JPH04271104A - 電流検出方法 - Google Patents

電流検出方法

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JPH04271104A
JPH04271104A JP3180047A JP18004791A JPH04271104A JP H04271104 A JPH04271104 A JP H04271104A JP 3180047 A JP3180047 A JP 3180047A JP 18004791 A JP18004791 A JP 18004791A JP H04271104 A JPH04271104 A JP H04271104A
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iron core
current
core
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excitation coil
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JP3180047A
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Terushi Katsuyama
勝山 昭史
Mitsuo Yamashita
満男 山下
Osamu Saito
修 斎藤
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は漏れ電流検出器,過電流
検出器などに用いられ、鉄心の磁気現象を利用して、主
回路とは電気的に非接触で電流を検出する方法に関する
【0002】
【従来の技術】電流を主回路とは電気的に非接触で検出
するには、直流は直流変流器,交流は交流変流器と零相
変流器,交流直流両用は鉄心にギャップを形成して、こ
のギャップにホール素子を挿入する装置が用いられてい
る。
【0003】図21は直流変流器の回路を要部構成とと
もに示した模式図である。図21において、検出する直
流電流ID が流れる導体3を閉磁路の二つの鉄心1a
,1bの中心孔に通し、鉄心1a,1bにそれぞれ巻回
した励磁コイル2aと2bを逆向きに接続して、交流電
流計4を経て交流電源5に接続している。鉄心1a,1
bは磁気特性が角形を示し、保磁力の小さい材料が用い
られる。導体3の被検出電流ID が0のとき、交流電
流iは鉄心1a,1bの励磁電流分のみが流れるが、導
体3に直流電流ID が流れると、鉄心1a,1bの磁
束範囲が変わり交流電流iが増すので、その変化を交流
電流計4で読み取ることにより、直流電流即ち被検出電
流ID を求めることができる。図21における6は主
回路の電源,7は同じく負荷を表わす。
【0004】図22は交流変流器の回路を要部構成とと
もに示した模式図である。図22において、検出する交
流電流IA が流れる導体3は閉磁路の鉄心8の中心孔
を通り、図示を省略した交流電源,負荷に接続されてい
る。鉄心8には検出コイル9が巻回され、その両端に小
抵抗10が接続される。鉄心8は磁気特性が角形を示し
、保磁力の小さい材料を用いる。導体3に交流電流IA
 が流れると、鉄心8が励磁され検出コイル9に電圧が
誘起し、小抵抗10に電流が流れて電圧降下を生じ、こ
の電圧降下分から被検出電流IA を求めることができ
る。
【0005】図23は鉄心とホール素子を用いる装置の
要部構成を示す模式図である。図23において、鉄心1
1のギャップに挿入したホール素子12は、直流電源1
3により直流電圧が印加されており、鉄心11の中心孔
を通る導体3に被検出電流Iが流れると、鉄心11が磁
化され、その磁束によりホール素子12に電圧が生じ、
この電圧を電圧計14で測定し、被検出電流Iを求める
ことができる。この装置では、原理的に交流と直流の両
方を検出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年電子回路の進歩に
