JPH04229209A - 炭素繊維で強化された熱可塑性ポリマー系複合材料成形品の製造方法 - Google Patents

炭素繊維で強化された熱可塑性ポリマー系複合材料成形品の製造方法

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JPH04229209A
JPH04229209A JP2415245A JP41524590A JPH04229209A JP H04229209 A JPH04229209 A JP H04229209A JP 2415245 A JP2415245 A JP 2415245A JP 41524590 A JP41524590 A JP 41524590A JP H04229209 A JPH04229209 A JP H04229209A
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carbon fibers
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維を主要な強化
材料とする熱可塑性ポリマー系複合材料を製造する方法
に関する。さらに詳しくは強化材料としての炭素繊維に
電流を流して発熱させ、その熱により熱可塑性ポリマー
を軟化または溶融させて炭素繊維中に含浸させて、複合
材料成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】長繊維系炭素繊維を強化材とするいわゆ
る高性能複合材料は、通常熱プレス成形法あるいはオー
トクレーブ成形法やダイヤフラム成形法等で製造されて
いる。そして、それらの成形品は、テニスラケット、ゴ
ルフクラブシャフト等のスポーツ用品やヘリコプターの
ブレード、航空機の翼等の航空機構造材料に応用されて
いる。
【0003】長繊維強化型複合材料の大部分は、マトリ
ックス樹脂としてエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹
脂のような熱硬化性樹脂が使用されており、それら樹脂
が低粘度であるため強化繊維の中への樹脂の含浸が良好
であるが、反応を伴うため成形に長時間を必要とする。
【0004】一方、熱可塑性ポリマーは、高強靱性の成
形品を高サイクルで提供するが、粘度が高いため強化繊
維中への含浸が困難であるという難点を持っている。例
えば、熱可塑性ポリマー系複合材料の通常の熱プレス成
形法では、ポリマーを軟化・溶融させるために、プレス
盤及び型(モールド)をも加熱する必要があり、過大の
エネルギーを消費するばかりでなく、成形サイクルが長
くなるという難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長繊維系炭
素繊維を強化材料とし熱可塑性ポリマーをマトリックス
樹脂とする複合材料成形品を製造するに際し、成形サイ
クルを短縮させ、したがって生産速度を向上するととも
に、エネルギー損失を低減させ、しかも強化繊維中への
ポリマーの含浸性を著しく高めて、高性能の複合材料成
形品を合理的に製造する方法を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の主旨とするとこ
ろは、複合材料を構成する強化材料としての炭素繊維に
直接電流を流して発熱させ、その熱により熱可塑性ポリ
マーを軟化または溶融させて、ボイドの発生のない状態
で速やかにかつ効率的に高性能の複合材料成形品(以下
、複合材料と称することがある)を製造することにある
【0007】すなわち、本発明は、プレス盤ないしはモ
ールドを介して熱を与えてポリマーを軟化または溶融さ
せる通常の熱プレス成形法とは異なり、強化材料である
炭素繊維に電流を流して該炭素繊維自身を発熱させ、そ
の熱によりその周辺部の熱可塑性ポリマーを軟化または
溶融させ、速やかに強化材料中に含浸させることを特徴
とする。
【0008】炭素繊維に電気を流して発熱させ成形品を
得る方法として、成形すべき材料を上下から電極で挾み
通電発熱とともに加圧することにより成形する方法が提
案されている(「日本航空宇宙学会誌」第37巻第42
4号第238−246頁、同第438号第371−37
