JPH04236397A - 原子炉の炉心性能計算装置 - Google Patents

原子炉の炉心性能計算装置

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JPH04236397A
JPH04236397A JP3004013A JP401391A JPH04236397A JP H04236397 A JPH04236397 A JP H04236397A JP 3004013 A JP3004013 A JP 3004013A JP 401391 A JP401391 A JP 401391A JP H04236397 A JPH04236397 A JP H04236397A
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calculation device
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Tatsuya Iwamoto
岩 本 達 也
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉の炉心性能を炉
心の3次元物理モデルに基づき計算するオンライン炉心
性能計算装置に係り、特に3次元物理モデルとして粗メ
ッシュ1.5群中性子拡散モデルを用いる原子炉の炉心
性能計算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉3次元物理モデルに基づくオンラ
インでの炉心監視においては、原子炉サイトのプロセス
計算機上で短時間に炉心性能を評価することが必要であ
るため、物理モデルとしては修正一群(1.5群ともい
う)の粗メッシュ拡散モデルが使用されることが普通で
ある。
【0003】従来の1.5群粗メッシュ拡散モデルにつ
いて、代表的なPRESTOモデル(S.Borren
sen,”A Simplified,Coarse−
mesh,Three−Dimensional Di
ffusionScheme for Calcula
ting the Gross Power Dist
ribution in a Boiling Wat
erReactor ”, Nuclear Scie
nce and Technology,vol.44
,p37,1971) を例にとって説明する。
【0004】粗メッシュノード法では炉心を構成する燃
料集合体を多数の燃料ノードに分割し、ノード内では燃
料の組成が均質であると近似する。中性子2群スキーム
での高速群に対する拡散方程式は通常の表記を用いて、
次式で表される。
【0005】
【数1】 ここで、熱中性子束の高速中性子束に対する比、
【00
06】
【数2】 はスペクトルインデクスとよばれる。
【0007】ノードの中心付近では、fは無限格子体系
でのノード平均のスペクトルインデクスに等しい漸近的
スペクトルインデクスで近似される。
【0008】
【数3】 前記数式1を有限階差法を用いて計算機で解くためには
空間離散化の必要がある。このために、数式1をノード
体積で積分すると、
【0009】
【数4】 ここで、 B  :ノード表面領域 n  :表面法線ベクトル V  :ノード体積   φ  :ノード平均高速中性子束   f  :ノード平均スペクトルインデクスである。 ノードの中性子バランスを表す数式4の左辺第1項は、
中性子流によるノード表面からの中性子の漏れを、左辺
第2項は、吸収と減速による中性子除去を、また右辺第
1項は、核分裂による中性子の生成、すなわち反応率を
それぞれ表す。
【0010】第1項の中性子流は有限階差近似で表され
る。ノードi,j間の境界表面における中性子流は、ノ
ードの体積中心の高速中性子束φi を用いて、
【00
11】
【数5】 となる。ここで、hはノードの径方向幅である。軸方向
についてはhを軸方向のノード幅kで置き換える。
【0012】数式5を用いると、3次元の階差式は、

0013】
【数6】 ここで、4j,2kはそれぞれ径方向および軸方向の隣
接ノードを示す。また、
【0014】
【数7】 である。
【0015】数式6におけるノード平均の高速中性子束
は、自分自身と隣接ノードの体積中心の高速中性子束の
荷重平均で与える。
【0016】
【数8】 荷重因子a,bは、詳細計算によるノード間の中性子流
を再現するように数値実験的に定められる調節因子であ
る。
【0017】同様に、数式6のノード平均のスペクトル
