JPH04281821A - セラミックス触媒による空気清浄化方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、悪臭物質やカビ，微細
菌等の雑菌類を含む空気をフェライト系セラミックス（
以下、セラミックス触媒という）により脱臭及び殺菌し
て清浄化する方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、悪臭の脱臭法としては、燃焼法，
薬液洗浄脱臭法，物理吸着剤又は化学吸着剤の使用によ
る方法，生物脱臭法，オゾン法，脱臭フィルター法など
、種々の方法が提案され実施されているが、多量のエネ
ルギーや高価な薬品類を多量に使用しなければならず、
コスト高となる欠点がある。

【０００３】また、殺菌方法としても、燃焼処理や薬品
による処理等各種の方法が提案されているが、人間や自
然の野生動物に対する安全性や殺菌能力に細心の注意を
払う必要があり、コスト的にも高くなる欠点がある。

【０００４】一般に病院，集会場，劇場，デパート，マ
ンション等多くの人間が集まる場所や室内等では、アン
モニア，硫化水素，二酸化硫黄，メチルメルカプタン等
の悪臭物質をはじめ、大気中の各種の粉塵や浮遊ダニ類
，浮遊細菌（カビ，バクテリヤ）等の雑菌類及び炭酸ガ
ス等を含んでおり、この汚れた空気を清浄化するために
、上記の脱臭装置と殺菌装置等の各種組合せ方法が提案
されている。

【０００５】その代表的な例として、フィルター方式で
は粉塵や細菌，煙等を除去するためのプレフィルター，
高性能フィルター，脱臭フィルターの３種の組合せ方式
のもの、また電気式ではプレフィルター，電気集塵装置
，脱臭フィルター等の組合せ方式のものがあるが、これ
らの方式である程度以上の清浄度を得るためには膨大な
装置が必要で、コスト高となり極めて不経済である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な悪臭物質と浮遊粉塵，浮遊ダニ類，浮遊細菌等の雑菌
類及び炭酸ガスを含む汚れた空気を比較的簡単なセラミ
ックス触媒を装着した装置と小量の薬品類の使用で、連
続的にほぼ完全に脱臭，殺菌及び除塵して空気清浄化す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明ほ、アンモニア，
硫化水素，二酸化硫黄及びメチルメルカプタン等の悪臭
物質を始め、浮遊ダスト，浮遊ダニ類，浮遊細菌（カビ
，バクテリヤ）等の雑菌類及び炭酸ガス等を含む病院，
集会場，劇場，デパート等多くの人間が集まる場所，室
内等で発牛する汚れた空気を、あらかじめセラミックス
触媒と接触させて活性化した塩素酸塩を含むアルカリ水
溶液と気−液接触させることにより、上記悪臭物質を酸
化分解，吸収して脱臭化させると共に、雑菌類やダニ類
を殺し、その死骸を浮遊ダスト類と共に補集して除去す
る空気清浄化方法を提供するものである。

【０００８】即ち、本発明は、悪臭物質や雑菌類等を含
む汚れた空気をセラミックス触媒により清浄化するに際
し、ＳｉＯ２．Ａｌ２Ｏ３及びＭｇＯを構造成分とし、
機能成分としてＭｎ，Ｆｅ，Ｔｉ，Ｃａ，Ｋ，Ｃｏ，Ｃ
ｕ，Ｃｒ，Ｎｉ，Ｓｎ，Ｂａ，Ｙ及びＧｄの酸化物の群
から選ばれる少なくとも３種をそれぞれ０．１ｗｔ％以
上含みかつ該機能成分としての金属酸化物の合計量が０
．３〜３０．０ｗｔ％であるセラミックス触媒を所定形
状に成形し、竪型反応塔内に装着した後、該反応塔を空
調回路に配設し、塩素酸塩とアルカリ剤を含むアルカリ
水溶液を該反応塔の上部から散布し、上記セラミックス
触媒と接触させて活性化させ、一方上記空気を該反応塔
の下部から送入して上記活性化されたアルカリ水溶液と
接触させることにより悪臭物質を酸化分解すると共に、
雑菌類，微生物類を殺菌，殺虫除去して清浄化し、該清
浄化された空気を空調回路に送入して循環させることを
特徴とするセラミックス触媒による悪臭物質及び雑菌類
を含む空気の清浄化方法である。次に、本発明法を詳細
に説明する。