8頁)。
【0009】この方法は、上述のように成形すべき炭素
繊維を含む材料と型との間に銅箔等の電極を挿入し、材
料の面に垂直方向に通電する方法であり、さらに、電極
を介して加圧成形するため、負荷圧力の変動が電流変動
につながり温度コントロールが困難である。
【0010】これに対して、本発明は、炭素繊維の繊維
方向に沿って電気を流す方法であり、複合材料の成形に
必要な負荷圧力とは独立に電流のコントロールが可能で
ある。すなわち、加熱温度のバラツキを最小限に抑えて
容易に電流量をコントロールすることにより、高品質の
成形品を製造することができる。さらに、後述するが、
通電のための電極の形状や接続方式の選択によって、フ
ラットな平面や曲面、棒状、パイプ状、ボックス状等各
種の形状の成形品を、バッチまたは連続プロセスで製造
することが可能となる。
【0011】本発明では、交流及び直流の電流を使用す
ることが可能であるが、特に大型の成形品を得る場合や
高サイクルで製造する場合には交流の使用が好ましい。
【0012】本発明にかかわる複合材料の主要な成分と
して使用する強化材料としての炭素繊維の使用割合は、
含浸・成形工程における熱効率及び成形サイクルの関係
から、全強化材料の70重量パーセント以上が好ましく
、80重量パーセント以上がさらに好ましい。該炭素繊
維とともに使用する強化材料の例としては、通常複合材
料の強化繊維として使用されるガラス繊維、アラミド繊
維、セラミックス繊維等が炭素繊維と併用可能である。
【0013】本発明において使用する炭素繊維は、本質
的には連続繊維であり、その形態としては、引揃え型多
ファブリックシート(いわゆるUDシート)、織編物等
のシート状物や、ブレードやフィラメントワインドされ
た筒状物、あるいは3次元状に形成されたものである。 また、成形に際しては、炭素繊維は上記の各種形状の単
独使用だけでなく、後述する熱可塑性ポリマーから得ら
れる繊維状マトリックスと併用し、UD炭素繊維/熱可
塑性ニットファブリック、炭素繊維/熱可塑性ポリマー
交織ファブリックあるいはコブレード品等の形態で使用
することも可能である。
【0014】本発明で使用する熱可塑性ポリマーとして
は、通常の複合材料用として使用される熱可塑性ポリマ
ーが使用可能であり、ポリカーボネート、ポリアミド(
各種ナイロン)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、
ポリウレタン等のエンジニアリングプラスチックや、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリ
エーテルサルフォン、ポリイミド等のスーパーエンジニ
アリングプラスチック等が使用できる。なかでも、強靱
性あるいは耐熱性等を要求される用途分野に対しては、
ポリカーボネート、各種ナイロン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性ポ
リマーが好ましい。
【0015】本発明において炭素繊維とともに使用する
熱可塑性ポリマーの形態としては、フイルム状、シート
状、ファブリック状(織物、編物等)、不織布(ノンウ
ーブン)、マット状等が可能である。本発明の特徴であ
る炭素繊維への通電発熱による加熱成形の効果をより高
くするためには、フイルム状、薄いシート状ないしはフ
ァブリック等の形態であることが好ましい。
【0016】本発明においては、上述のように強化材料
である炭素繊維に直接電流を流して発熱させる方法を特
徴としており、したがって、複合材料を構成する強化繊
維及びマトリックス並びに電極からなる系とその周辺と
は、電気的に絶縁状態に維持することが必要である。す
なわち、複合材料系と型との間は、好適な電気絶縁材料
を介して絶縁させる。好ましい絶縁材料の例としては、
セラミックス系コーティング、フッ素系コーティング或
は絶縁性フイルム等をあげることができる。
【0017】本発明の方法では、炭素繊維に直接通電し
発熱させて、その熱でポリマーを軟化あるいは溶融させ
るが、さらに熱効率の向上を図るために、成形用の型の
外側部分を耐熱性の良好な断熱材で覆うことが好ましい
。かかる断熱材の具体的な例としては、フッ素系あるい