インデクスは、自分自身と隣接ノードの漸近的なスペク
トルインデクスの荷重平均で与える。
【0018】
【数9】 ここで、荷重因子c,dは詳細計算によるノード平均の
熱中性子束を再現するように数値実験的に定められる調
節因子である。
【0019】ノードの出力密度は、次式で与えられる。
【0020】
【数10】
【0021】
【発明が解決しようとする課題】以上で説明した従来の
修正一群モデルには、 (1)モデルに調節因子を含むために、炉心毎にパラメ
ータの調節が必要であり、このために費用と時間のかか
る詳細計算を行わなければならない。 (2)ノード内の高速中性子束及び熱中性子束分布があ
らわに考慮されていないため、上記の調節因子を調節し
たとしても、ノードの中性子バランス式に含まれる中性
子流及び反応率の精度が良くない。 (3)ノード内の物質の組成の非均質性が考慮されてい
ない。などの問題点がある。
【0022】近年、炉心経済性の向上を目的として、初
装荷多種類燃料炉心や燃料の高燃焼度化、またはプルト
ニウムを含むMOX燃料装荷炉心が導入されつつある。 これらの燃料炉心では燃料ノード間の漸近的スペクトル
の差が大きいために、燃料ノード間のスペクトル結合に
ともなうノード間の熱中性子移動が従来の炉心に比べて
大きくなる。このため、ノード内の熱中性子束分布をあ
らわに考慮しない従来の修正一群モデルでは上記の諸欠
点のためにノード出力の計算精度が悪化する。
【0023】修正一群モデルの枠内で、上記の(2)の
問題に対処した例としては、M.Tsuikiet a
l.,”A New Brief Diffusion
 Scheme for Three−Dimensi
onal Calculationof a BWR 
core”, Journal of Nuclear
 Science and Technology,v
ol.13,p541,1976 がある。この方法で
は、ノード平均のスペクトルインデクスを表す数式9の
荷重因子を、1次元の拡散問題を解いてノード内のスペ
クトルインデクス分布を求めることにより解析的に表す
。1次元のノード(0≦x≦h)内のスペクトルインデ
クスの分布は次の式で表される。ただし、ノード境界x
=0及びx=hにおけるスペクトルインデクスの値をそ
れぞれf(0),f(h)とする。
【0024】
【数11】 ここで、kは熱群の拡散距離の逆数である。
【0025】これより、ノード平均のスペクトルインデ
クスは、ノードの定数を用いて次式で表される。
【0026】
【数12】 ただし
【0027】
【数13】 はノードの境界におけるスペクトルインデクスの漸近値
との差を表す。
【0028】数式12の第2項は、ノード平均のスペク
トルインデクスの漸近値からの変化を表すから、数式1
2はノード平均スペクトルインデクスがスペクトルイン
デクスの漸近値と漸近値からの変化の平均との和で表さ
れることを示す。
【0029】しかし、この方法では2次元以上でのスペ
クトルインデクス分布を解析的に求めることが困難なた
めに、1次元から3次元問題への拡張は単純な類推によ
り行なわれ、またノード内の組成の非均質性もあらわに
考慮されないために、荷重因子にはやはり数値実験的に
定めるべき調節因子が残される。また、中性子流に対す
るスペクトルインデクスのノード内分布の影響も無視さ
れている。
【0030】さらに、従来の修正一群法の欠点を改善す
る方法として、いわゆる近代ノード法が提唱されている
。この方法については、例えば、竹田敏一,“軽水炉に
おける新しい出力分布計算法”,原子力工業,vol.
33,p58,1987 に解説されている。近代ノー
ド法では、上記の欠点(2)に対しては、ノード内の中
性子束を多項式展開することにより精度を向上している
。また、欠点(3)に対しては、中性子束不連続因子を
用いることで、ノードの非均質効果を取り入れている。
【0031】しかしながら、近代ノード法は中性子2群
以上のモデルでしか利用できず、また、多項式展開を行
うことから、修正一群法にくらべて計算時間がかかりす
ぎ、スピードの要求されるオンライン炉心計算には不向
きである。
【0032】本発明は、このような点を考慮してなされ
たもので、オンライン計算に適した短い計算時間で、し
かも精度よく炉心内の出力分布を計算することができる
原子炉の炉心性能計算装置を提供することを目的とする
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する手段として、原子炉の炉心性能を炉心の3次元物
