JPH0425749Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ポスター等の掲示物を画鋲により止
め付ける掲示板に関する。

［従来の技術］ 周知の様に多くの掲示板は木板製であり、ポス
ター等の掲示物を自由に画鋲で止め付けられるよ
うになつているが、公共施設ことに多人数の出入
があり防災上の理由から可燃物の設置が禁止乃至
は制限される施設、例えば地下鉄ホーム、通路等
では木板製の掲示板の使用が出来ないことがあ
る。

そこで従来は掲示板を金属板にして掲示物を粘
着テープを使用して貼り付け止め付ける方法が広
く行われているが、これによるとロールに巻いた
粘着テープを巻解きながら適当な長さに切断し、
一方では掲示物を掲示板表面に押え付けながら作
業しなければならないことから大変な作業とな
り、画鋲による止め付けに比べ搖かに厄介で美麗
に掲示できない問題があつた。また取外しに当つ
ては掲示板に粘着テープの粘着剤が残つて表面を
汚したり、テープの剥離が容易でなく切端が残る
等の問題があつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案はこの様な不燃性を目的に金属板製の掲
示板における掲示物止め付けにおける不自由に鑑
み、これを解消する目的で考案されたもので、特
に本考案は掲示板表面を金属板にして画鋲の直接
的打込みが不可能な掲示板に対して木板製掲示板
と同様に画鋲の打付け、取外しを自由にしてその
使用を容易なものとすると同時に、粘着テープの
使用による汚れを未然に防止し常時美麗な状態に
保てるようにした掲示板を提供せんとするもので
ある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上述の目的に基づきなされたもので、
その特徴とするところは金属板製の掲示板表面の
適所に画鋲の針を受ける針受け部を複数個一体に
備えてなることにある。

上記針受け部は掲示板表面に適当な間隔をおい
て、且つ略面一となるように埋設し、掲示物を掲
示板表面に沿つて止め付け従来の掲示板と変らな
い使用ができるようにしたものである。

次に、この考案に係る掲示板を図示する実施例
を基に詳細に説明することにする。

［実施例］ 第１図は本考案に係る掲示板の正面図で、第２
図は要部の拡大正面図、第３図は同じく要部の拡
大縦断側面図であり、第４図は一部欠截した針受
け部の拡大正面図である。

ここに示す掲示板は用紙規格サイズB1サイズ
のポスター５枚を貼ることが出来る大きさのもの
としてあり、掲示板表面１はアルミニウム板にし
てその全周を同じくアルミニウム製の縁枠２で囲
み額縁型に形成してある。

縁枠２は長方形状に組立てあり、上下並行する
縁枠間に適宜の間隔をおいて複数本の取付桟３を
渡し、この桟３の両縁を直角に折曲げ形成したネ
ジ止め部４を縁枠２の内面に添わせてビス５で止
め付けることで一体に組み付け掲示板の補強とし
てある。そして、更に掲示板表面１の背面に沿つ
てチヤンネル型の補強枠６を同じく適当な間隔で
渡し、掲示板表面１の撓みを補強している。

上記額縁型に組れる縁枠２は押出型材にして中
空体状の本体２ａと、この本体から外方に向けて
延設する周縁板部２ｂと、内周に沿つて鍔型に延
設する縁飾り部２ｃからなり、この縁飾り部２ｃ
を表面１の前面に押当てることで掲示板表面との
一体性を高めている。

図中、７は上述構成に係る掲示板表面１の適所
に埋設した針受け部である。

ここに示した針受け部７は複数板の挟持板８
と、この挟持板を積層状に保持するボルト９、挟
持板を常に密着せしめるバネ１０と、このバネの
弾発力を調整するナツト１１と枠金具１２から構
成してあり、上記挟持板８は第５図に示した様に
両面に一方向（奥行き方向）に沿つて並行する溝
１３を多数刻設してあり、左右の縁に近いところ
にボルト９を通す貫通孔１４を穿つてある。

この挟持板８の複数板を重ね合せに纒めて断面
コ字形に形成した枠金具１２に納め、この枠金具
に設ける孔１５を通してボルト９を挟持板８に設
ける貫通孔１４に貫き通し、他方の孔１５から突
き出たボルト先端部にコイル状のバネ１０を嵌め
付けナツト１１を緊締することで組立を完成させ
てある。

