JPH0426847B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は内視鏡の湾曲装置に関し、特に、操
作部に突設された湾曲操作ノブを着脱する構造に
関するものである。

［従来の技術］ 内視鏡の湾曲装置においては、操作性を考慮し
て、一般に、上下方向用湾曲操作ノブと左右方向
用湾曲操作ノブとは、操作部に同軸に重ね合わせ
て突設されている。そして、従来の内視鏡の湾曲
装置においては、各湾曲操作ノブが、ビス又はナ
ツトなどによつて、操作部の湾曲操作機構に個々
に取り付けられていた。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、湾曲操作ノブをビスやナツトなどで取
り付けたものは、ドライバや専用工具などを使わ
ないとその着脱を行うことができない。そのため
従来は、術者が、使用目的や好みに応じて種々の
形状の湾曲操作ノブを自由に付け代えて使用する
ことが、簡単にはできなかつた。また、術者の手
から汚物等が付着した湾曲操作ノブを、使用後に
取り外して洗浄、消毒することが簡単にできなか
つた。

また、例えドライバや専用工具を用いても、２
つの湾曲操作ノブを各々個々に着脱しなければな
らないため、その着脱操作がはなはだ繁雑なもの
となり、ユーザ（術者）サイドで着脱するのは非
常に煩わしかつた。

なお、従来、湾曲操作ノブより大きな形状のア
ダプタを、湾曲操作ノブに着脱自在に設けたもの
もあつた。しかしそのようなものも、２つの湾曲
操作ノブ両方にアダプタを着脱するのは、はなは
だ繁雑であり、また、湾曲操作ノブ自体を着脱す
るのではないので、湾曲操作ノブを手軽に取り外
して洗浄、消毒を行うことができない欠点を有す
ることにはかわりがなかつた。

本発明は、そのような従来の欠点を解消し、２
つの湾曲操作ノブを操作部から容易に着脱して、
いつでも洗浄、消毒し、或いは交換することので
きる内視鏡の湾曲装置を提供することを目的とす
る。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために、本発明の内視鏡
の湾曲装置は、挿入部の先端側に、屈曲自在な湾
曲部を形成すると共に、挿入部の基端側に操作部
を連結して、その操作部に上下方向用湾曲操作ノ
ブと左右方向用湾曲操作ノブとを同軸に重ね合わ
せて突設し、上記各湾曲操作ノブを回転操作する
ことにより上記湾曲部を屈曲させるようにした内
視鏡の湾曲装置において、上記２つの湾曲操作ノ
ブを共に着脱自在に設けると共に、手動操作によ
りそれら２つの湾曲操作ノブを操作部に着脱する
１つの着脱手段を設けたことを特徴とする。

［作用］ 一つの着脱手段により、上下方向用湾曲操作ノ
ブと左右方向用湾曲操作ノブとが共に操作部に取
り付けられ、その一つの着脱手段を操作すること
により、両湾曲操作ノブを同時に操作部から取り
外すことができる。

［実施例］ 図面を参照して実施例を説明する。

第２図は内視鏡の全体的構成を示している。１
は、可撓管により外装された挿入部である。その
先端側には、上下左右の各方向及びそれらを複合
したあらゆる方向に屈曲自在な湾曲部２が形成さ
れている。そして、対物光学系などを内蔵した先
端部本体３が、湾曲部２の先端に連結されてい
る。

挿入部１の基端側には操作部４が連結されてお
り、上下方向用湾曲操作ノブ５と左右方向用湾曲
操作ノブ６とが、同軸に重ね合わせて操作部４に
突設されている。

第１図は、湾曲操作装置を示している。操作部
４内に固定された基板４０には、固定軸７が固定
的に突設されており、その固定軸７は操作部４外
に突出している。そして、固定軸７に回転自在に
嵌装された左右方向用回転軸８の下端部には、左
右方向用プーリ９が一体となつて回転するように
係合している。また、左右方向用回転軸８の外側
に回転自在に嵌装された上下方向用回転軸１０の
下端部には、上下方向用プーリ１１が一体となつ
て回転するように係合している。１５はワツシヤ
状のスペーサである。

各プーリ９，１１には、先端が湾曲部２に連結
された操作ワイヤ１２，１３の基端部分が巻回さ
れていて、プーリ９，１１の回転によつて操作ワ
イヤ１２，１３が牽引されて、湾曲部２が屈曲す
る。１４は、上下方向用回転軸１０の軸受となる
と共に、プーリ９，１１から操作ワイヤ１２，１
３が膨出しないように設けられたカバーである。