理モデルに基づき計算するオンライン炉心性能計算装置
において、前記物理モデルとして粗メッシュ1.5群中
性子拡散モデルを用い、炉心状態パラメータの入力によ
り、燃料ノード平均の高速中性子束分布と漸近的な燃料
ノード内の高速中性子束に対する熱中性子束の比を求め
出力する炉心3次元中性子拡散計算装置と;この炉心3
次元中性子拡散計算装置からの出力に基づき、燃料ノー
ド内の熱中性子束の分布を解析的に求める燃料ノード内
熱中性子束分布計算装置と;この燃料ノード内熱中性子
束分布計算装置からの出力に基づき、粗メッシュ法にお
ける燃料ノード間の高速中性子流と燃料ノードの反応率
に対するスペクトル補正量を求めるスペクトル補正量計
算装置と;前記スペクトル補正量計算装置および炉心3
次元中性子拡散計算装置からの各出力に基づき、炉心の
3次元出力分布を計算する炉心内出力分布計算装置と;
をそれぞれ設けるようにしたことを特徴とする。
【0034】
【作用】本発明に係る原子炉の炉心性能計算装置におい
ては、炉心3次元物理モデルとして、粗メッシュ1.5
群中性子拡散モデルを用い、燃料ノード平均の高速中性
子束とノード平均の漸近的スペクトルインデクスとを用
い、燃料ノード内の熱中性子束の空間分布を解析的に表
すことにより、粗メッシュ法における燃料ノード間の高
速中性子流と燃料ノード平均反応率に対するスペクトル
補正量を求める。そして、これにより、修正一群法の計
算速度上の利点を維持しつつ、ノード内の熱中性子束の
分布があらわに考慮され、精度よく炉心内の出力分布を
計算することが可能となる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0036】図1は、本発明に係る原子炉の炉心性能計
算装置の一例を示すもので、この原子炉の炉心性能計算
装置は、炉心3次元中性子拡散計算装置1と、燃料ノー
ド内熱中性子束分布計算装置2と、スペクトル補正量計
算装置3と、炉心内出力分布計算装置4とを備えており
、炉心の3次元物理モデルとして、粗メッシュ1.5群
中性子拡散モデルを用い、原子炉の炉心性能をオンライ
ンで計算するようになっている。
【0037】炉心3次元中性子拡散計算装置1は、原子
炉炉心5からの炉心状態パラメータ6の入力により、修
正一群粗メッシュ拡散計算に基づき、炉心内のノード平
均高速中性子束分布を計算するようになっている。そし
て、この炉心3次元中性子拡散計算装置1での計算結果
は、燃料ノード内熱中性子束分布計算装置2および炉心
内出力分布計算装置4にそれぞれ出力されるようになっ
ている。
【0038】すなわち、燃料ノード平均の高速中性子束
分布7と漸近的な燃料ノード内の高速中性子束に対する
熱中性子束の比、すなわちスペクトルインデクス8とは
、燃料ノード内熱中性子束分布計算装置2に与えられる
。また炉心内出力分布計算装置4には、前記高速中性子
束分布7が与えられるようになっている。
【0039】燃料ノード内熱中性子束分布計算装置2は
、前記炉心3次元中性子拡散計算装置1からの信号に基
づき、燃料ノード内の高速中性子束の分布を解析的に求
めるようになっており、求められた燃料ノード内熱中性
子束分布9は、スペクトル補正量計算装置3に与えられ
る。スペクトル補正量計算装置3では、粗メッシュ法に
おける燃料ノード間の高速中性子流とノードの平均反応
率に対するスペクトル補正量が求められる。そして、こ
のスペクトル補正量計算装置3での計算結果10は、高
速中性子分布7とともに炉心内出力分布計算装置4に与
えられ、炉心内出力分布計算装置4により、炉心の3次
元出力分布が計算される。
【0040】次に、本実施例の作用について説明する。 まず、本発明の基本的考え方について説明する。本発明
では、ノードの中性子バランス式としての数式4におけ
る中性子流に、ノード内のスペクトルインデクスの分布
の影響を考慮する。すなわち、拡散方程式としての数式
1を着目方向(x方向とする)以外の方向について横方
向積分を行って1次元化する。このような1次元体系で
は、ノード内のスペクトルインデクス分布が数式11で
近似できることに着目すると、x− 方向に関する次の
微分方程式を得る。
【0041】
【数14】 ただし
【0042】
【数15】 は、x− 方向バックリングであり、
【0043】
【数16】 は横方向バックリングである。
【0044】数式14を解くとx=0における中性子流
に対する次式が得られる。
【0045】
