JPH0424153Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、浴槽内の水を有効に利用するために
使用する浴槽用ポンプに関するものである。

（従来の技術） 入浴後において浴槽内に残された温水をそのま
ま捨てるのは省エネルギーの上から好ましくな
い。このため従来から浴槽内の温水は洗濯等に利
用されているが、この場合温水を浴槽から洗濯機
等に移す方法は、主としてバケツ等の容器を使用
していた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上述したように浴槽内の水を容器
を使用して洗濯機に移す作業は、多くの労力と時
間を必要とするという問題点があつた。

また一度使用した浴槽内の水を全部捨てること
なく、再使用するには、比較的に沈澱物が多く、
かつ温度も低くなつている浴槽下部の水だけを捨
てるのが有利である。しかしながらこのように浴
槽下部の水だけを捨てる有効な方法は従来から知
られていない。すなわち浴槽底部の排水栓を抜い
た場合でも、上層の水が混じつて排出されてしま
うという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 上述の問題点を解決するため本考案において
は、垂直管の上端部を開閉自在にすると共に、こ
の垂直管と連通する吸着盤を垂直管の下端に設
け、この吸着盤の上方の前記垂直管の回りに蛇腹
式伸縮密閉容器を設け、この密閉容器の底板に吸
入口を設けると共に、この吸入口に逆止弁を設
け、前記密閉容器の下部に逆止弁を有する吐出管
を接続し、前記密閉容器の上板に上方へ向う空気
抜き管を立設し、この空気抜き管の上端部を開閉
自在にし、昇降駆動板を前記上板と連結して浴槽
用ポンプを構成する。

（作用） 本考案の浴槽用ポンプは上述のように構成した
から、密閉容器の下部に設けた吐出管にホースを
接続すると共に、空気抜き管を解放した状態で本
装置を浴槽内に沈めれば、底板に設けた吸入口か
ら浴槽内の水が密閉容器内に侵入する。そして吸
着盤が浴槽の底面に接した状態で垂直管を強く押
し下げれば、吸着盤が浴槽の底面に真空作用によ
つて吸着する。

そして密閉容器内に水が十分に入つたならば、
空気抜き管の上端部を閉じ、昇降駆動板を介して
密閉容器の上板を押し下げれば、蛇腹が縮むた
め、密閉容器内の水が吐出管およびホースを介し
て外部に排出する。

上述した一回の押し下げで排出量が足りなけれ
ば、昇降駆動板の昇降操作を繰り返し行えばよ
い。

したがつて前記したホースを洗濯機またはシヤ
ワー用タンクに導くことによつて容易に浴槽内の
水を所望の場所に移すことができる。

また本考案装置の吸水は、浴槽の底部近くに開
口している吸入口によつて行われるから、最初は
浴槽内の下層の水のみを吸入することができるた
め、前記した浴槽の水を再使用する場合の一部排
水を合理的に行うことができる。

（実施例） 以下、図面について本考案の一実施例を説明す
る。

本実施例においては、垂直管１の上端部の開口
に弾性体製の栓２を着脱自在に設けて、垂直管１
の上端部の開口を開閉自在にする。３は栓２の紛
失を防ぐため、栓２と垂直管１とを連結した連結
索である。なおこの栓２の代りに開閉弁（図示せ
ず）を設けてもよい。

また垂直管１の下端に、ゴム等の弾性体製の真
空式吸着盤４を設け、この吸着盤４の内部空所４
ａと垂直管１の孔１ａとを孔４ｂを介して連通さ
せる。

また吸着盤４の上方の垂直管１の回りに蛇腹式
伸縮密閉容器５を設ける。６はこの密閉容器５の
円板状の上板、７は底板、８は上板６と底板７と
の外周部間に設けた外側の蛇腹、９は内側の蛇
腹、１０は底板７と垂直管１とを連結するリング
状の連結板である。

また底板７に複数個の吸入口１１を設け、これ
ら各吸入口１１にそれぞれゴム板等の弾性体製の
逆止弁１２を設ける。

また底板７の外周部に吐出口１３を設け、この
吐出口１３の外側にゴム板等の弾性体製の逆止弁
１４を有する吐出管１５を設け、この吐出管１５
にホース１６を接続できるようにする。なお逆止
弁１２，１４は他の形式のものでも勿論差し支え
ない。

また密閉容器５の上板６に上方へ向う空気抜き
管１７を立設し、この管１７の上端部の開口に弾
性体製の栓１８を着脱自在に設けて、空気抜き管
１７の上端部の開口を開閉自在にする。１９は栓
１８の紛失を防ぐため、栓１８と空気抜き管１７
とを連結した連結索である。なおこの栓１８の代
りに開口弁（図示せず）を設けてもよい。