より、機器が小型化されている現状にあって、これら電
流検出器について次のような問題がある。
【0007】従来の直流変流器は図21に示すように、
鉄心を2個用いるので寸法が大きくなり、しかも、漏洩
電流のような小電流を検出するためには装置構成が複雑
になり、非常に高価になる。直流漏電検出器としては特
殊装置に用いるものしかなく、大型で価格も高い。また
、従来の交流変流器,零相変流器は図22に示すように
、検出コイル側に小抵抗を接続するため、原理的に鉄心
を大きくする必要がある。一方、図23に示すホール素
子を用いる装置は、ホール素子の寸法より鉄心の方が大
きい上に温度特性が悪く、素子部が構造的に弱い。さら
に、この装置は鉄心にギャップがあるので外部からの磁
界の影響を受けやすく、磁気遮蔽が必要であり検出部が
大きくなって、しかも漏洩電流のように検出する電流は
小さくても、主電流が大きいときは鉄心のギャップの影
響を受け、主電流による磁界が平衡して零にならず適用
することができない。
【0008】本発明の目的は、上述の問題を解決し、小
型の検出部により導体を1本用いるときの電流、または
漏洩電流即ち導体を2〜3本用いるときの差電流を検出
することができる電流検出方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の電流検出方法の第一の方法は、磁気ヒス
テリシス曲線の保磁力が小さく角形を示す断面積の小さ
い鉄心と、この鉄心の肉厚部に巻回した交流励磁コイル
とこれに直列に接続した抵抗と交流半波励磁電源、およ
び鉄心の肉厚部に巻回した直流励磁コイルとこれに直列
に接続した抵抗と直流励磁電源を用い、前記の二つのコ
イルのうち一方は交流、他方は直流で鉄心の磁束の正負
が反転しないように励磁しておき、または直流励磁コイ
ルとその電源は用いず、交流励磁コイルに抵抗と整流器
を並列に介在させて接続した交流両波励磁電源を用いて
鉄心の磁束の正負が反転しないように励磁しておき、鉄
心の近傍を通る導体に流れる被検出電流で生ずる磁界が
加わることにより、磁界範囲が移動して磁束の正負を反
転させ、前記の二つのコイルとは別に鉄心に巻回した検
出コイル、または交流励磁コイルに生ずるパルス状誘起
電圧から被検出電流を求める。これに対して第二の方法
は、装置の構成は第一の方法と同じであるが、磁気ヒス
テリシス曲線の保磁力が小さく、マチウシ効果を有する
鉄心を用い、被検出電流による鉄心の磁束の正負が反転
するのを、検出コイルを用いることなく鉄心自体に誘起
する電圧から直接取り出し、被検出電流を求めるもので
ある。
【0010】
【作用】本発明の方法は上記のように、第一の方法は、
磁気ヒステリシス曲線が角形を示しす鉄心を、その磁束
の正または負のみの範囲で励磁しているので、鉄心に巻
回したコイルには電圧が誘起しないが、ここに磁界を生
ずる被検出電流が流れると、鉄心の磁束の正負が反転す
る領域に入り、磁束が急激に反転してコイルに大きな電
圧が誘起するので、断面積の小さい鉄心で効果的に被検
出電流を求めることが可能となる。第二の方法は、基本
的には第一の方法と同じであるが、鉄心材料にマチウシ
効果を有するものを用いているので、第一の方法と殆ど
同様の装置構成で、同様にして鉄心自体の誘起電圧から
効果的に被検出電流を求めることができる。いずれの方
法も被検出電流の検出点は、あらかじめ印加しておく磁
界の範囲を制御することにより任意に設定することがで
きる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の方法を実施例に基づき説明す
る。はじめに、本発明の第一の方法について述べる。図
1は例えば直流電流を検出する方法を説明するために、
使用する装置の要部構成の一例を示した模式図である。 図1において、鉄心15は角形の磁気ヒステリシスを持
ち、保磁力の小さい材料からなり、例えば環状に形成し
てある。この環状の鉄心15の中心孔を通って、導体1
7が主回路の電源と負荷に接続されているが、これら電
源と負荷は図示を省略してある。漏洩電流を検出するに