【０００９】本発明者等は長期にわたる研究の結果、上
記のような構造成分と機能成分とから構成されるセラミ
ックス触媒を開発し、このセラミックス触媒が次亜塩素
酸ソーダ（ＮａＣｌＯ）とアルカリ剤を含むアルカリ水
溶液に触媒的に作用して、次亜塩素酸（ＨＣｌＯ），次
亜塩素酸イオン（ＣｌＯ−），一酸化塩素（Ｃｌ２Ｏ）
及びクローリンダイオキサイド（ＣｌＯ２）を生成せし
めることにより、これらが悪臭物質であるアンモニア，
硫化水素，二酸化硫黄及びメチルメルカプタン等を酸化
分解し、アルカリ剤と相まって無臭化させると共に、浮
遊ダニ類やバクテリヤ，微細菌等の雑菌類に作用して殺
菌，殺虫するとの知見を得、本発明をなすに至ったので
ある。

【００１０】上記の次亜塩素酸（ＨＣｌＯ），次亜塩素
酸イオン（ＣｌＯ−），一酸化塩素（Ｃｌ２Ｏ）及びク
ローリンダイオキサイド（ＣｌＯ２）は比較的安定で強
力な酸化力と殺菌力を有し、特に次亜塩素酸イオン（Ｃ
ｌＯ−）は上記触媒作用により容易に分解して発生期の
酸素を発生するため、次亜塩素酸イオン（ＣｌＯ−）と
相まって強力な酸化・殺菌作用を示すのである。

【００１１】上記アルカリ剤としては、苛性ソーダ，苛
性カリ，炭酸塩，Ｃａ化合物等があるが、溶解度や価格
的に苛性ソーダ（ＮａＯＨ）が良い。

【００１２】例えば、悪臭物質であるアンモニア（ＮＨ
３）の場合、次記の（１）〜（４）式に示すように、上
記セラミックス触媒の存在により次亜塩素酸と反応して
窒素（Ｎ２）まで酸化分解する。 　　　　ＮＨ３＋ＨＣｌＯ→ＮＨ２Ｃｌ＋Ｈ２Ｏ・・・
・・・（１）　　　　ＮＨ２Ｃｌ＋ＨＣｌＯ→ＮＨＣｌ
２＋Ｈ２Ｏ・・・・（２）　　　　ＮＨＣｌ２＋Ｈ２Ｏ
→ＮＯＨ＋２ＨＣｌ・・・・・・（３）　　　　ＮＨＣ
ｌ２＋ＮＯＨ→Ｎ２＋ＨＣｌ＋ＨＣｌＯ・・・（４）

【
００１３】また、炭酸ガス（ＣＯ２）は上記の酸化剤に
より酸化され、ＮａＯＨと反応して安定なＮａ２ＣＯ３
等を生成し、液中に固定されるものと考えられる。

【００１４】次に、ダニ類や雑菌類は上記の次亜塩素酸
（ＨＣｌＯ），次亜塩素酸イオン（ＣｌＯ−），一酸化
塩素（Ｃｌ２Ｏ）及びクローリンダイオキサイド（Ｃｌ
Ｏ２）により殺菌，殺虫され、その死骸は浮遊ダストと
共に反応塔内でアルカリ水溶液中に捕集される。

【００１５】本発明における竪型反応塔には、上記セラ
ミックス製の数段の棚状接触層（セラミックス触媒充填
層でもよい）が形成されており、あらかじめ所定濃度に
調整した含塩素酸塩アルカリ水溶液を塔上部からシャワ
ー状に散布してセラミックス触媒と接触させて活性化さ
せ、一方塔下部からは汚れた空気を送入して、活性化さ
れたアルカリ水溶液と交流式に気−液触媒させることに
より、上記の悪臭物質を酸化分解して無臭化させると共
に、ダニ類や雑菌類は殺菌，殺虫され、その死骸はダス
トと共にアルカリ水溶液中に捕集されて除去されるので
ある。

【００１６】上記の清浄化処理を数時間行ないながら空
調回路内を循環させることにより、目的とする室内の空
気は完全に清浄化されるのである。その脱臭率は９９〜
１００％であり、殺菌・殺虫率は９０〜１００％、除塵
率は９８〜９９％、脱ＣＯ２率は約９５％であり、反応
塔内の循環液量と通過ガス量との比（Ｌ／Ｇ）は予め予
備テストにより決定する。

【００１７】また、反応塔内を循環するアルカリ水溶液
は定期的に一部抜き出して浄液し、常に清浄な所定濃度
の含塩素酸塩のアルカリ水溶液の状態を保持する必要が
ある。

