JP5313874B2 - アレルゲン不活性化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、アレルゲン不活性化剤(以下、単に「不活性化剤」ともいう)に関する。詳しくはアレルゲンに接触させることによりその抗原性を低下させ、これによりアレルギーの発現を予防したり、アレルギー症状を緩和するアレルゲン不活性化剤に関する。
周知の通り、アレルギー症状を引き起こす原因となる物質をアレルゲンあるいは抗原ともいう。花粉やカビ・カビの胞子・ダニの死骸・ダニの糞などのハウスダストがアレルゲンとなるが、これら異物から身体を守るため、通常なら生体にとって有利に働くはずの免疫反応(自己防衛反応)が、不利に働いて生じるのがアレルギー症状である。社会生活、日常生活で過度に神経を使い、ストレスを感じる生活を続けていると、次第に自律神経の働きやホルモンバランスを崩してしまう。こういう状態はアレルギーを起こしやすい状態だといわれているが、その他にも、例えば密閉された住居環境の中では、アレルゲンの大きな割合を占めるハウスダストの量を増やしてしまい、アレルギー症状を引き起こしやすい要因となっている。
これまでのアレルギー対策、例えば花粉症対策としては、密閉効果の高いマスクやゴーグルを着用したり、あるいは集塵機や空気清浄機を使用して花粉を除去し、花粉と接触する機会を最小限にとどめる方法が採られていた。アレルギー症状が出た場合は、鼻や目を洗浄したり、症状を緩和する治療薬を投与していた。治療薬の使用は一時的な症状の抑制にすぎず、発症のたびに投薬する必要があり、副作用を引き起こす虞がある。
最近では、例えば花粉症を予防する方法として、加熱条件下で、アルカリ・酸・プロテアーゼにより花粉症アレルゲンを処理する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−89673号公報
本発明者は、アレルゲンそのものを不活性化させる、或いは、アレルゲンの抗原性を低下させることにより、アレルギーの発現を予防、および、アレルギー症状を緩和できないかと鋭意研究した結果、二酸化塩素がアレルゲンの抗原性を低下させることを発見し、本発明に至った。
本発明のアレルゲン不活性化剤の第一特徴構成は、アレルゲンに接触させることによりその抗原性を低下させ、これによりアレルギーの発現を予防し、あるいは症状を緩和するアレルゲン不活性化剤であって、溶存二酸化塩素を有効成分として含み、さらに亜塩素酸塩として亜塩素酸ナトリウムおよびpH調整剤としてリン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物を含有し、亜塩素酸ナトリウムが二酸化塩素に変わる反応の過剰な進行を抑制し、使用時の二酸化塩素濃度を0.05〜1ppmとする点にある。
本発明のアレルゲン不活性化剤の第二特徴構成は、前記pH調整剤によってpHを4.5〜6.5とした点にある。
本発明のアレルゲン不活性化剤によれば、アレルゲンそのものを不活性化させる、或いは、アレルゲンの抗原性を低下させるため、花粉やハウスダストによるアレルギーの発現を予防し、アレルギー症状を緩和することができる。
は、Cry j1の検量線を示したグラフを示す図であり、 は、Cry j1抗原性に対する溶存二酸化塩素の効果(調製例1で得た二酸化塩素水溶液を用いた場合)を示したグラフを示す図であり、 は、Cry j1抗原性に対する溶存二酸化塩素の効果(調製例2で得た二酸化塩素水溶液を用いた場合)を示したグラフを示す図であり、 は、溶存二酸化塩素によるCry j1抗原性低下作用(不活性化作用)の時間的変化を示したグラフを示す図であり、 は、Der fIIの検量線を示したグラフを示す図であり、 は、Der fII抗原性に対する溶存二酸化塩素の効果(調製例1で得た二酸化塩素水溶液を用いた場合)を示したグラフを示す図であり、 は、Der fII抗原性に対する溶存二酸化塩素の効果(調製例2で得た二酸化塩素水溶液を用いた場合)を示したグラフを示す図であり、 は、実験中における100Lテドラーバッグ内の二酸化塩素ガス濃度を示すグラフを示す図であり、 は、凍結乾燥させたCry j1抗原性に対する二酸化塩素ガスの効果を示したグラフを示す図であり、 は、実験中における100Lテドラーバッグ内の二酸化塩素ガス濃度を示すグラフを示す図であり、 は、凍結乾燥させたDer f II抗原性に対する二酸化塩素ガスの効果を示したグラフを示す図であり、 は、Alt a 1の検量線を示したグラフを示す図であり、 は、Alt a 1抗原性に対する溶存二酸化塩素の効果(調製例1で得た二酸化塩素水溶液を用いた場合)を示したグラフを示す図であり、 は、Alt a 1抗原性に対する溶存二酸化塩素の効果(調製例2で得た二酸化塩素水溶液を用いた場合)を示したグラフを示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
