符号−とを反転させて得られる系列に等しいこと、及び
、第4の系列{d}が第2の系列に等しいことから、次
式が成立する。CAA(t)=4ρaa(0)AAA(
t−t0)、CBB(t)=4ρaa(0)ABB(t
−t0)、CCC(t)=4ρaa(0)ACC(t−
t0)、(以下、同様)【0384】ここで、CAA(
t)、CBB(t)、CCC(t)、…は、それぞれ、
超音波探触子(1A)、(1B)、(1C)、…で受信
されたエコーの合成圧縮パルスである。 また、AAA(t)、ABB(t)、ACC(t)、…
は、それぞれ、超音波探触子(1A)、(1B)、(1
C)、…について、式(5)と同様に定まる関数である
。 【0385】したがって、超音波探触子(1A)、(1
B)、(1C)、…から、それぞれ、単独で超音波を送
受信した場合には、レンジサイドローブレベルが零の合
成圧縮パルスが得られる作用、効果がある。 【0386】また、第1実施例と同様に考えていけば、
1つの超音波探触子から超音波を送信し、その隣の超音
波探触子で超音波を受信した場合、上記送信用超音波探
触子を一般に1Lとし、上記受信用の超音波探触子を一
般に1Mとすれば、次式が成立する。CLM(t)=0
ここで、CLM(t)は、超音波探触子(1L)から送
信し超音波探触子(1M)で受信した4つのエコーをそ
れぞれ相関処理して得られた4つの圧縮パルスの加算結
果である。 【0387】したがって、妨害エコーの影響は完全に相
殺されて、妨害エコーは、検査結果に全く影響を及ぼさ
ない作用、効果がある。 【0388】すなわち、1つの超音波探触子から送信さ
れその両隣の超音波探触子で受信されたエコーは、相関
処理、及び加算処理を通した後では零になるので、欠陥
検出用ゲート内に入る妨害エコーを排除した検査が可能
となる。 【0389】なお、第2実施例の4つの送信信号及び4
つの参照信号を、第3実施例に適用しても同様の作用、
効果が得られる。 【0390】以上説明した各実施例においては、相補系
列を基本とした4つの系列を用いた場合について説明し
た。しかし、この発明はこれに限らず、特願平1−20
3909号)に示されている複数補系列を基本とした4
つあるいは4つ以外の個数の系列を用いてもよい。以下
、複数補系列を用いた実施例を説明する。 【0391】つづいて、この発明の第4実施例について
説明する。第4実施例においては、第1から第4の系列
として、上述した第3実施例におけるものに代えて、長
さnが8の次のものを用いる。 【0392】 {a}={+、−、+、+、+、+、−、+}{b}=
{+、+、+、−、−、−、+、−}{c}={+、+
、−、+、+、−、+、+}{d}={+、−、+、+
、+、−、−、−}【0393】これら4つの系列から
、どのような組合わせで2つの系列を選び出しても、そ
れらは相補系列にはならない。 【0394】しかし、これら4つの系列は、複数補系列
である。したがって、式(30)に示した関係が成立す
る。 【0395】一方、上記第1から第4の系列においては
、式(31)に示した関係が成立することが計算により
確かめられる。 【0396】すなわち、第4実施例においても、第3実
施例の場合と同様の作用、効果がある。 【0397】なお、4つの系列からなる複数補系列とし
て、第4実施例と同様の作用、効果を奏するものには、
例えば、 {a}={+、−、−、−、+、+、+、−}{b}=
{+、+、+、−、+、+、−、+}{c}={+、+
、+、−、+、−、−、−}{d}={+、−、+、+
、−、+、+、+}や、 {a}={−、+、−} {b}={+、−、−} {c}={+、+、−} {d}={−、−、−} などがある。また、これら以外にも多数存在する。 【0398】なお、上記第4実施例で示した4つの系列
からなる複数補系列を、第1実施例及び第2実施例に適
用すれば、これらの実施例と同様の作用、効果がある。 【0399】つづいて、この発明の第5実施例について
説明する。この第5実施例では、第3実施例における4
つの系列の代りに、4M個の系列を用いる。Mを整数と
する、長さ2Mの複数補系列を、{a1}、{a2}、
{a3}、・・・{a2M}で表す。以下、簡単のため
、ある系列{a}において、符号+と符号−を反転して
得られる系列を{−a}で表すことにする。 【0400】第5実施例では、送信信号発生器(5)に
より、次の第1から第4Mの系列を発生する。 【0401】第1の系列{a1}、第2の系列{a2}
、第3の系列{a3}、第4の系列{a4}、・・・、
第(2M−1)の系列{a2M−1}、第2Mの系列{
a2M}、第(2M+1)の系列{−a1}、第(2M
+2)の系列{a2}、第(2M+3)の系列{−a3
}、第(2M+4)の系列{a4}、・・・、第(4M
−1)の系列{−−a2M−1}、第4Mの系列{a2
M}。 【0402】送信信号発生器(5)では、上述した第1
実施例の場合と同様の手順にしたがって、前記第1から
第4Mの系列にそれぞれ基づいて生成した第1から第4
Mの送信信号を、出力端子(5A)からは、第1、第2
、・・・、第4M、第1、・・・の順番にしたがって、
出力端子(5B)からは、第2、第3、・・・、第4M
、第1、第2、・・・の順番にしたがって、出力端子(
5C)からは、第3、第4、・・・、第4M、第1、第
2、第3、・・・の順番にしたがって、出力端子(5D
)からは、第4、第5、・・・、第4M、第1、第2、
第3、第4、・・・の順番にしたがって、出力端子(5
E)からは、第5、第6、・・・、第4M、第1、第2
、第3、第4、第5、・・・の順番にしたがって、(以
下、同様)ある一定の送信繰り返し周期で順次繰り返し
て発生し、それぞれ、超音波探触子(1A)、(1B)
、(1C)、・・・に伝達する。 【0403】一方、参照信号発生器(9A)、(9B)
、(9C)、・・・は、それぞれ、超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・により受信されたエコ
ーの相関処理に用いられる第1から第4Mの参照信号を
発生する。これらの第1から第4Mの参照信号は、上述
した第1実施例の場合と同様の手順にしたがって、前記
第1から第4Mの系列にそれぞれ基づいて生成しもので
ある。 【0404】参照信号発生器(9A)、(9B)、(9
C)、・・・は、上記4M個の参照信号を、参照信号発
生器(9A)では、第1、第2、・・・、第4M、第1
、・・・の順番にしたがって、参照信号発生器(9B)
では、第2、第3、・・・、第4M、第1、第2、・・
・の順番にしたがって、参照信号発生器(9C)では、
第3、第4、・・・、第4M、第1、第2、第3・・・
の順番にしたがって、参照信号発生器(9D)では、第
4、第5、・・・、第4M、第1、第2、第3、第4、
・・・の順番にしたがって、参照信号発生器(9E)で
は、第5、第6、・・・、第4M、第1、第2、第3、
第4、第5、・・・の順番にしたがって、(以下、同様
)発生し、それぞれ、相関器(6A)、(6B)、(6
C)、・・・に伝達する。 【0405】相関器(6A)、(6B)、(6C)、・
・・では、iを1〜4Mとして、第i番目の送信信号を
発生した送信繰り返し周期で受信されたエコーと第i番
目の参照信号との間で相関演算を行って第i番目の圧縮
パルスを求め、それぞれ、加算器(8A)、(8B)、
(8C)、・・・に伝達する。 【0406】加算器(8A)、(8B)、(8C)、・
・・では、それぞれ、相関器(6A)、(6B)、(6
C)、・・・から伝達されてきた4M個の圧縮パルスを
加算して合成圧縮パルスを求め、表示器(7)に伝達す
る。 【0407】次に、上述した第5実施例の作用、効果に
ついて説明する。 【0408】第1から第2Mの系列は複数補系列であり
、かつ、第(2M+1)から第4Mの系列も複数補系列
となることが簡単な計算により確かめられるから、第1
から第4Mの系列の自己相関関数を加算すると、レンジ
サイドローブが相殺されて零となる。 【0409】これを考慮して、第1実施例と同様の検討
を行えば、第5実施例においても、超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・から、それぞれ、単独
で超音波を送受信した場合には、レンジサイドローブレ
ベルが零の合成圧縮パルスが得られる作用、効果がある
ことがわかる。 【0410】一方、前記第1から第4Mの系列において
、第i番目の系列と第(i+1)番目の系列の相互相関
関数を計算し、これらをiについて1から4Mまで加算
した結果(以下、合成相互相関関数と呼ぶ)を計算して
みると、合成相互相関関数は完全に零となることが確か
められる。 【0411】但、ここで、i及びjを整数として、系列
の番号を表す数値に関する加算(i+j)は、4Mを法
として行っている。例えば、4M+5は、4Mを法とす
ると5に等しい。系列の番号に関してこの数え方は、前
記第1から第4Mの系列を順次繰り返して配列し、この
ようにして生成した無限長の周期系列において、第i番
目からjだけ後に現れる系列の番号を数えていることに
等しい。以下、系列の番号を表す数値に関する加算は同
様に4Mを法として行うものとする。 【0412】同様に、pを奇数として、第i番目の系列
と第(i+p)番目の系列の相互相関関数を計算し、こ
れらをiについて1から4Mまで加算した合成相互相関
関数も完全に零となる。 【0413】これらのことを考慮して、第1実施例と同
様の検討を行えば、第5実施例においても、1つの超音
波探触子(1L)から超音波を送信し、そのp個隣の超
音波探触子(1M)で超音波を受信した場合、CLM(
t)=0、となることがわかる。ここで、CLM(t)
は、超音波探触子(1L)から送信し、超音波探触子(
1M)で受信した4M個のエコーをそれぞれ相関処理し
て得られた4M個の圧縮パルスの加算結果である。また
、pは奇数であり、とくに、pが1の場合は、超音波探
触子(1M)は、超音波探触子(1L)の両隣である。 したがって、第3実施例と同様に妨害エコーの影響を排
除した検査が可能である。 【0414】なお、これらの作用、効果は、第1実施例
と第2実施例との間の関係の場合と同様に、第1から第
4Mの系列として、第1の系列{a1}、第2の系列{
a2}、第3の系列{a3}、第4の系列{a4}、・
・・、第(2M−1)の系列{a2M−1}、第2Mの
系列{a2M}、第(2M+1)の系列{a1}、第(
2M+2)の系列{−a2}、第(2M+3)の系列{
a3}、第(2M+4)の系列{−a4}、・・・、第
(4M−1)の系列{a2M−1}、第4Mの系列{−
a2M}を用いても同様である。 【0415】ところで、上述した各実施例では、第1及
び第2の単位信号が矩形波形で、インパルス応答がデル
タ関数の場合について説明したが、第1及び第2の単位
信号の波形、及び、インパルス応答の波形は、矩形に近
い波形や、正弦波形や、滑らかな曲線部を有する波形や
、振幅や零クロス点の間隔が一定でない振動波形などを
含む任意の波形でも良い。これらの場合についても、上
述した各実施例の場合と同様の作用、効果がある。 【0416】さらに、参照信号として、エコーの波形と
同一、又は、これに類似の波形を有する信号を用いれば
、この発明と関連する特願平1−45316号及び特願
平1−86383号からわかるように、エコーの信号処
理は、エコーを整合フィルタ又は近似的整合フィルタに
通す信号処理を行うことに相当するので、S/N比をよ
り改善できる効果が、上述した作用、効果に奏上するこ
とが期待できる。これらの参照信号は、試験体の表面エ
コーや底面エコーの測定から求めてもよいし、検査対象
としている試験体とは別の試験体を用いた測定結果から
求めてもよいし、信号伝搬経路の周波数応答特性に基づ
いて算出しても構わない。 【0417】さらに、上述した各実施例では、試験体(
2)が丸棒で、その外周に沿って超音波探触子(1A)
、(1B)、(1C)、・・・を配した場合について説
明したが、試験体(2)の形状がどんな任意の形をして
いても、その形状に沿って配列した超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・の間で、1つの超音波
探触子(1L)から送信され、他の超音波探触子(1M
)で受信されたエコーの相関処理結果の加算結果は零に
なるので、上述した各実施例と同様の作用、効果がある
。また、超音波探触子(1A)、(1B)、(1C)、
・・・は斜角探触子でなく、垂直探触子であっても同様
である。 【0418】この発明の各実施例は、上述したように、
レンジサイドローブの無い合成圧縮パルスが得られ、ま
た、1つの超音波探触子(1L)から送信され他の超音
波探触子(1M)により受信された妨害エコーの影響を
排除できるという効果を奏する。 【0419】ところで、上記説明では、超音波探傷装置
に利用する場合について述べたが、その他の例えば超音
波診断装置などにも利用できることはいうまでもない。 【0420】また、上記説明では、超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・を試験体(2)に接触
させている場合について述べたが、超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・は接触させなくてもよ
い。この場合、超音波探触子(1A)、(1B)、(1
C)、・・・と試験体(2)との間の超音波の送受信は
、水などのカップリング媒体を介して行えばよい。 【0421】さらに、上記説明では、波動として、超音
波を用いる場合について述べたが、超音波以外の波動、
例えば、電磁波を用いるシステムの送受信回路系に適用
しても構わない。 【0422】 【発明の効果】この発明は、以上説明した通り、複数個
の出力端子を有し、Nを自然数、iを1からNまでの整
数、jを1から(N−1)までの整数とすると、第1か
ら第NまでのN個の系列を順次繰り返して配列したとき
、jを固定して、第i番目の系列と第(i+j)番目の
系列の相互相関関数をiが1からNまで加算すると加算
結果が零になり、かつ、上記第1から第Nまでの系列の
自己相関関数を加算するとサイドローブレベルが零とな
る第1から第Nまでの系列を発生するとともに、上記第
1から第Nまでの系列に基づいてそれぞれ生成される第
1から第Nまでの送信信号を発生し、上記第1から第N
の送信信号を、第k番目の上記出力端子から、第k、第
(k+1)、第(k+2)、・・・、第N、第1、第2
、・・・、第(k−1)、第k、・・・の順番にしたが
って順次繰り返して発生する送信信号発生手段と、上記
複数個の出力端子に対してそれぞれ設けられ、上記出力
端子からの上記送信信号により励振されて波動を対象物
に送信する複数個の送信手段と、上記対象物からのエコ
ーを受信する複数個の受信手段と、上記複数個の受信手
段のそれぞれに対して設けられ、上記第1から第Nまで
の系列にそれぞれ基づいて生成される第1から第Nまで
の参照信号を用いて、それぞれ、上記第1から第Nまで
の送信信号に対応する第1から第Nまでの上記エコーを
相関処理する複数個の相関手段と、上記複数個の相関手
段に対してそれぞれ設けられ、上記第1から第Nまでの
エコーに対応する上記相関手段の出力を加算する複数個
の加算手段とを備えたので、サイドローブレベルが零の
合成圧縮パルスを得られるとともに、妨害エコーが検査
結果に及ぼす影響を排除できる効果を奏する。
他の波動を用いた検査装置に関するものである。 【0002】特に、妨害エコーが検査結果に及ぼす悪影
響を低減できる超音波非破壊検査装置などの検査装置に
関するものである。 【0003】 【従来の技術】従来のこの種の検査装置と妨害エコーの
発生原因について、図38及び図39を参照しながら説
明する。 【0004】図38及び図39は、特開昭62−112
057号公報に示された従来の超音波を用いた検査装置
における超音探触子の配置と超音波パルスの伝搬状況を
示す説明図、及び従来の検査装置におけるAスコープ波
形と欠陥検出用時間ゲートを示す波形図である。 【0005】図38において、従来の検査装置は、斜角
形の超音波探触子(1A)及び(1B)が、丸棒状の試
験体(2)の円周上に沿って配されて構成されている。 【0006】図中、(3)は試験体(2)の表層部にあ
る欠陥である。また、実線(4A)及び点線(4B)は
、それぞれ、超音波探触子(1A)及び(1B)から放
射された超音波パルスの伝搬経路を示す。 【0007】図39(a)及び(b)は、超音波探触子
