JPH04239600A

JPH04239600A - 低泡性水系洗浄剤

Info

Publication number: JPH04239600A
Application number: JP3021378A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Kobayashi; 博司小林
Original assignee: Asahi Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1991-01-23
Filing date: 1991-01-23
Publication date: 1992-08-27

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属、セラミックス、
ガラス、プラスチック等の脱脂洗浄に用いる水系のスプ
レー洗浄剤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、金属、セラミックス、ガラス、プ
ラスチック等の工業用の脱脂洗浄剤としては、アルカリ
洗浄剤を代表とする水系洗浄剤、および１，１，１−ト
リクロロエタンを代表とする溶剤系洗浄剤が用いられて
いる。

【０００３】アルカリ洗浄剤は、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテルを代表とする非イオン界面活性
剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを代表とす
るアニオン界面活性剤等の界面活性剤、炭酸ナトリウム
、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金
属塩、トリポリリン酸ナトリウム、ＥＤＴＡ等のキレー
ト剤、ベンゾトリアゾール、アミン類、亜硝酸ナトリウ
ム等の防錆剤等を適宜配合したものである。その配合組
成は、たとえば、辻薦著「精密洗浄技術」工学図書ｐ１
１７−１２０、辻薦編著「精密洗浄技術マニアル」新技
術開発センターｐ５０−５６に記載されているように、
洗浄する物品、金属、汚れ、洗浄方法（浸漬、スプレー
等）に応じて種々のものが提案されている。しかし、脱
脂力、浸透力は、１，１，１−トリクロルエタン等の塩
素系溶剤に比べて劣るため、実際の適用分野としては、
簡単な構造を有する物品の洗浄や洗浄後の残留油分量を
あまり気にしない分野が主体である。

【０００４】一方、１，１，１−トリクロルエタン等の
塩素系溶剤は、脱脂力、浸透力に優れ、切削油、引き抜
き油、プレス油等あらゆる脱脂に適用でき、主として、
複雑な構造を有する物品や精密部品、高い清浄度を要求
する分野で用いられている。

【０００５】ところが、近年、塩素系溶剤による地下水
汚染、大気汚染、オゾン層破壊等の環境問題が顕著に現
れるようになり、産業界では、これを代替するための洗
浄剤として、従来のアルカリ洗浄剤を適用しつつある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アルカリ洗浄剤は、塩素系溶剤に比べ、脱脂力、浸透力
が劣り、特に、切削油、引き抜き油や粘度の高いプレス
油等が狭い隙間や細部に付着しているような場合や、物
品表面のごく微量の残留油分量を問題にする場合には適
用できない。

【０００７】脱脂力、浸透力を高めるためには、脱脂力
、浸透力の高いノニルフェニル系のノニオン界面活性剤
を多量に使用することが考えられるが、この界面活性剤
は生物分解性が低く、排水処理が困難となり、かつ、河
川、海を汚染することになり好ましくない。また、スプ
レー洗浄したときの発泡が激しく、洗浄機から泡が溢れ
出る等の問題も起きる。

【０００８】生物分解性の良い界面活性剤としては、石
けん、アルキルエーテル系ノニオン界面活性剤、アルキ
ルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩
等が挙げられるが、脱脂力、浸透力の点でノニルフェニ
ル系ノニオン界面活性剤より優れるものは見いだされて
いない。また、スプレー洗浄した時の発泡も激しい。

【０００９】発泡性の低い界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーや
、プロピレンオキシドを付加させたアルキルエーテル系
界面活性剤等が考えられるが、脱脂力、浸透力がさらに
劣るという問題がある。

【００１０】また、従来のアルカリ洗浄剤は、金属に対
する腐食性があるため、腐食抑制剤、たとえば、アミン
類等の有機性腐食抑制剤や、亜硝酸塩のような無機系腐
食抑制剤を配合する必要がある。このような腐食抑制剤
は有毒であり、排水中に含まれた場合、環境を汚染する
心配がある。

【００１１】腐食抑制剤については、より安全性の高い
、カルボン酸アミド系が提案されているが（特開昭６０
−１１６７９１号公報）、このような窒素化合物は、湖
沼、湾の富栄養化を招き、環境保護上好ましくないもの
である。

【００１２】したがって、当業界では、塩素系溶剤に匹
敵する脱脂力、浸透力を持ち、低発泡性で、金属腐食性
がなく、かつ、環境を汚染することのない水系洗浄剤が
切望されている。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、グルコン
酸ナトリウム、および特定の非イオン界面活性剤を組み
合わせることにより、前記問題が解決できることを見出
し、本発明を完成するに至った。