【数17】 数式17の第2項が従来の修正一群式としての数式5で
無視されていたスペクトルインデクスのノード内分布の
中性子流に対する効果を表す。
【0046】また、γ、θは高速中性子束のノード内分
布に基づく補正係数であり、それぞれ次式で表される。
【0047】
【数18】
【0048】
【数19】 本発明での最終的な有限階差式は、数式6のかわりに、
【0049】
【数20】 となる。ここで、
【0050】
【数21】 はスペクトルインデクスが漸近値から変化したことによ
る中性子束への影響を表し、次式で表される。
【0051】
【数22】 ここで、jは径方向に隣接するノードを、またkは軸方
向に隣接するノードを表し、δfj はノード境界での
スペクトルインデクスの変化である。
【0052】係数Fr ,Fa はそれぞれ次式で表さ
れる。
【0053】
【数23】
【0054】
【数24】 数式22は、中性子流にスペクトルインデクスのノード
内分布を考慮した場合、最終的な階差式においては、ス
ペクトルインデクスの漸近値からの変化のノード平均を
因子F倍して加えなければならないことを示している。 Fの値は通常の燃料の場合で、0.2から0.3である
。従来の修正一群法では、F=1.0に相当するためス
ペクトルインデクスの漸近値からの変化が大きい場合に
計算精度が悪化する。
【0055】一方、ノード平均出力密度に関しては従来
修正一群法と同じく、スペクトルインデクスが漸近値か
ら変化したことによる影響は単純にノード平均をとれば
良く、本発明のノード平均出力密度は、数式10と同様
に次式で与えられる。
【0056】
【数25】 ここで、
【0057】
【数26】 はスペクトルインデクスが漸近値から変化したことによ
る出力密度への影響を表し、数式22でF=1.0とお
いた式で与えられる。
【0058】修正一群法では、ノード平均のスペクトル
インデクス、あるいは同じことであるが、ノード平均の
スペクトルインデクスの漸近値からの変化を精度良く評
価することは極めて重要である。1次元の場合、ノード
内のスペクトルインデクス分布は解析的に表すことがで
きるが、2次元以上の場合は解析的に求めることは難し
く、従来は1次元の場合からの単純な類推にとどまって
いた。このため、ノード平均のスペクトルインデクスを
精度良く求めることは困難であった。
【0059】本発明では、着目する燃料ノードとそれを
取り巻く近傍の燃料ノードから構成される炉心内の限定
された領域において、ノード内の熱中性子束分布を拡散
方程式の一般解を用いて展開することにより精度良く表
す。展開係数はノードの中心及びノード境界のスペクト
ルインデクスを用いて決定できる。簡単のため、初めに
2次元の場合について方法を示し、次に3次元に拡張す
る。
【0060】燃料ノードの各々を均質化した系の熱中性
子束に対する拡散方程式は、2群の中性子拡散モデルに
より、次の数式27で表される。ここで、第1群を高速
群、第2群を熱群とする。
【0061】
【数27】 ここで、kは熱群の拡散距離の逆数であり、次式で定義
される。
【0062】
【数28】 ここで、 Σ2 :熱中性子の燃料セグメント平均巨視的除去断面
積, D2 :熱中性子の燃料セグメント平均拡散係数である
。高速中性子束は燃料セグメント中で空間的に一定と仮
定できる。
【0063】数式27の右辺における
【0064】
【数29】 は、熱中性子の勾配のない場合、すなわち均質化された
無限格子体系での熱中性子束を表し、漸近的な熱中性子
束と呼ぶ。拡散方程式としての数式27は、一定の境界
条件の近似のもとに解析的に解くことができる。この方
法では、通常の軽水炉燃料において熱中性子束の値に対
する隣接燃料ノードの影響がほぼexp(−κr)の形
で隣接燃料ノードとの境界からの距離rと共に減少し、
燃料ノード幅の1/2 程度でほとんど無視しうる大き
さになることを利用して漸近的な境界条件を与えること
により、燃料集合体内の位置(x,y)に於ける熱中性
子束と漸近的な熱中性子束との差を与える。
【0065】図2に示されるような着目燃料ノードに面
隣接する4ノード及び対角位置から隣接する4ノードか
らなる炉心内の限定された領域を考える。着目燃料ノー
ド内の熱中性子束分布の漸近的熱中性子束との差は、拡
散方程式の一般解の重ね合せにより解析的に次数で表さ
れる。
【0066】
【数30】
【0067】
【数31】
【0068】
【数32】 ただし、添字j=1,4は、図2に示すように着目する