は、導体17は2本または3本になり、各導体間の差電
流を利用するが、原理的に単線の小電流を検出するのと
同じであるから、ここでは導体17は1本で表わし、方
向を矢印で示した被検出電流をIとして以後の説明を進
める。鉄心15にはその肉厚部に交流励磁コイル18を
巻回し、これを鉄心部のリアクタンスに比べて大きな抵
抗19を介して交流半波励磁電源20に接続し、これと
は別に鉄心15の肉厚部に巻回した直流励磁コイル21
を鉄心部のリアクタンスに比べて大きな抵抗22を介し
て直流励磁電源23に接続し、さらにこれらと別に、鉄
心15の肉厚部に巻回した検出コイル24から増幅器2
5、パルス変換器26に接続している。
【0012】図2は鉄心15の磁気ヒステリシス特性,
図3,図4,図5は鉄心15に加わる磁界,磁束密度お
よび検出コイル24の誘起電圧の波形を表わ線図である
【0013】次に本発明の方法における作動について、
図1の装置構成図および図2〜図5の線図を参照して説
明する。鉄心15は図1の交流半波励磁電源20,抵抗
19,交流励磁コイル18により励磁する。交流半波励
磁電源20の出力波形はここでは方形波とする。鉄心1
5の交流印加電圧と磁束密度,励磁電流,抵抗の関係は
(1)式で表わされる。
【0014】                          
                   dB    
    EA =iA (R1 +R2 )+NA A
C ────              (1)  
                         
                 dt但し、 EA :  交流印加電圧 iA :  交流励磁電流 R1 :  抵抗19の値 R2 :  交流励磁コイル18の抵抗値NA :  
交流励磁コイル18の巻数AC :  鉄心15の磁路
断面積 B  :  鉄心15の磁束密度 t  :  時間
【0015】ここで(2)式のように設定すると、交流
印加電圧EA が一定であれば、導体17を流れる被検
出電流Iによる磁界が加わっても、交流励磁電流iA 
は変化しない。
【0016】                          
               dB        
iA (R1 +R2 )>>NA AC ──── 
                 (2)     
                         
          dt直流励磁コイル21の電流も
鉄心15の励磁状態によって変化しないようにするため
、(3)式のように設定する。
【0017】                          
               dB        
iD (R3 +R4 )>>ND AC ──── 
                 (3)     
                         
          dt但し、iD :  直流励磁
コイル21の電流R3 :  抵抗22の値 R4 :  直流励磁コイル21の抵抗ND :  直
流励磁コイル21の巻数
【0018】交流励磁電流iA
 ,直流励磁電流iD ,被検出電流Iによる磁界は(
4)〜(6)式で表わされる。
【0019】         HA =NA iA /L     
                         
        (4)但し、HA :  交流励磁電
流iA による磁界L  :  鉄心15の平均磁路長
【0020】         HD =ND iD /L     
                         
        (5)但し、HD :  直流励磁電
流iD による磁界
【0021】         HI =NI I/L       
                         
        (6)但し、HI :  被検出電流
Iによる磁界NI :  導体17の鉄心15への巻数
(通常は1回)
【0022】鉄心15は被検出電流Iが
0の場合は、図2において電流iAによりHD と−H
I の範囲に励磁され、磁束は−Bで殆ど変わらず、こ
