JPH04251718A - ハードコート付き板状体アセンブリおよびその製法 - Google Patents

ハードコート付き板状体アセンブリおよびその製法

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JPH04251718A
JPH04251718A JP839791A JP839791A JPH04251718A JP H04251718 A JPH04251718 A JP H04251718A JP 839791 A JP839791 A JP 839791A JP 839791 A JP839791 A JP 839791A JP H04251718 A JPH04251718 A JP H04251718A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハードコートを施した板
状体、ことに例えばポリカーボネート(PC)等の合成
樹脂板において、該板の周辺端縁部に熱可塑性樹脂系ガ
スケット材をより固着力を高めた一体化成型をしたハー
ドコート付き板状体アセンブリとその製法に関し、特に
例えばハードコート付きPC板はもちろんガラス板とハ
ードコート付きPC板との複合品等少なくともハードコ
ート付き板状体を用いる各種物品に採用できて優れたも
のと成るものであり、建築用窓材、店内装材はもちろん
、自動車など車両用窓材をはじめ、船舶、航空機あるい
は家具等広い分野において有用な各種物品と成るハード
コート付き板状体アセンブリおよびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリメチルメタクリレート(PMMA)
板あるいはPC板などの光学性能の優れた所謂樹脂ガラ
ス基材に、耐擦傷性等の表面保護機能を付与したハード
コート付き窓材アセンブリは、無機ガラスに比べて軽く
しかも形状自由度も高いため、自動車等車両、船舶、航
空機あるいは建築などの各分野で各種窓材等として広く
採用されるようにしようとされつつある。
【0003】例えば、特開平1ー185332号公報に
は表面に耐擦傷性コーティングとしてオルガノシロキサ
ン樹脂系塗料を塗布した樹脂板を電着塗装の鋼板に接合
するに当たり、ジクロロベンゼン及びイソホロンの混合
溶媒によるプライマー層とNCO基を分子量あたり5%
以上保有するプライマー層との間に、例えば水分硬化型
NCOシーラント層等の接着材等を介して種々組み合わ
せて五層など多層を形成して強固に接合しかつ外観がよ
り優れた接合体にしようとする耐擦傷性樹脂と鋼板の接
合方法が開示されている。また特開昭61ー66645
 号公報には窓材アセンブリ及びその製造方法が記載さ
れており、耐摩耗性膜付き裂傷防止シートを少なくとも
片面に被着した透明板材の周縁部に一体的にガスケット
を接着形成するに当たり、例えばポリエステル層からな
る前記シートの部分からシリカにより補強されたメチル
シロキサンからなる前記耐摩耗性膜をポリウレタン材料
からなる前記ガスケットと接触するべきアセンブリの周
縁部より少なくとも除去してしかもガンマーアミノプロ
ピルトリエトキシランを含む清澄なプライマーとその上
にブラックアウトプライマーをそれぞれ塗布して前記ガ
スケットを形成することが接着を促進する上で好ましい
ことであると記載されている。さらに特開平2ー607
22 号公報にはガラスの周縁に例えばシラン化合物等
のプライマーを塗布する前処理を施し、シラン化合物を
含有するポリアミド系樹脂接着剤を塗布し、塩化ビニル
樹脂で一体的に成形体を接着形成することで、短時間で
接着ができるようにしかつ接着強度を上げて耐熱性及び
耐水性等の耐久性に優れたものにしようとするものであ
るガラス塩化ビニル樹脂一体成形物及びその製造方法が
記載されている。さらにまた特開昭62ー4728号公
報にはPC板等の樹脂透明体の接着に当たり、カーボン
ブラックを含有するオルガノシラン系プライマー、次い
でポリイソシアネート系プライマーを塗布した後、湿気
硬化性ポリウレタン系シーリング材を用いて接着する接
着方法が記載され、耐候性、耐光性など耐久性に優れた