(1A)のみから単独で超音波パルスを試験体(2)に
送信したとき、それぞれ、超音波探触子(1A)及び(
1B)が受信するエコーのAスコープ波形を示す。 【0008】図39(c)及び(d)は、超音波探触子
(1B)のみから単独で超音波パルスを試験体(2)に
送信したとき、それぞれ、超音波探触子(1B)及び(
1A)が受信するエコーのAスコープ波形を示す。 【0009】なお、図39(a)〜(d)において、エ
コーの波形はその包絡線を示してある。 【0010】図39(e)は、超音波探触子(1A)及
び(1B)により受信されたエコーに関して設定される
欠陥検出用時間ゲートを示す。 【0011】つぎに、上述した従来の検査装置の動作及
び妨害エコーの発生原因について説明する。 【0012】まず、超音波探触子(1A)のみから単独
で超音波パルスを試験体(2)に送信した場合について
考えてみる。 【0013】超音波探触子(1A)から試験体(2)内
に入射した超音波パルスは、図中、実線(4A)で示す
ように、試験体(2)の外壁で反射し、試験体(2)を
一周した後、同じ超音波探触子(1A)へ戻ってくる。 【0014】このとき、超音波探触子(1A)で受信さ
れるエコーのAスコープ波形は図39(a) に示すよ
うになる。 【0015】図39(a)において、超音波探触子(1
A)を駆動した送信電気パルスTの後に、まず、超音波
パルスが試験体(2)の表面に入射した時点で試験体(
2)の表面から反射されて戻ってきた表面エコーSが観
測される。 【0016】次に、超音波パルスが試験体(2)を一周
した後、受信されるエコーR1が観測される。 【0017】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の3周した時点で、欠陥(3)で反射されて
、さらに4分の3周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、
受信される欠陥エコーF3が観測される。 【0018】超音波探触子(1B)が受信するエコーの
Aスコープ波形は図39(b)に示すようになる。 【0019】まず、超音波探触子(1A)から試験体(
2)内に入射した超音波パルスが、試験体(2)を2分
の1周した時点で、超音波探触子(1B)で受信される
エコーRB24が観測される。 【0020】次に、超音波パルスが、試験体(2)を4
分の3周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに
4分の1周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信され
る欠陥エコーF2が観測される。 【0021】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の6周した時点で、受信されるエコーRB6
4が観測される。 【0022】次に、超音波探触子(1B)のみから単独
で超音波パルスを試験体(2)に送信した場合について
考えてみる。 【0023】超音波探触子(1B)自身が受信するエコ
ーのAスコープ波形は図39(c)に示すようになる。 【0024】図39(c)において、超音波探触子(1
B)を駆動した送信電気パルスTの後に、まず、超音波
パルスが試験体(2)の表面に入射した時点で試験体(
2)の表面から反射されて戻ってきた表面エコーSが観
測される。 【0025】次に、超音波パルスが試験体(2)を4分
の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに4
分の1周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信される
欠陥エコーF1が観測される。 【0026】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を一周した後、受信されるエコーR1が観測される
。 【0027】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて
、さらに4分の5周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、
受信される欠陥エコーF3が観測される。 【0028】超音波探触子(1A)が受信するエコーの
Aスコープ波形は図39(d)に示すようになる。 【0029】まず、超音波探触子(1B)から試験体(
2)内に入射した超音波パルスが、試験体(2)を2分
の1周した時点で、超音波探触子(1A)で受信される
エコーRB24が観測される。 【0030】次に、超音波パルスが、試験体(2)を4
分の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに
4分の3周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信され
る欠陥エコーF2が観測される。 【0031】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の6周した時点で、受信されるエコーRB6
4が観測される。 【0032】次に、2つの超音波探触子(1A)及び(
1B)から試験体(2)に超音波パルスを送信した場合
について考えてみる。 【0033】この場合、超音波探触子(1A)が受信す
るエコーのAスコープ波形は、図39(a)及び(d)
に示す波形を交流波形レベルで加算した結果となる。 【0034】同様に、超音波探触子(1B)が受信する
エコーのAスコープ波形は、図39(c)及び(b)に
示す波形を交流波形レベルで加算した結果となる。 【0035】従来の検査装置においては、これらの加算
結果が各超音波探触子(1A)及び(1B)から受信さ
れる。 【0036】さて、上述した従来の検査装置においては
、超音波探触子(1A)で受信したエコーに対して設定
された図39(e)に示す欠陥検出用時間ゲート内に、
図39(d)に示すように、エコーRB24が混入して
いる。 【0037】このエコーは欠陥からのエコーではないが
、欠陥検出用時間ゲート内に入っているので、欠陥から
のエコーとして誤認してしまう問題がある。 【0038】つまり、エコーRB24は検査の邪魔にな
る妨害エコーである。 【0039】一方、超音波探触子(1B)で受信したエ
コーに対して同様に設定された図39(e)に示す欠陥
検出用時間ゲート内には、図39(c)に示すように、
欠陥エコーF1が現れる。 【0040】しかし、図39(b)に示すように、エコ
ーRB24が欠陥エコーF1に重畳してくる問題がある
。 【0041】したがって、このエコーRB24も妨害エ
コーである。 【0042】すなわち、従来の検査装置においては、R
B24やRB64などの妨害エコーにより検査の信頼性
が得られない問題点があった。 【0043】 【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
検査装置では、1つの超音波探触子から送信された超音
波パルスが、他の超音波探触子に妨害エコーとして受信
されてしまい、このため、妨害エコーのレベルが大きい
場合には検査が不可能となってしまったり、妨害エコー
のレベルが例え小さくても高精度な検査ができないとい
う問題点があった。 【0044】この発明は、上述した問題点を解決するた
めになされたもので、妨害エコーが検査結果に及ぼす悪
影響を取り除くことができる検査装置を得ることを目的
とする。 【0045】さらに、同時に、信号対雑音比の向上が図
れる検査装置を得ることを目的とする。 【0046】 【課題を解決するための手段】この発明に係る検査装置
は、次に掲げる手段を備えたものである。 【0047】〔1〕複数個の出力端子を有し、Nを自然
数、iを1からNまでの整数、jを1から(N−1)ま
での整数とすると、第1から第NまでのN個の系列を順
次繰り返して配列したとき、jを固定して、第i番目の
系列と第(i+j)番目の系列の相互相関関数をiが1
からNまで加算すると加算結果が零になり、かつ、上記
第1から第Nまでの系列の自己相関関数を加算するとサ
イドローブレベルが零となる第1から第Nまでの系列を
発生するとともに、上記第1から第Nまでの系列に基づ
いてそれぞれ生成される第1から第Nまでの送信信号を
発生し、上記第1から第Nまでの送信信号を、第k番目
の上記出力端子から、第k、第(k+1)、第(k+2
)、・・・、第N、第1、第2、・・・、第(k−1)
、第k、・・・の順番にしたがって順次繰り返して発生
する送信信号発生手段。 【0048】〔2〕上記複数個の出力端子に対してそれ
ぞれ設けられ、上記出力端子からの上記送信信号により
励振されて波動を対象物に送信する複数個の送信手段。 【0049】〔3〕上記対象物からのエコーを受信する
複数個の受信手段。 【0050】〔4〕上記複数個の受信手段のそれぞれに
対して設けられ、上記第1から第Nまでの系列にそれぞ
れ基づいて生成される第1から第Nまでの参照信号を用
いて、それぞれ、上記第1から第Nまでの送信信号に対
応する第1から第Nまでの上記エコーを相関処理する複
数個の相関手段。 【0051】〔5〕上記複数個の相関手段に対してそれ
ぞれ設けられ、上記第1から第Nまでのエコーに対応す
る上記相関手段の出力を加算する複数個の加算手段。 【0052】 【作 用】この発明においては、複数個の出力端子を
有する送信信号発生手段によって、Nを自然数、iを1
からNまでの整数、jを1から(N−1)までの整数と
すると、第1から第NまでのN個の系列を順次繰り返し
て配列したとき、jを固定して、第i番目の系列と第(
i+j)番目の系列の相互相関関数をiが1からNまで
加算すると加算結果が零になり、かつ、上記第1から第
Nの系列までの自己相関関数を加算するとサイドローブ
レベルが零となる第1から第Nまでの系列が発生される
とともに、上記第1から第Nまでの系列に基づいてそれ
ぞれ生成される第1から第Nまでの送信信号が発生され
、上記第1から第Nまでの送信信号が、第k番目の上記
出力端子からは、第k、第(k+1)、第(k+2)、
・・・、第N、第1、第2、・・・、第(k−1)、第
k、・・・の順番にしたがって順次繰り返して発生され
る。 【0053】また、上記複数個の出力端子に対してそれ
ぞれ設けられた複数個の送信手段によって、上記出力端
子からの上記送信信号により励振されて波動が対象物に
送信される。 【0054】さらに、複数個の受信手段によって、上記
対象物からのエコーが受信される。 【0055】さらにまた、上記複数個の受信手段のそれ
ぞれに対して設けられた複数個の相関手段によって、上
記第1から第Nまでの系列にそれぞれ基づいて生成され
る第1から第Nまでの参照信号が用いられて、それぞれ
、上記第1から第Nまでの送信信号に対応する第1から
第Nまでの上記エコーが相関処理される。 【0056】そして、上記複数個の相関手段に対してそ
れぞれ設けられた複数個の加算手段によって、上記第1
から第Nまでのエコーに対応する上記相関手段の出力が
それぞれ加算される。 【0057】 【実施例】これから、この発明の5つの実施例について
順次説明する。 【0058】この発明の第1実施例の構成について図1
を参照しながら説明する。図1は、この発明の第1実施
例を示すブロック図であり、超音波探触子(1A)及び
(1B)は、図38で示した従来の検査装置のものと全
く同一である。 【0059】図1において、この発明の第1実施例は、
上述した従来の検査装置のものと全く同一のものと、2
チャンネルの出力端子(5A)及び(5B)を有する送
信信号発生器(5)と、この送信信号発生器(5)のチ
ャンネル1の出力端子(5A)及び超音波探触子(1A
)に接続された相関器(6A)と、相関器(6A)に接
続されたメモリ機能を含む加算器(8A)と、送信信号
発生器(5)に入力側が接続されかつ相関器(6A)に
出力側が接続された参照信号発生器(9A)と、送信信
号発生器(5)のチャンネル2の出力端子(5B)及び
超音波探触子(1B)に接続された相関器(6B)と、
相関器(6B)に接続されたメモリ機能を含む加算器(
8B)と、送信信号発生器(5)に入力側が接続されか
つ相関器(6B)に出力側が接続された参照信号発生器
(9B)と、加算器(8A)及び(8B)に接続された
表示器(7)とから構成されている。 【0060】なお、超音波探触子(1A)及び(1B)
は、それぞれ、送信信号発生器(5)のチャンネル1の
出力端子(5A)及びチャンネル2の出力端子(5B)
にも接続されている。 【0061】また、超音波探触子(1A)及び(1B)
は、従来と同様に、試験体(2)の円周上に沿って配し
てある。 【0062】つぎに、上述した第1実施例の動作につい
て、図2から図13までを参照しながら説明する。 【0063】図2はこの発明の第1実施例における第1
の単位信号を示す波形図、図3、図4、図5及び図6は
この発明の第1実施例における第1、第2、第3及び第
4の送信信号を示す波形図、図7及び図8はこの発明の
第1実施例における前記4つの送信信号の繰り返しを示
す波形図、図9はこの発明の第1実施例における第2の
単位信号を示す波形図、図10、図11、図12及び図
13はこの発明の第1実施例における第1、第2、第3
及び第4の参照信号を示す波形図である。 【0064】送信信号発生器(5)は、第1の単位信号
を発生する。この第1の単位信号をgs(t)で表す。 ただし、tは時間である。また、送信信号発生器(5)
は、第1の系列{a}、第2の系列{b}、第3の系列
{c}及び第4の系列{d}を発生する。 【0065】さらに、送信信号発生器(5)は、第1の
系列{a}及び第1の単位信号gS(t)により規定さ
れる第1の送信信号、第2の系列{b}及び第1の単位
信号gs(t)により規定される第2の送信信号、第3
の系列{c}及び第1の単位信号gS(t)により規定
される第3の送信信号、並びに、第4の系列{d}及び
第1の単位信号gS(t)により規定される第4の送信
信号を発生する。 【0066】これら第1、第2、第3及び第4の送信信
号をそれぞれ、sa(t)、sb(t)、sc(t)及
びsd(t)で表す。 【0067】第1の単位信号gs(t)は、図2に示す
ように、矩形波形を有する信号である。図中、δs は
固定時間である。 【0068】第1の送信信号sa(t)は、図3に示す
ように、第1の系列{a}として長さnが4である、{
a}={a1,a2,a3,a4}={+,+,+,−
}を採用し、この系列と図2に示した第1の単位信号g
s(t) とから、次に述べる手順にしたがって発生し
た信号である。 【0069】すなわち、第1の系列{a}の符号+には
第1の単位信号gs(t)を割り当て、符号−には第1
の単位信号gs(t)に−1を掛けて得られる信号−g
s(t)を割り当てて、第1の系列{a}の符号の現れ
る順序にしたがって、±gs(t)が時間軸上に配列さ
れている。 【0070】第1の系列{a}の符号(±)と、信号±
gs(t)との間の関係をわかりやすくするため、図3
中、第1の系列{a}の符号(±)を合わせて記入して
ある。 【0071】なお、図3中、δは固定時間である。 【0072】固定時間δが固定時間δsに等しい場合に
は、第1の送信信号は、振幅を符号化された波形を有す
る信号に等しい。 【0073】第2の送信信号sb(t)は、図4に示す
ように、第2の系列{b}として、長さnが4である、
{b}={b1,b2,b3,b4}={+,+,−,
+}を採用し、この系列と図2に示した第1の単位信号
gs(t)とから、第1の送信信号の発生手順と同様の
手順にしたがって発生した信号である。 【0074】第3の送信信号sc(t)は、図5に示す
ように、第3の系列{c}として、長さnが4である、
{c}={c1,c2,c3,c4}={−,−,−,
+}を採用し、この系列と図2に示した第1の単位信号
gs(t)とから、第1の送信信号の発生手順と同様の
手順にしたがって発生した信号である。 【0075】第4の送信信号sd(t)は、図6に示す
ように、第4の系列{d}として、長さnが4である、
{d}={d1,d2,d3,d4}={+,+,−,
+}を採用し、この系列と図2に示した第1の単位信号
gs(t)とから、第1の送信信号の発生手順と同様の
手順にしたがって発生した信号である。 【0076】図4、図5及び図6において、それぞれ、
第2の系列{b}、第3の系列{c}及び第4の系列{