また蛇腹式伸縮密閉容器５を伸縮させるための
昇降駆動板２０を中心孔を有する円板状に形成し
て垂直管１に対して摺動自在に嵌合すると共に、
上板６に対して４本の支持脚２１によつて固定す
る。

つぎに上述のように構成した本考案装置の使用
方法および作用を説明する。第３図〜第６図中の
２２は浴槽、２３は浴槽２２内の水、２４は洗濯
機、２５（第６図参照）はシヤワー用タンク、２
６はホース、２７はシヤワー用ノズルである。

まず第３図〜第５図により、浴槽２２内の水２
３を洗濯機２４に移す場合について説明する。

この場合は、密閉容器５の下部に設けた吐出管
１５にホース１６を接続すると共に、空気抜き管
１７の栓１８を抜いて管１７を開放した状態で本
装置を浴槽２２内の水中に沈める。このようにす
ると、底板７に設けた吸入口１１から浴槽２２内
の水２３が密閉容器５内に第３図に示すように侵
入する。ついで吸着盤４が浴槽２２の底面２２ａ
に接した状態で垂直管１を強く押し下げれば吸着
盤４が浴槽２２の底面２２ａに真空作用によつて
吸着する。

この状態で第４図に示すように、空気抜き管１
７に栓１８を圧入してから、昇降駆動板２０を介
して密閉容器５の上板６を押し下げれば、蛇腹
８，９が縮んで吸入口１１の逆止弁１２が閉じる
と共に、吐出口１３の逆止弁１４が開くから、密
閉容器５内の水２３が吐出口１３、吐出管１５お
よびホース１６を介して洗濯機２４の水槽（図示
せず）内に流入する。

また第４図の状態から第５図に示すように、昇
降駆動板２０を引き上げれば、逆止弁１４が閉じ
ると共に、逆止弁１２が開いて蛇腹８，９が伸び
るから、浴槽２２内の水２３が吸入口１１を介し
て再び密閉容器５内に流入する。なおこの場合密
閉容器５内に戻しばね（図示せず）を設けておけ
ば、密閉容器５はばねの作用によつて伸びるため
操作が容易になる。

上述の操作を必要回数繰り返すことによつて、
浴槽２２内の水２３を所望量外部に排出すること
ができる。

なおこの装置を取り外すには垂直管１の栓２を
取り外せばよい。すなわち栓２を外せば吸着盤４
内に空気が流入して吸着作用が解除される。

第６図は本考案装置を利用したシヤワー装置を
示すもので、前記したホース１６を浴室の上部に
設けたシヤワー用タンク２５に接続することによ
つて、タンク２５内に温水を供給し、シヤワーノ
ズル２７からシヤワーを噴射させることができ
る。

また本考案装置の吸水は、上述したように浴槽
２２の底部近くに開口している吸入口１１によつ
て行われるから、最初は浴槽内の下層の水のみを
吸入することができる。浴槽の水を再使用する場
合、比較的に沈澱物が多く、且つ温度も低くなつ
ている浴槽下部の水だけを捨てるのが合理的であ
るから、本考案装置はこのような再使用時におけ
る一部排水も合理的に行うことができるという特
徴がある。

（考案の効果） 上述の通りであるから本考案装置によれば、浴
槽内の水を容易に洗濯機やシヤワー装置に供給す
ることができるため、浴槽内の水を無駄にせず省
エネルギーの効果を上げることができる上に、シ
ヤワー設備のない浴室にも簡単にシヤワーを設置
することができるため非常に便利である。

また本考案装置によれば、浴槽内の水の再使用
時における一部排水も合理的に行うことができる
という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の立断面図、第２図はその
平面図、第３図〜第６図は本考案装置の使用方法
を示す説明図である。 １……垂直管、２……栓、３……連結索、４…
…吸着盤、５……蛇腹式伸縮密閉容器、６……上
板、７……底板、８，９……蛇腹、１０……連結
板、１１……吸入口、１２……逆止弁、１３……
吐出口、１４……逆止弁、１５……吐出管、１６
……ホース、１７……空気抜き管、１８……栓、
１９……連結索、２０……昇降駆動板、２１……
支持脚、２２……浴槽、２３……水、２４……洗
濯機、２５……シヤワー用タンク、２６……ホー
ス、２７……シヤワーノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直管の上端部を開閉自在にすると共に、この
   垂直管と連通する吸着盤を垂直管の下端に設け、
   この吸着盤の上方の前記垂直管の回りに蛇腹式伸
   縮密閉容器を設け、この密閉容器の底板に吸入口
   を設けると共に、この吸入口に逆止弁を設け、前
   記密閉容器の下部に逆止弁を有する吐出管を接続
   し、前記密閉容器の上板に上方へ向う空気抜き管
   を立設し、この空気抜き管の上端部を開閉自在に
   し、昇降駆動板を前記上板と連結してなる浴槽用
   ポンプ。