JPH0425830B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はバトミントンのシヤトルコツクに関す
る。

（従来の技術） 従来のシヤトルコツクは、羽根が固定されたベ
ースを有しており、羽根は天然のものを一枚一枚
集めたものであつたり、プラスチツク材で全体を
一体に形成したものであつたりした。いづれにし
ろ、羽根の形状やシヤトルコツクの重量を調節し
てシヤトルコツクのフライト（飛行）特性を変え
ることができるものではなかつた。さらに従来の
シヤトルコツクは、使用中に傷んだ羽根を個々に
取替えることができなかつた。また、従来のシヤ
トルコツクは、天然の羽根よりも強度対重量の比
率の低い材料を使つて効率をおとすことなく製造
できるものではなかつた。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明が解決しようとする問題点は、シヤトル
コツクのフライト特性、特に飛行速度を変えられ
るようにすることである。

（問題点を解決するための手段） 本発明によれば、ベースと複数の羽根とを備え
たバドミントンのシヤトルコツクにして、シヤト
ルコツクの速度を変化させるべく前記羽根の形状
を変えるための手段をさらに備えたシヤトルコツ
クにおいて、前記複数の羽根が前記ベースに受け
られており、該ベースは、前記複数の羽根のなす
形状の開きを示す直径を変えるために、前記複数
の羽根に対して、シヤトルコツクの垂直主軸に沿
つて移動可能となされていることを特徴とするシ
ヤトルコツクが提供される。

シヤトルコツクの速度は羽根の形状を変えるだ
けでなく、シヤトルコツクの重量を変えることに
よつても変化する。もちろん、両方を変えて速度
を変化させてもよい。

個々の羽根の全部あるいは一部を合成物質でつ
くつてもよいし、個々の羽根を２あるいはそれ以
上の部分から構成するようにしてもよい。

個々の羽根は容易に交換できることが望まし
い。

個々の羽根は、ベースに取外し可能に結合され
たコネクタエレメントに受けられるシヤフトを有
するものとしてもよい。

（実施例） 図の第１図および第２図示したバドミントンの
シヤトルコツク１０は、下側中実部１４および上
側中空部１６を含むベース１２を有している。ベ
ース１２は、コルクあるいはプラスチツク材また
はこれらを組合わせたもので形成してもよい。ま
たベース１２は、布や皮でできた外側カバー１８
を有するものとしてもよい。

ベース１２の上側中空部１６は、下方に延びた
アンカーフランジ２２によつて下側中実部１４に
取付けられた環状の位置決めボス２０を有してい
る。下側中実部１４と上側中空部１６とは、一体
に形成してもよいし、適当な手段で一体に取付け
るようにしてもよい。位置決めボス２０には内側
ねじ２４が形成されており、該内側ねじ２４に
は、コネクタリング２６の補完的な外側ねじ２８
が螺合し、コネクタリング２６は位置決めボス２
０に対して位置を調節可能に取付けられる。コネ
クタリング２６はコネクタエレメント３０の一部
をなす。コネクタエレメント３０はプラスチツク
材でつくつてもよく、上側締付リング３２を有し
ている。上側締付けリング３２は、複数のストラ
ツト３４によつてコネクタリング２６に一体に結
合されている。

コネクタエレメント３０はシヤトルコツクの羽
根を受ける。締付リング３２には等間隔をおいた
複数の開口３６ざ形成されており、該開口３６を
通して羽根のシヤフト３８が延び、コネクタリン
グ２６に設けられた対応する開口４０に受けられ
る。通例のごとく、羽根は上向きに拡がるように
して環状に配列される。したがつて締付けリング
３２の直径はコネクタリング２６の直径よりも大
きい。ストラツト３４は羽根よりも半径方向内側
に配置されている。結局のところ、シヤトルコツ
クは、羽根組立体に関して調節可能かつ取外し可
能なベースを含み、羽根組立体は、環状になつた
羽根の列４２を保持するコネクタリング３０を含
むことになる。

ベース１２をコネクタリング２６に相対的に回
転させて、コネクタエレメント３０に対して上方
に移動させるようにすると、位置決めボス２０の
肩部４４が、羽根のシヤフトの最下端すなわちコ
ネクタリング２６に隣接した位置に半径方向内向
きの力を加える。これによつて羽根は締付リング
３２のまわりを枢動し、羽根の先端で計測したと
きの羽根組立体の直径“Ｄ”が大きくなり、シヤ
トルコツクの飛行速度は遅くなる。このようにし
て羽根のシヤフトは外側に拡がるようになるの
で、ベース１２をコネクタエレメント３０に対し
て上方に移動させればさせるほど、位置決めボス
２０によつて羽根のシヤフトに加えられる半径方
向内向きの力は増大し、直径“Ｄ”は比例的に大
きくなる。

