JPH04289296A - 中性紙の製造方法 - Google Patents

中性紙の製造方法

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JPH04289296A
JPH04289296A JP7395691A JP7395691A JPH04289296A JP H04289296 A JPH04289296 A JP H04289296A JP 7395691 A JP7395691 A JP 7395691A JP 7395691 A JP7395691 A JP 7395691A JP H04289296 A JPH04289296 A JP H04289296A
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Toru Katsura
桂 徹
Sueaki Senoo
季明 妹尾
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロモニトロアルコー
ル化合物を添加したカチオン澱粉、及びアルキルケテン
ダイマーを紙料に添加することを特徴とする、スライム
発生が少なく、サイズ性と人体に対する安全性に優れた
中性紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スライムは、微生物の作用により、抄紙
工程のパイプ、チェストの内壁など流速が遅くなる部分
の紙料中に発生する粘状物質であり、紙の異物、斑点な
ど外観に関する品質に悪影響を及ぼすのみならず、紙切
れ、プレス毛布の汚れ発生など操業性を阻害する原因に
もなるため、種々の方法でスライムの防除が図られてい
る。
【0003】これらの方法の中で最も効果的であるとさ
れているのは、化学薬剤を紙料に添加して微生物の生育
を抑制したり、殺菌したりする方法であるが、白水再利
用率の向上や工程pHの中性化に伴って、効果ある化学
薬品(スライムコントロール剤)の種類、添加位置など
の選択が難しくなってきている。また、スライムコント
ロール剤の多くは生物に悪影響を与える薬品であるため
、それを添加した紙の人体に対する安全性を考慮するこ
とも重要になって来ている。
【0004】従来からスライムコントロール剤としては
、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
チオンのような有機窒素硫黄化合物、2,2−ジブロモ
プロピオンアミドのような有機ブロム化合物、ジクロロ
イソシアネートのような有機窒素化合物などが、連続あ
るいは衝撃的に紙料に添加され使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のスライムコント
ロール剤を紙料に添加する方法では、微生物の栄養源と
なるカチオン澱粉を多量に添加し、微生物の生育に好適
なpH7.0〜8.5の中性域で紙を製造する中性紙製
造の場合には、十分なスライム防除効果の得られないこ
とが多かった。また、十分なスライム防除効果の得られ
るスライムコントロール剤であっても、添加によりアル
キルケテンダイマーのサイズ性に悪影響を及ぼしたり、
人体に対して危険性が高いなど、適当なスライムコント
ロール剤や防除方法を見いだすことは困難であった。
【0006】すなわち、本発明の目的はこれらの欠点を
有さないスライムコントロール剤を効率よく使用し、サ
イズ性と人体に対する安全性に優れた中性紙の製造方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、カチオン澱粉とアルキルケテンダイマ
ーを添加した紙料に対する、種々のスライムコントロー
ル剤のスライム防除効果、人体に対する安全性、及び紙
のサイズ性に対する影響について検討した結果、スライ
ムコントロール剤として化1(R1、R2=水素または
C1〜C2のアルキル基を表わす。)の式で表されるブ
ロモニトロアルコール化合物が優れていることを見いだ
した。さらに、スライムコントロール剤の添加方法につ
いて検討した結果、通常の紙料に添加する方法ではなく
、微生物に対する主要な栄養源であるカチオン澱粉に添
加すれば最もスライム防除効果の高いことを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0008】本発明の中性紙に使用するカチオン澱粉と
しては、とうもろこし、馬鈴薯、タピオカ、小麦などに
由来する澱粉の第3級アミン誘導体、あるいは第4級ア
ンモニウム塩を使用することが出来る。また、上記カチ
オン基より少ない量のアニオン基を含有する両性澱粉を
使用することも可能である。カチオン澱粉の添加量は、
紙料固形分に対し0.1〜3.0重量%の範囲が好まし
い。
【0009】本発明におけるアルキルケテンダイマーと
しては、例えば米国特許2,785,067号、米国特
許2,865,743号、特開昭52−40605号、
特開昭55−98997号、特開昭55−116898
号、特開昭55−132799号特開昭56−1019
98号等に記載されているようなアルキルケテンダイマ
ーを使用することが出来る。紙料固形分に対する添加量
は、通常0.05〜0.5重量%の範囲が良い。
【0010】本発明の化1式で表されるブロモニトロア
ルコール化合物としては、例えば2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオールからなるスライムコント
ロール剤などが使用でき、その添加量はパルプの種類、
叩解の程度、添加薬品の添加量などにより異なるが、固
形分に対し5〜500ppmの範囲が好ましい。添加方
法としては、まず固形分濃度が5%以下のカチオン澱粉
糊液にブロモニトロアルコール化合物を添加し、その糊
液を紙料に添加するのが良い。また、アルキルケテンダ
イマーを乳化分散する際のカチオン澱粉糊液に添加する
ことも可能である。
【0011】本発明の中性紙とは、pH7.0〜8.5
の中性域で製造する紙のことであり、通常抄紙で用いら
れる、染料、填料、定着剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力
増強剤、歩留まり向上剤などを必要に応じて添加するも
のとする。
