JPH0424610B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の対象〕 本発明は恒温恒湿室等に用いるユニツト型蒸気
加湿器の排水システムに関する。

〔発明の背景〕

近年、半導体製造工場や実験室等の恒温恒湿室
や病院、電算機室においてユニツト型蒸気加湿器
が多く用いられている。

第１図は従来のユニツト型蒸気加湿器の一例を
示す図である。蒸発用の水を入れる蒸気シリンダ
１内に水を加熱するヒータ２を設けた構造の蒸気
加湿器本体に、給水用電磁弁３を開放し、予水タ
ンク４および給水パイプ５より、前記蒸気シリン
ダ１内に蒸発用の水を入れ、フータ２に加熱電流
を通電し、水温を上昇させて蒸気を発生させる。
この発生した蒸気を蒸気排出口６より目的場所に
送出する。水の排出は排水電磁弁７を開放して排
水パイプ８より、蒸気シリンダ１外に排出され
る。

第２図は従来のユニツト型蒸気加湿器の他の例
を示す図で、第１図の例とは異なり、水を加熱す
のにヒータ１にかえて３枚のプレート電極９，
９′９″を用い、このプレート電極から水に直接に
い加熱電流を長し、水を加熱して蒸気を発生させ
る。蒸気発生により水の濃度（無機物の濃度が上
昇するとスケールの発生量が多くなつたり過大電
流が流れたりするので、排水電磁弁７を開放して
排水パイプ８より水を排水した後、給水電磁弁３
を開放し、予水タンク４および給水パイプ５より
蒸気シリンダ１内に水を供給し、水の濃度（無機
物の濃度）を調節している。

上記第１図に示す従来のユニツト型蒸気加湿器
では、排水パイプ８を蒸気シリンダ１の底部では
なく中間部分に設けるので、排水電磁弁がスケー
ル等によりつまる心配は少ないがスケール１１の
ほとんどが蒸気シリンダの底部にたまるためこれ
を除去するのに多くの時間を必要とするという欠
点があつた。また、第２図に示すように蒸気シリ
ンダ１の底部に排水口を設けると電磁弁７はスケ
ール等の異物でつまるのを防ぐためストレーナ１
２のメツシユ１２ａ（第３図参照）を細かくする
必要があり、ストレーナ１２のメツシユ１２ａを
細かくするとストレーナ１２がつまつたりスケー
ル１１のたまる可能性が大きくなるという欠点が
あつた。さらに、第１図、第２図に示す従来のユ
ニツト型蒸気加湿器はいずれも予水タンク４をオ
ーバブロ管１４によりオーバーフローを防ぐ必要
があり、構造が複雑となるという欠点があつた。

〔発明の目的〕

本発明は上述の点にかんがみてなされたもの
で、蒸気シリンダ底面に排水口を設けると共に、
この排水口の先端に設けられた排水パイプの中間
に排水ポンプを設けるだけの簡単な構造で、スト
レーナのメツシユを細かくする必要がなく、スケ
ールのたまる可能性が少なく、排水が短時間です
み、かつ排水パイプがオーバフロー管の役割を果
たすユニツト型蒸気加湿器の排水システムを提供
することを目的とする。

〔発明の概要〕

本発明の要点は、蒸発用の水を入れる蒸気シリ
ンダと、この蒸気シリンダ内に設置された発熱体
とからなり、発熱体によりシリンダ内の水を加熱
し、シリンダ上部に設けられた蒸気排出口より目
的場所に蒸気を送り出すようにしたユニツト型加
湿器において、シリンダ底部に排水口を設け、こ
の排水口の先端に一部が逆Ｕ字形に折曲され、折
曲点が前記蒸気シリンダ上部と略同一の高さに形
成された排水パイプを設け、前記排水口と前記折
曲点の間で且つ前記排水口と略同一水平レベルに
位置する排水パイプ中に回転軸を中心に放射状に
設けられた翼を具備し、該翼の側端とポンプカバ
ーの内面間に間〓を設けた構造の排水パイプを設
けたユニツト型蒸気加湿器の排水システムにあ
る。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説
明する。

