JPH04267830A - 非ヒトキメラ哺乳動物 - Google Patents

非ヒトキメラ哺乳動物

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JPH04267830A
JPH04267830A JP3309255A JP30925591A JPH04267830A JP H04267830 A JPH04267830 A JP H04267830A JP 3309255 A JP3309255 A JP 3309255A JP 30925591 A JP30925591 A JP 30925591A JP H04267830 A JPH04267830 A JP H04267830A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、長期に安定な、異種好ましくはヒト造血細胞
系統を有する非ヒトキメラ哺乳動物、およびその作成方
法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ヒトドナーお
よび重症複合免疫不全症(SCID)マウスからの骨髄
細胞の二重移植によって得られる、長期に安定なヒトB
およびT細胞を有するキメラマウスに関し、これはヒト
モノクローナル抗体の製造に使用できる。
【0002】背景技術の説明 免疫不全動物は、造血疾患の研究のための実験モデルと
して使用されている。異種骨髄の移植は、たとえばラッ
トとマウスのような近縁関係の種の間でのみ成功してい
る(van  Bekkum,D.W.  &  Lo
wenberg,B.:Bone  Marrow  
Transplantation:Biologica
l  Mechanisms  and  Clini
cal  Practice,Dekker,New 
 York,1985の総説参照)。最近、ヒト起源の
免疫系を有するマウスの作成が試みられている。このよ
うな動物は、ヒト造血細胞やヒト免疫系の研究に使用で
きる。一例としては、ヒト免疫系からの細胞を「重症複
合免疫不全症」(SCID)と呼ばれる遺伝状態を有す
る自然変異株マウスへ移植することによって得られるS
CID−huマウスがある(MuCune,J.M.e
t  al:Science241,1632−163
9,1988;Mosier,D.E.et  al:
Nature  335,256−259,1988)
。これらのモデルにおけるヒト細胞の移植ははじめてマ
ウスへのHIVの感染を可能にしたが(Namikaw
a,R.et  al:J.Exp.Med.172,
1055,1990)ヒト細胞の生存は極度に限られて
いた。移植後2〜3カ月を過ぎるとマウスの末梢血には
、有意な数のヒトリンパ球は検出されなかった。しかも
、McCuneのモデルでは、SCIDマウスに移植さ
れたヒト胎児肝からの造血幹細胞は、腎線維膜下に移植
できるヒト胎児胸腺上皮の移植を補充しないことには、
接木されないかまたはT細胞に分化されない(McCu
ne,J.M.et  alおよびNamikawa,
R.et  al、いずれも前出)。他のマウスモデル
は、ヒト造血幹細胞の、遺伝的な免疫不全Bg/Nu/
Xidマウスへの移植に基づくものである。この場合も
、ヒトリンパ球は移植片対宿主病を誘導しなかった(K
amel−Reid,S.&  Dick,J.E.:
Science,242,1706,1988)。
【0003】以前の臨床研究において、ヒトSCID(
Reisner,Y.  et  al:Blood,
61,341,1983)または白血病患者(Keev
er,C.A.et  al:Blood,73,13
40,1989)へのT細胞枯渇骨髄の移植後、ヒト幹
細胞からの成熟T細胞の分化は遅く、1〜4カ月を要す
ることが示唆されている。マウスでのこのようなT細胞
の分化は致死全身照射(TBI)後14〜21日ごろに
起こる。再構築の速度におけるこれらの差を考慮すると
、マウスの微小環境内では、マウスおよびヒトサイトカ
イン間、ならびに細胞認識に関与する他の分子間の貧弱
な交差反応性により、ヒト幹細胞の分化は非効率的で、
実質的に遅いと考えることは理にかなっている。
【0004】免疫および造血系の重篤な抑制後には、致
死TBI後と同様、骨髄が提供されないとマウスは2週
以内に死亡する。このようなマウスでヒト幹細胞が理論
的に生育し、マウスの造血系を再構築したとしても、成
熟免疫担当リンパ球または他のリンパ球への分化の速度
が遅いことから、マウスを感染から保護するのに十分な
数に達するのが阻害され、さらに、造血コンパートメン
トの不適当な補充は造血不全による死からマウスを保護
できない。他方、実質的な数の造血およびリンパ系細胞
が残る亜致死条件のプロトコール(たとえば、亜致死T
BI)では、内因性のマウス細胞が移植ヒト細胞と効果
的に競合できて、結局はヒト移植片を拒絶することにな
る。したがって、致死照射正常マウスへのヒト骨髄の移
植による安定なヒト−マウスキメラ動物の作成は不可能
と考えられてきた。
【0005】発明の要約 有用なヒト−マウスキメラ動物モデルの作成のため、一
方では迅速な造血系の再構築と他方ではヒトTおよびB
細胞系統の遅い分化速度の必要性の間の対立は、本発明
において、SCIDマウスを骨髄レシピエントではなく
、骨髄ドナーとして使用することによって解決された。 これは、SCID骨髄細胞が、SCIDマウスの抗原受
容体再配列不全(Schuler,W.et  al:
Cell46,963,1986)によりSCID多能
性幹細胞からは分化できないTおよびB細胞系統を除い
て、すべての造血細胞系統を迅速に再構築するという仮
説に基づくものである。得られた胸腺の「中空スペース
」と骨髄が正常ヒトTおよびB細胞で占拠され、その集
団を形成するかどうかを試験するため、SCIDマウス
を骨髄をTおよびB細胞が枯渇したヒト骨髄と混合し、
致死照射マウスに移植した。ヒト骨髄のTおよびB細胞
枯渇は、大豆凝集素による分別凝集、ついでヒツジ赤血
球によるE−ロゼッティングによって行い、SBA− 
E− と呼ばれるヒトBM細胞(Reisner,Y.