はポリイミド系樹脂のような耐熱性樹脂またはそのシー
ト状物、セラミックスシートまたはブロック、アスベス
トのような無機系シート等をあげることができる。
【0018】また、本発明においては、目的とする複合
材料成形品の特性をより優れたものとするために、また
強化繊維中へのポリマーの含浸を促進するために、成形
時に圧力をかけることが好ましい。その圧力は、対象と
するポリマーの種類あるいは成形の温度によって異なり
、通常5〜30kgf/cm2 を使用するが、とくに
これに限定されるものではない。
【0019】本発明において炭素繊維に該繊維に沿って
電流を流すために使用する電極としては、通常の電気導
電性材料が使用されるが、その代表的な材料は銅、鉄、
アルミニウム等の金属材料である。
【0020】該電極の形態及び炭素繊維との接触方法は
とくに限定されないが、代表的な接触方式は、(a)バ
ー状の電極で挟む方法、(b)面状の電極を電気絶縁層
内の一部に埋込み両者を同一面内にする方法、(c)ロ
ール状で面接触させる方法、あるいは(d)点電極を用
いる方法、等が採用できる。
【0021】図1〜図5は、それぞれの具体例を示すも
ので、図1は、主として炭素繊維と熱可塑性ポリマーか
らなる複合材料成分(1)の上下に、フッ素樹脂コーテ
ィング等の電気絶縁材料(2)及びアスベスト、多孔質
セラミックス等の断熱材料(3)を介して金属等の型材
料(4)を配した1対の型を設け、型の両側入口付近に
各1対のバー状の電極(5)を設けて複合材料成分中の
炭素繊維と接触せしめ、該炭素繊維に沿って(図1では
水平方向に)電流を流すようにした例である。この例で
は、成形時には、上下の型が複合材料成分(1)を挟持
し、好ましくは押圧して、所定形状の複合材料成形品を
製造するようになっている。
【0022】図2は、型の最内面に設けた電気絶縁材料
(2)の一部にバー状の電極(6)を埋め込んで電極(
6)を電気絶縁材料(2)との面を揃えた例であり、成
形時には上下の型に挟持した複合材料成分(1)を押圧
してその炭素繊維に沿って(図2ではほぼ水平方向に)
電流を流すようにした例である。
【0023】図3は、図1のバー状電極の代りに点状の
電極を用い、上下1対の型で複合材料成分(1)を押圧
しつつ炭素繊維に沿って(図3では水平方向に)電流を
流すようにした例である。
【0024】図4は、内周面に電気絶縁材料(2)を有
する円筒状の型材料(4)と周面に電気絶縁材料(2)
を有するマンドレル(9)とを用いて、円筒形の複合材
料成形品を製造する例であり、型の一方の入口部の内壁
面に設けたリング状の電極(6a)と出口付近のマンド
レル(9)の一部周面に設けた帯状の電極(6b)を複
合材料成分中の炭素繊維と接触させ、両電極の間の炭素
繊維に電流を流すようになっている。なお図4の中央が
一部切欠き断面図、両端がそれぞれの端部付近の断面図
である。
【0025】図5は、一対のニップロール(8)を用い
て連続長のシート状複合材料成形品を製造する例であり
、型材料となるロール(8)の表面は電気絶縁材料(2
)で被覆されており、かつその周面の一部に帯状の電極
(6)が設けられている。この例では、連続的に複合材
料成分(1)がロール間を通る間に電極(6)と複合材
料成分中の炭素繊維とが接触し、複合材料成分(1)の
幅方向に電流が流れるようになっている。
【0026】本発明方法では、上に示した如き各手段に
よって、複合材料成分(1)中の炭素繊維に沿って適当
な電流を流すことにより、該繊維を発熱させることを必
須とするものであり、従来公知の如く複合材料成分(1
)に垂直方向に通電したのでは、成形時に該複合材料成
分(1)を任意の温度にコントロールすることが至難で
あり、かつ成形の生産性も劣るため、工業的に複合材料
成形品を製造するには不適当である。
【0027】
【発明の効果】上述の如き本発明方法によれば、成形時
の通電により炭素繊維自身が加熱状態になるため、熱可
塑性ポリマーとのなじみが良好となり、強化繊維とポリ
マーとの接着性が向上し、高強度・強靱性であって高性
能の複合材料成形品を得ることができる。また、プレス
盤やモールドを加熱するのではなく、炭素繊維に直接通
電加熱するため、本発明の方法は、熱の損失が少なく、