ものにしようとすることが開示されている、等が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した特開平1ー1
85332号公報に記載の耐擦傷性樹脂と鋼板の接合方
法は予め2種類のプライマー層を順次積層して接着する
ものではなく、接着剤層をより頑固に接着しようとする
ものであって、例えば塩化ビニル樹脂等を一体的に成型
するに際しては採用し難いものである。また特開昭61
ー66645 号公報に記載の窓材アセンブリ及びその
製造方法は前記耐摩耗性膜付き裂傷防止シートをもちい
る際には、2種類のプライマーを用いても該耐摩耗性膜
を除去しなければ必ずしも優れた接着力が得られないも
のである。さらに特開平2ー60722 号公報に記載
のガラス塩化ビニル樹脂一体成形体物及びその製造方法
はガラスと塩化ビニル成形体との接着において、接着剤
とガラスとの間にプライマーを用いるもので、必ずしも
常に充分な接着力があるものとは言い難いものである。 さらにまた特開昭62ー4728号公報に記載の接着方
法は樹脂透明体に予め2種類のプライマーを重ね塗りし
て接着剤で自動車用窓枠等に接着するものであるので、
必ずしも耐摩耗性膜を有する樹脂板に一体的にガスケッ
トを成型する際等にはそのままではガスケット部材の頑
固な一体化は困難であって採用し難いものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
課題に鑑みて成したものであって、表面硬度の優れた耐
摩耗性のシリコーン系ハードコート剤によって処理され
た板状体、特に合成樹脂板の外周縁部でガスケット成型
部と成る部分に、先ず前記ハードコート剤に馴染みよい
プライマーを固着し、次いで可撓性に優れかつ前記プラ
イマーとガスケット成型材料である熱可塑性樹脂系材料
と優れた接着力を示すプライマーを固着して順次2種類
の特定プライマーを固着積層した後、前記ガスケット成
型部を熱可塑性樹脂系材料で所謂エンキャプシュレーシ
ョン法等によって一体的に囲繞被覆して成型したものと
したことにより、従来より数段優れた頑固な一体的接着
ができ、充分な接着強度を有し、かつ耐候性、耐光性等
耐久性に優れたハードコート付き板状体アセンブリおよ
びその製法を提供するものである。
【0006】すなわち、本発明はシリコーン系のハード
コート剤で処理された板状体の外周縁部を、熱可塑性樹
脂系ガスケット材で覆って成るハードコート付き板状体
アセンブリにおいて、前記ハードコート付き板状体外周
縁部に、オルガノシラン系接着剤およびウレタン系接着
剤を順次固着積層したプライマー層を設け、該プライマ
ー層と板状体端縁面を囲繞するよう一体化した前記熱可
塑性樹脂系ガスケット材から成ることを特徴とするハー
ドコート付き板状体アセンブリ。ならびにシリコーン系
のハードコート剤で処理された板状体の外周縁部を、熱
可塑性樹脂系ガスケット材で覆って成るハードコート付
き板状体アセンブリの製法において、前記ハードコート
付き板状体外周縁部に、オルガノシラン系接着剤および
ウレタン系接着剤のプライマー層を加熱硬化させて順次
固着積層し設けた後、該プライマー層が射出成形型内に
なるようセットし、該プライマー層と板状体端縁面を囲
繞するよう熱可塑性樹脂系ガスケット材を一体的に成型
することを特徴とするハードコート付き板状体アセンブ
リの製法を提供するものである。
【0007】ここで、前記ハードコート付き板状体、こ
とに合成樹脂板の外周縁部であるガスケット成型部に施
す第1層目のオルガノシラン系接着剤プライマーとして
は、アミノ、エポキシ官能基を含んだシランカップリン
グ剤をアルコール系、芳香属系、ケトン系などの溶媒に
溶解したものであり、シリコーン系ハードコート表面に
活性層を形成するようにしたものであって、例えば脱脂
洗浄などによって清浄化したハードコート面に該オルガ
ノシラン系接着剤プライマーを厚さ約数μm 程度塗布
し、温度80〜120℃程度で時間30〜60分程度加
熱乾燥し硬化させて固着するものである。
【0008】また、前記第1層のプライマー層の上に施
すウレタン系接着剤プライマーとしては、末端ーOH(
水酸基)の熱可塑性ウレタンプレポリマーに末端ーNC