逆に、直径“Ｄ”を小さくしてシヤトルコツク
の飛行速度を速くしたい場合には、ベース１２を
逆方向に回転させてコネクタエレメント３０に対
して下方に移動させればよい。そうすれば羽根の
シヤフトに加えられる半径方向内向きの力は小さ
くなる。上側締付けリング３２に設けた開口３６
は、羽根のシヤフトが枢動できるようになつてい
る。第１図および第２図においては、ベース１２
がコネクタエレメント３０に対して最も下方の位
置にある状態が示されており、したがつてこの状
態ではシヤトルコツクが高速で飛ぶ。

上述した構成においては、ひとつひとつの羽根
がコネクタエレメント３０から個々に取外し可能
である。羽根が永久に固定されていない、このよ
うな構成では、使用中に傷んだ個々の羽根を取替
えやすく、したがつてシヤトルコツクの寿命を実
質的に延長できる。しかしながら、羽根をコネク
タリング２６に永久に固定してしまつてもよい。

第３図に示した別の実施例においては、羽根の
ひとつひとつを短かいものとすることができ、ま
た、羽根は上述したものと異なるコネクタリング
に受けられている。この実施例では、先の実施例
の各部と類似の部分を示すのに、同一の符号に添
字「ａ」を付したものを用いている。コネクタエ
レメント３０ａは、上方に拡がつた長いスリーブ
４６を有している。スリーブ４６は互いに分離し
て環状に配列されたものでもよいし、一体となつ
たものでもよい。スリーブ４６は短かい羽根のシ
ヤフトを受ける。その他の点では、この実施例は
第１図および第２図の実施例と構成が類似してい
る。しかしながら、この実施例ではコネクタエレ
メント３０ａのスリーブ４６に位置決めボス２０
ａが作用し、羽根の直径を変える。ボス２０ａに
よつて半径方向内向きに作用する力はスリーブ４
６の下端に加えられて締付リング３２ａをゆが
め、羽根の先端部を半径方向外向きに動かす。

このような構成においては、締付リング３２ａ
が強いので、個々の羽根の全部あるいは一部を、
強度対重量の比が比較的低い材料で作ることがで
きる。

個々の羽根の一部または全部を合成物質をつく
つたり、取外し可能にしたり、交換可能としたり
することも、飛行速度調節とは独立して行なうこ
とができる。したがつて第３図の実施例では、コ
ネクタエレメント３０ａをシヤトルコツクのベー
ス１２ａと一体に形成してもよい。そうすると、
ベース１２ａは羽根組立体に対して調節可能とな
らなくなるが、羽根はコネクタエレメントから分
離して取外し可能となる。

シヤトルコツクの飛行速度は、羽根の形状を変
えるだけでなく、シヤトルコツクの重量を変える
ことによつても変化させることができる。例え
ば、ベースを取外し可能なものとすれば（調節可
能とする必要はない）、調節可能なおもりをベー
スの中に取出し可能に入れたり、シヤトルコツク
に取付けたりすることもできる。おもりの位置
は、シヤトルコツクの重量バランスをくずさない
位置を選択する。

ここで開示したシヤトルコツクの種々の実施例
における羽根は、天然のもの（通常は選別された
ガチヨウの羽根）でもよいし、合成物質でつくつ
たものでもよく、さらに一部を合成物質のものと
し一部を天然のものとして両者を組合せて形成し
たものであつてもよい。

なお、上述した実施例は例示にすぎず、本発明
の技術的範囲は特許請求の範囲に基づいて広く解
釈されるべきである。

（発明の効果） 本発明によれば、シヤトルコツクの飛行速度を
変え、ひいてはシヤトルコツクの飛行特性を変え
ることができる。したがつて、製造時に厳密な品
質管理をする必要がなくなる。できあがつてから
速度調節できるからである。