d}の符号(±)と、信号±gs(t)との間の関係を
わかりやすくするため、それぞれの系列の符号を合わせ
て記入してある。 【0077】なお、第3の系列{c}は、第1の系列{
a}において、符号+と符号−を反転させて得られる系
列に等しい。 【0078】また、第4の系列{d}は、第2の系列{
b}に等しい。 【0079】送信信号発生器(5)は、上記第1から第
4の4つの送信信号を、図7に示すように、第1、第2
、第3、第4、第1、・・・の順番にしたがって、ある
一定の送信繰り返し周期Trで順次繰り返して発生し、
出力端子(5A)から超音波探触子(1A)に伝達する
。 【0080】また、送信信号発生器(5)は、上記第1
から第4の4つの送信信号を、図8に示すように、第2
、第3、第4、第1、第2、・・・の順番にしたがって
、ある一定の送信繰り返し周期Trで順次繰り返して発
生し、出力端子(5B)から超音波探触子(1B)に伝
達する。 【0081】超音波探触子(1A)及び(1B)は、上
記4つの送信信号により、それぞれ上述した順番にした
がって順次駆動されて、超音波パルスを試験体(2)内
へ送信する。 【0082】そして、超音波探触子(1A)及び(1B
)は、試験体(2)内の欠陥(3)などの反射体により
反射されたエコーを受信する。 【0083】超音波探触子(1A)及び(1B)により
受信されたエコーは、それぞれ、相関器(6A)及び(
6B)に伝達される。 【0084】一方、参照信号発生器(9A)及び(9B
)は、それぞれ、超音波探触子(1A)及び(1B)に
より受信されたエコーの相関処理に用いられる第1、第
2、第3及び第4の参照信号を発生する。 【0085】これら第1、第2、第3及び第4の参照信
号を、それぞれ、ua(t)、ub(t)、uc(t)
及びud(t)で表す。 【0086】参照信号発生器(9A)は、上記4つの参
照信号を、第1、第2、第3、第4、第1、・・・の順
番にしたがって相関器(6A)に伝達する。 【0087】一方、参照信号発生器(9B)は、上記4
つの参照信号を、第2、第3、第4、第1、第2、・・
・の順番にしたがって相関器(6B)に伝達する。 【0088】ここで、第1〜第4の参照信号は、第1〜
第4の系列と第2の単位信号により規定される信号であ
る。 【0089】上記第2の単位信号は、図9に示すように
、矩形波形を有する信号である。図中、δu は固定時
間である。第2の単位信号をgu(t)で表す。 【0090】第1の参照信号ua(t)は、図10に示
すように、第1の系列{a}と第2の単位信号gu(t
)とから、第1の送信信号の発生手順と同様の手順にし
たがって発生した信号である。 【0091】すなわち、第1の系列{a}の符号+には
第2の単位信号gu(t)を割り当て、符号−には第2
の単位信号gu(t)に−1を掛けて得られる信号−g
u(t)を割り当てて、第1の系列{a}の符号の現れ
る順序にしたがって、±gu(t)が時間軸上に配列さ
れている。 【0092】第1の系列{a}の符号(±)と、信号±
gu(t)との間の関係をわかりやすくするため、図中
、第1の系列{a}の符号を合わせて記入してある。 【0093】また、図中、固定時間δが固定時間δuに
等しい場合には、第1の参照信号は、振幅を符号化され
た波形を有する信号に等しい。 【0094】また、固定時間δuが固定時間δsに等し
い場合には、第1の参照信号は、第1の送信信号に等し
い。 【0095】第2の参照信号ub(t)は、図11に示
すように、第2の系列{b}と第2の単位信号gu(t
)とから、第1の参照信号の発生手順と同様の手順にし
たがって発生した信号である。 【0096】第3の参照信号uc(t)は、図12に示
すように、第3の系列{c}と第2の単位信号gu(t
)とから、第1の参照信号の発生手順と同様の手順にし
たがって発生した信号である。 【0097】第4の参照信号ud(t)は、図13に示
すように、第4の系列{d}と第2の単位信号gu(t
)とから、第1の参照信号の発生手順と同様の手順にし
たがって発生した信号である。 【0098】図11、図12及び図13において、それ
ぞれ、第2の系列{b}、第3の系列{c}及び第4の
系列{d}の符号(±)と、信号±gu(t)との間の
関係をわかりやすくするため、これらの系列の符号を合
わせて記入してある。 【0099】相関器(6A)では、第1の送信信号sa
(t)を発生した送信機繰り返し周期で受信されたエコ
ーと第1の参照信号ua(t)との間で相関演算を実行
する。 【0100】同様に、相関器(6A)では、第2の送信
信号sb(t)を発生した送信繰り返し周期で受信され
たエコーと第2の参照信号ub(t)との間で、第3の
送信信号sc(t)を発生した送信繰り返し周期で受信
されたエコーと第3の参照信号uc(t)との間で、第
4の送信信号sd(t)を発生した送信繰り返し周期で
受信されたエコーと第4の参照信号ud(t)との間で
、それぞれ、相関演算を実行する。 【0101】超音波探触子(1A)で受信されたエコー
の前記4つの相関演算結果は、加算器(8A)に伝達さ
れ、記憶される。 【0102】加算器(8A)では、前記4つの相関演算
結果を加算する。 【0103】この加算結果を、超音波探触子(1A)で
受信されたエコーの合成圧縮パルスと呼ぶことにする。 【0104】この合成圧縮パルスは、加算器(8A)か
ら表示器(7)に伝達され、従来と同様に表示される。 【0105】一方、相関器(6B)では、第2の送信信
号sb(t)を発生した送信機繰り返し周期で受信され
たエコーと第2の参照信号ub(t)との間で相関演算
を実行する。 【0106】同様に、相関器(6B)では、第3の送信
信号sc(t)を発生した送信繰り返し周期で受信され
たエコーと第3の参照信号uc(t)との間で、第4の
送信信号sd(t)を発生した送信繰り返し周期で受信
されたエコーと第4の参照信号ud(t)との間で、第
1の送信信号sa(t)を発生した送信繰り返し周期で
受信されたエコーと第1の参照信号ua(t)との間で
、それぞれ、相関演算を実行する。 【0107】超音波探触子(1B)で受信されたエコー
の前記4つの相関演算結果は、加算器(8B)に伝達さ
れ、記憶される。 【0108】加算器(8B)では、前記4つの相関演算
結果を加算する。 【0109】この加算結果を、超音波探触子(1B)で
受信されたエコーの合成圧縮パルスと呼ぶことにする。 【0110】この合成圧縮パルスは、加算器(8B)か
ら表示器(7)に伝達され、従来と同様に表示される。 【0111】次に、上述したこの発明の第1実施例の動
作原理および効果を説明する。 【0112】説明に際しては、次の順番で説明する。ま
ず、超音波探触子(1A)のみから超音波を送信し、超
音波探触子(1A)によりエコーを受信した場合につい
て説明する。次に、超音波探触子(1B)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合について説明する。次に、超音波探触子(1A
)のみから超音波を送信し、超音波探触子(1B)によ
りエコーを受信した場合について説明する。次に、超音
波探触子(1B)のみから超音波を送信し、超音波探触
子(1A)によりエコーを受信した場合について説明す
る。最後に、超音波探触子(1A)及び(1B)の両方
から超音波を送信し、超音波探触子(1A)及び(1B
)によりエコーを受信した場合について説明する。 【0113】まず、超音波探触子(1A)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1A)によりエコーを受信
した場合について、図14〜図18を参照しながら考え
てみる。 【0114】図14〜図17は超音波探触子(1A)で
受信されたエコーの圧縮パルスを示す波形図、図18は
超音波探触子(1A)で受信されたエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。 【0115】図3で示した第1の送信信号sa(t)は
、次の式で表される。 【0116】 sa(t)=Σaigs[t−(i−1)δ]
(和はiについて1〜n
までとる。) ・・・式(1)【011
7】ここで、ai(i=1,2,・・・,n)の符号±
は±1(複合同順)と同一と見なして掛算している(以
下同様)。 【0118】第1の送信信号sa(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1A)により受信したエコーをrAAa(
t)で表すと、rAAa(t)は次の式で表わされる。 【0119】 rAAa(t)=C0×∫sa(t1)hAA
(t−t0−t1)dt1
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・式(2)【0120】ここで、C
0は定数を表す。 【0121】また、hAA(t)は、送信信号発生器(
5)のチャンネル1の出力端子(5A)から、超音波探
触子(1A)、試験体(2)の反射体、再び超音波探触
子(1A)を経由して、相関器(6A)の入力端に至る
までの信号伝搬経路における周波数応答特性の逆フーリ
エ変換を表す。すなわち、前記信号伝搬経路のインパル
ス応答を表す。 【0122】また、t0は、第1の送信信号sa(t)
により超音波探触子(1A)を駆動した時間からエコー
rAAa(t)が受信されるまでの時間である。 【0123】C0=1としても説明上、一般性を失わな
いので、以下C0=1として説明する。 【0124】第1の送信信号sa(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において受信
されたエコーは、相関器(6A)において、第1の参照
信号ua(t)を用いて相関処理される。 【0125】図10に示した第1の参照信号ua(t)
は、次の式で表される。 【0126】 ua(t)=Σaigu[t−(i−1)δ]
(和はiについて1〜n
までとる。) ・・・式(3)【012
7】したがって、相関器(6A)による相関演算結果(
以下、圧縮パルスCAAaa(t)と呼ぶ。)は、次の
式で表わされる。 【0128】 rAAaa(t)=∫ua(t2−t)rAA
a(t2)dt2 [
積分範囲:−∞〜∞]
・・・式(4)【0129】ところで、前記圧縮
パルスCAAaa(t)は、第1の系列{a}の自己相
関関数を、ρaa(i)、(i=0、±1、±2、・・
・、±(n−1))で表わし、さらに、 AAA(t)=∫∫gs(t1)gu(t2)
hAA(t+t2−t1)dt1dt2
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・式(5) とおけば
、式(1)〜式(5)から次式に等しい。 【0130】 CAAaa(t)=ρaa(0)AAA(t−
t0)+ Σρaa(i)[A
AA(t−t0−iδ)+AAA(t−t0+iδ)]
(和はiについて1〜(
n−1)までとる) ・・・式(6)【0131】同
様に、図4に示した第2の送信信号sb(t)は、式(
1)の右辺において、第1の系列の要素aiを、第2の
系列の要素biで置き変えた式で表せる。 【0132】ただし、時間原点は、第2の送信信号sb
(t)により超音波探触子(1A)を駆動した時間に取
り直している(以下、第3及び第4の送信信号について
も同様である。)。 【0133】第2の送信信号sb(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1A)により受信したエコーをrAAb(
t)で表すと、rAAb(t)は、式(2)の右辺にお
いて、第1の送信信号sa(t)を、第2の送信信号s
b(t)で置き換えた式で表せる。 【0134】第2の送信信号sb(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において受信
されたエコーは、相関器(6A)において、第2の参照
信号ub(t)を用いて相関処理される。 【0135】図11に示した第2の参照信号ub(t)
は、式(3)の右辺において、第1の系列の要素aiを
、第2の系列の要素biで置き変えた式で表せる。 【0136】したがって、相関器(6A)による相関演
算結果(以下、圧縮パルスCAAbb(t)と呼ぶ。)
は、式(4)の右辺において、第1の参照信号ua(t
)を第2の参照信号ub(t)で置き換えるとともに、
エコーrAAa(t)を、エコーrAAb(t)で置き
換えた式で表せる。 【0137】したがって、第2の系列{b}の自己相関
関数を、ρbb(i)、(i=0、±1、±2、・・・
、±(n−1))で表せば、前記圧縮パルスCAAbb
(t)は、式(6)の右辺において、第1の系列{a}
の自己相関関数ρaa(i)を、第2の系列{b}の自
己相関関数ρbb(i)で置き換えた式で表せる。 【0138】以下、同様に、第3及び第4の送信信号の
場合について考えてみる。 【0139】第3の送信信号sc(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1A)により受信したエコーrAAc(t
)で表す。 【0140】第3の送信信号sc(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において受信
エコーは、相関器(6A)において、第3の送信信号u
c(t)を用いて相関処理される。 【0141】相関器(6A)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCAAcc(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCAAcc(t)は、第3の系列{c}の自己
相関関数を、ρcc(i)、(i=0、±1、±2、・
・・、±(n−1))で表すと、式(6)の右辺におい
て、第1の系列{a}の自己相関関数ρaa(i)を、
第3の系列{c}の自己相関関数ρcc(i)で置き換
えた式で表せる。 【0142】第4の送信信号sd(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1A)により受信したエコーrAAd(t
)で表す。 【0143】第4の送信信号sd(t)により超音波探
触子(1A)を駆動した送信繰り返し周期において受信
されたエコーは、相関器(6A)において、第4の参照
信号ud(t)を用いて相関処理される。 【0144】相関器(6A)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCAAdd(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCAAdd(t)は、第4の系列{d}の自己
相関関数を、ρdd(i)、(i=0、±1、±2、・
・・、±(n−1))で表せば、式(6)の右辺におい
て、第1の系列{a}の自己相関関数ρaa(i)を、
第4の系列{d}の自己相関関数ρdd(i)で置き換
えた式で表せる。 【0145】したがって、超音波探触子(1A)で受信
されたエコーの前記4つの圧縮パルス(CAAaa(t
)、CAAbb(t)、CAAcc(t)及びCAAd
d(t)の加算結果である合成圧縮パルスを、CAA(
t)で表せば、CAA(t)は次式に等しい。 【0146】 CAA(t)=CAAaa(t)+CAAbb(t
)+CAAcc(t)+CAAdd(t)
=[ρaa(0)+ρbb(0)+ρcc(0)
+ρdd(0)]AAA(t−t0)
+Σ[ρaa(i)+ρbb(i)+ρcc(i
)+ρdd(i)]×
[AAA(t−t0−iδ)+AAA(t−t0+iδ
)] (和はiについて1
〜(n−1)までとる) ・・・・式(7)【0
147】図14は、式(6)から計算により求めた圧縮
パルスCAAaa(t)を示す。 【0148】図15、図16及び図17は、それぞれ、
同様の計算に求めた圧縮パルスCAAbb(t)、CA
Acc(t)及びCAAdd(t)である。 【0149】これらの計算において、第1〜第4の送信
信号として、図3〜図6に示したものを用い、第1〜第
4の参照信号として、図10〜図13に示したものを用
いた。 【0150】また、hAA(t)はデルタ関数とした。 また、δs=δu=δ/2とした。 【0151】また、第1〜第4の系列の自己相関関数に
おいて、ρaa(0)=4、ρaa(1)=1、ρaa
(2)=0、ρaa(3)=−1、ρbb(0)=4、