燃料ノード0に径方向に面隣接する4ノードを表し、添
字j=5,8は対角位置から隣接する4燃料ノードを表
す。また、添字m及びnは対角隣接燃料ノードjと着目
ノード0の双方に面隣接する2つの面隣接ノードを表す
。δfj は図2の着目燃料ノード0の境界上の点(●
印で示す)jにおけるスペクトルの漸近的なスペクトル
からの変化の値を示す。
【0069】数式31は、燃料ノードの辺の中点の、ま
た数式32は、ノードの頂点におけるスペクトル変化の
値である。また、rj は燃料棒(x,y)から隣接燃
料ノードjとの境界線に下ろした垂線の長さである。
【0070】数式30は、数式27の解析的近似解の一
種であり、次のような好ましい性質を持っている。 (1)燃料ノードの中心では熱中性子束は漸近値に近付
く。すなわちδφは0に近付く。 (2)燃料ノードの辺の中点及び頂点においてそれぞれ
数式31、数式32で与えられる漸近的な境界値をみた
す。 (3)面接触する2つの燃料ノードの中心を結ぶ線上(
図1の破線で示される)では熱中性子束はこの線上での
1次元拡散方程式の数式11に近付く。
【0071】このようにして得られた均質化計算による
ノード内の熱中性子束分布の漸近的な熱中性子束との差
の分布は、非均質計算により求められた無限体系からの
熱中性子束分布の変化と良く一致することが数値実験的
に確かめられている。
【0072】ノード平均の反応率の漸近値からの変化を
計算する場合はノード内の物質の非均質性を考慮する必
要がある。後に詳述する図3の燃料集合体の横断面図に
示されるように、核分裂性物質は燃料のインチャンネル
領域15にのみ存在し、水ギャップ領域16には存在し
ないから、次式の様に反応率変化のノード積分はインチ
ャンネル領域15での熱中性子束変化の積分に帰着する
【0073】
【数33】 ここで、
【0074】
【数34】 :無限体系におけるインチャンネル平均熱群核分裂断面
積 また、
【0075】
【数35】 は、非均質なインチャンネル(inchannel )
の反応率変化の積分をインチャンネル平均核分裂断面積
を用いて計算するための補正係数である。
【0076】数式33を用いれば、数式20,数式25
におけるスペクトル補正項
【0077】
【数36】 は、
【0078】
【数37】 と表すことができる。ここで
【0079】
【数38】 はインチャンネル平均のスペクトルインデクス変化であ
る。
【0080】なお、平均断面積の定義より、
【0081
【数39】 であるから、数式39を数式37に代入し、変形すると
【0082】
【数40】 と書ける。ここで、数式40の[  ]で括った項は燃
料タイプによらずほぼ1に近い量であることから、反応
率に対するスペクトル補正量は最終的に、
【0083】
【数41】 と、ノードの平均断面積とインチャンネル平均スペクト
ルインデクス変化量のみを用いて表すことができる。
【0084】インチャネル平均のスペクトルインデクス
変化量は、数式30をインチャネル領域で積分すること
により、
【0085】
【数42】 となる。ここで、wは水ギャップ幅である。数式42の
積分を実行し、整理すると、インチャンネル平均のスペ
クトルインデクス変化は、次式のように着目ノードと隣
接ノードの漸近的スペクトルインデクスの差の荷重平均
で表される。
【0086】
【数43】 となる。ただし、j=1,4は径方向に面隣接する4ノ
ード、j=5,8は対角隣接する4ノードを表す。
【0087】また、荷重因子はそれぞれ、
【0088】
【数44】
【0089】
【数45】 ただし、hはインチャンネルノード幅である。
【0090】
【数46】 数式43を3次元に拡張すると、
【0091】
【数47】 となる。ただし、k=1,2は軸方向に面隣接する2ノ
ードを表し、また軸方向の荷重因子は、次式で表される
【0092】
【数48】 数式47は、出力密度計算に用いる場合のスペクトルイ
ンデクスの表現式である。中性子束計算に用いる場合は
、数式22で表されるように隣接ノード毎に因子Fを掛
けて足し合わせなければならない。
【0093】次に、本発明による出力運転時の炉心内出
力分布の計算例を、2次元3群詳細非均質拡散計算によ
る計算例と比較して示す。また、比較のため従来手法及
び本発明でスペクトル補正を0とした場合も示す。
【0094】対象とした燃料は、図3に示す沸騰水型原
子炉用の燃料集合体であり、この燃料集合体は、チャン
ネルボックス11内に、燃料棒12を8行8列に配列し
、中央部に2本のウォータロッド13を配して構成され