【００１４】すなわち、本発明は、水を除いた洗浄剤成
分中に、少なくとも（１）炭酸ナトリウムを０〜２０重量％（２）ケイ酸ナ
トリウムを２０重量％以下（３）グルコン酸ナトリウム
を２０重量％以下（４）分子量１０００〜２０００のポ
リプロピレングリコールにエチレンオキシドを総分子量
中３０〜５０重量％付加させた、一種以上のポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを１０
〜６０重量％（５）炭素数１０〜１４の直鎖型第２級ア
ルコールのエチレンオキシド／プロピレンオキシド付加
物であって、エチレンオキシドの平均付加モル数ｎが４
〜８で、プロピレンオキシドの平均付加モル数ｍがｎ／
（ｎ＋ｍ）＝０．４〜０．５９となる数である一種以上
の非イオン界面活性剤を５〜３０重量％（６）炭素数１０〜１４の直鎖型第２級アルコールのエ
チレンオキシド／プロピレンオキシド付加物であって、
エチレンオキシドの平均付加モル数ｎが６〜１０で、プ
ロピレンオキシドの平均付加モル数ｍがｎ／（ｎ＋ｍ）
＝０．６０〜０．８となる数である一種以上の非イオン
界面活性剤を１０〜５０重量％含むことを特徴とする水
系洗浄剤である。

【００１５】本発明で用いる炭酸ナトリウム、ケイ酸ナ
トリウム、およびグルコン酸ナトリウムは、界面活性剤
との相乗効果により、脱脂力、浸透力を高め、また、金
属腐食性を抑止するための成分である。ケイ酸ナトリウ
ムとグルコン酸ナトリウム、または炭酸ナトリウムとケ
イ酸ナトリウムとグルコン酸ナトリウムを組み合わせる
ことにより、高い脱脂性と、鉄、銅、アルミニウム、真
鍮等に対する高い金属安定性が得られる。添加量は、炭
酸ナトリウムが０〜２０重量％（以後、特に断らない限
り、重量％は水を除いた洗浄剤有効成分中の重量％を示
す）、ケイ酸ナトリウムが２０重量％以下、グルコン酸
ナトリウムが２０重量％以下である。脱脂力、金属安定
性の向上および洗浄剤の濃縮液化の観点から、炭酸ナト
リウムとケイ酸ナトリウムとグルコン酸ナトリウムの合
計量は１〜４０重量％が好ましく、５〜３０重量％がよ
り好ましい。鉄に対する金属安定性および脱脂力、浸透
力の向上の観点から、グルコン酸ナトリウムの添加量は
１〜１５重量％が好ましく、３〜１０重量％がより好ま
しい。なお、グルコン酸ナトリウムは、グルコン酸ある
いはナトリウム以外の金属塩としても使用可能である。

【００１６】本発明では、分子量１０００〜２０００の
プロピレングリコールにエチレンオキシドを総分子量中
で３０〜５０重量％付加させて得られるポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロックポリマー（以後、ブ
ロックポリマーと称す）を１０〜６０重量％、好ましく
は２０〜５０重量％、より好ましくは３０〜４５重量％
用いる。これが１０重量％より少ないと、洗浄剤の濃縮
液化が困難となり、６０重量％より大きいと、脱脂力、
浸透力が劣るようになり好ましくない。このブロックポ
リマーに用いるプロピレングリコールの分子量が１００
０より小さいと、界面活性性が劣り、２０００より大き
いと、水すすぎしにくくなり好ましくない。エチレンオ
キシドの付加量が総分子量中で３０重量％より少ないと
、水すすぎし難くなり、総分子量中で５０重量％より大
きいと、脱脂力、浸透力が劣るようになり好ましくない
。

【００１７】本発明では、さらに、界面活性剤として、
炭素数１０〜１４の直鎖型第２級アルコールのエチレン
オキシド／プロピレンオキシド付加物のうち、特定の付
加物を用いることが必須である。すなわち、エチレンオ
キシド平均付加モル数ｎが４から８で、プロピレンオキ
シドの平均付加モル数ｍがｎ／（ｎ＋ｍ）＝０．４〜０
．５９となるもの（以後、界面活性剤Ａと呼ぶ）を５〜
３０重量％、および、ｎが６〜１０で、ｍがｎ／（ｎ＋
ｍ）＝０．６０〜０．８となるもの（以後、界面活性剤
Ｂと呼ぶ）を１０〜５０重量％用いる。界面活性剤Ａは
、好ましくは１０〜２０重量％用いる。界面活性剤Ｂは
、好ましくは２０〜４０重量％用いる。さらに好ましく
は、界面活性剤Ａのｎが５〜７であり、界面活性剤Ｂの
ｎが７〜９のものを用いる。界面活性剤Ａでｎが４より
小さいと、脱脂力、浸透力が劣るようになり、ｎが８よ
り大きいと、発泡し易くなり好ましくない。また、界面
活性剤Ａでｎ／（ｎ＋ｍ）が０．４より小さいと、脱脂
力、浸透力が劣るようになり、０．５９より大きいと、
発泡し易くなり好ましくない。界面活性剤Ｂでｎが６よ
り小さいと、脱脂力、浸透力が劣るようになり、１０よ
り大きいと、発泡し易くなり好ましくない。また、界面
活性剤Ｂでｎ／（ｎ＋ｍ）が０．６０より小さいと、脱
脂力、浸透力が劣るようになり、０．８より大きいと、
発泡し易くなり好ましくない。

