JPH0425751Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本考案は、メモ、写真等を掲示するための掲示
板に関し、特に張り付け用具を用いずに掲示物を
貼ることができる掲示用下地シートに関する。 ［従来の技術］ 従来、メモ・写真等の掲示物は、画鋲・接着テ
ープ・糊等を用いて壁に直接貼り付けていた。し
かしながら、これらの場合、壁に傷を付けたり、
取り外した掲示物の破片が壁に残つたり、取り付
けた掲示物が外れたり等の問題があつた。そこ
で、近年においてはこれらの問題に対処するため
に、掲示物専用の掲示板が用いられている。これ
らの掲示板は、通常壁面上に取り付けられ、その
表面材としては画鋲を刺しても傷跡が残らず、又
その取り外しが容易な材料を用いているのが一般
的である。 ［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記の場合、半永久的に掲示す
る場合にはいいが、頻繁にメモ等を取り替える場
合には簡易性の点で問題がある上、画鋲等が無い
場合には全く使用することができないという欠点
があつた。 本考案者等は、従来のかかる欠点を解決すべく
高配向分極シートの静電引力の利用に付いて検討
した結果、高配向分極シートとプラスチツクシー
トを重ね合わせた場合には、該プラスチツクシー
トが分極するために、両者の間に紙等を容易に挟
むことができること、プラスチツクシートの上に
静電引力のみで紙等を張り付けることができるこ
とを見い出し本考案に到達した。 従つて、本考案の目的は掲示物専用の掲示板上
に又は壁面上に静電引力を利用することによつ
て、容易に掲示物を掲示したり取り外したりする
ことができる掲示用下地シートを提供するもので
ある。 ［問題を解決するための手段］ 本考案の上記の目的は、高配向分極シート上
に、少なくともプラスチツクシートを、該プラス
チツクシートの少なくとも一辺を前記高配向分極
シートに固定し、他の辺は自由に開閉することが
できるように重ね合わせたことを特徴とする掲示
用下地シートによつて達成された。 本考案で使用する高配向分極シートとは、外部
電界が存在しない状態でも恒久的に電気分極を保
持し、周囲に対して電界を形成する物質であり、
磁石（マグネツト）に対し電石（エレクトレツ
ト）と呼ばれるものである。この高配向分極シー
トは、その表面に高い表面電荷を有し、静電誘導
により分極し得る物質を容易に表面に吸着せしめ
保持することができる。このような高配向分極シ
ートとしては、例えば東レ株式会社が開発した高
配向分極「電石不織布」がある。このような高配
向分極シートは極めて高価であるので、これを直
接外界に晒し消耗品とするような使用方法は現実
的でない。しかしながら、本考案においては、高
配向分極シートとプラスチツクシートを重ね合わ
せるので、プラスチツクシートが高配向分極シー
トの保護をし、従つて、高配向分極シートの寿命
を著しく延ばすことができる。プラスチツクシー
トを適宜交換すれば、本考案の掲示用下地シート
の再生は極めて容易である。 本考案で使用するプラスチツクシートは、通常
の電気的絶縁体プラスチツクフイルムの中から適
宜選択することができるが、強度、可とう性及び
コストの観点からポリオレフインフイルムやポリ
エステルフイルム等の汎用性フイルムを使用する
ことが好ましい。掲示物を高配向分極シートとプ
ラスチツクシートの間に挟持せしめる場合には、
プラスチツクシートとして透明なシートを使用し
なければならないが、プラスチツクシート表面に
張り付ける場合には透明でなくともよく、更に着
色しても良い事は当然である。しかしながら、掲
示物の損傷や剥離による紛失、汚れ等がない点で
前者の方が好ましい。 又、必要に応じて、掲示板全体の外観を良好な
ものとするために、高配向分極シート上に、白
色、又は緑その他に着色した紙やプラスチツクフ
イルムを配置し、その上に掲示物を保持せしめ、
前記透明プラスチツクフイルムとの間に挟持せし
めるように、三層構造とすることもできる。 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。 符号１は、エレクトレツト素材である高配向分
極シートである。 符号２は、上辺が高配向分極シートに固定され
たプラスチツクシートである。固定の方法は公知
の方法を用い、取り外し可能にすることもでき
る。 符号３は、上記の組合せである掲示用下地シー
トを波打たないように張り合わせた掲示板であ
る。掲示板としては、樹脂化粧板、塗装金属板、
木質板、ガラス板等の板状基材が用いられる他同
様の材料から成る壁面上に直接設置することもで
きる。 符号４は、高配向分極シートとプラスチツクシ
ート間、及びプラスチツクシート上に貼られた掲
示物である。この際、長期間掲示する掲示物や
日々のデーター等を書き込む必要のある掲示物は
前記の方法を用い、頻繁に取り替えられる短期間
の掲示物は、後記の方法により直接プラスチツク
シート上に掲示するというように使い分けをする
事が出来る。 ［作用］ 掲示物は、高配向分極シートの表面電位により
帯電し高配向分極シートと密着するプラスチツク
シートと高配向分極シートの間に挟持され、又
は、自ら分極帯電して、高配向分極シートの作用
により帯電したプラスチツクシートとの間に静電
引力を誘起し、該プラスチツクシート上に貼られ
る。 高配向分極シートは厚いほど表面電位が高くな
るので、厚さを選ぶことによつて必要な保持力が
得られる。因みに、50ｇ／m²（400μ）のシート
１枚で厚物コート紙程度の重さの掲示物を、十分
に保持することができる。又、本考案のように高
配向分極シート上にプラスチツクシートをかぶせ
ても、そのプラスチツクシートの表面の保持力は
十分である。 ［考案の効果］ 以上詳述した如く、本考案によれば掲示物専用
掲示板又は壁面上における掲示物の張り付け及び
張り外しが簡易となるのみならず、プラスチツク
シートの内側に掲示物を挟持せしめた場合には、
外力による破損を生じる虞がなく、プラスチツク
シート上に書き込みをすることもできるので、屋
外の掲示板として使用する場合、及び日々データ
ーを書き込まなければならず、しかも長期にわた
つて掲示が必要である場合には特に好適である。 ［実施例］ 次表に示す種々の場合に対し、掲示物の保持力
評価を行つた所、何れの場合も写真やポスターな

【表】 わす。
どの厚物コート紙を数か月以上のわたつて充分に
保持することができることが確認された。 これらの結果から明らかな如く、高配向分極シ
ートによる掲示物の保持力は、本考案の如く、プ
ラスチツクシートと重ね合わせても影響されない
事及び、三層構造とすることもできることが実証
された。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の掲示用下地シートの一例で
ある。 １……高配向分極シート、２……プラスチツク
シート、３……掲示板、４……掲示物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高配向分極シート上に、少なくともプラスチツ
   クシートを、該プラスチツクシートの少なくとも
   一辺を前記高配向分極シートに固定し、他の辺は
   自由に開閉することができるように重ね合わせた
   ことを特徴とする掲示用下地シート。