JPH04254594A - 管の電食防止方法とその絶縁管材 - Google Patents

管の電食防止方法とその絶縁管材

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JPH04254594A
JPH04254594A JP2107091A JP2107091A JPH04254594A JP H04254594 A JPH04254594 A JP H04254594A JP 2107091 A JP2107091 A JP 2107091A JP 2107091 A JP2107091 A JP 2107091A JP H04254594 A JPH04254594 A JP H04254594A
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JP
Japan
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corrosion
pipe
inorganic compound
insulating
insulating inorganic
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Application number
JP2107091A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Hiraide
信彦 平出
Akio Ikeda
昭夫 池田
Masakatsu Ueda
昌克 植田
Toshiro Anraku
敏朗 安楽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般の管または特に油
井管の配管にあたり、異種金属の管材を継ぐ場合に生じ
る電食および隙間腐食の防止方法とその絶縁管材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】油井においては、油井用金属管材が原油
や天然ガスの採取・生産のため、地盤の表面に垂直、あ
るいは垂直に近い角度にて地下数千mに及んで配管され
る。前記油井管としては、原油および天然ガスを地下の
産出層から地上に運搬するためのチュービング、掘られ
た井戸の保護のために前記チュービングの周囲に設けら
れるケーシング、油層の圧力上昇を図るために配管され
るスチームインジェクションパイプおよび石油二次回収
用のCO2 配管等の管材が配管される。したがって、
本明細書における「油井管」は、これらの全ての管を含
んで言う。
【0003】一般に、油井においては深い所では温度が
高く、腐食性が大きい。一方、浅い所では温度が低く腐
食性が小さいため、経済性を考慮して井戸の深い所では
、例えば各種ステンレス鋼、Ni基合金、Ti、Ti合
金等の高耐食性金属管材を使用し、井戸の浅い所では、
例えば、炭素鋼、低合金鋼等の低耐食性金属管材を使用
することが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、当然、低
耐食性金属管材と高耐食性金属管材との連結部が生じる
。その際、前記高耐食性金属管材と前記低耐食性金属管
材を単純連結した場合には、異種金属材料の接触により
電位差が生じ、いわゆるガルバニック腐食(電食)が発
生する。このガルバニック腐食によって、低耐食性金属
管材側では例えば通常の炭素鋼管材単独の腐食に比して
、2〜10倍の速度で腐食が進行する。一方、高耐食性
金属管材側では水素が発生し、この水素が金属管材内に
侵入して水素脆性が生じる問題点があった。さらに、ネ
ジ継手部の隙間では隙間腐食が生じ、電食によって腐食
が促進される。
【0005】前記問題点を解決するために、現状におい
ては高耐食性金属管材と低耐食性金属管材とを直接継が
ずに、耐食性が前記高耐食性金属管材と低耐食性金属管
材の中間にある例えば2相ステンレス鋼等の金属管材を
介在させて腐食防止を図っている。しかしながら、たと
え中間耐食性金属管材を介在させた場合でも各金属管材
相互間の電食を完全に防止することは不可能であり、腐
食速度を若干緩和させるに過ぎない。
【0006】そこで本発明の目的は、油井などにおいて