【００１８】脱脂力、浸透力の向上および洗浄剤の濃縮
液化の観点から、ブロックポリマーと界面活性剤Ａ＋Ｂ
の重量比、ブロックポリマー／（Ａ＋Ｂ）は、４／１〜
１／４が好ましく、２／１〜１／２ががさらに好ましい
。

【００１９】さらに、洗浄剤の濃縮液化および低発泡化
の観点から、界面活性剤ＡとＢの重量％比は、好ましく
はＡ／Ｂ＝３／１〜１／４、より好ましくは２／１〜１
／３、さらに好ましくは１／１〜１／２である。

【００２０】本発明によって、後述の実施例に示す如く
、塩素系溶剤に匹敵する脱脂力、浸透力を持ち、低発泡
性で、金属の腐食防止性が高く、かつ、環境を汚染する
成分を含まない水系洗浄剤を得ることができる。

【００２１】これら洗浄剤成分は、水溶液の形で脱脂洗
浄液として用いられるが、その時の洗浄剤成分濃度は通
常、０．０５〜２重量％である。この洗浄剤成分濃度は
、洗浄方法、洗浄物品、汚れ等の洗浄条件により、適宜
調整される。

【００２２】なお、本発明では、その他の公知の洗浄剤
添加剤、たとえば、クエン酸ナトリウム、ＥＤＴＡ等の
キレート剤、リン酸塩、硫酸塩等の無機ビルダー、ベン
ゾトリアゾール、アミン類、亜硝酸塩、安息香酸塩等の
腐食防止剤、自己乳化シリコーン等の消泡剤、ｔ−ブチ
ル安息香酸、キシレンスルホン酸等のヒドロトロピー物
質、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル等の水溶性溶剤等を適宜配合して用いる
ことも可能である。

【００２３】

【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、塩素系溶剤に
匹敵する脱脂力、浸透力を持ち、低発泡性で、金属に対
する腐食性もほとんどなく、環境を汚染する成分を含有
しないという優れたものである。

【００２４】

【実施例】以下に実施例および比較例により、本発明の
効果をさらに説明する。実施例１〜６、比較例１〜４表１に示した洗浄剤を配合し、以下の試験を行った。

【００２５】１．脱脂力、浸透力試験３０メッシュのステンレス金網（６０×４０ｍｍ）に下
記金属加工油を含浸させ、１００℃で３０分加熱した。これを、水を除いた洗浄剤成分が０．２重量％の洗浄液
で４０℃／３分スプレー洗浄し、洗浄前後の付着油分量
から脱脂率を計算し、１，１，１−トリクロルエタンに
よる脱脂の場合と比較評価した。試験に用いた金属加工油　　切削油　　　　：ユニカッ
ト３５引き抜き油：ダフニーマスタードロー５３３ＷＤ
プレス油　　：ユニプレスＥＲ５００

【００２６】２．金属腐食性試験水を除いた洗浄剤成分が０．２重量％の洗浄液に、１３
×３０×２ｍｍの金属テストピースを４０℃で２日間浸
漬した後、外観変化を見た。

【００２７】３．発泡性試験１００ｍｌの栓付メスシリンダーに、水を除いた洗浄剤
成分が０．２重量％の洗浄液を２０ｍｌ入れて栓をし、
４０℃で２０回激しく振って静置し、１分後の泡の高さ
を見た。上記１、２、３の試験結果を表２にまとめた。

【００２８】

【表１】

【００２９】

【表２】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　水を除いた洗浄剤成分として、（１）
炭酸ナトリウムを０〜２０重量％（２）ケイ酸ナトリウ
ムを２０重量％以下（３）グルコン酸ナトリウムを２０
重量％以下（４）分子量１０００〜２０００のポリプロ
ピレングリコールにエチレンオキシドを総分子量中３０
〜５０重量％付加させた、一種以上のポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンブロックポリマーを１０〜６０
重量％（５）炭素数１０〜１４の直鎖型第２級アルコー
ルのエチレンオキシド／プロピレンオキシド付加物であ
って、エチレンオキシドの平均付加モル数ｎが４〜８で
、プロピレンオキシドの平均付加モル数ｍがｎ／（ｎ＋
ｍ）＝０．４〜０．５９となる数である一種以上の非イ
オン界面活性剤を５〜３０重量％（６）炭素数１０〜１４の直鎖型第２級アルコールのエ
チレンオキシド／プロピレンオキシド付加物であって、
エチレンオキシドの平均付加モル数ｎが６〜１０で、プ
ロピレンオキシドの平均付加モル数ｍがｎ／（ｎ＋ｍ）
＝０．６０〜０．８となる数である一種以上の非イオン
界面活性剤を１０〜５０重量％含むことを特徴とする水
系洗浄剤。