et  al:Lancet  ii,327,198
1)を得た。
【0006】本発明において、長期に安定なヒト−マウ
スキメリズムの作成は、正常なBALB/cマウスの致
死照射、それらへのTおよびB細胞枯渇ヒト骨髄細胞の
移植ついで1日後、SCIDマウスからのT細胞枯渇骨
髄細胞の移植によって達成された。上述のように、Tお
よびB細胞系統を除くすべての造血細胞系統が迅速に再
構築されるように、SCIDマウスを骨髄ドナーとして
使用した。表現型成熟ヒトTおよびB細胞は、最初、移
植マウスの末梢血中に移植2〜4カ月後に検出され、移
植後9カ月以上も検出が続いた。明らかな移植片対宿主
病を認めない末梢血中における同様のリンパ系キメリズ
ムは、非操作(すなわち、TおよびB細胞が枯渇してい
ない)ヒト骨髄を静脈内または腹腔内のいずれかに移植
したときも見出された。
【0007】T細胞枯渇ヒト骨髄を移植したマウスの胸
腺には、CD3+CD4+ CD8+ 表現型が優勢な
ヒトリンパ球集団が形成された。循環ヒト免疫グロブリ
ン(Ig)がTおよびB細胞枯渇ヒト骨髄移植マウスの
7/20に、また非処置ヒト骨髄のレシピエント8/2
2に検出された。長期キメラの2/4では、ジニトロフ
ェノール(DNP)連結キーホールリンペットヘモシア
ニン(DNP−KLH)による一次および二次免疫後に
、DNP抗原に特異的なヒト抗体が検出された。これら
結果は、実質的な程度のヒトリンパ系キメリズムを生じ
るヒト骨髄の移植が正常マウスで達成され、長期間にわ
たって持続されることを証明している。これらの結果は
また、ヒトT細胞が、胸腺上皮細胞の補充を必要とせず
、マウス胸腺内で分化できることを示している。
【0008】これらの所見は、適当に処理された正常非
ヒト哺乳動物において多様なヒト細胞集団の移植および
形成を可能にする他の遺伝的に不全な非ヒト哺乳動物ド
ナーまたは他のトランスジェニックな遺伝子欠失哺乳動
物を含めたレシピエントを用いることにより、長期に安
定なヒト造血細胞系統を有する非ヒトキメラ哺乳動物の
作成への、より一般的なアプローチの基盤として役立つ
ものである。
【0009】本発明は、したがって、その造血細胞が少
なくとも2つの異なる起源からの造血細胞により実質的
に抑制または破壊、および置換された哺乳動物M1から
なり、この場合、上記の異なる起源からの造血細胞の少
なくとも一つは哺乳動物M1以外の種、哺乳動物M3に
由来する造血細胞であり、少なくとも第二の上記造血細
胞は哺乳動物M3以外の種で、遺伝的に決定された造血
細胞不全を有する哺乳動物M2に由来する造血細胞であ
る、長期に安定な異種造血細胞を有する非ヒトキメラ哺
乳動物M4を目的とするものである。
【0010】本発明はまた、内因性造血細胞が2種の異
なるソースの外因性造血細胞で置換され、その置換造血
細胞系統の少なくとも一つはヒト起源であり、他の造血
細胞系統は遺伝的に決定された造血細胞不全を有する哺
乳動物M2に由来する造血細胞系統を有する非ヒトキメ
ラ哺乳動物M4に関する。
【0011】本発明はまた、非ヒト哺乳動物M1の免疫
系を破壊し、この処置された哺乳動物M1にヒト起源の
造血細胞の適当なソースと、遺伝的に決定された造血細
胞不全を有する哺乳動物M2に由来する造血細胞の適当
なソースとの混合物を移植して、上述の非ヒトキメラ哺
乳動物M4を作成する方法に関する。
【0012】本発明の好ましい実施態様によれば、非ヒ
ト哺乳動物レシピエントM1はマウスであり、非ヒト哺
乳動物ドナーM2はSCIDマウスであり、哺乳動物ド
ナーM3はヒトである。
【0013】他の実施態様においては、本発明は、(a
)長期に安定なヒトBおよびT細胞を有する本発明のキ
メラ非ヒト哺乳動物M4を抗原で免疫処置し、(b)こ
の免疫処置非ヒト哺乳動物M4の適当な抗体形成細胞を
適当な融合パートナーと融合してハイブリドーマを生成
させ、(c)ハイブリドーマの上澄液について所望の抗
原の存在をスクリーニングし、(d)所望の抗体を産生
するハイブリドーマをクローン化し、ついで(e)これ
らのクローンの上澄液から抗体を回収することからなる
ヒトモノクローナル抗体の作成方法を提供する。
【0014】図面の簡単な説明 図1は、移植マウスの末梢血におけるヒトCD3+ 細
胞の分化を示すグラフである。ヒトCD3+ 細胞の分
化は抗−CD3(Leu4)による細胞蛍光測定法で分
析した。データの点に付した1〜7の数字は最初の一連
の実験における生存マウスを示す(表1参照)。挿入図
は、移植後49日に実施した代表的な実験の結果を示し
ている。正常ヒト末梢血リンパ球(PBL)の抗−CD
3による染色(上図)を、No.3マウスからのPBL
(中図)およびSCID骨髄単独を移植された対照マウ
スからのPBL(下図)の染色と比較する。正常マウス
PBLの染色は対照マウスの場合と同一であった。
【0015】図2は、ヒト骨髄を移植されたマウスから
の胸腺細胞の抗−ヒトCD4(赤)および抗−ヒトCD
8(緑)による二重染色を示す。パネルA:No.7マ
ウスの胸腺を移植5カ月後に摘出し、胸腺細胞をリン酸
緩衝食塩溶液で2回洗浄し、直接標識フィコエリトリン
−接合T4モノクローナル抗体およびフルオレセインイ
ソチオシアネート(FITC)−接合T8モノクローナ
ル抗体(いずれもCoulter  Immunolo
gy,Luton,England)で同時に染色した
。 次に、細胞を2回、緩衝液で洗浄し、FACS−Sca
n(Becton−Dickinson,Erembo
degem,Belgium)を用いて細胞蛍光測定法
で分析した。パネルB:正常BALB/cマウス胸腺細
胞と同じモノクロナール抗体を用いた対照実験。No.
7マウスの胸腺におけるヒトCD4+ CD8+ ,C
D4+ CD8− およびCD4− CD8− の百分
率(対照実験におけるバックグランド染色を差し引いた
値)は、それぞれ41.3%、3.7%および3.1%
であった(No.1マウスの胸腺におけるこれらの百分
率は、それぞれ42%、11.7%および8.2%であ
った)。No.1およびNo.7マウスの胸腺における
ヒトCD2細胞の百分率は、それぞれ35.0%および
47.1%で、ヒトCD3細胞の百分率は、それぞれ3
2.0%および43.0%であった。
【0016】図3は、移植マウスの末梢血および脾臓に
おけるヒトB細胞の染色を示すグラフである。No.7
マウスのPBL(左A図)および脾臓細胞(右A図)は
移植5カ月後にFITC−接合抗−ヒトCD20モノク
ローナル抗体で染色し、図2の説明の記載と同様にして
分析し、正常ヒトPBL(左B図)、正常マウスPBL
(左C図)および正常マウス脾臓細胞(右B図)と比較
した。
【0017】図4は、ヒト−マウスキメラ脾臓細胞の、
IL−2含有培地中での7日間培養後の抗−ヒトCD3
による染色を示す。A):SCID骨髄単独を移植され
た対照マウスから脾臓細胞、B)正常ヒトPBL、C)
ヒト−マウスキメラ(最初の一連の実験のマウスNo.