異種金属管材を継ぐ場合に生じる電食および隙間腐食を
防止し得る方法とその絶縁管材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する方法
として、高耐食性金属管材と低耐食性金属管材とが、直
接あるいはカップリング材を介して螺合連結される連結
構造において、前記連結要素の螺合ネジ部を除く露出し
た内面および外面の少なくとも一方面を、その連結境界
からまたは連結境界を跨がって、60mm以上の範囲に
渡って、厚さ0.4μm以上で、かつ比抵抗が108 
Ωcm以上の絶縁性無機化合物皮膜を被覆率90%以上
、99.9%以下で形成させる管の電食防止方法が提供
される。
【0008】また、前記の隙間腐食を防止するために、
さらに前記内面側あるいは外面側の少なくとも一方面の
連結境界部における螺合ネジ部の隙間に対して、前記同
様の皮膜を形成することが好ましい。
【0009】さらに、管端部に連結用の螺合ネジ部が形
成された金属管材において、該管材が連結されたとき露
出する内面および外面の少なくとも一方面における前記
螺合ネジ部を除く内面端または外面端から60mm以上
の範囲に渡って、厚さ0.4μm以上で、かつ比抵抗が
108 Ωcm以上の絶縁性無機化合物皮膜が被覆率9
0%以上、99.9%以下で形成されている絶縁管材も
提供される。
【0010】この絶縁管材においても、前記の隙間腐食
を防止するために、さらに前記内面側あるいは外面側の
少なくとも一方面の連結境界部における前記螺合ネジ部
の隙間画成面に対して、前記同様の皮膜を形成すること
が好ましい。
【0011】前記絶縁皮膜の表面にその絶縁性無機化合
物皮膜保護用の合成樹脂皮膜を積層することができる。
【0012】なお、ここで被覆率とは、電気化学的方法
、すなわち、管母材金属のみが溶解しうるような液中に
おいて、定電位分極によりその電流をモニターし、被覆
率(%)=[{(皮膜のない母材の電流密度)−(皮膜
のある母材の電流密度)}/(皮膜のない母材の電流密
度)]×100、により定義される値である。
【0013】なお、本発明において、管としては油井管
のみに限定されることはなく、例えば海水および土壌運
搬用パイプライン、プラント用パイプライン等において
、異種金属管材を継ぐ場合にも適用し得る。
【0014】
【作用】異種金属が接触した場合に生じるガルバニック
腐食は、腐食しにくい金属がカソード(陰極)となり、
腐食し易い金属をアノード(陽極)として、アノード側
の反応が促進されることに起因する。すなわち、異種金
属間の電位差によりボルタ電池が組み立てられるためで
ある。したがって、電食を防止するためには、異種金属
間に絶縁性無機化合物皮膜を被覆して、その相互の距離
を離して液間抵抗を大きくすることにより、腐食電流が
流れないようにしてやればよいことを本発明者らは知見
し、かつこの態様が実際に有効であることを確認した。
【0015】一方、隙間腐食は、腐食により生じた金属
イオンおよび水素イオン、塩素イオン等が隙間部に溜ま
り、pHが非常に低下し著しい腐食が起きる現象である
。通常、油井管においてはネジ継手を用いて連結される
。ところが、図1、図2中のネジ部20の内面側と外面
側の連結境界A、B部分に隙間が存在し、ここに隙間腐
食が生じる。さらに、この隙間腐食は電食により促進さ
れる。そこで本発明者らは、この隙間部に絶縁性無機化
合物皮膜を被覆することにより、隙間腐食を防止できる
ことを知見し、かつこの態様が実際に有効であることを
確認した。また、上記手段により電食および隙間腐食を
防止すると、高耐食性管材側への水素の進入を抑止し、
水素脆性の防止にも有効である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を主に油井管に適用した場合の
具体例について詳説する。図1および図2は本発明に係
る絶縁性無機化合物皮膜を施した油井管の連結部を示す
図である。図1はカップリング使用連結型の場合につい
て示し、図2は直接連結型の場合について示す。図1に
おいて、低耐食性管材1と高耐食性管材2は、カップリ
ング3をもって螺合連結されている。これらは、本発明
にいう連結要素を構成する。なお、前記カップリング3