【0012】本発明の中性紙は、印刷筆記用紙、連続伝
票用紙、電子写真用転写紙等の未塗工紙、コート紙、感
熱紙、感圧紙、インクジェット用紙等の原紙あるいは食
品包装用紙等サイズ性と供に人体に対する安全性を強く
必要とする用途に使用できる。
【0013】
【作用】本発明の化1式で表されるブロモニトロアルコ
ール化合物を添加したカチオン澱粉、及びアルキルケテ
ンダイマーを紙料に添加する方法により、スライム発生
が少なく、サイズ性と人体に対する安全性に優れた中性
紙を得ることが出来る。
【0014】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない
。以下における、部、%は全て重量によるものである。
【0015】実施例1 ろ水度350mlまで叩解したLBKPとろ水度450
mlまで叩解したNBKPを重量比で7:3混合して得
た、叩解パルプ100部に、沈降製炭酸カルシウム(T
P121、奥多摩工業社製)を10部、2−ブロモ−2
−ニトロプロパン−1,3−ジオール(パーマケムSL
−700、パーマケムアジア社製)を前もって澱粉糊液
固形分に対して300ppm添加したカチオン澱粉(ケ
イトF、王子ナショナル社製)を1.0部、アルキルケ
テンダイマーサイズ剤(SPK903、荒川化学社製)
を0.01部添加し、最後に工業用水を加え、固形分濃
度2.5%の紙料とした。まず、調製直後の紙料を用い
て坪量60g/m2の手すきシートを作製した。シート
の乾燥条件は、熱風乾燥機中で80℃、5分間とした。 このシートを試料1−1とする。また、この紙料の一部
を、32℃で7日間保存後、80メッシュの金網でろ別
し、ろ液のニンヒドリン反応を評価することによりスラ
イムコントロール剤の効力評価を行た。このろ液を紙料
1−2とする。
【0016】比較例1 実施例1で添加するカチオン澱粉をケイトFのみを1.
0部とし、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−
ジオールを紙料に、紙料固形分に対して30ppm添加
する以外は全て同一の方法で、手すきシート及びろ液を
得た。これらをそれぞれ試料2−1及び試料2−2とす
る。
【0017】比較例2 比較例1で2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−
ジオールの代わりに、5−クロロ−2−メチル−4−イ
ソチアゾリン−3−チオンを30ppm添加する以外は
、全て同一の方法で手すきシート及びろ液を得た。これ
らをそれぞれ試料3−1及び試料3−2とする。
【0018】比較例3 比較例1で2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−
ジオールの代わりに、2,2−ジブロモプロピオンアミ
ドを30ppm添加する以外は、全て同一の方法で手す
きシート及びろ液を得た。これらをそれぞれ試料4−1
及び試料4−2とする。以上の手すきシートとろ液の結
果をまとめて、それぞれ表1と表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】ここで、サイズ度はJIS  P  81
22に準じてステキヒト法により測定した値であり、他
の薬品が悪影響を及ぼさないとすると、アルキルケテン
ダイマーサイズ剤の添加量が0.1%の場合、20〜2
5秒の値が得られるはずである。
【0022】変異原性試験は、労働省労働基準局  基
発第261号(昭和60年5月18日)に準じ、各手す
きシートをベンゼン/エタノール(9/1、vol%)
で80℃、3時間抽出することにより得た抽出物に対し
、Salmonella  typyhimurium
  TA100を用いて、代謝活性化法によらない復帰
変異試験により行った。溶媒対照として用いたジメチル
スルホオキシドに比較して復帰変異コロニー数が2倍以
上に増加する場合を陽性とした。陽性の場合は、突然変
異誘起性を有する可能性が高いため、紙としての安全性
に問題がある。
【0023】ニンヒドリン反応は、ろ液10mlに1%
ニンヒドリン水溶液を0.5ml添加した際、液が赤紫
色に変化する程度により判定した。液が変色した場合を
+で表したが、この場合はスライムが発生していると考
えられる。
【0024】試料1−2と試料2−2の比較から、2−
ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを添加
したカチオン澱粉を紙料に添加することにより、通常の
添加方法に比べ、対紙料固形分で約10分の1と少ない
スライムコントロール剤添加量で優れたスライム防除効
果の得られることが明かである。
【0025】試料1−1と試料3−1あるいは試料4−
1の比較から、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,
3−ジオールのような化合物が人体に対する安全性にす
ぐれ、またサイズ性に対する悪影響の少ないスライムコ
ントロール剤であることが分かる。
【0026】これらの手すきシート試料にマシンカレン
ダー処理をして電子写真用転写紙を、試料表面に所定の
感熱塗液あるいはインクジェット用塗液を塗沫して感熱
紙あるいはインクジェット用紙を製造し、それぞれの印
字品質を評価した。いずれの試料においても、電子写真
用転写紙の印字品質、感熱紙の感度、インクジェット用
紙の吸収性に関し、問題は認められなかった。
【0027】
【発明の効果】以上から、本発明の方法すなわち、化1
式で表されるブロモニトロアルコール化合物を添加した
カチオン澱粉、及びアルキルケテンダイマーを紙料に添
加する方法により、スライム発生が少なく、サイズ性と
人体に対する安全性に優れた中性紙の得られることが明
かである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記化1で示されるブロモニトロアル
    コール化合物を添加したカチオン澱粉、及びアルキルケ
    テンダイマーを紙料に添加することを特徴とする中性紙
    の製造方法。 【化1】 (R1、R2=水素またはC1〜C2のアルキル基を表
    わす。)
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