こに負の直流励磁電流iD による磁界HD が加わる
と、交流磁界の範囲が+H2 と−H3 に移動するが
、磁束密度は殆ど変化しない。磁束密度は厳密には交流
磁界により若干変化するが、本発明の方法とは直接関係
はないので、説明を簡易にするため磁束変化はないもの
として説明を進める。被検出電流Iが0のときの磁界,
磁束密度と時間の関係は、それぞれ図3,図4に示す線
図の実線の形となり、磁束密度は変化せず検出コイル2
4には電圧が誘起しない。
【0023】導体17に被検出電流Iが流れると(6)
式による磁界が加わり、鉄心15の磁界は図2の+H4
 と−H5 の範囲に移動し、磁束密度は−Bから+B
に変化して、その時間変化は磁界が図3の点線,磁束密
度が図4の点線の形となり、磁束密度が−Bから+Bに
急激に変化して、検出コイル24には図5のようなパル
ス状の電圧が誘起し、これにより被検出電流Iを検出す
ることが可能となる。このパルス電圧を図1の増幅器2
5で増幅し、パルス変換器26を通して直流電圧に変換
することにより、制御信号として使用することができる
【0024】被検出電流Iによりパルス電圧が誘起する
磁界、即ち電流の検出値は、図1の直流励磁電源23の
電流iD により、図2に示したHD の方向と大きさ
を変えれば任意の値に設定することができる。
【0025】これまで、鉄心15の励磁は交流半波励磁
電源20と交流励磁コイル18,および直流励磁電源2
3と直流励磁コイル21を用いる方法を述べたが、次に
交流両波励磁電源と交流励磁コイル18のみ用いる場合
について説明する。図6はその装置の回路構成の一例を
示す模式図である。図6の装置は交流励磁コイル18を
制御抵抗29a、整流器30aと制御抵抗29b、整流
器30bの並列回路を通して交流両波励磁電源27に接
続し、正負の電流を別々に制御できるようにしたもので
あり、その他の部分の回路構成は図1と同じである。こ
こでは、交流両波励磁電源27の波形は方形波の場合に
ついて述べる。磁界が図2の+H2 と−H3 の範囲
、即ち図3の実線の波形となるように、制御抵抗29a
,29bの値を設定することにより、図1〜図5につい
て説明したことと全く同じになり、電流を検出すること
ができる。この方法は図6のように、直流励磁電源23
と直流励磁コイル21を省略することはできるが、交流
励磁電源を両波として整流器30aと30bを追加設置
する必要がある。
【0026】また、本発明の第一の方法は検出コイル2
4を省くこともできる。図1.図6を参照して述べると
、下記に示す(7)式の条件に設定すれば、交流励磁コ
イル18の両端の電圧の波形,位相は検出コイル24と
同等になるので、この電圧からも被検出電流Iを求める
ことは可能である。図1の場合、
【0027】             R1 >>R2      
                         
          (7)
【0028】図6の場合、
制御抵抗29a,29bの抵抗をそれぞれRa ,Rb
 とすれば、
【0029】                          
 dB        Ra >>NA AC ───
─                        
        (8)              
            dt
【0030】                          
 dB        Rb >>NA AC ───
─                        
        (9)              
            dt
【0031】図7は図6
の構成で(8)式,(9)式の条件に設定し、検出コイ
ル24を省略した装置構成の一例を示した模式図である
。この装置は検出コイルを設けることなく、鉄心部を簡
易、小型にすることができる。
【0032】以上、被検出電流Iが正の場合について説
明してきたが、被検出電流Iが負の場合は鉄心15に通
す導体17の方向を逆にすればよい。図8はその様子を
示した鉄心15と導体17の関係図であり、図8では図