ρbb(1)=−1、ρbb(2)=0、ρbb(3)
=1、ρcc(0)=4、ρcc(1)=1、ρcc(
2)=0、ρcc(3)=−1、ρdd(0)=4、ρ
dd(1)=−1、ρdd(2)=0、ρdd(3)=
1であることを用いた。 【0152】図14〜図17において、4つの圧縮パル
スとも、信号のエネルギーの大半は、t=t0近傍に集
中しているが、t≠t0における振幅(レンジサイドロ
ーブレベル)が高い。 【0153】しかし、図18に示すように、前記4つの
圧縮パルスを加算して得られた合成圧縮パルスCAA(
t)では、主ローブは強めあい、レンジサイドローブは
相殺されて、主ローブのみ残り、レンジサイドローブレ
ベルは零になっている。 【0154】このレンジサイドローブの相殺効果は、δ
s=δu=δ/2の関係が成り立たない場合でも生じる
。 つまり、この相殺効果は、δs及びδuがともに零以上
の任意の値の場合についても生じる。無論、δs≠δu
であってもよい。 【0155】なお、δsあるいはδuが零の場合は、g
s(t)あるいはgu(t)がデルタ関数の場合に相当
する。 【0156】すなわち、この発明の第1実施例において
は、超音波探触子(1A)のみから超音波を送信し、超
音波探触子(1A)によりエコーを受信した場合、t=
t0近傍にのみ大きな振幅(主ローブ)を有し、t≠t
0における振幅(レンジサイドローブレベル)が零の合
成圧縮パルスが得られる作用、効果があることがわかっ
た。 【0157】また、パルス圧縮の手法を用いたこの発明
に関わる第1実施例では、この発明と関連する特願平1
−203909号からわかるように、従来装置に比べ、
信号対雑音比を改善できる効果が期待できる。 【0158】なお、上記第1実施例で用いた第1及び第
2の系列において、ρaa(0)=ρbb(0)、ρa
a(i)=−ρbb(i)、(i=±1、±2…、±(
n−1))が成り立つ。つまり、第1及び第2の系列は
相補系列である。言い換えれば、第1及び第2の系列は
相補関係にある。 【0159】また、第3及び第4の系列においても、ρ
cc(0)=ρdd(0)、ρcc(i)=−ρdd(
i)、(i=±1、±2…、±(n−1))が成り立つ
。つまり、第3及び第4の系列は相補関係にある。 【0160】さらに、第1及び第3の系列において、ρ
aa(i)=ρcc(i)、(i=0、±1、・・・、
±(n−1))が成り立つ。つまり、第1の系列の自己
相関関数と第3の系列の自己相関関数は等しい。これは
、前述したように、第3の系列{c}が、第1の系列に
おいて、符号+と符号−を反転させて得られる系列に等
しいことによる。 【0161】また、第2及び第4の系列において、ρb
b(i)=ρdd(i)、(i=0、±1、・・・、±
(n−1))が成り立つ。つまり、第2の系列の自己相
関関数と第4の自己相関関数し等しい。 これは、前
述したように、第4の系列{d}が、第2の系列{b}
に等しいことによる。 【0162】以上より、次に示す関係、 ρaa
(0)+ρbb(0)+ρcc(0)+ρdd(0)=
4ρaa(0)、 ρaa(i)+ρbb(i)
+ρcc(i)+ρdd(i)=0、 (i
=±1、±2、…、±(n−1))
・・・・式(8) が成り立つ。 【0163】式(8)に示した関係が成り立つ場合には
、式(7)の右辺におけるAAA(t)がいかなる波形
であっても、すなわち、AAA(t)を規定する式(5
)の右辺における第1の単位信号gs(t)、第2の単
位信号gu(t)及びインパルス応答hAA(t)が、
いかなる波形であっても、式(7)の右辺において、第
2項は相殺されて零となる。 【0164】したがって、 CAA(t)=4ρaa(0)AAA(t−t
0) ・・・・式(9)が成立
する。 【0165】したがって、レンジサイドローブレベルが
零の合成圧縮パルスが得られる作用、効果がある。 【0166】次に、超音波探触子(1B)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合について、図19〜図23を参照しながら考え
てみる。 【0167】図19〜図22は超音波探触子(1B)で
受信されたエコーの圧縮パルスを示す波形図、図23は
超音波探触子(1B)で受信されたエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。 【0168】第2の送信信号sb(t)で超音波探触子
(1B)を駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1B)により受信したエコーをrBBb(t)
で表す。rBBb(t)は、次の式で表わされる。 【0169】 rBBb(t)=C1×∫sb(t1)hBB
(t−t0−t1)dt1
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(10)【0170】ここで、C
1は定数を表す。 【0171】また、hBB(t)は、送信信号発生器(
5)のチャンネル2の出力端子(5B)から、超音波探
触子(1B)、試験体(2)の反射体、再び超音波探触
子(1B)を経由して、相関器(6B)の入力端に至る
までの信号伝搬経路における周波数応答特性の逆フーリ
エ変換を表す。すなわち、前記信号伝搬経路のインパル
ス応答を表す。 【0172】また、t0は、第2の送信信号sb(t)
で超音波探触子(1B)を駆動した時間からエコーrB
Bb(t)が受信されるまでの時間である。 【0173】C1=1としても説明上、一般性を失わな
いので、以下C1=1として説明する。 【0174】第2の送信信号sb(t)で超音波探触子
(1B)を駆動した送信繰り返し周期において受信され
たエコーは、相関器(6B)において、第2の参照信号
ub(t)を用いて相関処理される。 【0175】したがって、相関器(6B)の相関演算結
果(以下、圧縮パルスCBBbb(t)と呼ぶ。)は次
の式で表わされる。 【0176】 CBBbb(t)=∫ub(t2−t)rBB
b(t2)dt2 [積分
範囲:−∞〜∞]
・・・・式(11)【0177】したがって、この圧
縮パルスCBBbb(t)は、 ABB(t)=∫∫gs(t1)gu(t2)hB
B(t+t2−t1)dt1dt2
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(12)とおけば、式(
10)〜式(12)から次式に等しい。 【0178】 CBBbb(t)=ρbb(0)ABB(t−t0
)+ Σρbb(i)[ABB(
t−t0−iδ)+ABB(t−t0+iδ)]
(和はiについて1〜(n−1
)までとる) ・・・・式(13)【0179】以下
、同様に、第3の送信信号sc(t)、第4の送信信号
sd(t)、第1の送信信号sa(t)により、それぞ
れ、超音波探触子(1B)を駆動した送信繰り返し周期
において、相関器(6B)の相関演算結果について同様
に求めてみる。 【0180】ただし、時間原点は、それぞれの送信信号
により超音波探触子(1B)を駆動した時間に取り直す
。 【0181】第3の送信信号sc(t)により超音波探
触子(1B)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1B)により受信したエコーをrBBc(
t)で表す。 【0182】このエコーrBBc(t)は、相関器(6
B)において、第3の参照信号uc(t)を用いて相関
処理される。 【0183】相関器(6B)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCBBcc(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCBBcc(t)は、式(13)の右辺におい
て、第2の系列{b}の自己相関関数をρbb(i)を
、第3の系列{c}の自己相関関数ρcc(i)で置き
換えた式で表せる。 【0184】第4の送信信号sd(t)により超音波探
触子(1B)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1B)により受信したエコーをrBBd(
t)で表す。 【0185】このエコーrBBd(t)は、相関器(6
B)において、第4の参照信号ud(t)を用いて相関
処理される。 【0186】相関器(6B)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCBBdd(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCBBdd(t)は、式(13)の右辺におい
て、第2の系列{b}の自己相関関数ρbb(i)を、
第4の系列{d}の自己相関関数ρdd(i)で置き換
えた式で表せる。 【0187】第1の送信信号sa(t)により超音波探
触子(1B)を駆動した送信繰り返し周期において、超
音波探触子(1B)により受信したエコーをrBBa(
t)で表す。 【0188】このエコーrBBa(t)は、相関器(6
B)において、第1の参照信号ua(t)を用いて相関
処理される。 【0189】相関器(6B)におけるこの相関演算結果
を、以下、圧縮パルスCBBaa(t)と呼ぶ。この圧
縮パルスCBBaa(t)は、式(13)の右辺におい
て、第2の系列{b}の自己相関関数ρbb(i)を、
第1の系列{a}の自己相関関数ρaa(i)で置き換
えた式で表せる。 【0190】したがって、超音波探触子(1B)で受信
されたエコーの前記4つの圧縮パルス(CBBbb(t
)、CBBcc(t)、CBBdd(t)及びCBBa
a(t)の加算結果である合成圧縮パルスを、CBB(
t)で表せば、CBB(t)は次式に等しい。 【0191】 CBB(t)=CBBbb(t)+CBBcc(t
)+CBBdd(t)+CBBaa(t)
=[ρbb(0)+ρcc(0)+ρdd(0)
+ρaa(0)]ABB(t−t0)
+Σ[ρbb(i)+ρcc(i)+ρdd(i
)+ρaa(i)]×
[ABB(t−t0−iδ)+ABB(t−t0+iδ
)] (和はiについて1
〜(n−1)までとる) ・・・・式(14)【01
92】図19は、式(13)から計算により求める圧縮
パルスCBBbb(t)を示す。 【0193】図20、図21及び図22は、それぞれ、
同様の計算により求めた圧縮パルスCBBcc(t)、
CBBdd(t)及びCBBaa(t)である。 【0194】これらの計算において、第1〜第4の送信
信号は、それぞれ、図3〜図6に示したものを用い、第
1〜第4の参照信号は、それぞれ、図10〜図13に示
したものを用いた。 【0195】また、hBB(t)はデルタ関数とした。 また、δs=δu=δ/2とした。 【0196】図19〜図22において、4つの圧縮パル
スとも、信号のエネルギーの大半は、t=t0近傍に集
中しているが、t≠t0における振幅(レンジサイドロ
ーブレベル)が高い。 【0197】しかし、図23に示すように、前記4つの
圧縮パルスを加算して得られた合成圧縮パルスCBB(
t)では、主ローブは強めあい、レンジサイドローブは
相殺されて、主ローブのみ残り、レンジサイドローブレ
ベルは零になっている。 【0198】なお、このレンジサイドローブの相殺効果
は、図18の場合と同様に、δs=δu=δ/2の関係
が成り立たない場合でも生じる。つまり、この相殺効果
は、δs及びδuがともに零以上の任意の値の場合につ
いても生じる。 【0199】すなわち、この発明の第1実施例において
は、超音波探触子(1B)のみから超音波を送信し、超
音波探触子(1B)によりエコーを受信した場合、t=
t0近傍にのみ大きな振幅(主ローブ)を有し、t≠t
0における振幅(レンジサイドローブレベル)が零の合
成圧縮パルスが得られる作用、効果があることがわかっ
た。 【0200】また、上述のように、パルス圧縮の手法を
用いたこの発明に関わる第1実施例では、超音波探触子
(1B)により受信され相関処理された結果においても
、この発明と関連する特願平1−203909号からわ
かるように、従来装置に比べ、信号対雑音比を改善でき
る効果が期待できる。 【0201】なお、上記第1実施例で用いた第1〜第4
の系列において、式(8)が成り立つ。 【0202】したがって、式(14)の右辺におけるA
BB(t)がいかなる波形であっても、すなわち、AB
B(t)を規定する式(12)の右辺における第1の単
位信号gs(t)、第2の単位信号gu(t)及びイン
パルス応答hBB(t)が、いかなる波形であっても、
式(14)の右辺において、第2項は相殺されて零とな
る。 【0203】したがって、 CBB(t)=4ρaa(0)ABB(t
−t0) ・・・・式(15)が成立す
る。 【0204】したがって、レンジサイドローブレベルが
零の合成圧縮パルスが得られる作用、効果がある。 【0205】次に、超音波探触子(1A)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合について、図24〜図28を参照しながら考え
てみる。 【0206】これらのエコーは、検査の邪魔となる妨害
エコーである。 【0207】図24〜図27は超音波探触子(1B)で
受信されたエコーの圧縮パルスを示す波形図、図28は
超音波探触子(1B)で受信されたエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。 【0208】超音波探触子(1A)を第1の送信信号s
a(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1B)により受信したエコーをrABa(t)
で表す。このエコーrABa(t)は、次の式で表わさ
れる。 【0209】 rABa(t)=C2×∫sa(t1)hAB
(t−t0−t1)dt1
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(16)【0210】ここで、C
2 は定数を表す。 【0211】また、hAB(t)は、送信信号発生器(
5)のチャンネル1の出力端子(5A)から、超音波探
触子(1A)、試験体(2)の反射体、超音波探触子(
1B)を経由して、相関器(6B)の入力端に至るまで
の信号伝搬経路における周波数応答特性の逆フーリエ変
換を表す。すなわち、前記信号伝搬経路のインパルス応
答を表す。 【0212】また、t0は、第1の送信信号sa(t)
を発生した時間からエコーrABa(t)が受信される
までの時間である。 【0213】C2=1としても説明上、一般性を失わな
いので、以下C2=1として説明する。 【0214】前記エコーrABa(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1B)を第2の送信
信号sb(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrABa(t)は、相関器(
6B)において、第2の参照信号ub(t)を用いて相
関処理される。 【0215】したがって、このエコーrABa(t)に
関する相関器(6B)の相関演算結果(以下、圧縮パル
スCABab(t)と呼ぶ。)は、次の式で表わされる
。 【0216】 CABab(t)=∫ub(t2−t)rAB
a(t2)dt2 [積分
範囲:−∞〜∞]
・・・・式(17)【0217】ところで、この圧縮
パルスCABab(t)は、第1の系列{a}と第2の
系列の相互相関関数を、ρab(i)、(i=0、±1
、±2、・・・、±(n−1))で表わし、さらに、 AAB(t)=∫∫gs(t1)gu(t2)
hAB(t+t2−t1)dt1dt2
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(18)とおけば、
式(16)〜式(18)から次式に等しい。 【0218】 CABab(t)=Σρab(i)[AAB(
t−t0+iδ)] (和はiについて
−(n−1)〜(n−1)までとる)・・・式(19)
【0219】同様に、超音波探触子(1A)を第2
の送信信号sb(t)で駆動した送信繰り返し周期にお
いて、超音波探触子(1B)により受信されたエコーを
rABb(t)で表すと、このrABb(t)は、式(
16)の右辺において、第1の送信信号sa(t)を第
2の送信信号sb(t)で置き換えた式で表わされる。 【0220】ただし、時間原点は、第2の送信信号sb
(t)により超音波探触子(1A)を駆動した時間に取