本発明は、アレルゲンに接触させることによりその抗原性を低下させ、これによりアレルギーの発現を予防し、あるいは症状を緩和するアレルゲン不活性化剤であって、二酸化塩素を有効成分として含有する。
(アレルゲン)
本発明の不活性化剤によって処理され得るアレルゲンとしては、例えばスギ花粉(Cry j1、Cry j2)、ヒノキ花粉(Cha o1、Cha o2)、ブタクサ花粉(Amb a1)、ソバ花粉、ハウスダスト(カビ、カビの胞子、ダニ(DerfIIなど)の死骸、ダニの糞など)が挙げられる。
尚、例えばスギ花粉症は、外部から鼻や目あるいは咽喉の粘膜に着床したスギ花粉により引き起こされるものであるが、花粉そのものが抗原となるのではなく、花粉の表面に存在する花粉症アレルゲンCry j1や花粉内部に存在する花粉症アレルゲンCry j2によって引き起こされる。本発明のアレルゲン不活性化剤は、これらアレルゲンの抗原性を低下させる。
(二酸化塩素液剤の調製例)
本発明のアレルゲン不活性化剤は、溶存二酸化塩素(二酸化塩素液剤)を有効成分として含有する。保存安定性を向上させるために、亜塩素酸塩とpH調製剤(緩衝性のある酸またはその塩)を配合することが好ましい。
亜塩素酸塩は、例えば、亜塩素酸アルカリ金属塩や亜塩素酸アルカリ土類金属塩が挙げられる。亜塩素酸アルカリ金属塩としては、例えば亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチウムが挙げられる。亜塩素酸アルカリ土類金属塩としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸バリウムが挙げられる。
特に、入手が容易という理由のみならず、溶存二酸化塩素の長期的な(優れた)保存安定性の点から、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムが好ましく、亜塩素酸ナトリウムが最も好ましい。
pH調整剤は、25℃における5%水溶液のpHが2.5〜6.8となる緩衝性のある酸(無機酸、有機酸)またはその塩であることが好ましい。前記pHが2.5未満、および、6.8を超える場合、溶存二酸化塩素の保存安定性が低下し、保存中における二酸化塩素液剤の液性(pH)の変動が大きくなる。25℃における5%水溶液のpHが3.5〜6.0となる緩衝性のある酸(無機酸、有機酸)またはその塩を使用することが好ましく、pH4.0〜5.5であることがさらに好ましい。
pH調整剤は、具体的には、リン酸、ホウ酸、メタリン酸、ピロリン酸、スルファミン酸、酢酸などが挙げられる。またその塩としては、例えば、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物などが挙げられる。
特に、保存安定性に優れ、保存中における液性(pH)の変動を最小限に抑えることができ、それゆえ、優れた抗原性の低下作用を発揮するという点で、リン酸またはその塩を使用することが好ましく、リン酸二水素ナトリウムを使用することがさらに好ましい。
尚、pH調整剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。また、最終的に得られる純粋二酸化塩素液剤のpHは4.5〜6.5とすることが、長期にわたる保存安定性に優れ、保存中のpH変動も少ないという理由で好ましく、5.5〜6.0とすることがさらに好ましい。
尚、本明細書における「純粋二酸化塩素液剤」とは、二酸化塩素が二酸化塩素ガスとして存在するものを意味する。