O(イソシアネート基)化合物(硬化剤)を反応させる
二液型としたものであり、ことにエンキャプシュレーシ
ョン法では、成型される製品形状やガスケット成型材料
等によって成型条件が異なり、このため該ウレタン接着
剤プライマーの反応硬化条件も異なるものとなるので、
成型条件に応じて接着反応をコントロールする必要があ
る場合があって、前記二液型ウレタン接着プライマーの
硬化剤を変量させることあるいは雰囲気温度を変化させ
ること等で行うことが好ましく、さらに接着反応時間を
短時間で完了させるには、アミン系などの硬化触媒を必
要に応じて併用することが好ましいものであり、さらに
また該ウレタン系接着剤プライマーは例え熱可塑性樹脂
ガスケット材料が可塑化塩化ビニル系であってもクロロ
プレン系接着剤プライマーのような可塑剤の移行による
悪影響をうけがたいものである。さらにまた施すウレタ
ン系接着剤プライマーの具体例としては例えば、予めケ
トン系などの溶媒に溶解した熱可塑性ウレタンプレポリ
マーにイソシアネート化合物(TDIトルエンジイソシ
アネートなど)を2〜10部程度添加して調整した二液
型ウレタン系接着剤プライマーを厚さ約数十μm 程度
塗布し、温度80〜100℃程度で時間約30分程度乾
燥硬化させるものである。なお、上述した両プライマー
については接着性向上ならびに処理時間短縮のために加
熱乾燥することが必要であって不可欠と言うべきもので
ある。
【0009】さらに、熱可塑性樹脂系ガスケット材料と
しては、塩化ビニル、ウレタン塩化ビニル、サーモプラ
スチックエラストマーなどの樹脂原料があげられ、なか
でも安価で耐久性等性能も良好な塩化ビニル樹脂を用い
ることが好ましいものであり、この場合塩化ビニルの硬
化度低減等コントロールするために用いる可塑剤として
は、ポリカーボネートなどの樹脂窓材への移行防止を考
慮してアジピン酸エステルなどのエステル系可塑剤が好
ましいものである。
【0010】さらにまた、前記ハードコート付き板状体
、ことに合成樹脂板の外周縁部への前記ガスケット成型
方法としては所謂エンキャプシュレーション法が最も好
ましく、例えば塩化ビニル樹脂であれば、その射出成形
条件は射出溶融温度170〜200℃程度で射出圧力約
300kg/cm2程度以上であり、この際、前記ガス
ケット成型部を成型用金型内にインサートされる前記板
外周縁部プライマー処理済ハードコート付き合成樹脂窓
部材は、射出用溶融樹脂の流れを助長しかつ接着性を強
固にするため、該合成樹脂窓部材の温度が80〜100
℃程度になるように加熱されていることが好ましいもの
である。なお、ガラス板の窓用部材のように、割れ等に
対する配慮はほとんど不要であるが、熱膨張収縮につい
ては配慮が必要となることは言うまでもない。
【0011】さらにまた、前記板状体、ことに合成樹脂
板としては、前記PC板あるいはPMMA板等であり、
該板へのハードコート剤であるシリコーン系ハードコー
ト剤としては、主成分となる種々のオルガノアルコキシ
シランを加水分解して得られるシロキサンプレポリマー
をアルコール系、エーテルエステル系などの溶媒に溶解
したものであり、特にコロイダルシリカが添加されたも
のは表面硬度に優れたものとなり好ましいものである。 例えばメチルトリエトキシシラン約225部、γグリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン約25部に無水フタ
ル酸0.1部を加え、約40℃で約3時間反応溶解させ
た後、コロイダルシリカ水溶液(SiO2 含有量約2
0重量%)約250部を加え、約40℃で約3日間程度
加水分解部分縮合反応を行い、シロキサンプレポリマー
溶液を得る。この溶液に約360部のイソプロピルアル
コールを添加し、分画分子量1000の限外濾過膜をセ
ットし、限外濾過器により再度濃縮して、固形分約25
重量%のハードコート用溶液を得るものである。なおハ
ードコート付き板状体については、ハードコートは表裏
両面および外周端面の全表面、表裏両面のみあるいは表
裏面のどちらか片面のみに施してもよいことは言うまで
もない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。但し本発明は係る実施例に限定されるものでは