したがって高エネルギー効率で目的とする複合材料成形
品を得ることが可能である。しかも本発明の方法を用い
ることによって、炭素繊維強化の熱可塑性ポリマー系複
合材料成形品の製造速度(成形サイクル)が著しく向上
し、生産性の向上と熱効率の向上(エネルギー損失の低
減)とが同時に実現できる。さらに、炭素繊維と熱可塑
性ポリマーとの界面接着性の向上による複合材料成形品
の物性も改善される。
【0028】したがって、本発明の方法による複合材料
は、高強度・強靱性であり、しかも高エネルギー効率か
つ高サイクルで製造することができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明方法を実施例により更に詳細に
説明する。ただし、これらの実施例は本発明方法の説明
ならびに効果の立証のためのものであって、これらの実
施例により本発明の範囲が限定されるものではない。
【0030】
【実施例1】炭素繊維(東レ(株)製「トレカT−30
0」;3000フィラメント)からなる平織り織布(目
付け:198g/m2 :80mm幅)3プライとポリ
カーボネートフイルム(L−1225タイプ;160ミ
クロン厚)4プライとを、図1に示す接触方式で、アル
ミニウム棒を電極とし、スライダックを介して交流電流
を接続した。一方、アスベストシートからなる断熱層で
バックアップされ、表面をフッ素系樹脂でコーティング
されたアルミニウムプレートを金型として、型締め機に
セットした。
【0031】上記の炭素繊維織布及びポリカーボネート
フイルムからなる積層構成成分を、金型に挟んで型締め
機にセットし、30kgf/cm2 の圧力を負荷した
。この状態で、スライダックのボルテージを上げて炭素
繊維に電流を流し、炭素繊維を発熱させた。昇温工程で
要した電流は、電圧19ボルトで約47アンペアであっ
た。
【0032】さらに、電圧を制御しながら、所定の温度
、すなわち300℃に昇温し、2.5分間その温度に保
持した後、通電をやめて冷却した。ポリマーのガラス転
移温度(Tg)よりも充分に低温になった時に、加圧を
止め型を開けて、良好にポリマーが含浸された炭素繊維
/ポリカーボネート系複合材料成形品を得た。
【0033】得られた成形品(厚み0.64mm)から
12.5mm×60mmの試験片(容積繊維含有率(V
f):54%)を切りだし、JIS規格に準じて曲げ特
性を測定した。曲げ強度は、72kgf/mm2 と極
めて優れており、炭素繊維とポリマーとの界面接着が良
好であるとを示した。
【0034】
【比較例1】実施例1で用いたものと同じ構成の炭素繊
維織布及びポリカーボネートフイルムとを、予め表面に
離型剤を塗布した「カプトン」フイルムで覆い、通常の
熱プレス装置にセットした。次いで熱プレスを310℃
に昇温し、30kgf/cm2 の圧力をかけて30分
間その温度に保持してポリマーの含浸を行った。さらに
、熱プレスのヒーターを切りTg以下の温度まで冷却し
た後、型から取り出して複合材料成形品を得た。この間
の所要時間は、45分以上であり、実施例1の5分以下
に比べて約10倍の長時間を必要とした。
【0035】
【実施例2】炭素繊維(「トレカ−300」;3000
フィラメント)からなる平織り織布(目付け:198g
/m2 ;150mm幅)6プライと、ポリエーテルエ
ーテルケトン繊維からなる織布(目付け:100g/m
2 )9プライとを交互に積層し、実施例1と同様な手
法で、炭素繊維に電極を接続し、60kgf/cm2 
の圧力をかけながら炭素繊維に通電してポリマー温度を
410℃に昇温した。昇温に要した電流は電圧15ボル
トで約90アンペアであった。この温度に2分間保持し
てポリマーを炭素繊維中に含浸させた後、通電を止めて
冷却し、含浸状態の良好な炭素繊維/ポリエーテルエー
テルケトン系複合材料成形品を得た。
【0036】得られた成形品(0.9mm厚)から、1
2.5mm×60mmの試験片を切りだし、JIS規格
に準じて曲げ特性を測定した。曲げ強度は、78kgf
/mm2 と良好な結果を得た。また、上記成形操作で
昇温から成形品の取り出しまでに要した時間は、約5分
間と極めて短時間であった。
【0037】
【実施例3】実施例1で用いた炭素繊維からなる織布を