【００１８】本発明法によれば、簡単な装置で安価に目
的とする室内等の空気を清浄化することができる。次に
、本発明を実施例により説明する。

【００１９】

【実施例】本実施例で使用した反応塔はＰ．Ｐ．製で、
内径：０．６ｍφ、高さ：２．５ｍの竪型円筒状であり
、内部に次のような触媒層を４段に装着したものである
。

【００２０】触媒層としては、成分組成がＳｉＯ２：４
０．１０ｗｔ％，Ａｌ２Ｏ３：２３．３０ｗｔ％，Ｍｇ
Ｏ：１０．２０ｗｔ％，ＭｎＯ：１１．５０ｗｔ％，Ｆ
ｅ２Ｏ３：７．６０ｗｔ％，ＴｉＯ２：０．２０ｗｔ％
，ＣａＯ：０．２０ｗｔ％，ＣｏＯ：２．６０ｗｔ％，
ＣｕＯ：３．１０ｗｔ％，Ｃｒ２Ｏ３：０．６０ｗｔ％
，ＮｉＯ：０．５０ｗｔ％のセラミックスを格子状（棚
吊り用）とリング（外径１５ｍｍ，内径１３ｍｍ，肉厚
２ｍｍ，長さ２０ｍｍ）に製作し、各格子棚上に約５ｃ
ｍ厚にリングを搭載したものである。

【００２１】Ａ病院の無菌室（約１５ｍ×１０ｍ×３ｍ
）の空調用循環ファンの後方（無菌室前）回路に上記反
応塔内を１基配設し、含塩素酸塩アルカリ水溶液（Ｎａ
ＯＨ：１．０％、ＮａＣｌＯ：５０ｐｐｍ）を塔上部か
らシャワー状に散布し、下部から汚れた循環空気を送入
して、Ｌ／Ｇ（液−ガス比）を１：１０で交流循環させ
て１０時間運転後、無菌室内の空気をサンプリングして
、空気中の悪臭物質（ＮＨ３，Ｈ２Ｓ，ＳＯ２，メチル
メルカプタン），浮選ダニ類，カビ，バクテリア等の細
菌を含む雑菌類，浮遊ダスト及びＣＯ２を測定した。

【００２２】その結果、脱臭率は平均９９．８％，殺虫
・殺菌除去率９９．５％，除塵率９９．２％，及び脱Ｃ
Ｏ２率９５．０％であった。また、室内の悪臭は人間の
臭覚では全く感知できず、しかも室内の湿度は約７５％
に保たれていた。

【００２３】

【発明の効果】上記のように、本発明法によれば、特殊
なセラミックス触媒を装着した反応塔を病院の無菌室や
劇場，集会場，デパート等の空調回路内に配設し、塩素
酸塩とアルカリ剤を含むアルカリ水溶液を該セラミック
ス触媒と接触させて活性化させた後、空調内の循環空気
と気−液接触させることにより、脱臭，殺菌，除塵及び
脱ＣＯ２を高度になし得て、クリーン度の高い空気清浄
ができ、湿度調整もできて快適なコンディションを得る
ことができる。

【００２４】しかも、本発明におけるセラミックス触媒
は触媒として安定しており、長時間の使用が可能で、そ
の形状も用途に応じて各種形状に容易に作製できる。

【００２５】また、本発明法では使用する薬品も小量で
済み、装置の設備費も比較的安価であるので、従来法に
比較してコスト安で高度に空気清浄化ができる等の利点
がある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　悪臭物質や雑菌類等を含む汚れた空気
   をセラミックス触媒により清浄化するに際し、ＳｉＯ２
   ，Ａｌ２Ｏ３及びＭｇＯを構造成分とし、機能成分とし
   てＭｎ，Ｆｅ，Ｔｉ，Ｃａ，Ｋ，Ｃｏ，Ｃｕ，Ｃｒ，Ｎ
   ｉ，Ｓｎ，Ｂａ，Ｙ，及びＧｄの酸化物の群から選ばれ
   る少なくとも３種をそれぞれ０．１ｗｔ％以上含みかつ
   該機能成分としての金属酸化物の合計量が０．３〜３０
   ．０ｗｔ％であるセラミックス触媒を所定形状に成形し
   、竪型反応塔内に装着した後、該反応塔を空調回路に配
   設し、塩素酸塩とアルカリ剤を含むアルカリ水溶液を該
   反応塔の上部から散布し、上記セラミックス触媒と接触
   させて活性化させ、一方上記空気を該反応塔の下部から
   送入して上記活性化されたアルカリ水溶液と接触させる
   ことにより悪臭物質を酸化分解すると共に雑菌類を殺菌
   除去して清浄化し、該清浄化された空気を空調回路に送
   入して循環させることを特徴とするセラミックス触媒に
   よる空気清浄化方法。