は、通常高耐食性管材2と同材質か、実質同材質のもの
で作成される。本具体例においては、前記低耐食性管材
1の管材の内外面においてネジの形成されない金属対金
属の密封シール面部20aを具備するネジ部20を除く
管端から60mm以上の範囲(符号Lで示す範囲、以下
同じ) に渡って、さらに前記内外面におけるネジ部2
0の連結境界A、B部分(図6にA部分、図7にB部分
をそれぞれ模式拡大して示す。)に生じ、腐食環境に曝
される隙間画成ネジ無し面とネジ部面に、本発明に係る
絶縁性無機化合物皮膜4、5、21、22が形成されて
いる。カップリング3においては、管材内外面の前記ネ
ジ部20を除く全表面および前記連結境界A、B部分に
生じ、腐食環境に曝される隙間画成ネジ無し面とネジ部
面に、絶縁性無機化合物皮膜6、7、23、24が形成
されている。
【0017】また、高耐食性管材2においても前記低耐
食性管材1と同様に管材の内外面において前記ネジ部2
0を除く管端から60mm以上の範囲に渡って、さらに
内外面におけるネジ部20の連結境界A、B部分に生じ
、腐食環境に曝される隙間画成ネジ無し面とネジ部面に
、絶縁性無機化合物皮膜8、9、25、26が形成され
ている。
【0018】なお、前記具体例の場合には、低耐食性管
材1と高耐食性管材2およびカップリング3の全てに対
して絶縁性無機化合物皮膜4〜9、および21〜26を
形成させたが、電食防止のみの観点から見る場合には、
低耐食性管材1、高耐食性管材2およびカップリング3
の何れか1または2つに絶縁性無機化合物皮膜を形成さ
せてもよく、この場合、カップリング3のみに絶縁性無
機化合物皮膜6、7を形成するのが最も望ましい。要す
るに、絶縁性無機化合物皮膜4〜9、および21〜26
の適用箇所およびその組合せは用途や予想される腐食の
態様および程度等により適宜選定できる。
【0019】一方、図2の場合には、低耐食性管材1と
高耐食性管材2とがカップリングを用いることなく直接
螺合連結されている。図2具体例の場合も図1具体例と
同様に、低耐食性管材1の管材の内外面においてネジの
形成されない金属対金属に密封シール面部20aを具備
するネジ部20を除く管端から60mm以上の範囲(符
号1で示す範囲、以下同じ)に渡って、さらに前記内外
面におけるネジ部20の連結境界A、B部分(図8にA
部分、図9にB部分をそれぞれ模式拡大して示す。)に
生じ、腐食環境に曝される隙間画成ネジ無し面とネジ部
面に、本発明に係る絶縁性無機化合物皮膜4、5、21
、22が形成されている。また、高耐食性の管材2にお
いても前記低耐食性管材1と同様に管材の内外面におい
て前記ネジ部20を除く管端から60mm以上の範囲に
渡って、さらに内外面におけるネジ部20の連結境界A
、B部分に生じ、腐食環境に曝される隙間画成ネジ無し
面とネジ部面に、絶縁性無機化合物皮膜8、9、25、
26が形成されている。
【0020】図2具体例の場合も図1具体例と同様に、
低耐食性管材1および高耐食性管材2の両方に対して絶
縁性無機化合物皮膜4、5、8、9、21、22、25
、26を形成させたが、高耐食性管材2側の絶縁性無機
化合物皮膜8、9、25、26のみとすることもできる
【0021】なお、絶縁性無機化合物皮膜を施す面は、
前記二つの具体例の場合には管材1、2の内外面の両面
としたが、必ずしも内外面の両面に施す必要はなく、最
低限、油井において腐食環境に曝される面のみでよい。 具体的にはチュービングの場合には内外面の両方、ケー
シングの場合には内面のみとすることができる。また、
電食防止のみの目的の下では、前述したように、内外面
におけるネジ部の連結境界A、B部分に生じ、前記同様
に腐食環境に曝される隙間画成ネジ無し面とネジ部面に
絶縁性無機化合物皮膜を形成することを必須としない。 しかし、前記ネジ部の連結境界A、B部分に生じる隙間
腐食防止をも目的とする場合には、腐食環境に曝される
隙間画成面であるネジ部20のネジ無し面とネジ部面に
も絶縁性無機化合物皮膜21〜26を形成することが必
要となる。
【0022】なおまた、図6および図8具体例における
ネジ部20が具備する金属対金属のシール面部20aの
雄ネジ側先端面は凸形状であるが、この先端面形状がこ
れと対向する雌ネジ側のほぼ垂直な対向面に平行な平滑