1,図6.図7と異なり、鉄心15に対して導体17の
通す方向を逆にしてあることを表わす。
【0033】そのほか、被検出電流Iの正負が明らかで
ないとき、即ち正負いずれの方向でも常に電流検出を可
能とする装置構成の一例を図9に示す。図9もこれまで
の図と共通部分に同一符号を用いてあるが、同様に29
c,29dは制御抵抗、30c,30dは整流器を表わ
す。図9に示す如く、検出部に鉄心15と鉄心15aの
2個を用い、互いに導体17を通す方向を逆にし、鉄心
15aにも交流励磁コイル18aを巻回して、鉄心15
と同一条件で励磁する。そして交流励磁コイル18,1
8aの出力をそれぞれ増幅器25,25aで増幅した後
、加算器31を通して加算し、パルス変換器26に入れ
ることにより、正負いずれの方向の電流も検出すること
ができる。
【0034】鉄心の交流励磁電流の波形は、磁束変化速
度が大きく本発明の方法には最も有利である方形波につ
いて述べたが、本発明の方法における励磁電流波形は正
弦波,三角波等、他の波形でも勿論電流検出は可能であ
り、また、本発明の方法は被検出電流が直流に限られる
ことなく、交流を検出するときも、原理的に問題なく可
能であって、検出するのは電流の最大値になる。
【0035】以上述べてきたように、ここまでは、主と
して本発明の第一の方法における電流検出方法について
、装置構成とともに基本的な事柄を説明した。次にこの
方法を用いて具体的な事例を再び図1を併用参照して述
べる。使用した鉄心15の材料は、直径50μmのアモ
ルファス合金の細線である。この材料は磁気ヒステリシ
スが角形を示し、内部応力で大バルクハウゼン効果を有
するように製造してあり、磁束の正負の反転速度が非常
に大きく高い誘起電圧が得られるので、本発明の第一の
方法に用いる鉄心材料として好適である。例えば図10
は各種鉄心材料を同一条件で励磁したときの誘起電圧波
形である。図10の実線はアモルファス合金細線,点線
はアモルファス合金薄帯,一点鎖線は結晶質合金を表わ
す。図10からアモルファス合金細線の波形(実線)は
、他の材料に比べると電圧最大値が大きく、時間幅の狭
いことがわかる。図11,図12はここで使用した鉄心
15の形状を示し、図11は平面図,図12は断面図で
あり、プラスチック製の直径35mmの巻枠32の外周
面に形成した幅0.2mmの溝の中に、アモルファス合
金細線を10回巻いてある。
【0036】電流を検出するに当たって、被検出電流I
の大きさに対応して、図1に示す装置は、交流励磁コイ
ル18,直流励磁コイル21の巻数や、抵抗19,22
の値などを適当に設定することにより、被検出電流Iを
正確に検出することができる。例えば、被検出電流Iが
100mAのとき、直径0.1mmのホルマール銅線を
用い、各コイルの巻数は交流励磁コイル18は100回
,直流励磁コイル21は50回,検出コイル24は50
回とし、交流半波励磁電源20は方形波100Hz、1
5V,直流励磁電源23の電圧も15Vのものを用いて
、パルス変換器26の出力を測定した。その結果は図1
3に示した被検出電流−出力電圧線図のように、設定し
た電流100mAの点で正確に出力が生じているのを確
認することができた。
【0037】本発明の第一の方法は、鉄心15の形状は
必ずしも図1のような環状の閉磁路としなくても適用す
ることができる。図14,図15は図1とは異なる形状
の鉄心を、導体17との位置関係とともに示した模式図
であり、例えば図14のように環状の鉄心15bとし、
これに交流励磁コイル18,検出コイル24を巻いても
よく、図15のように二つのコ字状鉄心を用いて閉磁路
を形成した鉄心15cに、交流励磁コイル18,検出コ
イル24を巻いたものとしてもよい。
【0038】以上、鉄心に巻回した検出コイルを用いて
信号を取り出す第一の方法について説明してきたが、次
に磁性体、即ち鉄心自体に誘起する電圧を信号として取
り出す第二の方法について述べる。鉄心自体に電圧が誘
起する現象は、マチウシ効果と呼ばれて知られている。
【0039】図16はマチウシ効果を利用した本発明に
おける第二の方法を説明するために、使用する装置の一