アレルゲンの抗原性を低下させる二酸化塩素濃度としては、例えば0.05ppm〜1ppmであることが好ましく、0.1ppm〜1ppmであることがさらに好ましく、0.1ppm〜0.6ppmであることがさらに好ましい。1ppmを超えると安全性に問題が生じる可能性が生じ、0.05ppm未満の場合は、期待するほどの効果が得られない可能性が生じる。
使用形態としては、鼻洗浄液や洗眼液として、あるいは点眼液や点鼻液(鼻炎スプレー)、咽喉用スプレーや咽喉用塗布剤、含嗽剤として使用可能である。すなわち、溶存二酸化塩素によりアレルゲンを不活性化し、洗浄液として洗い流すことによりアレルゲン量を閾値以下とすることで、アレルギーの発現を予防したり、アレルギー症状を緩和することが可能となる。具体的には、例えば濃度0.1ppm〜0.6ppmの溶存二酸化塩素(二酸化塩素水溶液)を、例えば鼻洗浄液や洗眼液、含嗽剤などの外用として、適量を1日3〜6回使用すればよい。
また、従来公知の方法に従って発生させた二酸化塩素のガスを、本発明のアレルゲン不活性化剤として用いることもできる。
アレルギーは、空気中に浮遊するアレルゲンを吸い込むことによって発現することが多いことから、本発明の不活性化剤を住環境改善の用途に使用することもできる。すなわち、溶存二酸化塩素液剤を建物の中あるいは室内にて霧状・ミスト状に噴霧し、あるいは二酸化塩素ガスを住環境に放散することにより当該環境に居る人のアレルギーの発現を予防したり、アレルギー症状を緩和することができる。霧状に噴霧する方法としては、超音波を用いた霧化機器を用いる方法、遠心式霧化機器を用いる方法(モーターの遠心力により霧状にする方法)、エアゾール噴射剤を用いる方法、エアーフォグを用いる方法(コンプレッサーで加圧した圧縮空気と一緒に霧状にして噴霧する方法)など、従来公知の方法を使用することができる。
本発明のアレルゲン不活性化剤に亜塩素酸塩とpH調製剤(緩衝性のある無機酸またはその塩)が配合されている場合、溶存二酸化塩素濃度を長期間一定に保持でき、前記不活性化剤から二酸化塩素が少しずつガスとして放出され続けても、あるいは積極的に二酸化塩素ガスを放出し続けても、該不活性化剤における二酸化塩素濃度を略一定の範囲内に保持させることができるといった優れた保存安定性が得られる。
ここでいう「少しずつガスとして放出され続ける」とは、例えば搬送中あるいは保存中、閉蓋していても二酸化塩素がガスとして自然に抜け出てしまうことを意味し、「積極的に二酸化塩素ガスを放出し続ける」とは、アレルゲンの抗原性を低下させる作用を期待すべく、液中に溶存させたガスを大気中に放散することを意味する。
緩衝性のある無機酸またはその塩として、リン酸またはその塩を使用した場合、その他の無機酸や有機酸を使用する場合と比べ、保存安定性がさらに向上し(保存安定期間がさらに延長され)、また保存中における液性(pH)の経時的な揺れ(変動)も小さくなるといった作用効果を奏する。
また、数ある無機酸またはその塩のうち、リン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物を選択し、これを亜塩素酸ナトリウムと組み合わせて用いることにより、亜塩素酸ナトリウムが二酸化塩素に変わる反応の過剰な進行が極めて起こり難くなる。そのため、自然分解や容器の蓋部分あるいは容器の壁面からの放散によって失われる二酸化塩素のみが亜塩素酸ナトリウム由来の亜塩素酸イオンから補充されるというガス平衡状態が保たれる。このように、亜塩素酸ナトリウムの不要な消耗が抑制され、亜塩素酸ナトリウムが効率的に消費されるので、保存安定性がさらに向上し(延長され)、また保存中における二酸化塩素濃度の経時的な揺れ(変動)がさらに小さくなる(濃度の低下のみならず、濃度の上昇も抑制される)。
また、この不活性化剤における、亜塩素酸ナトリウムから二酸化塩素を長期に亘って補給するメカニズムは、当該液剤を塗布、噴霧あるいは放散した空間や被対象物上でも発現する。これは、前記不活性化剤を塗布、噴霧あるいは放散した後のアレルゲン不活性化作用(抗原性低下作用)が長く続くという優れた持続効果を使用者にもたらすので、使用上の大きなメリットを提供することができる。
本発明の一実施例を以下に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(調製例1)
従来公知の方法に従って二酸化塩素水溶液を得た。すなわち、酸を用いて発生させた二酸化塩素ガスを取り出して(例えばバブリング法により)水に溶存させ、これにより二酸化塩素水溶液1000mlを得た。