2、移植9カ月後)の脾臓細胞(25×10/ウエル)
を、ウシ胎児血清(10%)およびIL−2(20μg
/ウエル)含有RPMI培地中で7日間培養した。
【0018】図5は、DNP−KLHで免疫処置された
ヒト−マウスキメラ動物におけるDNP−特異的ヒト抗
体を示すグラフである。PBLがヒトTおよびBリンパ
球の両者に対して陽性であるヒト−マウスキメラ動物、
およびSCID骨髄単独を移植された対照マウスを、完
全フロインドアジュバント中に乳化したDNP−KLH
20μgで皮下に免疫処置した。48日後に、刺激マウ
スの一部ならびに非刺激マウスの一部に完全フロインド
アジュバント中に乳化したDNP−KLH100μgを
皮下注射した。6日後にマウスから採血し、抗DNP−
抗体を、マイクロタイタープレートをDNP−BSA(
50μg/ml)の100μg/ウエルで被覆したほか
は表1の脚注の記載と同様にして、ELISAで測定し
た。
【0019】○−○:第一の一連実験(2回チャレンジ
)からのNo.2(上)およびNo.3(下)マウスの
血清。●−●:第三の一連実験(1回チャレンジ)から
のマウスの血清。○−−−○:対照マウス(2回チャレ
ンジ)の血清、縦線付きの白丸は対照マウス(SCID
骨髄単独を移植、DNP−KLH1回チャレンジ)から
収集した15の血清の平均(±標準偏差)
【0020】
図6は、移植6カ月後のヒト−マウスキメラ動物からの
末梢血のDNA分析を示すゲルパターンである。PBL
を蒸留水中で分解し、10分間煮沸した。 細胞屑を遠心分離により沈降させ、上澄液中のゲノムD
NAをThermus  aquaticusからのD
NAポリメラーゼ(Perkin  Elmer−Ce
tus,Emeryville,California
,USA)を用い、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)操
作を30サイクル行って増幅した(Saiki,R.K
.et  al:Science,239,487,1
988)。500ngのゲノムDNA、20pmのDQ
BプライマーGLPDQB1およびGLPDQB2(T
odd,J.A.,Bell,J.I.&  McDe
vitt,h.o.:Nature,329,599,
1987)ならびに2UのTaq−DNAポリメラーゼ
を包含する反応混合物を、94℃30秒の変性、56℃
30秒のアニーリング、および72℃30秒の延長の反
復サイクルに付した。生成物は2%アガロースゲル電気
泳動によって分析した。ヒトPBLからの対照サンプル
が独特の246−bpバンドをもつ場合にのみ、増幅は
成功とみなされた(Ronningen,K.S.,I
we,T.Halstensen,T.S.,Spur
kland,A.&  Thorsby,E.:Hum
an  Immun.26,215,1989)。レー
ンA:正常ヒトPBL、レーンB:ヒトおよびマウスP
BLの人工混合物(比1:3)、レーンC:ヒト骨髄を
移植されたマウス(No.1)からのPBL、レーンD
:非処置BALB/cマウスからのPBL。
【0021】好ましい実施態様の詳細な説明本発明の非
ヒト哺乳動物M1は、ウマ、ヒツジ、またはげつ歯類た
とえばウサギ、ハムスター、モルモット、ラット、マウ
ス等、任意の哺乳動物であってよい。M1は、正常哺乳
動物でもよく、トランジェニック哺乳動物および遺伝子
欠失哺乳動物を包含する。本発明に使用できるトランス
ジェニックマウスM1の例には、ヒト組織適合抗原(H
LA)を有するトランスジェニックマウス、たとえば、
B7ヒトHLA遺伝子を含む(BALB/c×C57B
L/6)F1(Hammerling,G.J.et 
 al:Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,87,235−239,1990の記載に従って作
成)、または様々なヒトサイトカイン、たとえばIL−
3,IL−6,G−CSF,GM−CSFを発現する遺
伝子をもつトランスジェニックマウスがある。遺伝子欠
失哺乳動物の例には、β−マイクログロブリン遺伝子を
欠き、したがって、主要組織適合抗原(H−2)を発現
できないマウスがある。場合によっては、非ヒト哺乳動
物レシピエントM1は、哺乳動物ドナーM3からの骨髄
の移植前に照射が可能な、遺伝的に決定された造血細胞
不全を有する哺乳動物であってもよい。これによれば、
現在利用できるマウス株よりも免疫を強く抑制しやすい
動物をレシピエントとして提供できる。
【0022】本発明においては、遺伝的に決定された造
血細胞不全を有する、任意の非ヒト哺乳動物を、ドナー
M2として使用することができる。M2およびM2は同
一でも異なる種であってもよいが、同一の種であること
が好ましい。遺伝的に決定された造血細胞不全を有する
、有用なマウスの株には、免疫不全Bg/Nu/Xid
マウス、および赤血球系不全W/WV マウスが包含さ
れる。同じく、遺伝子欠失マウスが本発明に含まれる。 本発明における使用に適した他のマウスおよび哺乳動物
株を同定し、創製することも本分野の研究者には容易で
あろう。
【0023】哺乳動物M2からの造血細胞の好ましいソ
ースは、非処置またはT細胞枯渇、いずれかの骨髄であ
るが、他の適当なソース、たとえば脾臓、胎児肝、末梢
血液も使用できる。
【0024】哺乳動物ドナーM3は哺乳動物レシピエン
トM1以外の種であり、ヒトが好ましい。本発明で使用
されるヒト造血細胞のソースは、(a)非分画もしくは
分画骨髄細胞、たとえば骨髄系細胞、赤血球系細胞、巨
核球、もしくはリンパ系細胞系統のT細胞枯渇または異
種細胞集団、およびそれらの前駆体、ならびに/または
それらの混合物、(b)非分画または分画血球、たとえ
ば異種リンパ球、マクロファージ、単球、血小板、もし
くは赤血球、およびそれらの前駆体、ならびに/または
それらの混合物、(c)多能性の幹細胞および他のBお
よびT細胞枯渇末梢血由来の他の造血前駆細胞、(d)
臍帯血または胎児組織、たとえば胎児胸腺、胎児骨髄、
または胎児リンパ節、ならびに(e)成熟ドナーからの
リンパ節または脾細胞である。
【0025】キメラ哺乳動物M4で発現されるヒト造血
細胞系統の型は、ヒト起源および哺乳動物M2由来の移
植造血細胞が哺乳動物M1の造血細胞系統を再構築し、
M2の造血細胞不全とM2骨髄細胞がその細胞系統を発
生できないために生じるその再構築集団における「中空
スペース」のみが、相当するヒト造血細胞系統の細胞で
置換されることから、哺乳動物M2の遺伝的に決定され
た造血細胞不全の性質に依存することになる。
【0026】すなわち、本発明の好ましい実施態様にお
いては、造血機能が弱体化されたマウスにヒト骨髄細胞
とSCIDマウスの骨髄細胞が移植され、SCIDマウ
スの多能性幹細胞からは分化できない唯一の細胞系統で
あるヒトBおよびT細胞を有するマウスを導くことがで
きる。
【0027】他のヒト造血細胞系統、たとえば、赤血球
系細胞、骨髄系細胞、顆粒球、マクロファージおよび巨