先端面形状で両者の面間に隙間が生じる場合には、この
対向面両方に絶縁性無機化合物皮膜を形成させればよい
ことがいうまでもない。
【0023】ところで、ワイヤーロープを用いて吊り下
げ搬送操作等により管材1、2の表面、あるいはカップ
リング3の表面に疵が付けられる虞れのある場合には、
前記絶縁性無機化合物皮膜の表面に、その剥離や破壊防
止のために、フッ素系樹脂あるいはポリプロピレン系樹
脂等の有機皮膜を施すのが好ましい。
【0024】一方、上記各例では、連結要素端を基準と
して絶縁性無機化合物皮膜形成範囲Lが60mm以上と
して、規定されているが、連結要素の連結境界を挟んで
絶縁性無機化合物皮膜を形成する場合、たとえば一方の
連結要素に対して30mm以上の長さにわたって、他方
の連結要素に対しても30mm以上の長さにわたってそ
れぞれ絶縁性無機化合物皮膜を形成し、合計として60
mm以上の長さ範囲となっていてもよい。
【0025】このように、絶縁性無機化合物皮膜4〜9
の形成にあたり、管材間のまたは管材とカップリングと
の連結境界を挟んで絶縁性無機化合物皮膜を形成する場
合、両絶縁性無機化合物皮膜が可能な限り連続するよう
にすることが望ましいことは言うまでもない。したがっ
て、図2または図1に示すように、管材1、2間あるい
は管材1、2とカップリング3間に段差がある場合、そ
の段の壁面にも絶縁性無機化合物皮膜を形成するのが現
実的には必須となることが多い。
【0026】以下具体的実施例を示しながら、本発明の
数値限定理由と、本発明の効果を明らかにする。 (実施例1)電食試験においては、図1例の連結構造を
想定して、図3に示されるように上面が裸の低耐食性材
料10と上面が裸の高耐食性材料11との間に、上面に
各種の絶縁性無機化合物皮膜13を施した継ぎ材12を
直列的に連結させるとともに、各部材相互間をボルト1
4をもって連結させたものを供試体としてその電食状況
について調べた。なお、L1 、L3 共100mmと
し、各部材の側面および裏面はフッ素皮膜を形成した。
【0027】一方、隙間腐食試験においては、図4に示
すように、30mm×30mmで厚さ3mmの板状の低
耐食性材料10と高耐食性材料11とに各種の絶縁性無
機化合物皮膜13を施したものを作製し、絶縁性無機化
合物皮膜相互を向かい合わせて積層しボルト14により
締結したものを作製し試験に供した。
【0028】前記低耐食性材料10としては、各表に示
されるようにAPI −N80 級用の中炭素鋼を用い
た。一方、前記高耐食性材料11としては、SUS42
0JI(13Cr鋼) 、UNSNO.NO8825(
22Cr−42Ni−3Mo) の2種類を用いた。前
記継ぎ材12としては、API −N80 級用の中炭
素鋼、SUS420JI、UNSNO.NO8825の
3種類(ただし電食防止効果の有無のみを示す表1およ
び表2の場合には、SUS420JI、UNSNO.N
O8825の2種類)に各種の絶縁性無機化合物皮膜1
3を施したものを用いた。前記絶縁性無機化合物皮膜1
3としては、A L2O3 のPVD層、Si3N4 
のCVD層、A L2O3 の溶射層の3種類のものを
採用した。 また、前記絶縁性無機化合物皮膜13に加え、この絶縁
性無機化合物皮膜13の保護のため、その上層にフッ素
系樹脂を積層させたものについても試験した。
【0029】腐食環境としては、表に示されるように、
炭酸ガス環境:1気圧CO2 と硫化水素ガス環境:1
気圧H2 Sの2種類の環境下の組合せとし、他の腐食
環境条件としては温度:60℃、溶液は5%NaCl、
腐食時間は720hとして腐食速度を求めた。そして絶
縁性無機化合物皮膜13の厚さ、長さL2 を変えて被
覆率を測定し、その腐食速度から必要絶縁性無機化合物
皮膜厚さ、長さ、被覆率を求めた。
【0030】さらに絶縁性無機化合物皮膜13のエロー
ジョン・コロージョン性を調べるため、腐食試験後に5
%−NaCl沸騰溶液中で半径5mmの半球体を10k
g/mm2の力で5回/min の速度で24h連続し
て擦りつけて、剥離の有無について調べた。この際に、
前記フッ素系樹脂の積層効果についても調べた。
【0031】以上の試験を行った結果を表に示す。対を
なす表1および表2は、隙間腐食について考慮しない場