第４図は本発明の一実施例をなすユニツト型蒸
気加湿器を示す側断面図である。同図において、
２１は蒸気シリンダであり、蒸気シリンダは上部
２１ａと下部２１ｂとに分離できる構造で、上部
２１ａと下部２１ｂとの接合面にはパツキン２１
ｃを介在させて気密を保つ構造となつている。２
２〜２４は加熱用のプレート電極で、ステンレス
等の金属からなる。２５は前記蒸気シリンダ２１
の下底面に設けられた排水口、２６は前記蒸気シ
リンダ２１内に蒸発用の水を送る給水パイプ、２
７は前記給水パイプに設けられた給水用の電磁弁
である。２８は前記蒸気シリンダ２１から濃度の
高い水を排水するための排水パイプ、２９は前記
排水パイプの中間に設けられたポンプである。ポ
ンプ２９は、第５図に示すように中心軸部材２９
ａに放射状に翼２９ｂを設けた構造で、この中心
軸部材２９ａにモータ３０の軸が直結され、回転
力を与えられる構造となつており、モータ３０を
起動しない時は翼２９ｂは軸部材を中心に時計方
向あるいは反時計方向に自由に回転できるような
機構となつている。３１は前記排水口２５と給水
パイプ２６と排水パイプ２８を結合する結合部材
である。この結合部材３１はパツキング３２で蒸
気シリンダ２１と気密を保つようになつている。
排水パイプ２８は逆Ｕ字状をなした折曲部分を有
しており、折曲点２８ａは蒸気シリンダ２１の上
部の高さと略同程度とする。また、排水パイプ２
９は第４図に示すように排水口２５と前記折曲点
２８ａの間の排水パイプ２８中に、排水口２５と
略同一水平レベルか又は下方に設けられている。
３３は第３図に示す構造と略同一構造のストレー
ナであるが、そのメツシユは従来のものより相当
粗である。

上記第４図に示すような構造のユニツト型蒸気
加湿器において、給水電磁弁２７を開放し蒸発用
水を蒸気シリンダ２１内に供給すると蒸気シリン
ダ内の水位が上昇すると同時に排水パイプ２８内
の水位２８ｂも上昇する。蒸気シリンダ内の水位
がプレート電極２２〜２４に触れる水位になつた
ら電源３４からプレート電極２２〜２４に加熱電
流を通電する。フレート電極２２〜２４はその表
面を広くしているため電流はすぐに流れ始め規定
の電流値に達すると給水用電磁弁２７は閉じ水蒸
気が発生し、この蒸気は蒸気排出口３５より目的
場所に送られる。

水質感知回路（図示せず）が蒸発シリンダ内の
水質を監視し、水質濃度が規定値以上になつたら
モータ３０を起動し、蒸気シリンダ２１内の水を
排水パイプ２８を通して一定時間（数秒）排出す
る。蒸気シリンダ２１内の水位が下つたら給水電
磁弁２７を開放し、水を蒸気シリンダ２１内に供
給する。この際、もし水位が高くなりすぎると、
排水パイプ２８内の水位も同時に上昇するので、
排水パイプ２８の折曲点２８ａを水位２８ｂが越
えると水は排水パイプ２８を通じて落下排水され
ることになり、蒸気シリンダ内の水位は一定以上
上昇しない。又蒸気シリンダ２１内何らかの圧力
（100mmWG）以上が、かかつても同様に排出され
る。すなわち排水パイプ２８はオーバーフロー管
の作用も奏することになる。

上記実施例に示すユニツト型蒸気加湿器は排水
ポンプの構造は中心軸部材２９ａに放射状に翼２
９ｂを設け、かつ翼２９ｂの先端とポンプガバー
２９ｃの内壁との間に大きな間隙を設けた構造な
ので、電磁弁のように、スケール等の異物の詰ま
り易い構造でなく、ストレーナ33のメツシユが排
水電磁弁の場合より粗くてよく、スケール等が蒸
気シリンダ２１の底面にたまりにくい。また、排
水ポンプで強制的に排水するので排水量が大きく
短時間で排出できる。さらにポンプ２９の翼２９
ｂはモータ３０に通電していないときは中心軸部
材２９ａを中心に自由に回転できる機構となつて
いるため、蒸気シリンダ２１内の水位と排水パイ
プ２８の水位が連動して変化することにより、排
水パイプ２８はオーバフロー管としての役割も果
すことになる。