り直している(以下、第3及び第4の送信信号について
も同様である。)。 【0221】一方、前記エコーrABb(t)が受信さ
れる送信繰り返し周期は、超音波探触子(1B)を第3
の送信信号sc(t)で駆動する送信繰り返し周期に相
当する。 【0222】したがって、前記エコーrABb(t)は
、相関器(6B)において、第3の参照信号uc(t)
を用いて相関処理される。 【0223】したがって、前記エコーrABb(t)に
関する相関器(6B)の相関演算結果(以下、圧縮パル
スCABbc(t)と呼ぶ。)は、式(17)の右辺に
おいて、エコーrABa(t)をエコーrABb(t)
で置き換えるとともに、第2の参照信号ub(t)を第
3の参照信号uc(t)で置き換えた式で表わされる。 【0224】したがって、この圧縮パルスCABbc(
t)は、第2の系列{b}と第3の系列{c}の相互相
関関数を、ρbc(i)、(i=0、±1、±2、・・
・、±(n−1)で表わすと式(19)の右辺において
、ρab(i)をρbc(i)で置き換え式で表せる。 【0225】以下、同様にして、超音波探触子(1A)
を第3の送信信号sc(t)、及び第4の送信信号sd
(t)で駆動した送信繰り返し周期において、それぞれ
、超音波探触子(1B)により受信されたエコーについ
て、相関器(6B)の相関演算結果を求めてみる。 【0226】超音波探触子(1A)を第3の送信信号s
c(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1B)により受信されたエコーrABc(t)
で表す。 【0227】このエコーrABc(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1B)を第4の送信
信号sd(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、前記エコーrABc(t)は、相関器(
6B)において、第4の参照信号ud(t)を用いて相
関処理される。 【0228】したがって、前記エコーrABc(t)に
関する相関器(6B)の相関演算結果を、以下、圧縮パ
ルスCABcd(t)と呼べば、この圧縮パルスCAB
cd(t)は、第3の系列{c}と第4の系列{d}の
相互相関関数を、ρcd(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1))で表わすと、式(19)の右
辺において、ρab(i)をρcd(i)で置き換えた
式で表せる。 【0229】超音波探触子(1A)を第4の送信信号s
d(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1B)により受信されたエコーrABd(t)
で表す。 【0230】このエコーrABd(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1B)を第1の送信
信号sa(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、前記エコーrABd(t)は、相関器(
6B)において、第1の参照信号ua(t)を用いて相
関処理される。 【0231】したがって、前記エコーrABd(t)に
関する相関器(6B)の相関演算結果を、以下、圧縮パ
ルスCABda(t)と呼べば、この圧縮パルスCAB
da(t)は、第4の系列{d}と第1の系列{a}の
相互相関関数を、ρda(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1)で表わすと、式(19)の右辺
において、ρab(i)をρda(i)で置き換えた式
で表せる。 【0232】したがって、超音波探触子(1B)で受信
された前記4つのエコーに関する前記4つの圧縮パルス
(CABab(t)、CABbc(t)、CABcd(
t)及びCABda(t)の加算結果である合成圧縮パ
ルス、CAB(t)で表せば、CAB(t)は、次式に
等しい。 【0233】 CAB(t)=CABab(t)+CABbc
(t)+CABcd(t)+CABda(t)
=Σ[ρab(i)+ρbc(i)+ρ
cd(i)+ρda(i)]×
AAB[t−t0+iδ)] (和はi
について−(n−1)〜(n−1)までとる) ・・
・・式(20)【0234】図24は、式(19)から
求めた圧縮パルスCABab(t)である。 【0235】図25、図26及び図27は、それぞれ、
同様の計算により求めた圧縮パルスCABbc(t)、
CABcd(t)、及びCABda(t)である。 【0236】これらの計算において、第1〜第4の送信
信号として、図3〜図6に示したものを用い、第1〜第
4の参照信号として、図10〜図13に示したものを用
いた。 【0237】また、hAB(t)はデルタ関数とした。 【0238】また、δs=δu=δ/2とした。 【0239】また、第1の系列と第2の系列の相互相関
器関数、第2の系列と第3の系列の相互相関器関数、第
3の系列と第4の系列の相互相関器関数、及び第4の系
列と第1の系列の相互相関器関数において、次の関係を
用いた。 【0240】ρab(−3)=1、ρab(−2)=0
、ρab(−1)=1、ρab(0)=0、ρab(1
)=3、ρab(2)=0、ρab(3)=−1 ρbc(−3)=1、ρbc(−2)=0、ρbc(−
1)=−3、ρbc(0)=0、ρbc(1)=−1、
ρbc(2)=0、ρbc(3)=−1 ρcd(−3)=−1、ρcd(−2)=0、ρcd(
−1)=−1、ρcd(0)=0、ρcd(1)=−3
、ρcd(2)=0、ρcd(3)=1 ρda(−3)=−1、ρda(−2)=0、ρda(
−1)=3、ρda(0)=0、ρda(1)=1、ρ
da(2)=0、ρda(3)=1 【0241】図24〜図27において、圧縮パルスCA
Bab(t)、CABbc(t)、CABcd(t)及
びCABda(t)では、信号の振幅は零にはなってい
ない。すなわち、超音波探触子(1A)から送信され、
超音波探触子(1B)で受信された妨害エコーの影響が
残っている。 【0242】しかし、最終結果として、表示器(7)に
表示されるのは、これら4つのエコーに関する相関演算
結果の加算結果であるCAB(t)である。 【0243】図28において、前記加算結果であるCA
B(t)では、前記4つの圧縮パルスCABab(t)
、CABbc(t)、CABcd(t)及びCABda
(t)において残っていた振幅は相殺されて、信号振幅
が完全に零になっている。 【0244】なお、この相殺効果は、δs=δu=δ/
2の関係が成り立たない場合でも生じる。つまり、この
相殺効果は、δs及びδuがともに零以上の任意の値の
場合についても生じる。無論、δs≠δuであってもよ
い。 【0245】すなわち、この発明の第1実施例において
は、超音波探触子(1A)から送信され、超音波探触子
(1B)で受信された妨害エコーの影響は、検査結果に
全く影響を及ぼさない作用、効果があることがわかった
。 【0246】なお、上記第1実施例で用いた第1から第
4の系列において、ρbc(i)=−ρba(i)、(
i=0、±1、…、±(n−1))が成り立つ。これは
、前記したように、第3の系列{c}が、第1の系列{
a}において、符号+と符号−を反転させて得られる系
列に等しいことによる。ところで、ρba(i)につい
ては後で説明するが、第2の系列{b}と第1の系列{
a}の相互相関関数である。 【0247】また、ρcd(i)=−ρab(i)、(
i=0、±1、…、±(n−1))が成り立つ。これは
、前記したように、第3の系列{c}が、第1の系列{
a}において、符号+と符号−を反転させて得られる系
列に等しいこと、及び第4の系列{d}が、第2の系列
{b}に等しいことによる。 【0248】また、ρda(i)=ρba(i)、(i
=0、±1、・・・、±(n−1))が成り立つ。これ
は、前記したように、第4の系列{d}が、第2の系列
{b}に等しいことによる。 【0249】したがって、iの値に依存せず常に、次の
示す関係、 ρab(i)+ρbc(i)+ρcd(i)+
ρda(i)=0 ・・・式(21)が成り立つ
。 【0250】式(21)に示す関係が成り立つ場合には
、式(20)の右辺におけるAAB(t)がいかなる波
形であっても、すなわち、AAB(t)を規定する式(
18)の右辺における第1の単位信号gs(t)、第2
の単位信号gu(t)及びインパルス応答hAB(t)
が、いかなる波形であっても、次式が成り立つ。 【0251】 CAB(t)=0
・・・式(22)
【0252】したがって、妨害エコーの影響は完全に相
殺されて、妨害エコーは、検査結果に全く影響を及ぼさ
ない作用、効果がある。 【0253】次に、超音波探触子(1B)のみから超音
波を送信し、超音波探触子(1A)によりエコーを受信
した場合について、図29〜図33を参照しながら考え
てみる。 【0254】これらのエコーも、全て妨害エコーであり
、検査の邪魔になるものである。 【0255】図29〜図32は超音波探触子(1A)で
受信されたエコーの圧縮パルスを示す波形図、図33は
超音波探触子(1A)で受信されたエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。 【0256】超音波探触子(1B)を第2の送信信号s
b(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1A)により受信したエコーをrBAb(t)
で表す。このエコーrBAb(t)は、次の式で表わさ
れる。 【0257】 rBAb(t)=C3×∫sb(t1)hBA
(t−t0−t1)dt1
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(23)【0258】ここで、C
3は定数を表す。 【0259】また、hBA(t)は、送信信号発生器(
5)のチャンネル2の出力端子(5B)から、超音波探
触子(1B)、試験体(2)の反射体、超音波探触子(
1A)を経由して、相関器(6A)の入力端に至るまで
の信号伝搬経路における周波数応答特性の逆フーリエ変
換を表す。すなわち、前記信号伝搬経路のインパルス応
答を表す。 【0260】また、t0は、第2の送信信号sb(t)
を発生した時間からエコーrBAb(t)が受信される
までの時間である。 【0261】C3=1としても説明上、一般性を失わな
いので、以下C3=1として説明する。 【0262】前記エコーrBAb(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1A)を第1の送信
信号sa(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrBAb(t)は、相関器(
6A)において、第1の参照信号ua(t)を用いて相
関処理される。 【0263】したがって、このエコーrBAb(t)に
関する相関器(6A)の相関演算結果(以下、圧縮パル
スCBAba(t)と呼ぶ。)は、次の式で表わされる
。 【0264】 CBAba(t)=∫ua(t2−t)rBA
b(t2)dt2 [積分
範囲:−∞〜∞]
・・・・式(24)【0265】ところで、この圧縮
パルスCBAba(t)は、第2の系列{b}と第1の
系列{a}の相互相関関数を、ρba(i)、(i=0
、±1、±2、・・・、±(n−1))で表わし、さら
に、 ABA(t)=∫∫gs(t1)gu(t2)
hBA(t+t2−t1)dt1dt2
[積分範囲:−∞〜∞]
・・・・式(25)とおけば、
式(23)〜式(25)から次式に等しい。 【0266】 CBAba(t)=Σρba(i)[ABA(
t−t0+iδ)] (和はiについて
−(n−1)〜(n−1)までとる)・・・式(26)
【0267】以下、同様に、超音波探触子(1B)
を第3、第4及び第1の送信信号で駆動した送信繰り返
し周期において、超音波探触子(1A)により受信され
たエコーについて考えてみる。 【0268】ただし、時間原点は、それぞれの送信信号
により超音波探触子(1B)を駆動した時間に取り直す
。 【0269】超音波探触子(1B)を第3の送信信号s
c(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1A)により受信されたエコーをrBAc(t
)で表す。 【0270】このエコーrBAc(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1A)を第2の送信
信号sb(t)で駆動する送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrBAc(t)は、相関器(
6A)において、第2の参照信号ub(t)を用いて相
関処理される。 【0271】したがって、前記エコーrBAc(t)に
関する相関器(6A)の相関演算結果、以下、圧縮パル
スCBAcb(t)と呼べば、この圧縮パルスCBAc
b(t) は、第3の系列{c}と第2の系列{b}の
相互相関関数を、ρcb(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1))で表わすと、式(26)の右
辺において、ρba(i)をρcb(i)で置き換え式
で表せる。 【0272】超音波探触子(1B)を第4の送信信号s
d(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1A)により受信されたエコーをrBAd(t
)で表す。 【0273】このエコーrBAd(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1A)を第3の送信
信号sc(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrBAd(t)は、相関器(
6A)において、第3の参照信号uc(t)を用いて相
関処理される。 【0274】したがって、前記エコーrBAd(t)に
関する相関器(6A)の相関演算結果を、以下、圧縮パ
ルスCBAdc(t)と呼べば、この圧縮パルスCBA
dc(t)は、第4の系列{d}と第3の系列{c}の
相互相関関数を、ρdc(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1))で表わすと、式(26)の右
辺において、ρba(i)をρdc(i)で置き換えた
式で表せる。 【0275】超音波探触子(1B)を第1の送信信号s
a(t)で駆動した送信繰り返し周期において、超音波
探触子(1A)により受信されたエコーrBAa(t)
で表す。 【0276】このエコーrBAa(t)が受信される送
信繰り返し周期は、超音波探触子(1A)を第4の送信
信号sd(t)で駆動した送信繰り返し周期に相当する
。したがって、このエコーrBAa(t)は、相関器(
6A)において、第4の参照信号ud(t)を用いて相
関処理される。 【0277】したがって、前記エコーrBAa(t)に
関する相関器(6A)の相関演算結果を、以下、圧縮パ
ルスCBAad(t)と呼べば、この圧縮パルスCBA
ad(t)は、第1の系列{a}と第4の系列{d}の
相互相関関数を、ρad(i)、(i=0、±1、±2
、・・・、±(n−1))で表わすと、式(26)の右
辺において、ρba(i) をρad(i)で置き換え
た式で表せる。 【0278】したがって、超音波探触子(1A)で受信
された前記4つのエコーに関する前記4つの圧縮パルス
(CBAba(t)、CBAcb(t)、CBAdc(
t)及びCBAad(t))の加算結果である合成圧縮
パルスを、CBA(t)で表せば、CBA(t)は、次
式に等しい。 【0279】 CBA(t)=CBAba(t)+CBAcb
(t)+CBAdc(t)+CBAad(t)
=Σ[ρba(i)+ρcb(i)+ρ
dc(i)+ρad(i)]×
ABA[t−t0+iδ)] (和はi
について−(n−1)〜(n−1)までとる) ・・
・・式(27)【0280】図29は、式(26)から
計算により求めた圧縮パルスBAbaC(t)である。 【0281】図30、図31及び図32は、それぞれ、
同様の計算により求めた圧縮パルスCBAcb(t)
、CBAdc(t) 及びCBAad(t) である。 【0282】これらの計算において、第1〜第4の送信
信号として、図3〜図6に示したものを用い、第1〜第