核球系統が、本発明により、哺乳動物M1中で再構築さ
れ、異なる型のキメラを生成する。
【0028】本発明により安定な非ヒトキメラ哺乳動物
M4を作成する方法は以下の各工程からなる。すなわち
、(i)非ヒト哺乳動物M1を、その免疫系を本質的に
破壊するように処置し、(ii)この処置哺乳動物M1
に、正常ヒト骨髄、または哺乳動物M3、好ましくはヒ
トからの任意の他の適当な造血細胞のソースもしくは特
定の造血細胞系統を移植し、(iii)さらに、非ヒト
哺乳動物M2、好ましくはM1で、遺伝的に決定された
造血細胞不全を有する哺乳動物M2に由来する骨髄細胞
また任意の他の造血細胞の適当なソースを移植して、哺
乳動物ドナーM2由来の造血細胞を有しさらに哺乳動物
ドナーM3(たとえばヒト)からの1または2種以上の
造血細胞系統を有するキメラ非ヒト哺乳動物M4を得る
。一態様においては、これらのM3由来造血細胞系統は
上記M2の欠損造血細胞に相当する。
【0029】キメラ哺乳動物M4中で長期間生存する造
血細胞を与える哺乳動物M3はヒトであることが好まし
いが、他の哺乳動物、たとえばウシまたはウマも使用で
きる。すなわち、本発明によれば、例えば長期に安定な
ウシTおよび/またはB細胞を有するキメラマウスを作
成することができる。
【0030】工程(i)における哺乳動物M1の免疫系
の抑制または破壊のための処置には、照射(たとえば、
X線またはガンマ照射)、化学療法、もしくはその両者
、またはリンパ球もしくは任意の他のM1およびM2由
来する造血細胞に対するモノクローナル抗体による細胞
減弱が、その処置によりM1起源の造血細胞がM2また
はM3起源の移植造血細胞と競合する能力を実質的に消
失させる限り、包含する。
【0031】マウス骨髄移植の以前の研究から(van
  Bekkum,D.W.&  Lowenberg
,B.:Bone  Marrow  Transpl
an−tation:Biological  Mec
hanisms  and  Clinical  P
ractice,Dekker,New  York,
1985の総説参照)、致死用量の全身照射後にも、そ
の条件付けプロトコールで生き残る宿主造血細胞のある
ことが知られている。また、大用量の照射または化学療
法にもかかわらず、分化および増殖能を残した初期の前
駆細胞の生存により、造血細胞が発生できる場合がある
。このようなキメラ動物における宿主型の造血細胞の残
存は、使用した条件付けの方法のみならず、移植に用い
た骨髄の状態にも依存する。すなわち、本発明のヒト−
正常マウスキメラ動物でも、時に、宿主型のリンパ球ま
たは他の造血細胞が見出されることがある。この理由か
ら、ヒト表現型のキメラ細胞の特性づけならびにキメラ
によって産生されるヒト起源の抗体の試験に、十分な注
意を払わなければならない。
【0032】リンパ球以外のヒト造血細胞の移植を成功
させるためには、M2由来の短期造血細胞前駆体を用い
ることが可能である。このような細胞は、初期の照射に
よって誘発される形成不全からM2動物を保護し、ヒト
が前駆体が骨髄球または赤血球系細胞系統に分化するの
に必要な時間を与えることになる。この短期造血細胞前
駆体は、Miyama−Inabaらの方法(Bioc
hem.Biophys.Commun.147,68
7−694,1987)での骨髄の分画、または最初に
免疫系を本質的に破壊するため、たとえばTBIで処理
され、それに遺伝的に決定された造血細胞不全を有する
ドナーまたは正常ドナーからの骨髄が移植されたマウス
の骨髄移植によって得られる。
【0033】ヒト造血細胞系統とマウス造血細胞系統の
間の競合は、上述の、限られた自己再生能をもつ短期造
血細胞前駆体を用いることにより、またはヒト特異的サ
イトカインのおよび/またはヒト基質細胞の移植、ある
いはヒトサイトカインを発現する遺伝子を有するトラン
スジェニックレシピエント動物のM1の使用により、ヒ
ト細胞に優勢な結果が導かれる。
【0034】本発明のキメラ哺乳動物M4は、多様なヒ
トおよび動物疾患の研究ならびに他の目的のためのモデ
ル動物として使用できる。すなわち、ヒトTおよびB細
胞を移植されたキメラ哺乳動物は、1)各種の抗原、た
とえばウイルス、トキシンのような病原体、自己免疫細
胞、たとえば癌細胞のような病的細胞、たとえばリンパ
球、血小板のような病的または正常血球に伴う抗原に対
するヒトモノクローナル抗体の製造、2)白血病患者か
らの骨髄を移植したマウスにおけるヒト白血病細胞に対
する耐容性の誘導、ついでその患者白血病細胞の注入、
3)ヒト悪性腫瘍に対するヒトT細胞系、リンホカイン
活性化キラー(LAK)細胞、または細胞毒性Tリンパ
球(CTLs)の製造、4)現在in  vitro系
での研究は極めて限られているヒトTおよびB細胞の個
体発生の研究、ならびに、5)キメラ哺乳動物へのHI
V−1または多種のウイルスの感染によるエイズおよび
他のウイルス疾患の動物モデルとしての用途がある。
【0035】以上述べた結果は、ヒトTおよびB細胞の
長期持続移植が、正常マウスへの致死照射後、Tおよび
B細胞枯渇骨髄を移植することにより、さらにヒト胎児
胸腺上皮細胞の補充を必要とせず、達成できることを示
している。移植されたヒトTおよびB細胞は、分裂誘発
性および抗原性刺激に応答を現すことができるように思
われる。SCIDマウスの骨髄の移植により与えられる
造血細胞の死に対する保護は、骨髄同種移植を受けたヒ
ト白血病疾患での再構築ペースによく類似した移植マウ
スにおけるヒトTおよびB細胞の遅い発生を考慮したも
のである。さらにまた、本明細書に記載されたように、
マウスの胸腺における未成熟CD4  CD8(二重陽
性)ヒト胸腺細胞の存在は、ヒト骨髄幹細胞のT細胞へ
の分化がマウス胸腺の微小環境内で起こる可能性を示唆
している。
【0036】キメラ哺乳動物M4中で存在する異種造血
細胞系統の細胞に関連して本明細書において用いられる
「長期に安定な」の語は、3カ月以上生存する、前駆体
および分化細胞を含めた造血細胞系統を意味するもので
ある。このような細胞はキメラ中で6カ月以上安定に維
持されることが好ましい。このような細胞は、1年以上
理想的にはキメラ動物の寿命の間維持されることがさら
に好ましい。
【0037】本発明は、骨髄移植の前後を通じて滅菌環
境に置いても、ヒト−正常マウスキメラの長期にわたる
生存を可能にするものである。本発明のその他の利点は
、これらのマウスがHIV感染の標的であるヒトT細胞
に富み、それが長期に生存することである。
【0038】本発明の一実施態様においては、ヒトBお
よびT細胞を有する非ヒトキメラ哺乳動物M4を抗原で
免疫処置し、免疫処置マウスから脾臓また他の適当な部
位の抗体形成細胞を摘出し、その懸濁細胞を適当な融合
なパートナーと融合してハイブリドーマを生成させ、こ
の細胞を別個の容器中で適当に希釈、培養し、ハイブリ
ドーマを含有する各容器内の上澄液について抗体の存在
をスクリーニングし、所望の抗体を産生するハイブリド