(調製例2)
次のようにして二酸化塩素水溶液を調製した。すなわち、二酸化塩素ガス2000ppm溶存水250mlに水680mlと亜塩素酸ナトリウム25%溶液80mlを加えて撹拌し、次にこの溶液のpHが5.5〜6.0となる量のリン酸二水素ナトリウムを加えて撹拌して、溶存二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、及びリン酸二水素ナトリウムからなる二酸化塩素水溶液1000mlを得た。
(スギ花粉アレルゲン(Cry j1)に対する実験)
上記調製例1および調製例2で得た二酸化塩素水溶液を、常法に従って希釈した各種濃度の液(調製例1;5濃度(0.1ppm、0.5ppm、1ppm、5ppm、10ppm)、調製例2;5濃度(0.1ppm、0.5ppm、1ppm、5ppm、10ppm))を用いて、スギ花粉アレルゲンの1つであるCry j1に対する影響について検討した。なお、蒸留水をコントロールとして用いた。
(実験内容<概要>および結果<要約>)
スギ花粉抗原の定量法を確立するために、ELISA法(酵素免疫測定法)を用いてスギ花粉Cry j1(林原生物化学研究所)の定量用検量線を作成した(図1参照)。図1に示すように、Cry j1濃度と吸光度は直線関係(R=0.999)を示した。
次に、精製されたCry j1に対し、調製例1および調製例2で得た二酸化塩素水溶液をさまざまな濃度で10分間反応させ、ELISA法を用いて測定した。その結果、調製例1で得た二酸化塩素水溶液および調製例2で得た二酸化塩素水溶液(0.1ppm)ともに、コントロールの蒸留水と比較して、Cry j1の抗原性は有意に低くなった。さらに、Cry j1に調製例1および調製例2で得た二酸化塩素水溶液(濃度0.5ppm)を反応させ、このときのCry j1の抗原性の時間的変化について検討した。その結果、調製例1で得た二酸化塩素水溶液および調製例2で得た二酸化塩素水溶液(0.5ppm)ともに、添加15秒後にはCry j1の抗原性は検出限界以下になった。一方、水道水の効果はわずかであった。以下に詳述する。
(実験方法と結果<詳細>)
Cry j1に対する二酸化塩素の有効性を検討するために、抗Cry j1マウスモノクローナル抗体No.013(anti-Cry j1 mAb 013(林原生物化学研究所))と酵素標識抗Cry j1マウスモノクローナル抗体No.053(Peroxidase conjugated anti-Cry j1 mAb053(林原生物化学研究所))を使用した酵素免疫測定法によるCry j1の定量法を確立した。
はじめに、固相用抗体(anti-Cry j1 mAb 013)をPBSで10μg/mlに希釈し、96ウエルマイクロプレート(ヌンク−イムノプレート、Maxisorp F96 CERT, Nunc)に1ウエルにつき100μlずつ加え、室温で2.5±0.5時間静置した。その後、固相抗体溶液を除去し、0.1%BSA含有PBSを1ウエルにつき250μlずつ加え、4℃で一晩静置した。プレートから0.1%BSA(SIGMA)含有PBSを除去し、調整した標準溶液および検液を1ウエルにつき100μlずつ加え、室温で1.5±0.5時間静置した。その後、標準溶液および検液をプレートから除去し、250μlのTween20含有PBSにより洗浄した(×3回)。続いて、酵素標識抗体(Peroxidase conjugated anti-Cry j1 mAb053)を0.1%BSA含有PBSで1000倍希釈し、1ウエルにつき100μlずつ加え、室温で2.0±0.5時間静置した。酵素標識抗体をプレートから除去し、Tween20含有PBSで洗浄を3回行なった。基質溶液(0.1Mクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0)(0.1Mクエン酸・リン酸緩衝液:クエン酸・1水和物7.0 g、リン酸水素2ナトリウム・12水和物23.9gに水を加えて溶解し、HCLでpH5.0に調整後、水で1000mLにし、フィルター滅菌したもの)10mLに対してo−フェニレンジアミン5mg、30%過酸化水素水10μLを加える)を調整し、1ウエルにつき100μlずつ加え、3〜5分間静置した。2N硫酸を1ウエルにつき100μlずつ加え、酵素反応を停止し、硫酸添加後30分以内にプレートリ−ダーでA492の吸光度を測定した。