50mm幅にカット、その10プライとポリカーボネー
トフイルム6プライとを積層して、実施例1と同様に電
気絶縁層及び断熱層を有する型に挟んで38kgf/c
m2 の圧力をかけ、炭素繊維に通電して発熱させてポ
リカーボネートを含浸させた。本実施例において昇温か
ら冷却までに要した時間は、300℃に2分間保持した
時間も含めて約8分と極めて短時間であった。
【0038】得られた炭素繊維/ポリカーボネート系成
形品の厚みは1.9mmで、炭素繊維の容積含有率(V
f)は、61%であった。さらに、該成形品から試験片
を切りだし、曲げ特性を測定した結果、曲げ強度は92
kgf/mm2 と、極めて良好であった。また、成形
品の走査電子顕微鏡写真では、層間にはミクロボイドは
観察されなかった。
【0039】
【比較例2】実施例3と同じ構成の炭素繊維織布及びポ
リカーボネートフイルムの積層品を、銅箔を電極として
上下から挟み、電気絶縁層を介して金型にセットし、型
締め機で加圧した。ついで、銅箔電極に通電し、炭素繊
維織布の接触に伴う通電性を利用して発熱を試みた。約
20分を要して所定の温度まで上昇した。その後通電を
止め冷却した後、成形品を取り出した。
【0040】成形品の表面に付着した銅箔(電極)をエ
ッチングで除去し、試験片を切りだして、実施例3と同
様にして曲げ試験を実施した。曲げ強度は、73kgf
/mm2 と、やや低い値であった。該成形品の走査電
子顕微鏡写真を観察したところ、層間の中央部に若干の
ミクロボイドが見られ、ポリマーの含浸が不十分である
ことが推測された。
【0041】
【実施例4】一方向引き揃え炭素繊維(CF:「トレカ
T−300」;3000フィラメント)を縦糸とし、ポ
リカーボネート(PC)繊維を編み糸として製編した「
UD・CF/PCニット・ファブリック」(トータル目
付け:240g/m2 ,CF/PC容量比=58/4
2)を、複合材料成分として、図1に示すような電極接
続方式で通電発熱させた。
【0042】昇温開始から300℃での2分間の保持を
経て冷却までのトータル時間は、約8分と極めて短時間
であった。また、得られたUD強化型炭素繊維/ポリカ
ーボネート系複合材料成形品の曲げ強度は184kgf
/mm2 、曲げ弾性率11700kgf/mm2 と
極めて良好であった。
【0043】
【実施例5】実施例3で用いた炭素繊維を縦糸とし、ポ
リエーテルエーテルケトン(PEEK)から得られた繊
維を横糸として、平織の織布(目付け:160g/m2
 ;200mm幅)を製織した。
【0044】該交織織物を、図5に示すような絶縁層及
び帯状の面電極を表面に有する1対のロールに挟み、上
下の帯状電極間に電流を流して炭素繊維/PEEK繊維
交織品に通電した。この通電発熱により、横糸として用
いたPEEK繊維が溶融し、炭素繊維間に含浸して、目
的とするラミネート成形品を得た。
【0045】得られた成形品の炭素繊維は一方向にほぼ
引き揃えらており、冷却後型から取り出して切りだした
試験片の曲げ強度は、178kgf/mm2 と、極め
て良好であった。
【0046】
【実施例6】実施例1で用いた炭素繊維織布の2プライ
と、ナイロン−6繊維からなる平織織布(目付け:10
0g/m2 )4プライとを、200mm角にカットし
て積層して、複合材料成分とした。次いで、上下の最外
層のナイロン織布の端20mmをカットした、図2に示
す電極接続方式の上下の面状電極に炭素繊維織布が直接
に接触するようにセットした。
【0047】さらに型を介して16kgf/cm2 の
圧力になるように型締め機で加圧した後、電極を介して
電流を流して、炭素繊維を発熱させた。この発熱により
、ナイロン繊維織布を溶融させ炭素繊維中に含浸させた
。270℃に2分間保持した後、通電をやめて冷却して
成形品を型から取り出した。
【0048】得られた炭素繊維/ナイロン系成形品は、
69kgf/mm2 の曲げ強度を示した。すなわち、
本発明の方法により、極めて短時間に優秀な物性を示す
複合材料成形品を得ることができた。
【0049】
【実施例7】図4に示すような電気絶縁性コーティング
層と帯状面電極を有するテーパー角度1°のパイプ状マ
ンドレル(外径8mm)の上に、ポリカーボネート繊維
織布、炭素繊維ブレード(braid )、ポリカーボ