上下方向用回転軸１０の上端部分は太径に形成
されており、その太径部分の上半部は断面形状が
例えば正方形の非円形に形成されている。そし
て、その部分に上下方向用湾曲操作ノブ５が上方
から係合している。１６はその係合部である。こ
の上下方向用湾曲操作ノブ５の中央に形成された
係合用の孔の形状は、上下方向用回転軸１０の非
円形断面形状と一致している。したがつて、上下
方向用湾曲操作ノブ５は、上下方向用回転軸１０
と一体となつて回転するが、第１図の上方に引き
上げることによつて、上下方向用回転軸１０に対
して、離脱することができる。

また、その上方に形成された左右方向用回転軸
８の太径部分と左右方向用湾曲操作ノブ６も、同
様にして、例えば正方形に形成された非円形の係
合部１８で、一体的に回転はするが、左右方向用
湾曲操作ノブ６を上方に引き上げることによつて
着脱自在に設けられている。

なお、各湾曲操作ノブ５，６が受けられる係合
部１６，１８の底部間の距離ｅに比べて、その間
の各湾曲操作ノブ５，６の厚みｍ，ｎの和の方が
僅かに小さな寸法に形成されている。したがつ
て、各湾曲操作ノブ５，６が係合部１６，１８に
係合している状態では、各湾曲操作ノブ５，６は
互いに干渉せず、かつ、ほとんどガタなく各々が
独立して回転することができる。

左右方向用回転軸８の頭部には、左右方向用湾
曲操作ノブ６の上方に突出して、手動操作によつ
て回転操作可能な締付ノブ３０が螺合している。
そして、この締付ノブ３０を手動的に一回締付け
ることにより、左右方向用湾曲操作ノブ６が上方
から押し付けられて、左右方向用回転軸８に固定
される。それによつて、同時に、上下方向用湾曲
操作ノブ５が上下方向用回転軸１０に取り付けら
れる。また、締付ノブ３０を緩めて左右方向用回
転軸８から抜き離せば、両方の湾曲操作ノブ５，
６を、共に上方に引き抜いて取り外すことができ
る。したがつて、手動操作による締付ノブ３０の
一つの着脱手段によつて、２つの湾曲ノブを着脱
することができる。

左右方向用回転軸８の上部の太径部内には、固
定軸７との間に弾性部材３１が圧縮して介装され
ている。したがつて、左右方向用回転軸８が回転
したときに、固定軸７との間に摩擦抵抗が生じる
ので、左右方向の湾曲動作には常に一定の力でブ
レーキがかかつた状態になつている。そして、こ
の弾性部材３１の圧縮量は、左右方向用回転軸８
の上端部付近の内側に螺合するナツト３２の締込
み量を加減することによつて、調整することがで
きる。

３３は、左右方向用回転軸８が上方に抜けない
ように、固定軸７の頂部に螺合して設けられた抜
け止め用ボルトである。

［発明の効果］ 本発明の内視鏡の湾曲装置によれば、一つの着
脱手段を手動操作することにより、上下方向用と
左右方向用の両湾曲操作ノブを同時に着脱するこ
とができるので、両湾曲操作ノブを術者サイドで
操作部から簡単に取り外して、洗浄、消毒し、或
いは交換することができる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の縦断面図、第２図
はその実施例の内視鏡の全体的構成を示す外観斜
視図である。 １……挿入部、２……湾曲部、４……操作部、
５……上下方向用湾曲操作ノブ、６……左右方向
用湾曲操作ノブ、８……左右方向用回転軸、１０
……上下方向用回転軸、３０……締付ノブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 挿入部の先端側に、屈曲自在な湾曲部を形成
   すると共に、挿入部の基端側に操作部を連結し
   て、その操作部に上下方向用湾曲操作ノブと左右
   方向用湾曲操作ノブとを同軸に重ね合わせて突設
   し、上記各湾曲操作ノブを回転操作することによ
   り上記湾曲部を屈曲させるようにした内視鏡の湾
   曲装置において、 上記２つの湾曲操作ノブを共に着脱自在に設け
   ると共に、手動操作によりそれら２つの湾曲操作
   ノブを操作部に着脱する１つの着脱手段を設けた
   ことを特徴とする内視鏡の湾曲装置。