ーマを選択し、クローン化して、ヒトモノクローナル抗
体が製造される。これらの操作は、文献に記載され、よ
く知られた技術によって実施できる。
【0039】抗原は任意の抗原でよく、たとえば、ウイ
ルス、蛋白質もしくはペプチド、正常または病的細胞等
である。ハイブリドーマ融合パートナーはヒト起源でも
非ヒト哺乳動物起源のものでもよい。好ましい実施態様
においては、それはマウス骨髄系細胞である。
【0040】所望のモノクローナル抗体を製造するには
、ハイブリドーマ細胞を適当な培地中、in  vit
roで培養し、上澄液から所望のモノクローナル抗体を
回収するか、またはハイブリドーマ細胞をマウスの腹腔
内に注射し、これらのマウスの悪性腹水もしくは血清か
ら抗体を収穫する。
【0041】本発明は、他の実施態様においては、ヒト
には感染するが通常マウスには感染しないエイズや他の
種類のウイルスに対する動物モデルとしての、非ヒトキ
メラ哺乳動物M4の使用に関する。これは、正常マウス
と異なり、本発明のキメラ哺乳動物M4はヒトT細胞を
有するからである。この目的では、キメラ哺乳動物M4
は、それらに、本技術分野において知られている方法(
Namikawa,R.et  al:Science
  242,1684,1988)によりHIV−1ま
たは他の適当なウイルス単離体を注射することにより、
エイズの原因となるHIV−1または他のウイルス株に
感染させる。2〜3週後に、動物を試験して、その末梢
血における抗原の存在を調べる。ついで、陽性の動物は
、エイズに対する新しい薬剤の評価および/またはエイ
ズに対する旧来の薬剤たとえばAZTや新しい薬剤の生
物学的利用性もしくは効果の問題の研究のための便利な
試験系として使用できる。また、哺乳動物M1における
移植に用いられるヒト骨髄細胞は、移植前に遺伝子を操
作して、HIV−1感染に抵抗性とすることもできる。 このような遺伝子療法の効果も、キメラ哺乳動物M4モ
デルで試験できる。
【0042】次に、本発明を以下の実施例によってさら
に詳しく説明するが、これらはいかなる意味においても
本発明を限定するものではない。
【0043】例 致死照射BALB/cマウスへのTおよびBリンパ球の
移植 (a)8〜12週齢の雌性BALB/cマウス(Ola
c  Farms,Bicester,England
から入手)を、Gammabeam  150−A60
Co放射装置(Atomic  Energy  of
  Canada,Kanata,Ontario)か
らの10Gy  TBIの単回照射に、焦点皮膚距離(
F.S.D.)75cm、照射速度0.7Gy/min
で暴露した。1日後、10×106 個のT細胞枯渇ヒ
ト骨髄細胞(大豆凝集素による分別凝集、ついでRei
sner,Y.et  al:Lancet,ii,3
27,1981の記載に従い、ヒツジ赤血球によるE−
ロゼッティングにより調製)を各マウスのi.v.に移
植した。24時間後に、8〜12週齢の雄性SCIDマ
ウス(TheWeizmann  Institute
  Animal  Breeding  Cente
rから入手)からのT細胞枯渇骨髄をReisnerら
(Reisner,Y.,Itzicovitch,L
.,Meshorer,A.,&  Sharon,N
.:Proc.Natl.Acad.Sci.USA,
75,2933,1978)に従い、一部をわずかに改
良して(Schwartz,E.,Lapidot,T
.,Gozes,D.,Singer,T.S.&  
Reisner,Y.:J.Immunol.138,
460,1987)調製し、2×106 個の細胞を移
植した。ヘパリン被覆ガラス毛細管を用い、様々な時間
間隔で、マウスの眼窩後静脈から採血し、単核球をFi
coll−Hypaque分画で精製した。ヒトT細胞
の存在は、直接標識モノクローナル抗体で検出した。こ
れらには、T3(抗−CD3),T4(抗−CD4),
T8(抗−CD8)およびT11(抗−CD2),(す
べてCoulter  Immunology,Lut
on,Englandより入手)ならびに、Leu4(
抗−CD3),(Beckton−Dickinson
,Mountain  View,Californi
a,USA)が包含される。ヒトB細胞は、直接標識B
1(抗−CD20)およびB4(抗−CD19)(Co
ulter  Immunology)によって検出し
た。これらのモノクローナル抗体はすべて、図1、図2
および3から明らかなように、正常マウスPBLと交差
反応性を示さなかった。2%を越えるPBLが適当なモ
ノクローナル抗体で染色された場合に(正常BALB/
cマウスのPBLに対するバックグランド染色を差し引
いて)陽性マウスとした。2%のカットオフは、a)正
常BALB/cマウス、b)2×106 個のT細胞枯
渇SCIDドナー骨髄細胞を移植されたBALB/cマ
ウス、およびc)ヒト、からのPBLに対して適当なモ
ノクローナル抗体を試験した予備実験に基づいて確立さ
れた。群(a)からの細胞で認められたバックグランド
染色を差し引いたのち、2%のカットオフを使用すると
群(b)の「偽陽性」は効率的に回避されることが明ら
かになった。
【0044】(b)移植マウスの血清中の総ヒト1g含
量は、移植3〜8カ月後に、二重抗体ELISAを用い
て評価した。マイクロタイタープレートは、100μl
のアフィニティー精製ヤギ抗−ヒトFab′抗体(50
μg/ml)(BioMakor,Nes  Zion
a,Israel)で被覆した。蛋白質の非特異的結合
は、PBS中ウシ血清アルブミン(BSA)7%溶液内
で2時間インキュベートして除去した。移植マウスから
の希釈(1:1)血清(50μl)を各ウエルに4℃で
16時間適用した。ウエルを洗浄し、ペルオキシダーゼ
−ヤギ抗−ヒト1g(IgG,IgM,IgH)(Ze
med  Laboratory,Californi
a)と37℃で2時間インキュベートし、それを、最終
希釈の前に同容量の正常マウス血清とインキュベートし
た(マウス1gとの交差反応性を回避するため)。さら
に洗浄したのち、基質溶液〔2,2−アジノジ−(3−
エチルベンズチアゾリンスルホン酸)ジアゾニウム塩(
AYBS)〕(Sigma,USA)を適用した。62
0nmにおける光学密度をTitertekMulti
scan−ML(Flow  Laboratorie
s)ELISAリーダーで測定した。総Ig濃度は、精
製ヒトIgによる標準曲線を用いて計算した。20ng
/mlを越える値に相当する読みを陽性として記録した
。この閾値は、SCID骨髄単独を移植されたマウスの
血清が陰性であった対照実験に基づくものである。ヒト
IgGおよびIgMは、一部のマウスで(本文参照)、
第二の抗体、ペルオキシダーゼ−ウマ抗−ヒト(IgG
)Fc(BioMakor)およびペルオキシダーゼ−
ヤギ抗−ヒトIgM(μ)(BioMakor)を用い
て、上述のように測定した。 (c)非分離骨髄(80×106 細胞/マウス、I.
