JPH04260492A - セラミック濾過器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は原水中に残留する遊離塩
素や酸化第二鉄等の懸濁物質を除去する耐火性粒子の集
合体からなるセラミック濾過器に関するものである。

【０００２】

【発明の背景】原水、特に日常飲用する水道水中には、
周知なように安全性を期するため殺菌剤として塩素が添
加されている。すなわち、わが国の水道法では、水道水
に対し、■病原生物に汚染され、または病原生物に汚染
されたことを疑わせるような生物もしくは物質を含むも
のでないこと、■シアン、水銀、その他の物質を含まな
いこと、■銅、鉄、フッ素、フェノールその他の物質を
その許容量を超えて含まないこと、■異常な酸性、また
はアルカリ性を呈しないこと、■異常な臭みがないこと
、ただし消毒による臭みを除く、■外観はほとんど無色
透明であること、の各条件が要求されており、この条件
を満たすため塩素消毒が行われている。この規制により
、蛇口から吐出される水道水に細菌が繁殖しないように
残留塩素濃度は０．１ｐｐｍ以上と規定され、低い地方
で０．４ｐｐｍ、高い地方では１．３ｐｐｍも残留して
いる。

【０００３】ところで、水道水中に添加されている塩素
が、水道水の味を損なわせると同時に、この塩素が水中
の懸濁物質、有機物、金属塩等と反応して発癌物質のト
リハロメタンに変化することが解明されてきた。特に、
最近の調査ではトリハロメタンはほとんどの水道水中に
含まれていることが判り、社会問題化している。このよ
うに、消毒殺菌の目的で水道水中に添加される塩素は、
殺菌作用と同時に水道水中に含まれている他の懸濁物質
等と化合して発癌物質となる危険性があるのである。

【０００４】従って、蛇口以降の飲料水中に残留してい
る遊離塩素を速やかに除去することが必要であり、その
ためこれまでに種々なタイプの浄水器が開発され、実際
に使用に供されている。その中の一つに、活性炭のもつ
濾過機能を利用した浄水器があるが、活性炭によって塩
素を除去すると、カルキ臭は消えるが塩素のもつ殺菌作
用も同時に失われ、浄水器に滞留する水や活性炭にバク
テリアや一般細菌が繁殖する危険がある。そこで、現在
もっとも効果的とされているのは、プラスチック容器内
に活性炭を入れ、遊離塩素を除去すると共に、活性炭に
発生する雑菌をポリエチレン製の多孔質中空糸で濾過す
る構造のものが主流となっている。しかしながら、この
構造のものでは酸化第二鉄を主成分とする鉄錆、赤錆等
の除去が充分でなく、所謂金臭い水になると共に、交換
用カートリッジの容器にプラスチック材料を使用してい
るので、プラスチックの廃棄に伴う公害が新たな問題に
なるという欠点がある。

【０００５】そこで本発明者は、上記した従来の浄水器
が有する諸問題点を解決すべく鋭意研究した結果、活性
炭中に発生するバクテリア等の雑菌をポリエチレン多孔
質中空糸にかわり、内部に活性炭等の濾過材を充填した
１５０メッシュ以上の平均粒径を有する耐火性粒子の集
合体よりなる濾過性を有する多孔質の有底濾過筒体で濾
過すると、原水中の遊離塩素が除去されてカルキ臭がな
くなるのは云うまでもなく、濾過水中の除菌効果も大で
あり、鉄錆、赤錆等の酸化第二鉄は勿論、原水中の鉄イ
オンの除去作用もあることを見出し、本発明を完成する
に到ったものである。従って、本発明は原水中に残留す
る遊離塩素や、酸化第二鉄等の懸濁物質を除去すると共
に、バクテリア等の一般細菌を効率的に除去する耐火性
粒子の集合体からなるセラミック濾過器を提供すること
を目的とするものである。

【０００６】

【発明の構成】上記目的を達成するための本発明の構成
を詳述すれば、１５０メッシュ以上の微粉末状に粉砕し
た耐火性粒子の集合体を１２００℃以上の温度条件下に
て焼成して、上部を開口とした多孔質の有底濾過筒体を
製し、当該有底濾過筒体内に活性炭のような濾過材を充
填すると共に、有底濾過筒体の上部開口端に原水の吐出
口に対応する取付部材を付設したことを特徴とするセラ
ミック濾過器である。

【０００７】本発明で用いる耐火性材料としては、炭化
珪素、窒化物、珪砂等が適当であり、所定粒度に整粒し
たこれら材料の単体あるいは複合体を、珪酸ナトリウム
（水ガラス）、珪酸塩化合物（釉薬）等の耐火性バイン
ダーで成形し、１２００℃以上の高温にて焼成して０．
１μ〜１０μの範囲の濾過性を有する多孔質の有底濾過
筒体を得る。なお、０．１μ〜１０μの範囲内の濾過性
を有する多孔質の有底濾過筒体を得るためには、上記耐
火性粒子の平均粒径が１５０メッシュ以上のものでなけ
ればならない。すなわち、１５０メッシュ以下の粒径の
耐火性粒子を用いた濾過筒体の場合には、１０μ以下の
濾過性が確保できず、本発明が狙いとする酸化第二鉄や
一般細菌の除去が不可能となる。また、有底濾過筒体の
肉厚は全体を通じ５ミリメートル程度が適当であり、そ
れ以下の肉厚の場合には成形が困難である。さらに、本
発明において濾過筒体の焼成温度を１２００℃以上とし
たのは、これ以下の焼成温度であると耐衝撃性の面で劣
り、特に１０００℃程度の焼成温度で得られる素焼系濾
過器にあっては非常に脆く外圧によってひび割れたりし
て使用に耐えないからである。