例を示した模式図であり、図1と共通する部品に同一符
号を用いてある。図16において、鉄心16は、マチウ
シ効果を有し表面を絶縁した磁性細線からなり、これを
巻回して例えば環状に形成し、この磁性細線の両端部を
接続端として取り出したものである。その他の装置構成
部品は図1と全く同じであり、鉄心16の両端を増幅器
25に接続している点が図1と異なるだけである。鉄心
16自体に誘起する電圧は、図1に示した検出コイル2
4に誘起する電圧と同じである。マチウシ効果を有する
鉄心16も、磁気ヒステリシス曲線は図2と同様に角形
を示す。図16の装置についても鉄心16の磁界,磁束
密度および誘起電圧は、既に示した図3,図4,および
図5と同様である。ただ図5の誘起電圧は、図5では検
出コイル24に誘起する電圧を示しているが、ここでは
鉄心16自体に誘起する電圧を表わすものと考えればよ
い。したがって、この装置の作動についても、(1)〜
(4)式を用いて述べた説明と全く同じことが言えるの
で、ここではその説明を省略する。
【0040】同様に図17は、図6に示した装置の鉄心
15の代わりに、マチウシ効果を有する鉄心16を用い
た装置を示す模式図であり、検出コイル24が不要とな
るほかは、図6と同じである。また、被検出電流Iが正
負いずれの方向でも電流検出の可能な図9に示した装置
構成においても、図9の鉄心15.15aの代わりに、
マチウシ効果を有する鉄心16,16aを用いることが
でき、その装置構成を図18に示すが、図9の検出コイ
ルを励磁コイルで兼用した第一の方法と基本的回路構成
は同じであるから、図17と図18の両図についても説
明を省略する。
【0041】次に鉄心16自体に誘起する電圧により電
流を検出する本発明の第二の方法を用いた具体的な事例
について説明する。使用した鉄心16の材料は、内部応
力を与えてマチウシ効果を有するように製造した直径5
0μmのアモルファス合金細線であり、磁気ヒステリシ
スが角形を示す。図19はここで使用した鉄心16の形
状を示し、図11の巻枠32に、線間を絶縁したアモル
ファス合金細線を巻いたものの断面図であり、プラスチ
ック製の直径35mmの巻枠32の外周面に形成した幅
0.2mmの溝の中に、アモルファス合金細線を10回
巻き、巻枠32の溝の一部からアモルファス合金細線の
先端部と後端部を引き出してある。図16に示した交流
励磁コイル18や直流励磁コイル21の巻数,抵抗19
,22や交流半波励磁電源20,直流励磁電源23の条
件など第一の方法のときと同じに設定して、パルス変換
器26の出力を測定した。その結果、図13に示したも
のと同様の被検出電流−出力電圧線図を得ることができ
た。
【0042】本発明の第二の方法もまた、鉄心16の形
状は必ずしも図1などのような環状の閉磁路としなくて
も適用することができる。図20は図1などとは異なる
形状の鉄心を、導体17との位置関係とともに示した模
式図であるが、例えば図20のように1本の棒状の磁性
体からなる鉄心16bとして、これに交流励磁コイル1
8を巻いてもよい。
【0043】
【発明の効果】従来の直流電流検出器は寸法が大きく、
特に漏洩電流のような小電流用は大型で高価なものにな
るが、本発明の方法によれば、実施例で述べた如く鉄心
に磁気ヒステリシスが角形の材料を使用し、これを正側
と負側を違う磁界の大きさで励磁しておき、設定した被
検出電流が流れると、鉄心の磁束の正負が反転するのを
利用し、第一の方法では鉄心に巻回した検出コイルに誘
起する大きなパルス電圧を取り出し、第二の方法では鉄
心にマチウシ効果を持つ材料を使用して、鉄心自体に誘
起する電圧からその信号を取り出すことにより、いずれ
も鉄心の形状を非常に小さくした小型の装置で直流電流
を検出することができ、さらに、これら本発明の方法で
は交流電流も検出可能であり、直流交流の両用の小型装
置として効果的に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の方法における電流検出方法に使
用する装置の要部構成を示す模式図