尚、各濃度の二酸化塩素水溶液(調製例1で得たもの、及び調製例2で得たもの)は最終濃度5μg/mlの精製Cry j1(Japanese Cedar Pollen Allergen Cry j1, Purified)と反応させた。Cry j1 に0.1ppm〜10ppmの調製例1で得た二酸化塩素水溶液、0.1ppm〜10ppmの調製例2で得た二酸化塩素水溶液、4市(吹田市、大阪市、豊中市、京都市)の水道水を加え、10分後0.1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて中和した。この反応液を0.1%BSA含有PBSで約16.0ng/mlとなるように希釈し、これを検液とした。また、コントロールには、蒸留水を用いた。
結果を図2および図3に示す。これらの図から分かるように、5μg/mlのCry j1に0.1ppmから10ppmまでの調製例1および調製例2で得た二酸化塩素水溶液を反応させたところ、コントロールの蒸留水と比較して、0.5ppmの二酸化塩素水溶液の添加により、Cry j1の抗原性は顕著に低くなった。また、0.1ppmの調製例1および調製例2で得た二酸化塩素水溶液を用いた場合においても抗原性は有意に低下した。一方、4市の水道水の効果はわずかであった。
さらに、二酸化塩素水溶液のCry j1の抗原性におよぼす時間的な影響について調べた。5μg/mlのCry j1に調製例1および調製例2で得た二酸化塩素水溶液(濃度0.5ppm)および4市(吹田市、大阪市、豊中市、京都市)の水道水を反応させ、この反応液を16.0ng/mlとなるように希釈し、これを検液とした。また、コントロールは、蒸留水を用いた。
その結果、図4に示すように、蒸留水と比較して、調製例1で得た二酸化塩素水溶液および調製例2で得た二酸化塩素水溶液ともに、添加直後からCry j1の抗原性の顕著な低下が認められた。水道法に基づく水質管理目標設定項目では二酸化塩素濃度が0.6mg/L(ppm)以下であることが定められているが、この値以下での二酸化塩素の有効性を示すことができれば、安全性の問題を水道水と同等レベルとみなすことができる。一方で、現在の通常の水道水自体に0.5ppmの二酸化塩素水溶液と同等な抗原性を低下させる能力があれば、二酸化塩素の有用性は考えにくい。そこで、塩素処理されている4市(吹田市、大阪市、豊中市、京都市)の水道水を用いて、同様に検討を行なったが、その効果はわずかでしかなかった。
以上の結果から、0.1ppmの二酸化塩素水溶液により、Cry j1の抗原性が十分低下すること、また0.5ppmの二酸化塩素水溶液では、瞬時にCry j1の抗原性が低下し、さらにこの効果は水ではみられないことが明らかとなった。
(ダニアレルゲン(Der fII)に対する実験)
スギ花粉アレルゲンに続き、ダニアレルゲンの1つであるDer Fii(アサヒビール)に対する二酸化塩素水溶液の効果について検討した。
(実験内容<概要>および結果<要約>)
ダニ抗原の定量法を確立するために、ELISA法(酵素免疫測定法)を用いてDer fIIの定量用検量線を作成した。Der fII濃度と吸光度は直線関係(R=0.999)を示した(図5)。次に、精製されたDerfIIにさまざまな濃度の二酸化塩素水溶液を10分間反応させ、ELISA法を用いて測定した。その結果、コントロールの蒸留水と比較して、二酸化塩素水溶液の添加により、Der fIIの抗原性は有意に低くなった。以下に詳述する。
(実験方法と結果<詳細>)
Der fIIに対する二酸化塩素の有効性を検討するために、抗Der fIIマウスモノクローナル抗体No.15E11(アサヒビール)とHRP標識抗Der fIIマウスモノクローナル抗体No.13A4(アサヒビール)を使用した酵素免疫測定法によるDer fIIの定量法を確立した。