合、すなわちネジ部の隙間AおよびBに絶縁性無機化合
物皮膜を形成しない場合の結果であり、電食防止効果の
みを期待した結果である。
【0032】これに対して、表3および表4は、隙間腐
食についても考慮した場合、すなわちネジ部の隙間Aお
よびBにも絶縁性無機化合物皮膜を形成した場合の結果
であり、電食防止効果に加えて隙間腐食防止効果をも期
待した結果である。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1および表2から明らかなように、15
通りの試験ケースの内、試験No.1、3、5、8、1
1の場合には低耐食性材料10の腐食速度が1.0g/
m2/h以上となり、耐食性に劣る結果となるのに対し
て、絶縁性無機化合物皮膜厚 0.4μm以上、絶縁性
無機化合物皮膜長60mm以上、被覆率90%以上、9
9.9%以下のの場合には、腐食速度が低く、電食を防
止できることが判った。しかし、隙間腐食は何れも生じ
ることも同時に判った。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表3および表4から明らかなように、16
通りの試験ケースの内、試験No. 1、3、5、8、
12の場合には低耐食性材料10の腐食速度が1.0g
/m2/h以上となり、耐食性に劣る結果となるのに対
して、絶縁性無機化合物皮膜厚 0.4μm以上、絶縁
性無機化合物皮膜長60mm以上、被覆率90%以上、
99.9%以下の試験Noの場合には、腐食速度が低く
、電食および隙間腐食を防止できることがわかった。な
お、試験No. 1および10の場合は、絶縁性無機化
合物皮膜が施されているものの、その厚みが薄いために
、隙間腐食が生じたことも判明した。さらに、低耐食性
材料10の腐食速度は0.5g/m2/h以下が好まし
いことも判った。
【0039】また、試験No. 1、8の絶縁性無機化
合物皮膜が0.4μm未満である0.3μmのものはエ
ロージョン・コロージョン試験で皮膜剥離を生じた。な
お、No. 13のフッ素系樹脂を施した場合のものは
、有機皮膜を形成しない場合に比較して、特に剥離防止
等に対して有用であることが確認された。
【0040】(実施例2)次に、水素脆性について試験
を行った結果について示す。低耐食性材料10としては
API −N80 級用の中炭素鋼を用い、一方高耐食
性材料11としてはUNSNO.S31803(2相ス
テンレス) を用いた。また、継ぎ材12としてはUN
SNO.S31803に厚さ 0.4μmのPVD:A
L2O3 皮膜13を施したものを使用した。
【0041】供試体の寸法および形状は、図5に示され
るように低耐食性材料10は板状帯で幅10mm、長さ
100 mmのものとし、一方、高耐食性材料11は幅
10mm、長さ100 mmのものを水素侵食が効果的
に行われるようにするためU字状に折り曲げたものを使
用した。継ぎ材12としては、幅10mmとし、長さに
ついては40mm、60mm、80mmの3種類のもの
を用意した。連結に当たっては低耐食性材料10と継ぎ
材12とをボルト14で固定し、一方継ぎ材12と高耐
食性材料11とは長尺ボルト15で直列的に固定すると
ともに、この長尺ボルト5を高耐食性材料11の他方端
に形成された通孔に貫通させ、ナット16により締め付
けることによりU字先端部位の離間距離を5mmだけ絞
り込み、拘束応力を与えるようにした。被覆率は、いず
れの長さの継ぎ材12においても90%であった。カソ
ード側(高耐食性材料側)で発生する水素による脆性は
、常温において最も吸収が行われ感受性が高いため、試
験は下記に示す工程I〜工程IIの2工程で行った。
【0042】<工程I>炭酸ガス環境 (1気圧CO2
)において温度:150℃、溶液は5%NaC l、腐
食時間は720hとする。 <工程II>炭酸ガス環境 (1気圧CO2)において
温度:25℃、溶液は5%NaC l、腐食時間は72
0hとする。以上の工程Iと工程IIを経た供試体につ
いて、Uベンド部におけるワレの発生の有無について調
べた。その試験結果を表5に示す。
【0043】
【表5】
【0044】表5より、継ぎ材12の長さ(絶縁性無機
化合物皮膜長)が60mm以上である60mm(ケース