ない。図1は、本発明のハードコート付き板状体アセン
ブリにおいて、ハードコート付き板状体である合成樹脂
板の外周縁部におけるガスケット成型部を部分拡大した
側断面図であって、ハードコート付き板状体アセンブリ
1は、アクリル系プライマー層3を介してシリコーン系
ハードコート層4が施された透明合成樹脂板2の外周縁
部に、該外周縁部であるガスケット成型部を形成する部
分を囲繞するようにして、第1層としてオルガノシラン
系接着剤プライマー層5、該層5の上に第2層としてウ
レタン系接着剤プライマー層6を順次固着被覆し、該層
6の表面上に熱可塑性樹脂系ガスケット7を一体的に成
型して成るものであり、上記したハードコート付き合成
樹脂板への前記2層のプライマーの固着は予め夫々加熱
乾燥で施し、図5のようにして、該プライマー部を囲繞
するよう射出成形金型12内にセットし、上下型13、
14で型締めし、キャビティ空間15内に原料樹脂を射
出する所謂エンキャプシュレーション等で一体化成型す
ることで熱可塑性樹脂系ガスケット7を得るものである
【0013】
【実施例1】先ず、洗浄し乾燥した、大きさが幅約35
0mmで長さ約350mm、厚さ約5mmであるPC平
板の片面にアクリル系プライマー液をフローコートし、
室温で風乾後、前記したハードコート用溶液ならびにト
スガード510(東芝シリコーン(株)製)を用いてフ
ローコートし、約120℃で約1時間乾燥硬化させて約
6μm のシリコーン系ハードコート層を施し、ハード
コート付きPC板(HーPC板という)を得、さらに該
HーPC板を長さ約120mmで幅約25mmの大きさ
に切断し、洗浄乾燥してプライマー塗布用HーPC板と
した。
【0014】次に、図2に示すように、上述したプライ
マー塗布用HーPC板10の所定箇所に幅約25mmで
長さ約50mmの大きさで該ハードコート表面に、第1
層プライマー層としてオルガノシラン系接着剤プライマ
ー(ベタシールプライマー、サンスター技研(株)製)
を用いて厚さ数μm 程度になるように均一にハケ塗り
し、室温風乾した後、約120℃で約60分の乾燥硬化
をして固着形成し、さらに第2層プライマー層としてメ
チルエチルケトン中にて熱可塑性ポリオール100部に
TDIを2部の割合で添加して調整したものであるウレ
タン系接着剤プライマーを厚さ数十μm 程度同様にし
て塗布し、約100℃で約30分の乾燥硬化をして固着
形成し、2種類のプライマー層から成る層を重ねて被覆
固着したHーPC板(PーHーPC板という)を得た。
【0015】続いて、図2に示すように、該PーHーP
C板のプライマー層以外の少なくとも表面部分に離型物
を施し、該PーHーPC板を約50℃程度にした所定の
射出成形用金型内にセット型締めし、前記プライマー面
ならびに離型面とした片面に温度約170℃程度の可塑
剤入り塩化ビニル樹脂を圧力300kg/cm2で射出
した後、冷却型開きしてプライマー面で固着一体化しほ
ぼ前記PーHーPC板と同形の板状塩化ビニル樹脂成型
部材9を得、接着テスト用試料8とした。
【0016】得られた接着テスト用試料8の上記板状塩
化ビニル樹脂成型部材9のフリーとなっている端縁部を
治具で掴み、テンシロン(東洋ボールドウィン製)にて
図3に示すようにほぼ180°引っ張り試験を引っ張り
速度約10mm/分で行い、前記板状塩化ビニル樹脂成
型部材9の固着部における剥離開始瞬前の重量、すなわ
ち接着強度をkg/cmで表し、その値は3試料の平均
で約20kg/cmであり、また凝集破壊あるいは接着
界面破壊のどちらか剥離面を観察し、その剥離面はいず
れも凝集破壊であった。
【0017】さらにまた、接着耐久性テストとして、耐
温水テストを約40℃で約240時間、耐熱テストを約
80℃で約240時間、冷熱サイクルテストを約80℃
で約4時間〜約−40℃で約4時間/四サイクル、耐候
性テストをサンシャインウエザーメータで約2000時
間の各条件によって行った後、上述したと同様の評価を
同様な方法で行い、概ね18〜20kg/cm程度とな
って、剥離面においても上述と同様であり、後述の比較
例等従来と比して数段優れるものとなった。
【0018】なお、図1および図5で示すような、Hー