はじめに、固相用抗体(抗Der fIIモノクローナル抗体15E11)をPBSで4ng/mlに希釈し、96wellマイクロプレート(ヌンク−イムノプレート、Maxisorp F96 CERT, Nunc)に1wellにつき50μlずつ加え、室温で2.0±0.5時間静置した。その後、固相抗体溶液を除去し、200μlのPBSにより洗浄した(×3回)。続いて、0.1%BSA(SIGMA)含有PBSを1wellにつき200μlずつ加え、4℃で一晩静置した。プレートから0.1%BSA含有PBSを除去し、調整した標準溶液および検液を1wellにつき50μlずつ加え、室温で2.0±0.5時間静置した。その後、標準溶液および検液をプレートから除去し、200μlのTween20含有PBSにより洗浄した(×3回)。続いて、酵素標識抗体(HRP標識抗Der fIIモノクローナル抗体13A4)をTween20含有PBSで0.5μg/mlに希釈し、1wellにつき50μlずつ加え、室温で2.0±0.5時間静置した。酵素標識抗体をプレートから除去し、Tween20含有PBSで洗浄を3回行なった。基質溶液(0.1Mクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0)(0.1Mクエン酸・リン酸緩衝液:クエン酸・1水和物7.0 g、リン酸水素2ナトリウム・12水和物23.9gに水を加えて溶解し、HCLでpH5.0に調整後、水で1000mLにし、フィルター滅菌したもの)10mLに対してo−フェニレンジアミン5mg、30%過酸化水素水10μLを加える)を調整し、1wellにつき100μlずつ加え、3〜5分間静置した。2N硫酸を1wellにつき100μlずつ加え、酵素反応を停止し、硫酸添加後30分以内にプレートリ−ダーでA492の吸光度を測定した。
尚、各濃度の二酸化塩素水溶液および水道水は最終濃度5μg/mlの精製ダニ抗原Der fIIと反応させた。Der fIIに40ppm〜0.5ppmの二酸化塩素水溶液を加え、10分後1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて中和した。この反応液をTween20含有PBSで約4.0ng/mlとなるように希釈し、これを検液とした。また、コントロールには、二酸化塩素水溶液と等量の蒸留水を加えた。
5μg/mlのDer fIIに40ppmから0.5ppmまでの調整例1で得た二酸化塩素水溶液を反応させたところ、コントロールの蒸留水と比較して、1ppmの二酸化塩素水溶液の添加によりDer fIIの抗原性は顕著に低くなり、また抗原性の低下は0.5ppmの二酸化塩素水溶液においても見られた(図6)。次に、5μg/mlのDer fIIに40ppmから0.5ppmまでの調整例2で得た二酸化塩素水溶液を反応させたところ、コントロールの蒸留水と比較して、0.5ppmの二酸化塩素水溶液の添加により、Der fIIの抗原性は低下した(図7)。
以上の結果から、二酸化塩素水溶液により、Der fIIの抗原性が十分低下することが明らかとなった。
(二酸化塩素ガスによる抗原性低下の効果実験)
Cry j1について、二酸化塩素水溶液に続き、二酸化塩素ガスによる抗原性低下の効果について検討した。
(実験内容<概要>および結果<要約>)
凍結乾燥した精製Cry j1に、平均0.08ppmの二酸化塩素ガスを24時間反応させ、ELISA法を用いて測定した。その結果、コントロールの空気と比較して、0.08ppmの二酸化塩素ガスにより、Cry j1の抗原性は低下した。また、湿度を上げると、抗原性はより低下した。以下に詳述する。
(実験方法と結果<詳細>)
凍結乾燥したCry j1に対する二酸化塩素ガスの影響について調べる目的で、10μg/mlの濃度になるようPBSで調整した精製Cry j1の10mlを0.2μLのチューブに入れ、−30℃で凍結させたのち、吸引デシケーターを用いて一晩凍結乾燥を行った。
湿度のコントロールは寒天を用いて行い、100Lのテドラーバッグ内が0.1ppmになるようにシリンジを用いて発生させた二酸化塩素溶液を入れ、クロス十字回転子(外径60mm×高さ17mm)を用いてバッグ内の空気を撹拌させた。同様にバッグに蒸留水を入れたものをコントロールとした。バッグを24℃の環境下に置き、バッグ内の二酸化塩素ガス濃度を二酸化塩素ガス測定器(Model 4330-SP,Interscan;測定範囲0〜1000ppb)を用いて測定し、0.1ppmより低い場合は発生させた二酸化塩素溶液を追加して調整した。