なお、蒸気実施例では蒸気シリンダ２１内の発
熱体としてプレート電極を用いたが、プレート電
極に限ることなく、第１図に示すようなヒータで
もよい。また電極は三電極に限ることなく二電
極、四電極、六電極それ以上でもよい。

また、ポンプ２９としては、第６図にその一部
断面図を示すように、翼２９ｂのモータ３０側と
は反対側の側端とポンプカバー２９ｃの内面との
間に間隙ｇを設け、モータ３０を停止している時
は、この間隙を通つて排水が流れるようにしても
よい。また、この間隙ｇはモータ３０側の翼２９
ｂの側端とカバー２９ｃの内面との間に設けても
よい。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば下記のよ
うな優れた効果が得られる。

(1) 排水パイプ中間に回転軸を中心に放射状に設
けられた翼を具備し、該翼の側端とポンプカバ
ーの内面との間に間〓を設けた構造の排水ポン
プを設けたので、排水パイプ中に堆積した泥状
や粒状のスケールは水と共に外部へ排出される
ため、ストレーナのメツシユを粗くすることが
できるようになり、蒸気シリンダ内にスケール
の溜る可能性が少ない。

(2) また、蒸気シリンダの内圧が上昇した場合、
自然に排水パイプ及びポンプを通り抜け、蒸気
シリンダ内の水が排水されるため、特別の安全
装置を必要としない。

(3) また、蒸気シリンダ内の圧力限度が排水パイ
プの逆Ｕ字状に折曲部の折曲点の高さで決定で
きる。

(4) また、排水パイプに一部が逆Ｕ字形に折曲さ
れ、折曲点が前記シリンダ上部と略同一の高さ
に形成されたパイプを用いるので、この排水パ
イプがオーバーフロー管の作用も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のユニツト型蒸気加湿器の一例を
示す側断面図、第２図は他の例を示す側断面図、
第３図はストレーナを示す斜視図、第４図は本発
明の一実施例をなすユニツト型蒸気加湿器の側断
面図、第５図はポンプの一部切欠斜視図第６図は
他のポンプの一部切欠断面図である。 図中、１は蒸気シリンダ、２はヒータ、３は給
水電磁弁、４は予水タンク、５は給水パイプ、６
はは蒸気排出口、７は排水電磁弁、８は排水パイ
プ、９〜１１は電極、１２はストレーナ、１３は
スケール、２１は蒸気シリンダ、２２〜２４はプ
レート電極、２５は排水口、２６は給水パイプ、
２７は給水電磁弁、２８は排水パイプ、２９はポ
ンプ、３０はモータ、３１は結合部材、３２はパ
ツキン、３３はストレーナ、３４は電源、３５は
蒸気排出口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 蒸発用の水を入れる蒸気シリンダと、この蒸
   気シリンダ内に配置された発熱体からなり、前記
   シリンダ内の水を加熱し、前記シリンダ上部に設
   けられた蒸気排出口より蒸気を送り出すようにし
   たユニツト型加湿器において、 前記シリンダ底部に排水口を設け、 この排水口の先端に一部が逆Ｕ字形に折曲さ
   れ、折曲点が前記蒸気シリンダ上部と略同一の高
   さに形成された排水パイプを設け、 前記排水口と前記折曲点の間で且つ前記排水口
   と略同一水平レベルに位置する排水パイプ中に回
   転軸を中心に放射状に設けられた翼を具備し、該
   翼の側端とポンプカバーの内面間に間〓を設けた
   構造の排水パイプを設けたことを特徴とするユニ
   ツト型蒸気加湿器の排水システム。 ２ 前記発熱体としてヒータを用いたことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載のユニツト型蒸
   気加湿器の排水システム。 ３ 前記発熱体として電極を用いたことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載のユニツト型蒸気
   加湿器の排水システム。