【図2】本発明に用いる鉄心の磁気ヒステリシス曲線図
【図3】本発明に用いる鉄心に加わる磁界波形図
【図4
】本発明に用いる鉄心に加わる磁束波形図
【図5】本発
明に用いる検出コイルの誘起電圧波形図
【図6】本発明
の第一の方法における図1とは異なる装置構成の一例を
示す模式図
【図7】本発明の第一の方法における図1,図6とは異
なる装置構成の一例を示す模式図
【図8】導体を鉄心に通す方向を示した模式図
【図9】
本発明の第一の方法における図1,図6,図7とは異な
る装置構成の一例を示す模式図
【図10】各種鉄心材料
を同一条件で励磁したときの誘起電圧波形図
【図11】本発明の第一の方法に使用する鉄心の平面図
【図12】本発明の第一の方法に使用する鉄心の断面図
【図13】本発明の第一の方法における被検出電流と出
力との関係線図
【図14】図1と異なる形状の鉄心を導体の位置関係と
ともに示した模式図
【図15】図1,図14とは異なる形状の鉄心を導体の
位置関係とともに示した模式図
【図16】本発明の第二の方法における電流検出方法に
使用する装置の要部構成を示す模式図
【図17】図16とは異なる本発明の第二の方法におけ
る電流検出方法に使用する装置の要部構成を示す模式図
【図18】図16,図17とは異なる本発明の第二の方
法における電流検出方法に使用する装置の要部構成を示
す模式図
【図19】本発明の第二の方法に使用する鉄心の断面図
【図20】図16とは異なる形状の鉄心を導体の位置関
係とともに示した模式図
【図21】直流変流器の回路を要部構成とともに示した
模式図
【図22】交流変流器の回路を要部構成とともに示した
模式図
【図23】鉄心とホール素子を用いる装置の要部構成を
示す模式図
【符号の説明】
15    鉄心 15a  鉄心 15b  鉄心 15c  鉄心 16    鉄心 16a  鉄心 16b  鉄心 17    導体 18    交流励磁コイル 18a  交流励磁コイル 19    抵抗 20    交流半波励磁電源 21    直流励磁コイル 22    抵抗 23    直流励磁電源 24    検出コイル 25    増幅器 25a  増幅器 26    パルス変換器 27    交流両波励磁電源 29a  制御抵抗 29b  制御抵抗 29c  制御抵抗 29d  制御抵抗 30a  整流器 30b  整流器 30c  整流器 30d  整流器 31    加算器 32    巻枠

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保磁力が小さく磁気ヒステリシス曲線が角
    形を示す鉄心を、この鉄心の肉厚部に巻回した交流励磁
    コイルとこれに直列に接続した抵抗と交流半波励磁電源
    、および鉄心の肉厚部に巻回した交流励磁コイルとこれ
    に直列に接続した抵抗と直流励磁電源を用いて、鉄心の
    磁気ヒステリシス曲線の磁束の正負が反転する以前の飽
    和領域近傍まで励磁しておき、鉄心近傍の導体を流れる
    被検出電流で生ずる磁界が加わることにより、鉄心の磁
    束密度の正負が反転して鉄心に巻回した検出コイルにパ
    ルス状の電圧を誘起させ、この電圧から被検出電流値を
    求めることを特徴とする電流検出方法。
  2. 【請求項2】保磁力が小さく磁気ヒステリシス曲線が角
    形を示す鉄心を、この鉄心の肉厚部に巻回した交流励磁
    コイルとこれに直列に接続し交流励磁コイル部のリアク
    タンスより大きい抵抗と交流半波励磁電源、および鉄心
    の肉厚部に巻回した交流励磁コイルとこれに直列に接続
    した抵抗と直流励磁電源を用いて、鉄心の磁気ヒステリ
    シス曲線の磁束の正負が反転する以前の飽和領域近傍ま
    で励磁しておき、鉄心近傍の導体を流れる被検出電流で
    生ずる磁界が加わることにより、鉄心の磁束密度の正負
    が反転して交流励磁コイルの両端に生ずるパルス状の電
    圧から被検出電流値を求めることを特徴とする電流検出
    方法。
