JPH0426880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は電気炉のスクラツプ予熱装置の改良
に関し、特に予熱後のスクラツプを電気炉に投入
する場合に白煙等が洩れないようにしたものであ
る。

〔従来の技術〕

製鋼用の電気炉においては省エネルギおよび排
熱回収のためスクラツプを予熱槽で予熱するよう
にしている。

この予熱の際、スクラツプに付着している揮発
分や塗料等が熱せられるため刺激臭を含む白煙が
発生する。

予熱作業中はガス流れが閉回路である為に回収
処理されている。しかし予熱完了後は通常、第４
図に示すように、予熱槽１の上部開口に上蓋ダク
ト２を被せ、これを集塵機に接続して白煙等が外
部に流出しないように回収排気している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このようにして予熱されたスクラツプは電気炉
の所まで運搬され、電気炉Ｅ上で底蓋３を開いて
投入される。

ところが、上蓋ダクト２は固定式であり、予熱
完了後、上蓋ダクト２をはずして電気炉の所まで
運搬する間に予熱によるドラフト力などで白煙等
が予熱槽１外に流出し、建屋内にこもつてしま
い、クレーンのオペレータ等作業者の作業環境を
著しく害するとともに、公害問題を引き起こして
しまう。

そこで、予熱槽１の運搬中に、第５図に示すよ
うに、専用蓋４を着脱用クレーン５等で取付けて
白煙等の流出を防止することも行なわれている。

しかし、専用蓋４を用いる場合にも装着のため
予熱槽１の上部が開放状態となり、この間に流出
する白煙等も相当量であり、専用蓋４を使用しな
い場合に比べ建屋用の集塵機の小容量化を計るこ
とができるものの相当大きな集塵機が必要とな
る。

また、専用蓋４の着脱に要する時間を考慮して
予熱時間を短縮しなければならず、排熱の回収量
が低下したり、着脱用クレーン５等の付帯設備や
作業者を必要とする。

この考案はかかる従来技術の問題点を解決し、
予熱槽内の白煙等を洩出させることなく電気炉に
投入することができる構造の簡単な電気炉のスク
ラツプ予熱装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するためこの考案は、電気炉
に付設され電気炉の排ガスをダクトを介して予熱
槽に導入し、原料スクラツプを予熱した後、電気
炉上に搬送して底蓋を開放して電気炉に予熱され
たスクラツプを投入するスクラツプ予熱装置にお
いて、予熱槽上蓋に前記予熱槽へ排ガスを導入す
るダクトを取付けるとともに、このダクトの途中
に断続部を形成して予熱槽とともに運搬可能と
し、このダクトの断続部の予熱槽側に開閉機構を
取付ける一方、この予熱槽への原料スクラツプ投
入のため前記予熱槽上蓋を着脱する着脱装置を原
料スクラツプの投入位置付近に設けたことを特徴
とするものである。

〔作用〕

予熱槽内へ排ガスを導くダクトを予熱槽上蓋に
断続部を介して運搬可能に取付け、このダクトの
断続部の予熱槽側に開閉機構を取付けて閉じた状
態として蓋としたり、開いた状態としてダクトに
もできるようにする。そして、この予熱内槽上蓋
の着脱装置を予熱槽へ原料スクラツプを投入する
場所の付近に設けて原料スクラツプ投入直前に予
熱槽上蓋をあけるようにし、スクラツプ予熱装置
から電気炉へ予熱状態のスクラツプを運搬する場
合に予熱槽上蓋をそのまま蓋として使用すること
で、運搬中の白煙の流出を防止するようにしてい
る。

〔実施例〕

以下この考案の一実施例を図面に基づき詳細に
説明する。

第１図はこの考案の電気炉のスクラツプ予熱装
置の一実施例にかかる縦断面図である。

このスクラツプ予熱装置１０は、移動可能なス
クラツプバケツト１１と略筒状のシールカバー１
２とで構成された予熱槽１３を具ええており、シ
ールカバー１２を下部シールカバー３４に装着し
て予熱を行なうようになつている。

このスクラツプバケツト１１の底部には、開閉
可能とされた底蓋１４が取付けてあり、図示しな
い開閉機構で開閉できるようになつている。

予熱中、排熱回収用ガスはガス導入管２１より
予熱槽上蓋１９、予熱槽１３を通過し予熱後の排
ガスをガス排出管１６から排出するようになつて
いる。

すなわち、予熱中、スクラツプバケツト１１の
上部開口が上蓋１７および一体のダクト１８で構
成された予熱槽上蓋１９でふさがれており、ダク
ト１８の先端部にダクト用の開閉機構を構成する
白煙洩出防止弁２０が設けてある。

そして、この白煙洩出防止弁２０の先にガス導
入管２１が接続されており、ガス導入管２１との
接続部は簡単に断続できるようになつている。ガ
ス導入管２１をダクト１８に接続した場合には、
白煙洩出防止弁２０を開き、ガス導入管２１を外
した状態では閉じるよう、弁回転アーム２２が取
付けてあり、自動的または手動により操作され
る。

かように構成したスクラツプ予熱装置１０で
は、第１図に示す状態、すなわち、予熱槽１３の
スクラツプバケツト１１の上部開口に予熱槽上蓋
１９をガイドピン２３で位置決めしながら取付け
るとともに、ガス導入管２１が接続してあり、白
煙洩出防止弁２０は開いた状態となつている。