シヤトルコツクの重量を調節可能とした場合に
は、やはり従来は規格外のものとして排除されて
きたものでも、あとで重量調節して規格に合せる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるバトミントンのシヤトル
コツクの一実施例の縦断面図である。第２図は第
１図のシヤトルコツクの下部断片を拡大した半断
面斜視図である。第３図は本発明によるシヤトル
コツクの別の実施例を示す、第１図と同様の図で
あり、羽根の上側はコネクタエレメントの中空ス
リーブに受けられている。 １０，１０ａ……シヤトルコツク、１２，１２
ａ……ベース、２０，２０ａ……位置決めボス、
２４，２４ａ，２８，２８ａ……ねじ、２６，２
６ａ……コネクタリング、３０，３０ａ……コネ
クタエレメント、３２，３２ａ……締付けリン
グ、３４，３４ａ……ストラツト、３８，３８ａ
……シヤフト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ベースと複数の羽根とを備えたバドミントン
   のシヤトルコツクにして、シヤトルコツクの速度
   を変化させるべく前記羽根の形状を変えるための
   手段をさらに備えたシヤトルコツクにおいて、前
   記複数の羽根が前記ベースに受けられており、該
   ベースは、前記複数の羽根のなす形状の開きを示
   す直径を変えるために、前記複数の羽根に対し
   て、シヤトルコツクの垂直主軸に沿つて移動可能
   となされていることを特徴とするシヤトルコツ
   ク。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載のシヤトルコツ
   クにおいて、前記複数の羽根のそれぞれがシヤフ
   トを有し、該シヤフトは、前記ベースに調節可能
   に結合されたコネクタエレメントによつて保持さ
   れていることを特徴とするシヤトルコツク。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載のシヤトルコツ
   クにおいて、前記コネクタエレメントが、前記シ
   ヤフトの下端を受けるためのコネクタリングと、
   前記ベースの上方にて前記シヤフトの端部間に位
   置づけられた締付けリングとを有し、前記シヤフ
   トのそれぞれは前記締付リングを貫通して延びて
   おり、前記コネクタリングおよび前記締付リング
   は、前記シヤフトの半径方向内側に配置された複
   数のストラツトによつて互いに結合されており、
   前記コネクタリングが、前記ベースの上側に設け
   られた位置決めボス調節可能に結合されているこ
   とを特徴とするシヤトルコツク。 ４ 特許請求の範囲第３項に記載のシヤトルコツ
   クにおいて、前記コネクタリングおよび前記位置
   決めボスが、前記ベースが前記コネクタエレメン
   トに対して回転せしめられることにより軸方向に
   移動できるよう、互いに協働するねじによつて調
   節可能に相互結合されていることを特徴とするシ
   ヤトルコツク。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載のシヤトルコツ
   クにおいて、前記ベースが前記羽根の先端へ向け
   て軸方向移動することにより、該ベースの上側周
   縁部が前記シヤフトに半径方向内向きの締付け力
   を加え、それによつて前記シヤフトは前記締付け
   リングのまわりを枢動して前記羽根の先端を半径
   方向外向きに移動せしめ、前記複数の羽根のなす
   形状の開きを示す直径を大きくし、逆に前記ベー
   スが前記羽根の先端から離れる方向へ軸方向移動
   することにより前記複数の羽根のなす形状の開き
   を示す直径を小さくするようになされていること
   を特徴とするシヤトルコツク。 ６ 特許請求の範囲第２項に記載のシヤトルコツ
   クにおいて、前記羽根のそれぞれが前記コネクタ
   エレメントから個々に取外し可能となされている
   ことを特徴とするシヤトルコツク。 ７ 特許請求の範囲第２項に記載のシヤトルコツ
   クにおいて、前記コネクタエレメントが、環状に
   配列された複数の中空スリーブを有しており、前
   記羽根が該スリーブのそれぞれに受けられている
   ことを特徴とするシヤトルコツク。 ８ 特許請求の範囲第１項ないし第７項のいずれ
   かに記載のシヤトルコツクにおいて、個々の前記
   羽根の全部あるいは一部が合成物質でできている
   ことを特徴とするシヤトルコツク。 ９ 特許請求の範囲第１項ないし第８項のいずれ
   かに記載のシヤトルコツクにおいて、前記羽根の
   それぞれが前記ベースに対して取外し可能となさ
   れていることを特徴とするシヤトルコツク。 １０ 特許請求の範囲第１項ないし第９項のいず
   れかに記載のシヤトルコツクにおいて、前記ベー
   スが前記羽根に対して取外し可能であり、該ベー
   スは、シヤトルコツクの重量を変化させるため
   に、調節可能なおもりを収容できるようになされ
   ていることを特徴とするシヤトルコツク。