PC板等の外周縁部に前記特異に特定した2種類のプラ
イマーを固着積層被覆したPーHーPC板17に、エン
キャプシュレーション法によるガスケット成型を施した
本発明のハードコート付き板状体アセンブリにおいても
、上述したと同様に数段優れた頑固な接着力ならびに耐
久性等を有するものであった。所期した強度、耐久性等
を充分達成できる上、該ハードコート付き板状体アセン
ブリ自体の各種物性をも向上するものと成って、例えば
図4に示すような自動車用窓材11等に極めて有用なも
のと成るものであった。
【0019】
【実施例2】先ず、洗浄乾燥した、図4に示すような長
さ約470mmで幅約120mmの大きさ、厚さ約3m
mのPC板をアクリル系プライマー液中に浸漬し、引き
上げて室温で風乾した後、さらに前述した調整のシリコ
ーン系ハードコート液中に浸漬し、引き上げて室温で風
乾し、約120℃で約1時間程度乾燥硬化させ、約6μ
m 程度のハードコート層を固着被覆したHーPC板を
得、プライマー塗布用HーPC板とした。
【0020】次に、上述したプライマー塗布用HーPC
板の約5mm幅の外周縁部に、オルガノシラン系接着剤
プライマーを厚さ約数μm 程度となるように均一にハ
ケ塗りし、室温風乾した後、約120℃で約60分程度
加熱乾燥硬化して、さらにウレタン系接着剤プライマー
を厚さ約数十μm 程度同様に塗布し、約100℃で約
30分程度乾燥硬化をして固着形成し、2種類のプライ
マー層を重ねて被覆固着したPーHーPC板を得た。
【0021】続いて、ほぼ実施例1と同様な方法であっ
て、該PーHーPC板を該板のプライマー部分のみ固着
するようにして直ちに射出成形用金型内にセットし、キ
ャビティ内に樹脂温度約180℃の可塑剤入り塩化ビニ
ル樹脂を圧力約400kg/cm2で射出した後、冷却
型開きしてプライマー面で固着一体化した板状塩化ビニ
ル樹脂成型部材を得、接着テスト用試料とした。
【0022】得られた接着テスト用試料について前記実
施例1と同様の接着強度ならびに接着耐久性の両テスト
を実施して評価した。その結果、接着強度としてはすべ
て約25〜28kg/cm2程度であって、その剥離面
もほぼ実施例1と同様のようなものであった。後述の比
較例等従来と比して数段優れるものとなり、実施例1よ
り向上したものとなった。なお、エンキャプシュレーシ
ョン法によるガスケット成型を施したハードコート付き
板状体アセンブリにおいても、ほぼ実施例1と同様な結
果を得、実施例1より優れるものとなった。
【0023】
【比較例1】実施例1で製作したHーPC板およびほぼ
同一サイズのPC板について、それぞれプライマー処理
しないで直接射出成形金型内にセットし、実施例1とほ
ぼ同一条件で塩化ビニル樹脂成型部材を片面に形成し、
接着テスト用試料とした。得られた接着テスト用試料に
ついて、それぞれ接着強度テストならびに接着耐久性テ
ストを実施し評価したところ、両者とも人の手で簡単に
剥離できるようなものであった。なお、これらの剥離面
は当然ながら接着界面剥離であった。
【0024】
【比較例2】前記実施例1で製作したHーPC板につい
て、先ず前記実施例1と同様にオルガノシラン系接着剤
プライマーをほぼ数μm 程度になるように均一にハケ
塗りし、室温風乾のみ約48時間行った後、さらにトリ
ス(4ーフエニルイソシアネート)チオホスフエート(
バイエル社製)と酢酸エチルとを等量混合したポリイソ
シアネート系プライマーを厚さ約数十μm 程度塗布し
、約24時間室温乾燥硬化のみ行い、2種類のプライマ
ー層を重ねて被覆形成したpーHーPC板を得た。
【0025】該pーHーPC板を直ちに射出成形用金型
内にセットし、前記実施例1とほぼ同一条件で、塩化ビ
ニル系成型部材を形成し、接着テスト用試料とした。得
られた接着テスト用試料について、接着強度テストなら
びに接着耐久性テストを実施し評価したところ、すべて
接着強度が10〜7kg/cm2程度以下であってバラ
ツキも大きく実施例に比してかなり劣るものであった。 なお、剥離面はほとんど接着界面破壊であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ハードコート付き板状