【０００８】

【実施例】以下、本発明セラミック濾過器の具体的構成
を図示の実施例に基づき詳細に説明する。図１は本発明
セラミック濾過器の一実施例を示す平面図、図２は図１
に示すセラミック濾過器の正面図、図３は図１のＡ−Ａ
線に沿う断面図である。

【０００９】図中１は耐火性粒子の集合体からなる上部
を開口とした多孔質の有底濾過筒体を示し、当該濾過筒
体１は平均粒径が１５０メッシュの耐火性粒子を、１２
００℃の温度条件下にて焼成して成形してある。２は前
記濾過筒体１内に充填した銀のコーティング処理等を施
した活性炭素等からなる濾過材を示し、当該濾過材２は
濾過筒体１の上部開口端３付近まで充填してある。４は
前記濾過材２の上面に付設した不織布又は織布等の濾布
からなるフィルターであり、５は当該フィルター４の上
面を抑えるフィルター抑えである。６はフィルター抑え
５の上から濾過筒体１の上部開口端３に嵌め付ける環状
の取付部材であり、当該取付部材６は図示する実施例の
場合、内周部に雌螺子７を刻設してあり、当該雌螺子７
を、図示しない原水の吐出口、すなわち水道蛇口の先端
部にあらかじめ固着してある雄螺子部材にねじ付けて使
用するものである。なお、原水の吐出口に対応する取付
部材の構造は、この図示するものに限られず、たとえば
公知の締め付けバンドを応用したものや、内部に嵌着し
たゴムパッキンを外側から螺子で締め付けるようにした
構造のもの等諸種のタイプに変更が可能である。

【００１０】図示する実施例のセラミック濾過器によっ
た場合、原水は濾過筒体１の上部開口端３から濾過筒体
１内に流入し、先ず活性炭等の濾過材２によって原水中
に溶存している遊離塩素が除去される。次いで、濾過材
２を通過した水は多孔質の濾過筒体１を通過するときに
酸化第二鉄等の懸濁物質や一般細菌が捕捉され、濾過水
は濾過筒体１の外表面より流出して、各種用途に供され
る。

【００１１】次に、酸化第二鉄の含有量が濾過処理前で
、■０．３ｐｐｍ、■１．７４ｐｐｍ、■３．８２ｐｐ
ｍの各原水を試料に設定し、本発明の１５０メッシュの
耐火性粒子を用いた濾過筒体と、比較例として１００メ
ッシュの耐火性粒子を用いた濾過筒体とに各原水を供給
して濾過性能を調べた結果、試料■の原水の場合、本発
明濾過筒体による濾過水の鉄分含有量は０．１９ｐｐｍ
に減少していたが、比較例の場合、０．２１ｐｐｍに減
少しただけであった。同様に試料■の場合、本発明濾過
筒体を通過した濾過水は１．０６ｐｐｍとなったのに対
し、比較例の場合、１．０８ｐｐｍであった。さらに、
試料■の場合、本発明濾過筒体を通過した濾過水は２．
４ｐｐｍとなったのに対し、比較例の場合、３．００ｐ
ｐｍであった。このように、■〜■の各原水共、本発明
濾過筒体によった方が比較例の場合よりいずれも０．０
２ポイントから０．６ポイント濾過性が向上していた。 また、本発明の他の実施例として、２００メッシュの平
均粒径を有する耐火性粒子の集合体にて製した濾過筒体
によって、前記と同様の実験を行った結果、試料■の場
合０．１８ｐｐｍ、試料■の場合０．９１ｐｐｍ、試料
■の場合２．０７ｐｐｍとなり、いずれも１５０メッシ
ュの場合より良好な結果が得られた。

【００１２】次に、１ミリリットル当たり２．９×１０
０００個の酵母菌を含有する生醤油を試料に設定し、本
発明の１５０メッシュの耐火性粒子を用いた濾過筒体と
、比較例として１００メッシュの耐火性粒子を用いた濾
過筒体とに前記試料を供給して除菌性能を調べた結果、
本発明濾過筒体による濾液中の酵母菌数は全く認められ
なかったが、比較例の場合１．３×１００個の酵母菌が
検出された。

【００１３】

【発明の効果】以上のように、本発明セラミック濾過器
によった場合は、内部に充填した活性炭等の濾過材によ
って原水中の遊離塩素が除去されてカルキ臭がなくなる
と共に、耐火性粒子の集合体からなる有底の濾過筒体に
よって酸化第二鉄等の懸濁物質や、バクテリア等の一般
細菌が良好に除去され、一般家庭用乃至工業用の濾過器
として多大な効果を奏することができるものである。ま
た、材質として従来のようなプラスチックを用いていな
いので、従来のような廃棄に伴う公害問題をなくすこと
もできるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明セラミック濾過器の一実施例を示す平面
図である。

【図２】図１に示すセラミック濾過器の正面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１　　濾過筒体　　　　　　　　　　　　　　　　　　
２　　濾過材３　　上部開口端　　　　　　　　　　　
　　　　　４　　フィルター５　　フィルター抑え　　
　　　　　　　　　　６　　取付部材７　　雌螺子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　１５０メッシュ以上の微粉末状に粉砕
   した耐火性粒子の集合体を１２００℃以上の温度条件下
   にて焼成して、上部を開口とした多孔質の有底濾過筒体
   を製し、当該有底濾過筒体内に活性炭のような濾過材を
   充填すると共に、有底濾過筒体の上部開口端に原水の吐
   出口に対応する取付部材を付設したことを特徴とするセ
   ラミック濾過器。