4の参照信号として、図10〜図13に示したものを用
いた。 【0283】また、hBA(t)はデルタ関数とした。 【0284】また、ρba(i)=ρab(−i)、ρ
cb(i)=ρbc(−i)、 ρdc(i)=ρcd
(−i)、ρad(i)=ρda(−i)であることを
用いた。 【0285】また、δS=δu=δ/2とした。 【0286】図29〜図32において、圧縮パルスBA
baC(t)、CBAcb(t) 、CBAdc(t)
及びCBAad(t)では、信号の振幅は零にはなって
いない。すなわち、超音波探触子(1B)から送信され
、超音波探触子(1A)で受信された妨害エコーの影響
が残っている。 【0287】しかし、最終結果として、表示器(7)に
表示されるのは、これら4つの妨害エコーに関する相関
演算結果の加算結果であるCBA(t)である。 【0288】図33において、この加算結果であるCB
A(t)では、前記4つの圧縮パルスCBAba(t)
、CBAcb(t)、CBAdc(t)及びCBAad
(t)において残っていた振幅は相殺されて、信号振幅
が完全に零になっている。 【0289】なお、この相殺結果は、δS=δu=δ/
2の関係が成り立たない場合でも生じる。つまり、この
相殺結果は、δS及びδuがともに零以上の任意の値の
場合についても生じる。無論、δS≠δuであってもよ
い。 【0290】すなわち、この発明の第1実施例において
は、超音波探触子(1B)から送信され、超音波探触子
(1A)で受信された妨害エコーの影響も、検査結果は
全く影響を及ぼさない作用、効果があることがわかった
。 【0291】なお、上記第1実施例で用いた第1から第
4の系列において、第3の系列{c}が、第1の系列{
a}において、符号+と符号ーを反転させて得られる系
列に等しいこと、また、第4の系列{d}が、第2の系
列{b}に等しいことから、iの値に依存せず常に、次
に示す関係が成り立つ。 【0292】 ρba(i)+ρcb(i)+ρdc(i)+ρa
d(i)=0
…式(28)【0293】式(28)に示す
関係が成り立つ場合には、式(27)の右辺におけるA
BA(t)がいかなる波形であっても、すなわち、AB
A(t)を規定する式(25)の右辺における第1の単
位信号gS(t)、第2の単位信号gU(t)及びイン
パルス応答hBA(t)が、いかなる波形であっても、
次に示す関係が成り立つ。 【0294】 CBA(t)=0
…式(29)【0295】した
がって、妨害エコーの影響は完全に相殺されて、妨害エ
コーは、検査結果に全く影響を及ぼさない作用、効果が
ある。 【0296】さて、最後に、超音波探触子(1A)及び
(1B)の両方から超音波を送信し、超音波探触子(1
A)及び(1B)によりエコーを受信した場合について
、図34及び図35を参照しながら考えてみる。 【0297】図34(a)及び(b)は超音波探触子(
1A)を第1の送信信号で駆動した送信繰り返し周期に
おいて、それぞれ、超音波探触子(1A)及び(1B)
で受信されるエコーを示す波形図、図34(c)及び(
d)は超音波探触子(1B)を第2の送信信号で駆動し
た送信繰り返し周期において、それぞれ、超音波探触子
(1B)及び(1A)で受信されるエコーを示す波形図
、図34(e)は、欠陥検出用時間ゲートを示す波形図
である。 【0298】なお、図7及び図8に示したように、超音
波探触子(1A)を第1の送信信号で駆動する送信繰り
返し周期は、超音波探触子(1B)を第2の送信信号で
駆動する送信繰り返し周期に相当する。 【0299】図35(a)及び(b)は、超音波探触子
(1A)を4つの送信信号で、第1、第2、第3、第4
、第1、…の順番で順次駆動したとき、それぞれ、超音
波探触子(1A)及び(1B)で受信されたエコーの合
成圧縮パルスを示す波形図、図35(c)及び(d)は
、超音波探触子(1B)を4つの送信信号で、第2、第
3、第4、第1、第2、…の順番で順次駆動したとき、
それぞれ、超音波探触子(1B)及び(1A)で受信さ
れたエコーの合成圧縮パルスを示す波形図、図35(e
)は、欠陥検出用時間ゲートを示す波形図である。 【0300】まず、超音波探触子(1A)を第1の送信
信号で駆動した送信繰り返し周期について考えてみる。 この送信繰り返し周期において、超音波探触子(1B)
は第2の送信信号で駆動されている。 【0301】超音波探触子(1A)を第1の送信信号S
a(t)で駆動したとき、試験体(2)に入射した超音
波パルスは、図1中実線(4A)で示すように、試験体
(2)の外壁で反射し、試験体(2)を一周した後、超
音波探触子(1A)に戻ってくる。 【0302】このとき、超音波探触子(1A)で受信さ
れるエコーは、図34(a)に示すようになる。 【0303】図34(a)において、第1の送信信号S
a(t)が受信回路側(相関器(6A)側)に漏れ込ん
だパルスTaの後に、まず、超音波パルスが試験体(2
)の表面に入射した時点で試験体(2)の表面から反射
されて戻ってきた表面エコーSaが観測される。 【0304】次に、超音波パルスが試験体(2)を一周
した後、受信されるエコーR1aが観測される。 【0305】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の3周した時点で、欠陥(3)で反射されて
、さらに4分の3周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、
受信される欠陥エコーF3aが観測される。 【0306】超音波探触子(1B)が受信するエコーは
図34(b)に示すようになる。 【0307】まず、超音波探触子(1A)から試験体(
2)内に入射した超音波パルスが、試験体(2)を2分
の1周した時点で、超音波探触子(1B)で受信される
エコーRB24aが観測される。 【0308】次に、超音波パルスが、試験体(2)を4
分の3周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに
4分の1周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信され
る欠陥エコーF2aが観測される。 【0309】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の6周した時点で、受信されるエコーFB6
4aが観測される。 【0310】超音波探触子(1B)がを第2の送信信号
Sb(t)で駆動されたとき、超音波探触子(1B)が
受信するエコーは図34(c)に示すようになる。 【0311】図34(c)において、第2の送信信号S
b(t)が受信回路側に漏れ込んだパルスTbの後に、
まず、超音波パルスが試験体(2)の表面に入射した時
点で試験体(2)の表面から反射されて戻ってきた表面
エコーSbが観測される。 【0312】次に、超音波パルスが試験体(2)を4分
の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに4
分の1周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信される
欠陥エコーF1bが観測される。 【0313】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を一周した後、受信されるエコーR1bが観測され
る。 【0314】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて
、さらに4分の5周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、
受信される欠陥エコーF3bが観測される。 【0315】超音波探触子(1A)が受信するエコーは
図34(d)に示すようになる。 【0316】まず、超音波探触子(1B)から試験体(
2)内に入射した超音波パルスが、試験体(2)を2分
の1周した時点で、超音波探触子(1A)で受信される
エコーRB24bが観測される。 【0317】次に、超音波パルスが、試験体(2)を4
分の1周した時点で、欠陥(3)で反射されて、さらに
4分の3周だけ逆戻りの伝搬経路を通った後、受信され
る欠陥エコーF2bが観測される。 【0318】さらに、その後、超音波パルスが試験体(
2)を4分の6周した時点で、受信されるエコーFB6
4bが観測される。 【0319】超音波探触子(1A)が第1の送信信号S
a(t)で駆動されている送信繰り返し周期において、
超音波探触子(1B)は第2の送信信号Sb(t)で駆
動されている。 【0320】したがって、超音波探触子(1A)が受信
するエコーは、図34(a)及び(d)に示すエコー波
形を交流波形レベルで加算した結果となる。 【0321】同様に、超音波探触子(1B)が受信する
エコーは、図34(c)及び(b)に示すエコー波形を
交流波形レベルで加算した結果となる。 【0322】この発明の第1実施例における装置におい
ても、従来の検査装置の場合と同様に、これらのエコー
の交流波形レベルでの加算結果が各超音波探触子(1A
)及び(1B)から受信される。 【0323】一方、欠陥検出用時間ゲートは、図34(
e)に示すように設定される。したがって、エコーRB
24a及びRB24bが欠陥検出用時間ゲート内に混入
する。このため、これらのエコーは、妨害エコーとなる
。 【0324】また、エコーRB64a及びRB64bも
、無い方が望ましいエコーであり、これらのエコーも妨
害エコーである。 【0325】超音波探触子(1A)が第2、第3及び第
4の送信信号で駆動された送信繰り返し周期において、
超音波探触子(1B)は、それぞれ、第3、第4及び第
1の送信信号で駆動されている。 【0326】したがって、これら3つの送信繰り返し周
期においても、図34に示したものと同様の妨害エコー
が生じる。 【0327】しかし、この発明の第1実施例においては
、エコーをそのまま表示するのではなく、エコーを相関
処理し、その後、4つの圧縮パルスを加算して得られた
合成圧縮パルスを表示するようにしている。 【0328】前述したように、この発明の第1実施例に
おいては、超音波探触子(1A)から超音波を送信し、
超音波探触子(1A)で受信したエコーの合成圧縮パル
スCAA(t)は、レンジサイドロープの無い鋭いピー
クをもつパルスとなる。 【0329】同様に、超音波探触子(1B)から超音波
を送信し、超音波探触子(1B)で受信したエコーの合
成圧縮パルスCBB(t)も、レンジサイドロープの無
い鋭いピークをもつパルスとなる。 【0330】一方、超音波探触子(1A)から超音波を
送信し、超音波探触子(1B)で受信したエコーの合成
圧縮パルスCAB(t)は、完全に零となる。 【0331】同様に、超音波探触子(1B)から超音波
を送信し、超音波探触子(1A)で受信したエコーの合
成圧縮パルスCBA(t)は、完全に零となる。 【0332】したがって、超音波探触子(1A)を第1
〜第4の4つの送信信号Sa(t)〜Sd(t)で順次
駆動したとき、超音波探触子(1A)により、4つの表
面エコーSa 〜Sd 、4つのエコーR1a〜R1d
、及び4つの欠陥エコーF3a〜F3dが、順次、受信
されるが、これらの3種類のエコーは、それぞれ、相関
器(6A)で相関処理を施されることにより圧縮された
後、加算器(8A)で加算されて、それぞれ、レンジサ
イドロープの無い鋭いピークをもつ3種類の合成圧縮パ
ルス(以下、S、R1及びF3で表す)となる。 【0333】したがって、これらの合成圧縮パルスS、
R1及びF3は、図35(a)に示すようになる。 【0334】同様に、超音波探触子(1B)を第2〜第
1の4つの送信信号Sb(t)〜Sa(t)で順次駆動
したとき、超音波探触子(1B)により、4つの表面エ
コーSb〜Sa、4つの欠陥エコーF1b〜F1a、4
つのエコーR1b〜R1a、及び4つの欠陥エコーF3
b〜F3aが、順次、受信される。 【0335】しかし、これらの4種類のエコーは、相関
器(6B)で相関処理を施されることにより圧縮された
後、加算器(8B)で加算されて、レンジサイドロープ
の無い鋭いピークをもつ4種類の合成圧縮パルス(以下
、S、F1、R1及びF3で表す)となる。 【0336】したがって、これらの合成圧縮パルスS、
F1、R1及びF3は、図35(c)に示すようになる
。 【0337】一方、超音波探触子(1A)を第1〜第4
の4つの送信信号Sa(t)〜Sd(t)で順次駆動し
たとき、超音波探触子(1B)により、4つのエコーR
B24a〜RB24d 、4つの欠陥エコーF2a〜F
2d、及び4つのエコーRB64a〜RB64dが、順
次、受信される。 【0338】しかし、これらの3種類のエコーは、相関
器(6B)で相関処理を施されることにより圧縮された
後、加算器(8B)で加算されて、それぞれ、加算後に
は完全に相殺されレベルが零となる。 【0339】したがって、これらの合成圧縮パルスは、
図35(b)に示すようになる。 【0340】同様に、超音波探触子(1B)を第2〜第
1の4つの送信信号Sb(t)〜Sa(t)で順次駆動
したとき、超音波探触子(1A)により、4つのエコー
RB24b〜RB24a、4つの欠陥エコーF2b〜F
2a、及び4つのエコーRB64b〜RB64aが、順
次、受信される。 【0341】しかし、これらの3種類のエコーは、相関
器(6A)で相関処理を施されることにより圧縮された
後、加算器(8A)で加算されて、それぞれ、加算後に
は完全に相殺されレベルが零となる。 【0342】したがって、これらの合成圧縮パルスは、
図35(d)に示すようになる。 【0343】超音波探触子(1A)により受信され、相
関処理及び加算処理を施されて表示器(7)に表示され
る信号は、図35(a)及び(d)に示す合成圧縮パル
スの加算結果である。 【0344】図35(d)に示す合成圧縮パルスは零で
あるから、最終的に図35(a)に示す合成圧縮パルス
が表示器(7)に表示されることになる。 【0345】同様に、超音波探触子(1B)により受信
され、相関処理及び加算処理を施されて表示器(7)に
表示される信号は、図35(c)及び(b)に示す合成
圧縮パルスの加算結果である。 【0346】図35(b)に示す合成圧縮パルスは零で
あるから、最終的に図35(c)に示す合成圧縮パルス
が表示器(7)に表示されることになる。 【0347】したがって、図35(e)に示す欠陥検出
用ゲート内には、欠陥エコーF1に関する合成圧縮パル
スのみ入り、妨害エコーの影響を完全に除去できた検査
が可能となる。 【0348】つづいて、この発明の第2実施例について
説明する。 【0349】第2実施例では、第1から第4の系列とし
て、第1実施例のものを次のように変えて用いる。すな
わち、第1の系列{a}及び第2の系列{b}として、
上記第1実施例と同じものを用いる。しかし、第3の系
列{c}として、第1の系列{a}と同じものを用い、
第4の系列{d}として、第2の系列{b}において、
符号+と符号ーを反転させて得られる系列を用いる。 【0350】すなわち、 {a}={a1,a2,a3,a4}={+,+,+,
−}{b}={b1,b2,b3,b4}={+,+,
−,+}{c}={c1,c2,c3,c4}={a}
={+,+,+,−} {d}={d1,d2,d3,d4}={−,−,+,
−}【0351】第1から第4の送信信号は、それぞれ
、第1の単位信号と前記第1から第4の系列とから、第
1実施例の場合と同様の手順にしたがって発生させた信
号を用いる。 【0352】また、第1から第4の参照信号には、それ
ぞれ、第2の単位信号と前記第1から第4の系列とから
、第1実施例の場合と同様の手順似したがって発生させ
た信号を用いる。 【0353】次に、上述したこの発明の第2実施例の動
作原理および効果を説明する。 【0354】この発明の第2実施例において、第1の系
列{a}及び第2の系列{b}が相関関係にあること、
かつ、第3の系列{c}が第1の系列{a}と等しいこ
と、かつ、第4の系列{d}が、第2の系列{b}にお
いて、符号+と符号ーを反転させて得られる系列に等し
いことから、第1から第4の系列において、次の関係が
成り立つ。 【0355】ρaa(0)=ρbb(0)=ρcc(0
)=ρdd(0)、ρaa(i)=−ρbb(i)=ρ
cc(i)=−ρdd(i)、(i=±1、±2、…、
±(n−1))【0356】したがって、式(8)に示
した関係が成り立つので、式(9)及び式(15)に示
した関係が成立する。したがって、超音波探触子(1A