ネート繊維織布、炭素繊維UD・ファブリック、ポリカ
ーボネート繊維織布、炭素繊維ブレード(braid 
)、ポリカーボネート繊維織布をこの順に重ね、二つ割
りの円筒形金型で覆って外部より締め付けた。
【0050】次いで図4に示すように、二つの電極を介
して炭素繊維に電流を流して発熱させ、ポリカーボネー
トの軟化状態で、パイプ状マンドレルの内部に窒素ガス
で5kgf/cm2 ゲージ圧の圧力をかけて、5分間
保持した。冷却後、型を開きテーパー付きのマンドレル
から引き抜いて、目的とするパイプ状炭素繊維/ポリカ
ーボネート系複合材料成形品を得た。
【0051】
【実施例8】実施例1で用いた炭素繊維織布(目付け:
198g/m2 )3プライと、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)繊維から得られた織布(目付け:12
0g/m2 )4プライとを交互に積層し、実施例1と
同様に示す電極接続方法によって、電気絶縁層付きの型
締め機にセットした。次いで、バー状電極を介して炭素
繊維に電流を流して発熱させ、PPSポリマーを溶融含
浸させた。発熱・含浸に要した電流は、22ボルトで5
5アンペアであった。320℃に2分間保持した後、通
電を止めて冷却し、型から取り出して、含浸性の良好な
炭素繊維/ポリフェニレンサルファイド系複合材料成形
品を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程の一例を示す概略図。炭素繊維に
対しバー状の電極を接触させる例を示す。
【図2】本発明の工程の他の例を示す概略図。炭素繊維
に対し平坦な面状の電極を接触させる例を示す。
【図3】本発明の工程の他の例を示す概略図。炭素繊維
に対し点状の電極を接触させる例を示す。
【図4】本発明の工程により筒状の成形品を製造する例
を示す概略図。炭素繊維に対し曲面を有する面状の電極
を接触させる例を示す。
【図5】本発明の工程により連続シート状の成形品を製
造する例を示す概略図。炭素繊維に対し一対のニップロ
ールの周面の一部に設けた電極を接触させる例を示す。
【符号の説明】
1  複合材料成分(炭素繊維及び熱可塑性ポリマー)
2  電気絶縁材料 3  断熱材料 4  型材料 5  バー状電極 6,6a,6b  面状電極 7  点状電極 8  ロール 9  マンドレル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維を主要な強化材料とする熱可塑性
    ポリマー系複合材料を製造するに際し、該複合材料を構
    成すべき強化材料及び熱可塑性ポリマーと、成形用型面
    との間を電気絶縁材料を介して絶縁させ、該強化材料を
    構成する炭素繊維に電極を介してその繊維方向に沿って
    電流を流して発熱させ、その熱により該熱可塑性ポリマ
    ーを軟化または溶融させて該炭素繊維を主要な成分とす
    る強化材料中に含浸させ、複合材料成形品を得ることを
    特徴とする、炭素繊維で強化された熱可塑性ポリマー系
    複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】炭素繊維が本質的に連続繊維であり、直流
    または交流の電気導通により発熱するものであることを
    特徴とする、請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】電気絶縁材料に接して位置する成形用の型
    の外側部分を断熱材料で覆い、放熱を抑えることを特徴
    とする、請求項1または2に記載の複合材料の製造方法
  4. 【請求項4】炭素繊維に電流を流して発熱させ、その熱
    により熱可塑性ポリマーを軟化または溶融させて該炭素
    繊維を主要な成分とする強化材料中に含浸させ、複合材
    料成形品を得る工程において、通電中またはその前後の
    段階で、型を加圧することを特徴とする、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
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