１６は挟持板８と上記バネ１０との間に介挿し
たスペーサで、ナツト１１の締め付けでバネ１０
の圧縮を加減し、挟持板８相互の圧着状態を調整
することができるようにしてある。

このようにして組立られた針受け部７は前述し
た補強枠６にビス等で固定し、掲示板表面１に開
設する窓１８に背後から臨ませ、各挟持板８の端
縁を揃えて形成した針受け面７ａを表面１に面一
に揃える。

ところで、この実施例では掲示板をB1サイズ
のポスターを５枚貼れる大きさとしたことから表
面１を５等分に境界線１９で分割し、各区画２０
についてそれぞれ周縁部に沿つて10個の窓１８を
間隔をおいて設け、それぞれの窓に前記針受け部
７を備るようにしてある。

上記構成に係る掲示板は第３図に図示した様に
駅構内の壁体表面２１に先ず取付桟３を添わせて
ボルト２２等を使つて固着し、次に、この取付桟
３のネジ止め部４を縁枠２にビス５で固定するこ
とにより壁体表面に立ち上り状に取付けることに
なる。

そして、実際の使用は掲示するポスター２３等
を従来の掲示板におけると同様に表面１に張り合
せる如く添わせこれに設けた針受け部７に向けて
画鋲２４を打込むことによつて行う。

第６図は上記画鋲２４の針受け部による受部７
の保持の実際を拡大して示したもので、打込まれ
た画鋲の針２４ａはバネ１０によつて圧着された
挟持板８，８間にその溝１３を探りながら侵入
し、この溝を案内に真直に刺し込まれる。そし
て、頭部２４ｂが針受け部面７ａに達したところ
でポスター２３を挟持し、一方針２４ａはバネ１
０の弾発を受けて挟持板間に保持され止着される
ことになる。

尚、打込まれる画鋲の針２４ａは溝１３に沿つ
て直進するが、両挟持板間への針先の侵入を容易
にするため挟持板８の端縁は第６図に示す如くエ
ツジを落して板相互の間にＶ字形の溝２５を形成
するようにすると一層画鋲の針受けが容易にな
る。

ところで、第７図は上記針受け部７の多数の挟
持板８に代えて枠金具１２の中に木片、人工木片
若しくはコルク製の受部材２６を嵌め付け、これ
をボルト２７で止め付けるようにした他の実施例
を示したものである。

この実施例における受部材２６は素材の軟質性
を利用して画鋲の打込み、引き抜きを可能にした
もので、前記実施例と同様に掲示板表面１の適所
に間隔をおいて任意複数個埋設される。

［考案の効果］ 本考案の掲示板は上述実施例につき説明した如
く構成されるもので、アルミ板等金属製の掲示板
表面に設けられる針受け部によつて画鋲の打込み
が可能となつたことから従来の木板製掲示板と同
様にポスター等の掲示物を画鋲によつて止め付け
ることができるものとなつている。そして、上記
針受け部は適当位置に間隔をおいて設けられるこ
とから掲示物を安定した状態で止着し掲示できる
と共に、画鋲は木板製の場合と同様に引抜くこと
が出来るため、反覆しての止付けが可能なものと
なつている。

ことに針受け部を多数の挟持板の積層体とした
場合画鋲の針の針受け部による穴跡が残らないた
め無限の使用が可能であつて常に安定した画鋲の
止め付けが出来る利点がある。

また、本考案掲示板は全体がアルミ等の金属素
材によつて形成されるものであり、防火製に優
れ、堅牢であることから地下鉄駅構内、地下通路
等の公共施設における掲示板として極めて有利に
実施できる利点がある。

尚、本考案の掲示板は掲示板表面に装飾用の不
織布或はビユールレザー等を貼着することを妨げ
るものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る掲示板の正面図、第２図
は要部の拡大正面図、第３図は同じく要部の拡大
縦断側面図、第４図は要部の一部欠截した正面
図、第５図は挟持板の斜視図、第６図は針受け部
に対する画鋲の打込み状態を説明する拡大説明
図、第７図は他の実施例を示す要部の拡大縦断側
面図である。 １……掲示板表面、２……縁枠、７……針受け
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 掲示板表面の適所に画鋲の針を受ける針受け
   部を複数個一体に備えてなることを特徴とした
   掲示板。 (2) 針受け部は掲示板表面の周縁に沿つた位置に
   所要の間隔をおいて複数個設けられることを特
   徴とした実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   の掲示板。