No2)と80mm(ケースNo3)の場合には、ワレ
が発生せず、高耐食性材料11側での水素発生を抑制し
得ることが明らかとなった。
【0045】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、油井など
において異種金属管材を継ぐ場合に生じる電食、あるい
はこの電食とともに隙間腐食をも確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電食防止を施した油井管の連結部
を示す図である。
【図2】本発明に係る電食防止を施した油井管の連結部
を示す図である。
【図3】実施例1における耐食性試験の供試体を示す図
である。
【図4】実施例1における隙間腐食試験の供試体を示す
図である。
【図5】実施例2における水素脆性試験の供試体を示す
図である。
【図6】図1のA部分の拡大断面図である。
【図7】図1のB部分の拡大断面図である。
【図8】図2のA部分の拡大断面図である。
【図9】図2のB部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1    低耐食性管材 2    高耐食性管材 3    カップリング 4〜9  絶縁性無機化合物皮膜 10    低耐食性材料 11    高耐食性材料 12    継ぎ材 13    絶縁性無機化合物皮膜 20    ネジ部 21〜26  絶縁性無機化合物皮膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高耐食性金属管材と低耐食性金属管材とが
    、直接あるいはカップリング材を介して螺合連結される
    連結構造において、前記連結要素の螺合ネジ部を除く露
    出した内面および外面の少なくとも一方面を、その連結
    境界からまたは連結境界を跨がって、60mm以上の範
    囲に渡って、厚さ0.4μm以上で、かつ比抵抗が10
    8 Ωcm以上の絶縁性無機化合物皮膜を被覆率90%
    以上、99.9%以下で形成させることを特徴とする管
    の電食防止方法。
  2. 【請求項2】高耐食性金属管材と低耐食性金属管材とが
    、直接あるいはカップリング材を介して螺合連結される
    連結構造において、前記連結要素の螺合ネジ部を除く露
    出した内面および外面の少なくとも一方面を、その連結
    境界からまたは連結境界を跨がって、60mm以上の範
    囲に渡って、ならびに前記内面側あるいは外面側の少な
    くとも一方面の連結境界部における螺合ネジ部の隙間に
    対して、厚さ0.4μm以上で、かつ比抵抗が108 
    Ωcm以上の絶縁性無機化合物皮膜を被覆率90%以上
    、99.9%以下で形成させることを特徴とする管の電
    食防止方法。
  3. 【請求項3】管端部に連結用の螺合ネジ部が形成された
    金属管材において、該管材が連結されたとき露出する内
    面および外面の少なくとも一方面における前記螺合ネジ
    部を除く内面端または外面端から60mm以上の範囲に
    渡って、厚さ0.4μm以上で、かつ比抵抗が108 
    Ωcm以上の絶縁性無機化合物皮膜が被覆率90%以上
    、99.9%以下で形成されていることを特徴とする絶
    縁管材。
  4. 【請求項4】管端部に連結用の螺合ネジ部が形成された
    金属管材において、該管材が連結されたとき露出する内
    面および外面の少なくとも一方面における前記螺合ネジ
    部を除く内面端または外面端から60mm以上の範囲に
    渡って、ならびに連結したとき隙間が生じる前記螺合ネ
    ジ部分に、厚さ0.4μm以上で、かつ比抵抗が108
     Ωcm以上の絶縁性無機化合物皮膜が被覆率90%以
    上、99.9%以下で形成されていることを特徴とする
    絶縁管材。
  5. 【請求項5】前記絶縁皮膜の表面にその絶縁性無機化合
    物皮膜保護用の合成樹脂皮膜が積層されていることを特
    徴とする請求項3または4記載の絶縁管材。
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