  3. 【請求項3】保磁力が小さく磁気ヒステリシス曲線が角
    形を示す鉄心を、この鉄心の肉厚部に巻回した交流励磁
    コイルに直列に接続した交流両波励磁電源、および交流
    励磁コイルと交流両波励磁電源の間に並列接続した抵抗
    と整流器を用いて、鉄心の磁気ヒステリシス曲線の磁束
    の正負が反転する以前の飽和領域近傍まで励磁しておき
    、鉄心近傍の導体を流れる被検出電流で生ずる磁界が加
    わることにより、鉄心の磁束密度の正負が反転して鉄心
    に巻回した検出コイルにパルス状の電圧を誘起させ、こ
    の電圧から被検出電流値を求めることを特徴とする電流
    検出方法。
  4. 【請求項4】保磁力が小さく磁気ヒステリシス曲線が角
    形を示す鉄心を、この鉄心の肉厚部に巻回した交流励磁
    コイルに直列に接続した交流両波励磁電源、および交流
    励磁コイルと交流両波励磁電源の間に並列接続した抵抗
    と整流器を用いて、鉄心の磁気ヒステリシス曲線の磁束
    の正負が反転する以前の飽和領域近傍まで励磁しておき
    、鉄心近傍の導体を流れる被検出電流で生ずる磁界が加
    わることにより、鉄心の磁束密度の正負が反転して交流
    励磁コイルの両端に生ずるパルス状の電圧から被検出電
    流値を求めることを特徴とする電流検出方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4記載の電流検出方法にお
    いて、鉄心材料として大バルクハウゼン効果を有するア
    モルファス合金細線を用いることを特徴とする電流検出
    方法。
  6. 【請求項6】保磁力が小さくマチウシ効果を有する鉄心
    を、この鉄心の肉厚部に巻回した交流励磁コイルとこれ
    に直列に接続した抵抗と交流半波励磁電源、および鉄心
    の肉厚部に巻回した交流励磁コイルとこれに直列に接続
    した抵抗と直流励磁電源を用いて、鉄心の磁気ヒステリ
    シス曲線の磁束の正負が反転する以前の飽和領域近傍ま
    で励磁しておき、鉄心近傍の導体を流れる被検出電流で
    生ずる磁界が加わることにより、鉄心の磁束密度の正負
    が反転して鉄心自体にパルス状の電圧を誘起させ、この
    電圧から被検出電流値を求めることを特徴とする電流検
    出方法。
  7. 【請求項7】保磁力が小さくマチウシ効果を有する鉄心
    を、この鉄心の肉厚部に巻回した交流励磁コイルとこれ
    に直列に接続し交流励磁コイル部のリアクタンスより大
    きい抵抗と交流半波励磁電源、および鉄心の肉厚部に巻
    回した交流励磁コイルとこれに直列に接続した抵抗と直
    流励磁電源を用いて、鉄心の磁気ヒステリシス曲線の磁
    束の正負が反転する以前の飽和領域近傍まで励磁してお
    き、鉄心近傍の導体を流れる被検出電流で生ずる磁界が
    加わることにより、鉄心の磁束密度の正負が反転して鉄
    心自体に生ずるパルス状の電圧から被検出電流値を求め
    ることを特徴とする電流検出方法。
  8. 【請求項8】保磁力が小さくマチウシ効果を有する鉄心
    を、この鉄心の肉厚部に巻回した交流励磁コイルに直列
    に接続した交流両波励磁電源、および交流励磁コイルと
    交流両波励磁電源の間に並列接続した抵抗と整流器を用
    いて、鉄心の磁気ヒステリシス曲線の磁束の正負が反転
    する以前の飽和領域近傍まで励磁しておき、鉄心近傍の
    導体を流れる被検出電流で生ずる磁界が加わることによ
    り、鉄心の磁束密度の正負が反転して鉄心自体にパルス
    状の電圧を誘起させ、この電圧から被検出電流値を求め
    ることを特徴とする電流検出方法。
  9. 【請求項9】請求項6ないし8記載の電流検出方法にお
    いて、鉄心材料としてアモルファス合金細線を用いるこ
    とを特徴とする電流検出方法。
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