24時間後、バッグからCry j1の入ったチューブを取り出し、そこに100μlのPBSを加えて1μg/mLの溶液に調整した。さらにこの液を0.1%BSA含有PBSで約32.0ng/mlとなるように希釈し、ELISA法により測定した。
100Lテドラーバッグ内の二酸化塩素ガス濃度は、平均80ppbであった(図8)。凍結乾燥させたCry j1に0.1ppmの二酸化塩素ガスを24時間反応させたところ、コントロールの空気と比較して、Cry j1の抗原性は顕著に低くなった(図9)。また、相対湿度が高い方が抗原性はより低下した。
(二酸化塩素ガスによる抗原性低下の効果実験)
Der f IIについて、二酸化塩素水溶液に続き、二酸化塩素ガスによる抗原性低下の効果について検討した。
(実験内容<概要>および結果<要約>)
凍結乾燥した精製Der f IIに、0.1ppmの二酸化塩素ガスを24時間反応させ、ELISA法を用いて測定した。その結果、コントロールの空気と比較して、0.1ppmの二酸化塩素ガスにより、Der f IIの抗原性は低下した。また、湿度を上げると、抗原性はより低下した。以下に詳述する。
(実験方法と結果<詳細>)
凍結乾燥したDer f IIに対する二酸化塩素ガスの影響について調べる目的で、10μg/mlの濃度になるようPBSで調整した精製Der f II10μlを0.2mLのチューブに入れ、−30℃で凍結させたのち、吸引デシケーターを用いて一晩凍結乾燥を行なった。
湿度のコントロールには飽和塩法を用いた。フトンバッグに、目的の湿度になるように塩または水を入れたタッパーを置いておき、次の日そのバッグ内に凍結乾燥したDer f IIと湿度計を入れた100Lのテドラーバッグをセットした。また、二酸化塩素を入れるテドラーバッグにはアルミ箔で遮光した。あらかじめ5Lテドラーバッグで、濃い二酸化塩素ガスを発生させておき、次の日に0.1ppmになるようにシリンジを用いて濃い二酸化塩素ガスを100Lのテドラーバッグに入れ、クロス十字回転子(外径60mm×高さ17mm)を用いてバッグ内の空気を撹拌させた。同様にバッグに空気を入れたものをコントロールとした。バッグを24℃の環境下に置き、バッグ内の二酸化塩素ガス濃度を検知管(二酸化塩素検知管(No.23M;測定範囲0.1〜10ppm,No.23L;測定範囲0.025〜1.2ppm,GASTEC)により測定し、0.1ppmより低い場合は、発生させた二酸化塩素ガスを追加して調整した。
24時間後、バッグからDer f IIの入ったチューブを取り出し、そこに100μlのPBSを加えて1μg/mLの溶液に調整した。さらにこの液をT−PBSで約8ng/mlとなるように希釈し、ELISA法により測定した。
100Lテドラーバッグ内の二酸化塩素ガス濃度は、平均0.09ppmであった(図10)。凍結乾燥させたDerf IIに0.1ppmの二酸化塩素ガスを24時間反応させたところ、コントロールの空気と比較して、Der f IIの抗原性は顕著に低くなった(図11)。また、相対湿度が高い方が抗原性はより低下した。
(カビアレルゲン(Alt a 1)に対する実験)
スギ花粉アレルゲン(Cry j1)、ダニアレルゲン(Der f II)に続き、カビアレルゲンの一つである Alt a 1対する二酸化塩素水溶液の効果について検討した。
(実験内容<概要>および結果<要約>)
カビ抗原の定量法を確立するために、ELISA法(酵素免疫測定法)を用いてAlt a 1の定量用検量線を作成した(図12)。図12に示すとおり、Alt a 1濃度と吸光度は直線関係(R2=0.994)を示した。次に、精製されたAlt a 1にさまざまな濃度の二酸化塩素水溶液を10分間反応させ、ELISA法を用いて測定した。その結果、コントロールの蒸留水と比較して、二酸化塩素水溶液の添加により、Alt a 1の抗原性は有意に低くなった。以下に詳述する。
(実験方法と結果<詳細>)
Alt a 1(INDOOR biotechnologies)に対する二酸化塩素の有効性を検討するために、抗Alt a 1マウスモノクローナル抗体121(INDOOR biotechnologies)とビオチニル化抗Alt a 1マウスモノクローナル抗体121(INDOOR biotechnologies)を使用した酵素免疫測定法によるAlt a 1の定量法を確立した。