ている。なお図中、符号14は燃料ノード、符号15は
インチャンネル領域、符号16は水ギャップ領域、符号
17は制御棒である。
【0095】図4は、計算に用いた炉心内の燃料装荷パ
ターンを示す図である。ここで、燃料タイプ1は平均濃
縮度1.3w/oの低濃縮燃料、燃料タイプ2は平均濃
縮度2.4w/oの中濃縮燃料であり、燃料タイプ3は
平均濃縮度3.3w/oの高濃縮燃料である。各燃料タ
イプとも集合体横断面方向に燃料棒の濃縮度分布を有し
ている。また燃料タイプ2と3はガドリニア入り燃料棒
を含む。燃料のインチャンネルボイド率は燃料タイプ1
,2,3とも40%である。また、炉心の燃料装荷パタ
ーン図において太い四角で囲まれた燃料ノードには十字
型制御棒が挿入されている。
【0096】図5及び図6は、炉心の左下1/4 断面
について、それぞれ本発明及び従来手法による径方向の
ノード平均相対出力分布を詳細拡散計算と比較した図で
ある。同様に、図7は、本発明においてスペクトル補正
を0とした場合の詳細計算との比較である。
【0097】図7より、スペクトル補正を無視した場合
、炉心平均の出力分布の二乗平均誤差は11.7%であ
り、最大誤差は35.2%に達する。また、図6より従
来手法の場合は炉心平均の出力分布の二乗平均誤差は3
.7%であり、最大誤差は9.7%である。これに対し
て、本手法での出力分布の二乗平均誤差は1.4%であ
り、最大誤差も4.0%にすぎず、誤差はスペクトル補
正なしの場合に対して約1/10に、また、従来手法に
対しても約1/3 に減少している。このように、本発
明の出力分布の計算精度は従来に比べて大幅に向上し、
炉心運転管理上充分であるといえる。また、計算時間に
ついては、本発明は詳細計算のおよそ1/1000であ
り、オンラインでの使用に充分な計算速度である。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、炉心の3
次元物理モデルとして、粗メッシュ1.5群中性子拡散
モデルを用い、燃料ノード内熱中性子束分布をあらわに
考慮することによりスペクトル補正量を求めるようにし
ているので、オンライン計算に適した短い計算時間で精
度よく炉心内の出力分布を計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る原子炉の炉心性能計算
装置を示すブロック図。
【図2】本発明の計算体系を示す説明図。
【図3】本発明の効果を示すために用いた沸騰水型原子
炉用の燃料集合体を示す横断面図。
【図4】本発明の効果を示すための2次元詳細拡散計算
に用いた炉心内の燃料装荷パターンを示す説明図。
【図5】本発明の手法による炉心内相対出力分布を詳細
計算と比較した図。
【図6】従来手法による炉心内相対出力分布を詳細計算
と比較した図。
【図7】スペクトル補正0の場合の炉心内相対出力分布
を詳細計算と比較した図。
【符号の説明】
1  炉心3次元中性子拡散計算装置 2  燃料ノード内熱中性子束分布計算装置3  スペ
クトル補正量計算装置 4  炉心内出力分布計算装置 5  原子炉炉心

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉の炉心性能を炉心の3次元物理モデ
    ルに基づき計算するオンライン炉心性能計算装置におい
    て、前記物理モデルとして粗メッシュ1.5群中性子拡
    散モデルを用い、炉心状態パラメータの入力により、燃
    料ノード平均の高速中性子束分布と漸近的な燃料ノード
    内の高速中性子束に対する熱中性子束の比を求め出力す
    る炉心3次元中性子拡散計算装置と、この炉心3次元中
    性子拡散計算装置からの出力に基づき、燃料ノード内の
    熱中性子束の分布を解析的に求める燃料ノード内熱中性
    子束分布計算装置と、この燃料ノード内熱中性子束分布
    計算装置からの出力に基づき、粗メッシュ法における燃
    料ノード間の高速中性子流と燃料ノードの反応率に対す
    るスペクトル補正量を求めるスペクトル補正量計算装置
    と、前記スペクトル補正量計算装置および炉心3次元中
    性子拡散計算装置からの各出力に基づき、炉心の3次元
    出力分布を計算する炉心内出力分布計算装置と、を具備
    することを特徴とする原子炉の炉心性能計算装置。
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