V.) (d)非分離骨髄(200×106 細胞/マウス、I
.P.) (e)非分離骨髄(15×106 細胞/マウス、I.
V.) 結果は表1にまとめる。
【表1】       致死照射BALB/cマウスa へのヒト
TおよびBリンパ球の移植─────────────
──────────────────────  移
植後週      生存数            末
梢血にヒトリンパ球を有するマウス─────────
─────────────────────────
─  実験1                   
 T細胞    B細胞    T+B細胞    ヒ
トIgb       7週      7/10  
  1/7    N.T.    10週     
 7/10    4/7    N.T.    1
6週      7/10    7/7    N.
T.    22週      7/10    6/
6    6/6      6/6      3/
6  実験2       7週      3/6      0/
3    N.T.    18週      3/6
      2/3    1/3      1/3
      0/3  実験3       9週      7/8      4/
7    4/7      4/7      3/
7  実験4     11週      4/7      3/4
    4/4      3/4      1/4
  実験5c      11週      7/8      6/7
    5/7      5/7      2/7
  実験6d      11週      8/14    3/8 
   7/8      2/7      5/8 
 実験7e      11週      7/7      5/7
    7/7      5/7      1/7
─────────────────────────
──────────
【0045】表1から明らかなよ
うに、このアプローチは、SCID骨髄ドナーとH−2
同一性である、致死照射正常BALB/cマウスの末梢
血に、ヒトTおよびB細胞の分化を誘導した。4群の実
験で、合計31匹のマウスが、静脈内経路により、10
×106 個のSBA− E− ヒト骨髄細胞の移植を
受け、1日後に、SCIDマウスからのT細胞枯渇骨髄
細胞2×106 個を静脈内に移植された。移植を受け
た31匹のマウス中、20匹が少なくとも3カ月、8カ
月以上まで生存した。感染による脂肪(31匹中10匹
)は、主として、移植後3週の間に観察された。1匹の
マウスは、眼窩後静脈からの採血後、移植5カ月目に感
染で死亡した。末梢血リンパ球(PBL)中のヒトリン
パ球の移植の結果を評価するため、マウスから定期的に
採血を行った。生存動物20匹中16匹で、ヒトT細胞
および/またはヒトB細胞の移植が認められた。生存動
物20匹中14匹で、有意な数のヒト起源TおよびB細
胞の両者が、移植7週後以降9カ月まで、検出された。
【0046】移植後の期間におけるT細胞の移植成立の
定量的評価は、6カ月以上にわたって観察された第一の
マウス群で最もよく例示されている(図1)。移植マウ
スの末梢血へのCD3T細胞の出現は、1匹のマウス(
No.3)では、移植7週後にはじめて認められた(図
1挿入図)。このマウスでは、正常ヒトPBLの場合の
66%に対し、PBLの25%がヒトCD3特異的モノ
クローナル抗体に結合した。SCIDマウス骨髄単独の
移植を受けたマウスからのPBLでは、この検定で、こ
の試剤によりわずかに0.9%が標識されたにすぎなか
った。
【0047】移植後10週までに、試験されたマウスの
7匹中4匹に、少ないが有意な数の、6.5%から10
.8%(平均7.9%)のT細胞が見出された。移植後
4カ月の末までには、著しいT細胞数の増加が認められ
、この時点では、7匹のすべてにヒトCD3T細胞の移
植が成立した。試験されたマウスの7匹中6匹で、末梢
血中に存在するT細胞の百分率は10%以上で、11.
1%から54.1%(平均27.1%)であった。 ヒトCD2に特異的なモノクローナル抗体を用いても、
類似した数のT細胞が記録された(データは示していな
い)。
【0048】ヒトCD8およびCD4に特異的なモノク
ローナル抗体を用いて、移植が成立したT細胞の表現型
をさらに調べたところ、T細胞枯渇骨髄により骨髄移植
に成功したのちの初期に白血病患者に共通して認められ
るCD3  CD2CD4CD8リンパ球のような異常
もしくは未成熟表現型(Keever,C.A.et 
 al:Blood,79,1340,1989)が見
出された。移植5カ月後の移植成立マウスの末梢血にお
ける総ヒトT細胞中のこれらの細胞の百分率は、49%
〜84%であった。しかしながら、末梢血中の残りのヒ
トT細胞は、正常末梢血中に共通して認められる成熟表
現型、たとえばCD3+ CD4+ CD8− および
CD3+ CD4− CD8+ であった。
【0049】すなわち、移植後最初の月にのみ一過性の
ヒトT細胞の移植成立が検出された研究(McCune
,J.M.et  al:Science,241,1
632,1988)とは異なり、本発明の実験モデルで
は、移植後7週から始まり移植後4〜5カ月でプラトー
に達する、遅いが着実な末梢血におけるヒトT細胞の増
加が証明された(図1)。これらの結果は、SBA  
E骨髄の移植後にヒトSCID患者および白血病患者に
みられる遅いT細胞分化(Reisner,Y.et 
 al:Blood,61,341,1983)と一致
するものである。
【0050】移植後5カ月(図2)または6カ月(PB
S  中胸腺細胞懸濁液の調製後に、約1〜2×106
 個の生存細胞を収集できた)の移植マウスからの胸腺
細胞の細胞蛍光測定法による検査では、正常ヒト胸腺細
胞の表現型をもつ有意な数のヒト細胞が認められた。正
常ヒト胸腺の場合と同様に、主要な胸腺細胞亜集団は、
CD4+ CD8+ 表現型をもつことが見出された。 少数のCD4+ CD8− およびCD4− CD8+
 リンパ球集団も検出された(図2)。
【0051】 移植ヒトT細胞のマイトジエンに対する応答性移植ヒト
T細胞のマイトジエンに対する応答性は、移植後5カ月
のヒト−マウスキメラ(第三群の実験から)の脾臓細胞
を、骨髄移植後のSCIDまたは白血病患者における免
疫再構築の試験に用いられる条件下、特異的抗−ヒトC
D3抗体で刺激して評価した(OKT3/ATCC,R
ockville,Maryland,USA,1〜2
μg/ウエル)。このマイトジエンは、ヒトT細胞を選
択的に刺激し、マウス細胞と交差反応しない。したがっ
て、ヒト−マウスキメラの評価には、植物マイトジエン
より適している。
【0052】マイトジエンと7日間培養すると、正常ヒ
トPBLの場合の2.2、正常マウス脾臓細胞での0.