)から超音波を送信し超音波探触子(1A)によりエコ
ーを受信した場合、及び、超音波探触子(1B)から超
音波を送信し超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合には、レンジサイドローブレベルが零の合成圧
縮パルスが得られる作用、効果がある。 【0357】一方、次の関係が成り立つ。ρbc(i)
=ρba(i)、(i=0、±1、…、±(n−1))
ρcd(i)=−ρab(i)、(i=0、±1、…、
±(n−1))ρda(i)=−ρba(i)、(i=
0、±1、…、±(n−1)) 【0358】また、一般に、ρab(i)=ρba(−
i)が成り立つから、iの値に依存せず常に、式(21
)及び式(28)に示した関係が成り立つので、式(2
2)及び式(29)に示した関係が成立する。 【0359】したがって、超音波探触子(1A)から超
音波を送信し超音波探触子(1B)によりエコーを受信
した場合、及び、超音波探触子(1B)から超音波を送
信し超音波探触子(1A)によりエコーを受信した場合
には、これらの合成圧縮パルスは零となり、妨害エコー
が検査結果に及ぼす悪影響を完全に排除できる作用、効
果がある。 【0360】以上にように、この発明の第2実施例にお
いても、上記第1実施例と同様の作用、効果がある。 【0361】つづいて、この発明の第3実施例について
説明する。第1実施例及び第2実施例では、2つの超音
波探触子(1A)及び(1B)を、試験体(2)の円周
上に沿って配した場合について説明した。この発明は、
これに限らず、3つ以上の超音波探触子(1A)、(1
B)、(1C)、…を用いる場合にも適用できる。 【0362】3つ以上の超音波探触子(1A)、(1B
)、(1C)、…を用いた場合についての第3実施例の
構成を、図36を参照しながら説明する。 【0363】図36は、この発明の第3実施例を示すブ
ロック図であり、超音波探触子(1A)、(1B)、(
1C)、…は、図38で示した上記従来の検査装置のも
のと全く同一である。 【0364】図36において、この発明の第3実施例は
、上述した従来装置のものと全く同一のものと、複数個
の出力端子(5A)、(5B)、(5C)、…を有する
送信信号発生器(5)と、この送信信号発生器(5)の
出力端子(5A)、(5B)、(5C)、…及び超音波
探触子(1A)、(1B)、(1C)、…にそれぞれ接
続された複数個の相関器(6A)、(6B)、(6C)
、…と、相関器(6A)、(6B)、(6C)、…にそ
れぞれ接続されメモリ機能を含む複数個の加算器(8A
)、(8B)、(8C)、…と、送信信号発生器(5)
に入力側が接続されかつ相関器(6A)、(6B)、(
6C)、…にそれぞれ出力側が接続された複数個の参照
信号発生器(9A)、(9B)、(9C)、…と、加算
器(8A)、(8B)、(8C)、…にそれぞれ接続さ
れた表示器(7)とから構成されている。 【0365】なお、超音波探触子(1A)、(1B)、
(1C)、…は、それぞれ、送信信号発生器(5)の出
力端子(5A)、(5B)、(5C)、…にも接続され
ている。 【0366】また、超音波探触子(1A)、(1B)、
(1C)、…は、試験体(2)の円周上に沿って配して
ある。 【0367】つぎに、上述した第3実施例の動作を、図
37を参照しながら説明する。 【0368】図37は、この発明の第3実施例における
4つの送信信号の繰り返しを示す波形図である。 【0369】送信信号発生器(5)は、第1実施例と同
一の第1〜第4の送信信号Sa(t)〜Sd(t)を発
生する。 【0370】送信信号発生器(5)は、上記第1から第
4の4つの送信信号を、図37に示すように、出力端子
(5A)からは第1、第2、第3、第4、第1、…の順
番にしたがって、出力端子(5B)からは第2、第3、
第4、第1、第2、…の順番にしたがって、出力端子(
5C)からは第3、第4、第1、第2、第3、…の順番
にしたがって、出力端子(5D)からは第4、第1、第
2、第3、第4、…の順番にしたがって、出力端子(5
E)からは第1、第2、第3、第4、第1、…の順番に
したがって、(以下、同様)ある一定の送信繰り返し周
期Trで順次繰り返して発生し、出力端子(5A)、(
5B)、(5C)、…から、それぞれ、超音波探触子(
1A)、(1B)、(1C)、…に伝達する。 【0371】超音波探触子(1A)、(1B)、(1C
)、…は、上記4つの送信信号により、それぞれ上述し
た順番にしたがって順次駆動されて、超音波パルスを試
験体(2)へ送信する。 【0372】そして、超音波探触子(1A)、(1B)
、(1C)、…は、試験体(2)内の欠陥(3)などの
反射体により反射されたエコーを受信する。 【0373】超音波探触子(1A)、(1B)、(1C
)、…により受信されたエコーは、それぞれ、相関器(
6A)、(6B)、(6C)、…に伝達される。 【0374】一方、参照信号発生器(9A)、(9B)
、(9C)、…は、それぞれ、超音波探触子(1A)、
(1B)、(1C)、…により受信されたエコーの相関
処理に用いられる第1、第2、第3及び第4の参照信号
を発生する。 【0375】これら第1〜第4の参照信号ua(t)〜
ud(t)は、上記第1実施例と同一である。 【0376】参照信号発生器(9A)、(9B)、(9
C)、…は、上記4つの参照信号を、参照信号発生器(
9A)では、第1、第2、第3、第4、第1、…の順番
にしたがって、参照信号発生器(9B)では、第2、第
3、第4、第1、第2、…の順番にしたがって、参照信
号発生器(9C)では、第3、第4、第1、第2、第3
、…の順番にしたがって、参照信号発生器(9D)では
、第4、第1、第2、第3、第4、…の順番にしたがっ
て、参照信号発生器(9E)では、第1、第2、第3、
第4、第1、…の順番にしたがって、(以下、同様)発
生し、それぞれ、相関器(6A)、(6B)、(6C)
、…に伝達する。 【0377】相関器(6A)、(6B)、(6C)、…
では、iを1〜4として、それぞれ、第i番目の送信信
号を発生した送信繰り返し周期で受信されたエコーと第
i番目の参照信号との間で相関演算を実行する。 【0378】超音波探触子(1A)、(1B)、(1C
)、…でそれぞれ受信されたエコーの前記4つの相関演
算結果は、それぞれ加算器(8A)、(8B)、(8C
)、…に伝達され、記憶される。 【0379】加算器(8A)、(8B)、(8C)、…
では、前記4つの相関演算結果を加算する。 【0380】この加算結果を、それぞれ、超音波探触子
(1A)、(1B)、(1C)、…で受信されたエコー
の合成圧縮パルスと呼ぶことにする。 【0381】これらの合成圧縮パルスは、それぞれ、加
算器(8A)、(8B)、(8C)、…から表示器(7
)に伝達され、従来と同様に表示される。 【0382】次に、上述したこの発明の第3実施例の動
作原理および効果を説明する。 【0383】第1実施例と同様に考えていけば、超音波
探触子(1A)、(1B)、(1C)、…から、それぞ
れ単独で超音波を送受信した場合には、第1の系列{a
}と第2の系列{b}とが相補関係にあること、及び、
第3の系列{c}が第1の系列{a}において符号+と
符号−とを反転させて得られる系列に等しいこと、及び
、第4の系列{d}が第2の系列に等しいことから、次
式が成立する。CAA(t)=4ρaa(0)AAA(
t−t0)、CBB(t)=4ρaa(0)ABB(t
−t0)、CCC(t)=4ρaa(0)ACC(t−
t0)、(以下、同様)【0384】ここで、CAA(
t)、CBB(t)、CCC(t)、…は、それぞれ、
超音波探触子(1A)、(1B)、(1C)、…で受信
されたエコーの合成圧縮パルスである。 また、AAA(t)、ABB(t)、ACC(t)、…
は、それぞれ、超音波探触子(1A)、(1B)、(1
C)、…について、式(5)と同様に定まる関数である
。 【0385】したがって、超音波探触子(1A)、(1
B)、(1C)、…から、それぞれ、単独で超音波を送
受信した場合には、レンジサイドローブレベルが零の合
成圧縮パルスが得られる作用、効果がある。 【0386】また、第1実施例と同様に考えていけば、
1つの超音波探触子から超音波を送信し、その隣の超音
波探触子で超音波を受信した場合、上記送信用超音波探
触子を一般に1Lとし、上記受信用の超音波探触子を一
般に1Mとすれば、次式が成立する。CLM(t)=0
ここで、CLM(t)は、超音波探触子(1L)から送
信し超音波探触子(1M)で受信した4つのエコーをそ
れぞれ相関処理して得られた4つの圧縮パルスの加算結
果である。 【0387】したがって、妨害エコーの影響は完全に相
殺されて、妨害エコーは、検査結果に全く影響を及ぼさ
ない作用、効果がある。 【0388】すなわち、1つの超音波探触子から送信さ
れその両隣の超音波探触子で受信されたエコーは、相関
処理、及び加算処理を通した後では零になるので、欠陥
検出用ゲート内に入る妨害エコーを排除した検査が可能
となる。 【0389】なお、第2実施例の4つの送信信号及び4
つの参照信号を、第3実施例に適用しても同様の作用、
効果が得られる。 【0390】以上説明した各実施例においては、相補系
列を基本とした4つの系列を用いた場合について説明し
た。しかし、この発明はこれに限らず、特願平1−20
3909号)に示されている複数補系列を基本とした4
つあるいは4つ以外の個数の系列を用いてもよい。以下
、複数補系列を用いた実施例を説明する。 【0391】つづいて、この発明の第4実施例について
説明する。第4実施例においては、第1から第4の系列
として、上述した第3実施例におけるものに代えて、長
さnが8の次のものを用いる。 【0392】 {a}={+、−、+、+、+、+、−、+}{b}=
{+、+、+、−、−、−、+、−}{c}={+、+
、−、+、+、−、+、+}{d}={+、−、+、+
、+、−、−、−}【0393】これら4つの系列から
、どのような組合わせで2つの系列を選び出しても、そ
れらは相補系列にはならない。 【0394】しかし、これら4つの系列は、複数補系列
である。したがって、式(30)に示した関係が成立す
る。 【0395】一方、上記第1から第4の系列においては
、式(31)に示した関係が成立することが計算により
確かめられる。 【0396】すなわち、第4実施例においても、第3実
施例の場合と同様の作用、効果がある。 【0397】なお、4つの系列からなる複数補系列とし
て、第4実施例と同様の作用、効果を奏するものには、
例えば、 {a}={+、−、−、−、+、+、+、−}{b}=
{+、+、+、−、+、+、−、+}{c}={+、+
、+、−、+、−、−、−}{d}={+、−、+、+
、−、+、+、+}や、 {a}={−、+、−} {b}={+、−、−} {c}={+、+、−} {d}={−、−、−} などがある。また、これら以外にも多数存在する。 【0398】なお、上記第4実施例で示した4つの系列
からなる複数補系列を、第1実施例及び第2実施例に適
用すれば、これらの実施例と同様の作用、効果がある。 【0399】つづいて、この発明の第5実施例について
説明する。この第5実施例では、第3実施例における4
つの系列の代りに、4M個の系列を用いる。Mを整数と
する、長さ2Mの複数補系列を、{a1}、{a2}、
{a3}、・・・{a2M}で表す。以下、簡単のため
、ある系列{a}において、符号+と符号−を反転して
得られる系列を{−a}で表すことにする。 【0400】第5実施例では、送信信号発生器(5)に
より、次の第1から第4Mの系列を発生する。 【0401】第1の系列{a1}、第2の系列{a2}
、第3の系列{a3}、第4の系列{a4}、・・・、
第(2M−1)の系列{a2M−1}、第2Mの系列{
a2M}、第(2M+1)の系列{−a1}、第(2M
+2)の系列{a2}、第(2M+3)の系列{−a3
}、第(2M+4)の系列{a4}、・・・、第(4M
−1)の系列{−−a2M−1}、第4Mの系列{a2
M}。 【0402】送信信号発生器(5)では、上述した第1
実施例の場合と同様の手順にしたがって、前記第1から
第4Mの系列にそれぞれ基づいて生成した第1から第4
Mの送信信号を、出力端子(5A)からは、第1、第2
、・・・、第4M、第1、・・・の順番にしたがって、
出力端子(5B)からは、第2、第3、・・・、第4M
、第1、第2、・・・の順番にしたがって、出力端子(
5C)からは、第3、第4、・・・、第4M、第1、第
2、第3、・・・の順番にしたがって、出力端子(5D
)からは、第4、第5、・・・、第4M、第1、第2、
第3、第4、・・・の順番にしたがって、出力端子(5
E)からは、第5、第6、・・・、第4M、第1、第2
、第3、第4、第5、・・・の順番にしたがって、(以
下、同様)ある一定の送信繰り返し周期で順次繰り返し
て発生し、それぞれ、超音波探触子(1A)、(1B)
、(1C)、・・・に伝達する。 【0403】一方、参照信号発生器(9A)、(9B)
、(9C)、・・・は、それぞれ、超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・により受信されたエコ
ーの相関処理に用いられる第1から第4Mの参照信号を
発生する。これらの第1から第4Mの参照信号は、上述
した第1実施例の場合と同様の手順にしたがって、前記
第1から第4Mの系列にそれぞれ基づいて生成しもので
ある。 【0404】参照信号発生器(9A)、(9B)、(9
C)、・・・は、上記4M個の参照信号を、参照信号発
生器(9A)では、第1、第2、・・・、第4M、第1
、・・・の順番にしたがって、参照信号発生器(9B)
では、第2、第3、・・・、第4M、第1、第2、・・
・の順番にしたがって、参照信号発生器(9C)では、
第3、第4、・・・、第4M、第1、第2、第3・・・
の順番にしたがって、参照信号発生器(9D)では、第
4、第5、・・・、第4M、第1、第2、第3、第4、
・・・の順番にしたがって、参照信号発生器(9E)で
は、第5、第6、・・・、第4M、第1、第2、第3、
第4、第5、・・・の順番にしたがって、(以下、同様
)発生し、それぞれ、相関器(6A)、(6B)、(6
C)、・・・に伝達する。 【0405】相関器(6A)、(6B)、(6C)、・
・・では、iを1〜4Mとして、第i番目の送信信号を
発生した送信繰り返し周期で受信されたエコーと第i番
目の参照信号との間で相関演算を行って第i番目の圧縮
パルスを求め、それぞれ、加算器(8A)、(8B)、
(8C)、・・・に伝達する。 【0406】加算器(8A)、(8B)、(8C)、・
・・では、それぞれ、相関器(6A)、(6B)、(6
C)、・・・から伝達されてきた4M個の圧縮パルスを
加算して合成圧縮パルスを求め、表示器(7)に伝達す
る。 【0407】次に、上述した第5実施例の作用、効果に
ついて説明する。 【0408】第1から第2Mの系列は複数補系列であり
、かつ、第(2M+1)から第4Mの系列も複数補系列
となることが簡単な計算により確かめられるから、第1
から第4Mの系列の自己相関関数を加算すると、レンジ
サイドローブが相殺されて零となる。 【0409】これを考慮して、第1実施例と同様の検討
を行えば、第5実施例においても、超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・から、それぞれ、単独
で超音波を送受信した場合には、レンジサイドローブレ
ベルが零の合成圧縮パルスが得られる作用、効果がある
ことがわかる。 【0410】一方、前記第1から第4Mの系列において
、第i番目の系列と第(i+1)番目の系列の相互相関
関数を計算し、これらをiについて1から4Mまで加算
した結果(以下、合成相互相関関数と呼ぶ)を計算して
みると、合成相互相関関数は完全に零となることが確か
められる。 【0411】但、ここで、i及びjを整数として、系列
の番号を表す数値に関する加算(i+j)は、4Mを法
として行っている。例えば、4M+5は、4Mを法とす
ると5に等しい。系列の番号に関してこの数え方は、前
記第1から第4Mの系列を順次繰り返して配列し、この
ようにして生成した無限長の周期系列において、第i番
目からjだけ後に現れる系列の番号を数えていることに
等しい。以下、系列の番号を表す数値に関する加算は同
様に4Mを法として行うものとする。 【0412】同様に、pを奇数として、第i番目の系列
と第(i+p)番目の系列の相互相関関数を計算し、こ