体、ことに合成樹脂板において、該板状体の外周縁部の
ガスケット成型部に、2種類の特異で特定のプライマー
を重ねて固着積層し被膜して、前記外周縁部を囲繞する
よう一体的に熱可塑性樹脂系ガスケット材を形成したハ
ードコート付き板状体アセンブリならびにその製法であ
るので、従来所期の接着強度を得難くて実用に供するま
でに到り難いハードコート付き板状体であったものを、
例えば20kg/cm2程度以上になるなど、接着強度
を数段高めることができかつ高い耐候性等を示すものと
成り、しかもハードコート付き板状体自体の強度等の物
性を向上するものと成って充分実用に供するものと成り
、建築関連用はもちろん、自動車用窓材等広い分野で有
用なものと成るものである。
【0027】さらに、エンキャプシュレーション法等を
充分採用できることと成って、ハードコート付き板状体
のモジュール化等に大きく寄与でき、ハードコート付き
板状体アセンブリを採用することで製造においてはもち
ろん、取付け等各方面で作業等が省力、安全で効率よく
できるものと成るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハードコート付き板状体アセンブリの
ガスケット成型部の構成を示す部分拡大した側断面図で
ある。
【図2】接着強度テストを実施する際に用いる接着テス
ト用試料の斜視図である。
【図3】接着強度テストを実施する際の接着テスト用試
料の状態を示す部分斜視図である。
【図4】本発明のハードコート付き板状体アセンブリの
一実施例を示す平面図である。
【図5】本発明の製法において、PーHーPC板を射出
成形金型内に設置し型締めした状態の部分側断面図であ
る。
【符号の説明】
1  ハードコート付き板状体アセンブリ2  透明合
成樹脂板 3  アクリル系プライマー層 4  シリコーン系ハードコート層 5  オルガノシラン系接着剤プライマー6  ウレタ
ン系接着剤プライマー 7  熱可塑性樹脂系ガスケット 8  接着テスト用試料 9  板状塩化ビニル樹脂成型部材 10  HーPC板 11  自動車用窓材 12  射出成形金型 13  上型 14  下型 15  キャビティ空間 16  シール兼緩衝材 17  PーHーPC板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  シリコーン系のハードコート剤で処理
    された板状体の外周縁部を、熱可塑性樹脂系ガスケット
    材で覆って成るハードコート付き板状体アセンブリにお
    いて、前記ハードコート付き板状体外周縁部に、オルガ
    ノシラン系接着剤およびウレタン系接着剤を順次固着積
    層したプライマー層を設け、該プライマー層と板状体端
    縁面を囲繞するよう一体化した前記熱可塑性樹脂系ガス
    ケット材から成ることを特徴とするハードコート付き板
    状体アセンブリ。
  2. 【請求項2】  シリコーン系のハードコート剤で処理
    された板状体の外周縁部を、熱可塑性樹脂系ガスケット
    材で覆って成るハードコート付き板状体アセンブリの製
    法において、前記ハードコート付き板状体外周縁部に、
    オルガノシラン系接着剤およびウレタン系接着剤のプラ
    イマー層を加熱硬化させて順次固着積層し設けた後、該
    プライマー層が射出成形型内になるようセットし、該プ
    ライマー層と板状体端縁面を囲繞するよう熱可塑性樹脂
    系ガスケット材を一体的に成型することを特徴とするハ
    ードコート付き板状体アセンブリの製法。
JP839791A 1991-01-28 1991-01-28 ハードコート付き板状体アセンブリおよびその製法 Expired - Fee Related JP3073243B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0619726B2 (en) 1991-12-30 2000-06-21 SCA Mölnlycke AB An absorbent article
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