8に対し、試験された2匹のキメラマウスにおける刺激
係数は、3.1および2.2であった。しかしながら、
ヒト−マウスキメラの脾臓細胞の応答の大きさ(抗−O
KT30.8の存在下と不存在下におけるチミジン取り
込みの平均の間の差)は、正常ヒトPBLの場合(32
,707cpm)の、それぞれ、わずか10%(317
8cpm)および7%(2440cpm)であった。
【0053】上述のキメラからの脾臓細胞をIL−2含
有培地中でインキュベートし培養7日後に抗−ヒトCD
3抗体で染色して試験すると、生存集団中にはヒトT細
胞が多く(55%)、SCIDマウス骨髄単独の移植を
受けた対照マウスからの脾臓細胞について得られた結果
(1%)と異なり、正常ヒトPBLをこれらの刺激下に
培養した場合に認められるT細胞の優勢(83%)に類
似していた(図4)。これは、このようなヒト−マウス
キメラからヒトT細胞をクローン化し、ついで刺激抗原
に対するそれらの特異性を試験することが可能であるこ
とを示している。
【0054】ヒトB細胞の存在の試験 移植マウスの末梢血におけるヒトB細胞の存在は、第一
の群の動物で移植5カ月後に、最初に試験した。ヒト−
マウスキメラ中のヒトB細胞の識別には、ヒトB細胞分
化抗原CD19およびCD20に特異的な直接標識モノ
クローナル抗体を用いた。この試験は、移植後5カ月お
よび6カ月の間に実施した。末梢血中のヒトCD19+
 およびCD20+ 細胞の比率は、移植後5カ月には
CD19に対しては4.5%〜16.3%、CD20に
対しては3.5%〜33.0であった。6カ月後、これ
らの値はそれぞれ、9.0%〜30.4%、および2.
1%〜20.6%の範囲となった。移植マウスの末梢血
および脾臓細胞中ヒトB細胞の、抗−CD20による典
型的な染色を、正常BALA/cマウスの末梢血および
脾臓細胞中のマウスB細胞の染色と比較して図3に示す
【0055】第二および第三群の骨髄レシピエントでの
BAL中におけるB細胞の存在は、移植後の比較的早い
時期に試験した(表1)。最も早いB細胞の存在は、第
三実験群のマウス7匹中4匹で、移植9週後に記録され
た。この時点でのこれらのマウスのPBL中のCD19
+ ヒトB細胞の百分率は、2.4〜14.38%の範
囲であった。
【0056】移植が成立したヒトBリンパ球の機能は、
血清中ヒト免疫グロブリンのレベルの試験により、DN
P−KLHに応答して生成したヒト抗体の力価を調べて
評価した。SBA  Eヒト骨髄を移植されたマウス(
TおよびB細胞の両者が枯渇)中、移植が成立したマウ
ス20匹中7匹がヒトIgに陽性であった。ヒトIgに
陽性を示したマウス4匹からの血清をさらに試験したと
ころ、ヒトIgMが2例に、またヒトIgGが他の2例
に検出された。以後の実験で、マウスには、非処置骨髄
も移植した(表1参照)。これらのマウス22例中8例
がヒトIgに対して陽性で、ヒトIgMは2例に、ヒト
IgGは他の6例の動物に検出された。
【0057】ヒトIgに陽性を示したキメラマウス(第
一実験群からの2匹および第三実験群からの2匹で、そ
れぞれ移植8および6カ月後)のDNP−KLHによる
免疫処置は、4例中2例の動物に、DNPに特異的な一
次および二次応答の両者を誘導した(図5)。二次免疫
処置後には、2匹のマウス中1匹に特異的なヒトIgG
およびIgMの両者を検出することができた。これらの
結果は、移植ヒトリンパ球はマウス環境内で機能できる
ことを示している。
【0058】マウスBALは、本研究に使用した特定の
モノクローナル抗体とは交差反応性を示さなかった(図
1〜3)。したがって、ここに示した細胞蛍光分析は、
ヒトTおよびB細胞が、移植された正常BALA/cマ
ウス中で生育し、増殖できることの強力な証拠を提供す
るものである。しかしながら、さらにこれを確証するた
め、本発明者らは、移植されたマウスの末梢血液中にお
けるヒトリンパ球の存在をDNA分析で確認した。図6
から明らかなように、ヒト(HLA−DQB)遺伝子の
DNAがマウスNo.1の血清中に検出された。しかし
、非処置マウスからの正常BALの試験では、完全に陰
性の結果が得られた。マウスNo.1からのBALの同
じサンプル(移植6カ月後に採取)では、抗−CD3お
よび抗−CD19モノクローナル抗体を用いた細胞蛍光
分析により、60%のTおよびB細胞の存在が明らかに
された。一方、抗H2d モノクローナル抗体による染
色では、わずか6.2%のマウス単核球細胞が検出され
たのみであった。
【0059】SCIDマウスの骨髄には、正常な骨髄系
および赤血球系細胞前駆体が存在するので、ヒトSBA
  E骨髄細胞をマウスSCID骨髄細胞と一緒に移植
すると、ヒト骨髄系細胞の移植成立は無視できるものと
期待される。しかしながら、移植後様々な時間で屠殺し
たヒト−マウスリンパ球キメラから得られた骨髄プレパ
レーションは、抗H2d 抗体(マウスのSCIDおよ
びBALA/c株の染色に特異的)で染色して分析した
場合、ヒト骨髄系分化抗原(抗−CD13および抗−C
D33)に対する抗体と反応する細胞が繰り返しPBL
中に見出され(1〜10%)、また時に、骨髄および脾
臓サンプル中にも認められた。検出された細胞には、自
己再生および分化の有意な能力をもつクローン由来前駆
細胞が包含されるものと思われる。
【0060】非処置骨髄による移植 T細胞の枯渇が行われていないヒト骨髄単核細胞集団の
移植を、同じ移植方法を用いて実施した。ただし、さら
に大用量の(80×106 細胞/マウス)非処置骨髄
を用いた(前駆体細胞と比較的に相当する数を与える)
。 移植成立率はT細胞枯渇骨髄を用いた場合(表1)と同
様で、移植片−宿主病の発症も認められなかった。
【0061】要約すれば、本発明は、ヒトBおよびT細
胞を有する「正常な」マウスを提供するものである。
【0062】本明細書の以上の記載は、本技術分野に属
する熟練者による本発明の実施を可能にする十分な情報
を提供するものであると考える。ここに示したBおよひ
T細胞を有する正常マウスの例は、本発明の一実施態様
を例示するものであって、本発明の範囲を限定するもの
ではない。本発明に様々な改変が可能なことは、以上の
記述から、本技術分野に属する熟練者には自明であろう
。このような改変は、すべて、本特許請求の範囲に包含
されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移植マウスの末梢血におけるヒトCD
3細胞の分化を示すグラフ。
【図2】ヒト骨髄を移植されたマウスからの胸腺細胞の
抗−ヒトCD4および抗−ヒトCD8による二重染色。
【図3】移植マウスの末梢血および脾臓におけるヒトB
細胞の染色を示すグラフ。
【図4】ヒト−マウスキメラ脾臓細胞の、IL−2含有
培地中での培養後の抗−ヒトCD3による染色。
【図5】DNP−KLHで免疫処置されたヒト−マウス
キメラにおけるDNP−特異的ヒト抗体を示すグラフ。
【図6】ヒト−マウスキメラからの末梢血のDNA分析
を示すゲルパターン。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  少なくと2つの異なるソースからの造
    血細胞により、造血細胞が実質的に抑制または破壊およ