はじめに、固相用抗体(抗Alt a 1マウスモノクローナル抗体121)を50mM Carbonate-bicarbonate(pH9.6)で2μg/mlに希釈し、96wellマイクロプレート(ヌンク−イムノプレート、Maxisorp F96 CERT, Nunc)に1wellにつき100μlずつ加え、4℃で一晩静置した。その後、固相抗体溶液を除去し、250μlの0.05% T−PBSにより洗浄した(×3回)。続いて、1%BSA(SIGMA)含有T−PBSを1wellにつき100μlずつ加え、30分間静置した。次にプレートから1%BSA含有T−PBSを除去し、250μlの0.05% T−PBSにより洗浄した(×3回)。調整した標準溶液および検液を1wellにつき100μlずつ加え、室温で1時間静置した。その後、標準溶液および検液をプレートから除去し、250μlの0.05% T−PBSにより洗浄した(×3回)。続いて、ビオチニル化抗Alt a 1マウスモノクローナル抗体121を1%BSA含有T−PBSで希釈し、1wellにつき100μlずつ加え、室温で1時間静置した。ビオチニル化抗体をプレートから除去し、250μlの0.05% T−PBSにより洗浄した(×3回)。次にストレプトアビジンペルオキシダーゼを各wellに100μlずつ加えて30分間静置した.ストレプトアビジンペルオキシダーゼをプレートから除去し、250μlの0.05% T−PBSにより洗浄した(×3回)。基質溶液(0.1Mクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0)(0.1Mクエン酸・リン酸緩衝液:クエン酸・1水和物7.0 g、リン酸水素2ナトリウム・12水和物23.9gに水を加えて溶解し、HCLでpH5.0に調整後、水で1000mLにし、フィルター滅菌したもの)10mLに対してo−フェニレンジアミン5mg、30%過酸化水素水10μLを加える)を調整し、1wellにつき100μlずつ加え、3〜5分間静置した。2N硫酸を1wellにつき100μlずつ加え、酵素反応を停止し、硫酸添加後30分以内にプレートリ−ダーでA492の吸光度を測定した。
尚、各濃度の二酸化塩素水溶液および水道水は最終濃度5μg/mlの精製カビ抗原Alt a 1と反応させた。Alt a 1に40ppm〜0.1ppm(0.5ppm)の二酸化塩素水溶液を加え、10分後1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて中和した。この反応液を1%BSA含有T−PBSで100倍に希釈し、これを検液とした。また、コントロールには、二酸化塩素水溶液と等量の蒸留水を加えた。
5μg/mlのAlt a 1に40ppmから0.5ppmまでの調整例1で得た二酸化塩素水溶液を反応させたところ、コントロールの蒸留水と比較して、0.5ppmの二酸化塩素水溶液の添加によりAlt a 1の抗原性はネガティブコントロールと同程度まで低下した(図13)。次に、5μg/mlのAlt a 1に40ppmから0.1ppmまでの調整例2で得た二酸化塩素水溶液を反応させたところ、コントロールの蒸留水と比較して、0.1ppmの二酸化塩素水溶液の添加により、Alt a 1の抗原性は低下した(図14)。
以上の結果から、二酸化塩素水溶液により、Alt a 1の抗原性が十分低下することが明らかとなった。
本発明のアレルゲン不活性化剤は、花粉やハウスダストによるアレルギーの発現を予防し、アレルギー症状を緩和するために利用することができる。

Claims (2)

  1. アレルゲンに接触させることによりその抗原性を低下させ、これによりアレルギーの発現を予防し、あるいは症状を緩和するアレルゲン不活性化剤であって、
    溶存二酸化塩素を有効成分として含み、さらに亜塩素酸塩として亜塩素酸ナトリウムおよびpH調整剤としてリン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物を含有し、
    亜塩素酸ナトリウムが二酸化塩素に変わる反応の過剰な進行を抑制し、
    使用時の二酸化塩素濃度を0.05〜1ppmとするアレルゲン不活性化剤。
  2. 前記pH調整剤によってpHを4.5〜6.5としてある請求項1に記載のアレルゲン不活性化剤。
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