この状態でガス導入管２１から電気炉の排ガス
を導入し、ガス排出管１６から排出する間にスク
ラツプバケツト１１内のスクラツプＳを予熱す
る。

一方スクラツプＳの予熱完了後は、第２図に示
すように、予熱槽１３の吊下げピン２４に専用フ
ツク２５を介して搬送装置のフツク２６をかけた
のちフツク２６を巻き上げてスクラツプバケツト
１１と予熱槽上蓋１９とを共に吊り上げガス導入
管２１から外し、白煙洩出防止弁２０を閉じた状
態としておく。この状態で電気炉Ｅの上部まで運
搬する。この運搬に際しては、スクラツプバケツ
ト１１の上部開口が上蓋１７とダクト１８とでふ
さがれ、ダクト１８の先端が白煙洩出防止弁２０
で閉じられているので、ドラフト力で上昇する白
煙はほとんど無く、たとえ上昇してもこの部分に
貯められ、建屋内に排出されることかがない。

こうして電気炉Ｅに運搬したのち、図示しない
開閉機構で底蓋１４を開いて予熱されたスクラツ
プＳを投入する。

投入後は、スクラツプバケツト１１に再び原料
スクラツプを投入するためスクラツプヤードまで
搬送台車２７に搭載して運搬するが、原料スクラ
ツプ投入位置の直前に、予熱槽上蓋１９を着脱す
るための着脱装置２８が設置してある。

この着脱装置２８は、第３図に示すように、予
熱槽上蓋１９を吊り上げるウインチ２９がビーム
３０上に設置してあり、そのフツク３１を上蓋１
７に取付けた吊り金具３２に掛けることができる
ようになつている。

また、このウインチ２９のスクラツプヤード側
には、小型の白煙吸込用フード３３が搬送台車２
７上のスクラツプバケツト１１の上部開口と対向
するように配置され、空状態のスクラツプバケツ
ト１１内に残留している白煙等を能率良く回収排
気する。

予熱層上蓋１９がはずされたスクラツプバケツ
ト１１は搬送台車２７により原料スクラツプ投入
位置に移動され、リフチングマグネツト３４等で
吸着運搬した原料スクラツプが投入それる。

投入後は、再びウインチ２９の直下にスクラツ
プバケツト１１を移動し、予熱槽上蓋１９をかぶ
せたのち、所定の予熱ヤードまで移動し、専用フ
ツク２５とフツク２６で吊り上げ、下部シールカ
バー３４に装着し、ダクト１８にガス導入管２１
を接続して再予熱準備が完了する。

このように、予熱槽側のダクトを予熱層上蓋１
９と兼用したので、予熱後や運搬中に白煙が洩出
することがなく、建屋内等の環境悪化を招くこと
がない。

また、運搬中に貯つた白煙等を小型の白煙吸込
用フード３３を介して小型の集塵機で回収でき、
安価な設備で能率良く排気できる。

〔考案の効果〕

以上一実施例とともに具体的に説明したように
この考案によれば、予熱中に使用するダクトを断
続可能とするとともに、その接続部に開閉機構を
設けて予熱槽上蓋としたので、予熱中はもとよ
り、予熱後に運搬する場合にもダクトの接続を外
し開閉機構を閉じるだけで白煙等の洩出を防止で
き、環境悪化を防止できる。

また、白煙等の洩出防止のため蓋の取替え等の
作業が必要でなく、わずかな時間でも予熱槽が開
放状態となることがなく専用機器や人員を必要と
しない。

さらに、一旦洩出した白煙等を処理する場合に
は、建屋の大きさに見合つた大容量の集塵機を必
要とするが、この考案によれば不要であり、構造
も簡単て安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの考案の電気炉のスクラツ
プ予熱装置の一実施例にかかり、第１図は予熱状
態の断面図、第２図は電気炉への投入状態の断面
図、第３図は原料スクラツプ投入状態の断面図、
第４図および第５図は従来装置にかかり、第４図
は開放式の断面図、第５図は専用蓋式の断面図で
ある。 １０……スクラツプ予熱装置、１１……スクラ
ツプバケツト、１２……シールカバー、１３……
予熱槽、１４……底蓋、１５……シール部品、１
６……ガス排出管、１７……上蓋、１８……ダク
ト、１９……予熱槽上蓋、２０……白煙洩出防止
弁、２１……ガス導入管、２２……弁回転アー
ム、２３……ガイドピン、２４……吊下げピン、
２５……専用フツク、２６……フツク、２７……
搬送台車、２８……着脱装置、２９……ウイン
チ、３０……ビーム、３１……フツク、３２……
吊り金具、３３……白煙吸込用フード，リフチン
グマグネツト、３４……下部シールカバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気炉に付設され電気炉の排ガスをダクトを介
   して予熱槽に導入し、原料スクラツプを予熱した
   後、電気炉上に搬送して底蓋を開放して電気炉に
   予熱されたスクラツプを投入するスクラツプ予熱
   装置において、予熱槽上蓋に前記予熱槽へ排ガス
   を導入するダクトを取付けるとともに、このダク
   トの途中に断続部を形成して予熱槽とともに運搬
   可能とし、このダクトの断続部の予熱槽側に開閉
   機構を取付ける一方、この予熱槽への原料スクラ
   ツプ投入のため前記予熱槽上蓋を着脱する着脱装
   置を原料スクラツプの投入位置付近に設けたこと
   を特徴とする電気炉のスクラツプ予熱装置。