    び置換された哺乳動物M1からなり、この場合、上記ソ
    ースの少なくとも一つは哺乳動物M1以外の種の哺乳動
    物M3に由来する造血細胞であり、上記ソースの少なく
    とも第二は哺乳動物M3以外の種で、遺伝的に決定され
    た造血細胞不全を有する哺乳動物M2に由来する造血細
    胞である、長期に安定な異種造血細胞を有する非ヒトキ
    メラ哺乳動物M4。
  2. 【請求項2】  哺乳動物M3はヒトである「請求項1
    」記載の非ヒトキメラ哺乳動物M4。
  3. 【請求項3】  哺乳動物M2および哺乳動物M1は同
    じ哺乳動物種である「請求項2」記載の非ヒトキメラ哺
    乳動物M4。
  4. 【請求項4】  哺乳動物M2および哺乳動物M1はい
    ずれもマウスである「請求項3」記載の非ヒトキメラ哺
    乳動物M4。
  5. 【請求項5】  ヒトTリンパ球を有する「請求項2」
    記載の非ヒトキメラ哺乳動物M4。
  6. 【請求項6】  ヒトTリンパ球およびヒトBリンパ球
    有する「請求項2」記載の非ヒトキメラ哺乳動物M4。
  7. 【請求項7】  ヒト赤血球系細胞系統の細胞を有する
    「請求項2」記載の非ヒトキメラ哺乳動物M4。
  8. 【請求項8】  ヒト骨髄系細胞系統の細胞を有する「
    請求項2」記載の非ヒトキメラ哺乳動物M4。
  9. 【請求項9】  マウスM1の造血細胞はヒトT細胞で
    置換され、哺乳動物M2は重症複合免疫不全症(SCI
    D)マウスである「請求項4」記載の非ヒトキメラマウ
    ス。
  10. 【請求項10】  哺乳動物M1の造血細胞はヒトTお
    よびB細胞で置換され、哺乳動物M2は重症複合免疫不
    全症(SCID)マウスである「請求項4」記載の非ヒ
    トキメラマウス。
  11. 【請求項11】  哺乳動物M1はBALB/cマウス
    である「請求項10」記載の非ヒトキメラマウス。
  12. 【請求項12】  哺乳動物M1はトランスジェニック
    マウスである「請求項4」記載の非ヒトキメラマウス。
  13. 【請求項13】  (a)非ヒト哺乳動物M1を、その
    免疫系を本質的に破壊するように処置し、(b)この処
    置哺乳動物M1に哺乳動物M1以外の種の哺乳動物M3
    由来の造血細胞を移植し、(c)工程(b)の処理動物
    にさらに、哺乳動物M3以外の種の、遺伝的に決定され
    た造血細胞不全を有する哺乳動物M2に由来する造血細
    胞を移植して、哺乳動物ドナーM2由来の造血細胞を有
    しさらに哺乳動物ドナーM3からの1または2種以上の
    造血細胞系統を有するキメラ非ヒト哺乳動物M4を得る
    ことを特徴とする「請求項1」記載の非ヒトキメラ哺乳
    動物M4を作成する方法。
  14. 【請求項14】  哺乳動物M3由来の造血細胞系統は
    、遺伝的に決定された造血細胞不全により哺乳動物M2
    が欠く細胞系統に相当する「請求項13」記載の方法。
  15. 【請求項15】  哺乳動物M1はマウス、哺乳動物M
    2はマウス、哺乳動物M3はヒトである「請求項13」
    記載の方法。
  16. 【請求項16】  工程(b)において移植されるヒト
    造血細胞は、(i)非分画または分画骨髄細胞、(ii
    )非分画または分画血球、(iii)多能性の幹細胞お
    よび/またはBおよびT細胞枯渇末梢血由来の他の造血
    前駆細胞、(iv)臍帯血または胎児組織、ならびに(
    v)成熟ドナーからのリンパ節または脾細胞からなる群
    より選ばれる「請求項15」記載の方法。
  17. 【請求項17】  工程(b)においてヒト非分画骨髄
    細胞がマウスM1に移植される「請求項16」記載の方
    法。
  18. 【請求項18】  工程(c)における哺乳動物M2由
    来の造血細胞は、限られた自己再生能を有する短期造血
    細胞前駆体である「請求項13」記載の方法。
  19. 【請求項19】  短期造血細胞前駆体は哺乳動物M2
    の骨髄の分画によって得られる「請求項18」記載の方
    法。
  20. 【請求項20】  短期造血細胞前駆体は、まずその免
    疫系を本質的に破壊するように処置し、ついでそれに遺
    伝的に決定された造血細胞不全を有する哺乳動物M2の
    骨髄を移植した哺乳動物に由来する「請求項18」記載
    の方法。
  21. 【請求項21】  (a)レシピエントマウスM1にそ
    の免疫系を本質的に破壊するように致命的照射処置を行
    い、(b)この照射処置マウスに非処置またはT細胞枯
    渇ヒト骨髄を移植し、(c)工程(b)の移植マウスに
    さらにT細胞枯渇SCIDマウスM3骨髄細胞を移植し
    て、長期に安定なヒトBおよびT細胞を有するキメラマ
    ウスM4を得ることを特徴とする、長期に安定なヒトB
    およびT細胞、ならびにSCIDマウスM2由来の造血
    細胞を有する「請求項10」記載のキメラマウスM4を
    作成する方法。
  22. 【請求項22】  キメラマウスM4は長期に安定なヒ
    トBおよびT細胞を有するBALB/cマウスである「
    請求項21」記載の方法。
  23. 【請求項23】  ヒトモノクローナル抗体を製造する
    にあたり、(a)「請求項10」記載のキメラマウスM
    4を抗原で免疫処置し、(b)免疫処置マウスの脾臓、
    胸腺またはリンパ節細胞を適当な培養融合パートナー細
    胞と融合してハイブリドーマ細胞を得、(c)このハイ
    ブリドーマ細胞の上澄液を上記ヒト抗体の存在について
    スクリーニングし、(d)上記ヒト抗体を産生するハイ
    ブリドーマを選択し、クローン化し、(e)選択され、
    クローン化されたハイブリドーマを適当な培地中で培養
    し、その上澄液から抗体を回収することを特徴とする上
    記抗体の製造方法。
  24. 【請求項24】  エイズまたは任意の他の特定ヒトウ
    イルス疾患に対する薬剤の効果を評価するにあたり、(
    a)「請求項10」記載のキメラマウスM4にエイズま
    たは他の特定ヒトウイルス疾患の原因となるウイルス株
    を感染させ、(b)評価すべき薬剤を感染キメラマウス
    に注射し、(c)この感染キメラマウスの血清または組
    織中のウイルス特異的抗原を試験することにより感染キ
    メラマウスの処置における薬剤の効果を評価することを
    特徴とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003508038A (ja) * 1999-08-31 2003-03-04 ジェネンコア インターナショナル インコーポレーテッド ドナー特異的機能性免疫の産生を容易にすることができるトランスジェニック哺乳類
CN107773573A (zh) * 2016-08-30 2018-03-09 张超 白血病疾病模型及其构建方法

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