れらをiについて1から4Mまで加算した合成相互相関
関数も完全に零となる。 【0413】これらのことを考慮して、第1実施例と同
様の検討を行えば、第5実施例においても、1つの超音
波探触子(1L)から超音波を送信し、そのp個隣の超
音波探触子(1M)で超音波を受信した場合、CLM(
t)=0、となることがわかる。ここで、CLM(t)
は、超音波探触子(1L)から送信し、超音波探触子(
1M)で受信した4M個のエコーをそれぞれ相関処理し
て得られた4M個の圧縮パルスの加算結果である。また
、pは奇数であり、とくに、pが1の場合は、超音波探
触子(1M)は、超音波探触子(1L)の両隣である。 したがって、第3実施例と同様に妨害エコーの影響を排
除した検査が可能である。 【0414】なお、これらの作用、効果は、第1実施例
と第2実施例との間の関係の場合と同様に、第1から第
4Mの系列として、第1の系列{a1}、第2の系列{
a2}、第3の系列{a3}、第4の系列{a4}、・
・・、第(2M−1)の系列{a2M−1}、第2Mの
系列{a2M}、第(2M+1)の系列{a1}、第(
2M+2)の系列{−a2}、第(2M+3)の系列{
a3}、第(2M+4)の系列{−a4}、・・・、第
(4M−1)の系列{a2M−1}、第4Mの系列{−
a2M}を用いても同様である。 【0415】ところで、上述した各実施例では、第1及
び第2の単位信号が矩形波形で、インパルス応答がデル
タ関数の場合について説明したが、第1及び第2の単位
信号の波形、及び、インパルス応答の波形は、矩形に近
い波形や、正弦波形や、滑らかな曲線部を有する波形や
、振幅や零クロス点の間隔が一定でない振動波形などを
含む任意の波形でも良い。これらの場合についても、上
述した各実施例の場合と同様の作用、効果がある。 【0416】さらに、参照信号として、エコーの波形と
同一、又は、これに類似の波形を有する信号を用いれば
、この発明と関連する特願平1−45316号及び特願
平1−86383号からわかるように、エコーの信号処
理は、エコーを整合フィルタ又は近似的整合フィルタに
通す信号処理を行うことに相当するので、S/N比をよ
り改善できる効果が、上述した作用、効果に奏上するこ
とが期待できる。これらの参照信号は、試験体の表面エ
コーや底面エコーの測定から求めてもよいし、検査対象
としている試験体とは別の試験体を用いた測定結果から
求めてもよいし、信号伝搬経路の周波数応答特性に基づ
いて算出しても構わない。 【0417】さらに、上述した各実施例では、試験体(
2)が丸棒で、その外周に沿って超音波探触子(1A)
、(1B)、(1C)、・・・を配した場合について説
明したが、試験体(2)の形状がどんな任意の形をして
いても、その形状に沿って配列した超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・の間で、1つの超音波
探触子(1L)から送信され、他の超音波探触子(1M
)で受信されたエコーの相関処理結果の加算結果は零に
なるので、上述した各実施例と同様の作用、効果がある
。また、超音波探触子(1A)、(1B)、(1C)、
・・・は斜角探触子でなく、垂直探触子であっても同様
である。 【0418】この発明の各実施例は、上述したように、
レンジサイドローブの無い合成圧縮パルスが得られ、ま
た、1つの超音波探触子(1L)から送信され他の超音
波探触子(1M)により受信された妨害エコーの影響を
排除できるという効果を奏する。 【0419】ところで、上記説明では、超音波探傷装置
に利用する場合について述べたが、その他の例えば超音
波診断装置などにも利用できることはいうまでもない。 【0420】また、上記説明では、超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・を試験体(2)に接触
させている場合について述べたが、超音波探触子(1A
)、(1B)、(1C)、・・・は接触させなくてもよ
い。この場合、超音波探触子(1A)、(1B)、(1
C)、・・・と試験体(2)との間の超音波の送受信は
、水などのカップリング媒体を介して行えばよい。 【0421】さらに、上記説明では、波動として、超音
波を用いる場合について述べたが、超音波以外の波動、
例えば、電磁波を用いるシステムの送受信回路系に適用
しても構わない。 【0422】 【発明の効果】この発明は、以上説明した通り、複数個
の出力端子を有し、Nを自然数、iを1からNまでの整
数、jを1から(N−1)までの整数とすると、第1か
ら第NまでのN個の系列を順次繰り返して配列したとき
、jを固定して、第i番目の系列と第(i+j)番目の
系列の相互相関関数をiが1からNまで加算すると加算
結果が零になり、かつ、上記第1から第Nまでの系列の
自己相関関数を加算するとサイドローブレベルが零とな
る第1から第Nまでの系列を発生するとともに、上記第
1から第Nまでの系列に基づいてそれぞれ生成される第
1から第Nまでの送信信号を発生し、上記第1から第N
の送信信号を、第k番目の上記出力端子から、第k、第
(k+1)、第(k+2)、・・・、第N、第1、第2
、・・・、第(k−1)、第k、・・・の順番にしたが
って順次繰り返して発生する送信信号発生手段と、上記
複数個の出力端子に対してそれぞれ設けられ、上記出力
端子からの上記送信信号により励振されて波動を対象物
に送信する複数個の送信手段と、上記対象物からのエコ
ーを受信する複数個の受信手段と、上記複数個の受信手
段のそれぞれに対して設けられ、上記第1から第Nまで
の系列にそれぞれ基づいて生成される第1から第Nまで
の参照信号を用いて、それぞれ、上記第1から第Nまで
の送信信号に対応する第1から第Nまでの上記エコーを
相関処理する複数個の相関手段と、上記複数個の相関手
段に対してそれぞれ設けられ、上記第1から第Nまでの
エコーに対応する上記相関手段の出力を加算する複数個
の加算手段とを備えたので、サイドローブレベルが零の
合成圧縮パルスを得られるとともに、妨害エコーが検査
結果に及ぼす影響を排除できる効果を奏する。
【図1】この発明の第1実施例を示すブロック図である
。
。
【図2】この発明の第1実施例の第1の単位信号を示す
波形図である。
波形図である。
【図3】この発明の第1実施例の第1の送信信号を示す
波形図である。
波形図である。
【図4】この発明の第1実施例の第2の送信信号を示す
波形図である。
波形図である。
【図5】この発明の第1実施例の第3の送信信号を示す
波形図である。
波形図である。
【図6】この発明の第1実施例の第4の送信信号を示す
波形図である。
波形図である。
【図7】この発明の第1実施例の4つの送信信号の繰り
返しを示す波形図である。
返しを示す波形図である。
【図8】この発明の第1実施例の4つの送信信号の繰り
返しを示す波形図である。
返しを示す波形図である。
【図9】この発明の第1実施例の第2の単位信号を示す
波形図である。
波形図である。
【図10】この発明の第1実施例の第1の参照信号を示
す波形図である。
す波形図である。
【図11】この発明の第1実施例の第2の参照信号を示
す波形図である。
す波形図である。
【図12】この発明の第1実施例の第3の参照信号を示
す波形図である。
す波形図である。
【図13】この発明の第1実施例の第4の参照信号を示
す波形図である。
す波形図である。
【図14】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図15】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図16】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図17】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図18】この発明の第1実施例のエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。
ルスを示す波形図である。
【図19】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図20】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図21】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図22】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図23】この発明の第1実施例のエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。
ルスを示す波形図である。
【図24】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図25】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図26】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図27】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図28】この発明の第1実施例のエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。
ルスを示す波形図である。
【図29】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図30】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図31】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図32】この発明の第1実施例のエコーの圧縮パルス
を示す波形図である。
を示す波形図である。
【図33】この発明の第1実施例のエコーの合成圧縮パ
ルスを示す波形図である。
ルスを示す波形図である。
【図34】この発明の第1実施例の作用、効果を説明す
るための波形図である。
るための波形図である。
【図35】この発明の第1実施例の作用、効果を説明す
るための波形図である。
るための波形図である。
【図36】この発明の第3実施例を示すブロック図であ
る。
る。
【図37】この発明の第3実施例の4つの送信信号の繰
り返しを示す波形図である。
り返しを示す波形図である。
【図38】従来の検査装置の構成を示す説明図である。
【図39】従来の検査装置の動作を示す波形図である。
(1A)〜(1H) 超音波探触子(2)
試験体 (3) 欠陥 (5) 送信信号発生器 (5A)〜(5H) 出力端子 (6A)〜(6H) 相関器 (7) 表示器 (8A)〜(8H) 加算器
試験体 (3) 欠陥 (5) 送信信号発生器 (5A)〜(5H) 出力端子 (6A)〜(6H) 相関器 (7) 表示器 (8A)〜(8H) 加算器
Claims (3)
- 【請求項1】 複数個の出力端子を有し、Nを自然数
、iを1からNまでの整数、jを1から(N−1)まで
の整数とすると、第1から第NまでのN個の系列を順次
繰り返して配列したとき、jを固定して、第i番目の系
列と第(i+j)番目の系列の相互相関関数をiが1か
らNまで加算すると加算結果が零になり、かつ、上記第
1から第Nまでの系列の自己相関関数を加算するとサイ
ドローブレベルが零となる第1から第Nまでの系列を発
生するとともに、上記第1から第Nまでの系列に基づい
てそれぞれ生成される第1から第Nまでの送信信号を発
生し、上記第1から第Nまでの送信信号を、第k番目の
上記出力端子から、第k、第(k+1)、第(k+2)
、・・・、第N、第1、第2、・・・、第(k−1)、
第k、・・・の順番にしたがって順次繰り返して発生す
る送信信号発生手段、上記複数個の出力端子に対してそ
れぞれ設けられ、上記出力端子からの上記送信信号によ
り励振されて波動を対象物に送信する複数個の送信手段
、上記対象物からのエコーを受信する複数個の受信手段
、これらの複数個の受信手段のそれぞれに対して設けら
れ、上記第1から第Nまでの系列にそれぞれ基づいて生
成される第1から第Nまでの参照信号を用いて、それぞ
れ、上記第1から第Nまでの送信信号に対応する第1か
ら第Nまでの上記エコーを相関処理する複数個の相関手
段、及びこれらの複数個の相関手段に対してそれぞれ設
けられ、上記第1から第Nまでのエコーに対応する上記
相関手段の出力を加算する複数個の加算手段を備えたこ
とを特徴とする検査装置。 - 【請求項2】 上記第1から第Nまでの系列を相補系
列に基づいて生成したことを特徴とする請求項1記載の
検査装置。 - 【請求項3】 上記第1から第Nまでの系列を複数補
系列に基づいて生成したことを特徴とする請求項1記載
の検査装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3036603A JP2675683B2 (ja) | 1991-02-07 | 1991-02-07 | 測定装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3036603A JP2675683B2 (ja) | 1991-02-07 | 1991-02-07 | 測定装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2675683B2 JP2675683B2 (ja) | 1997-11-12 |
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ID=12474375
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3036603A Expired - Fee Related JP2675683B2 (ja) | 1991-02-07 | 1991-02-07 | 測定装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0713090A1 (en) | 1994-11-18 | 1996-05-22 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Detecting method and a detecting device |
US6009755A (en) * | 1996-11-08 | 2000-01-04 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Ultrasonic transceiver displaying modified B scope |
WO2012029241A1 (ja) | 2010-09-01 | 2012-03-08 | パナソニック株式会社 | レーダ装置 |
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-
1991
- 1991-02-07 JP JP3036603A patent/JP2675683B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
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US6009755A (en) * | 1996-11-08 | 2000-01-04 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Ultrasonic transceiver displaying modified B scope |
WO2012029241A1 (ja) | 2010-09-01 | 2012-03-08 | パナソニック株式会社 | レーダ装置 |
JP2012052920A (ja) * | 2010-09-01 | 2012-03-15 | Panasonic Corp | レーダ装置 |
US9217790B2 (en) | 2010-09-01 | 2015-12-22 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Radar apparatus |
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