JPH0422765A - 曲がり吸出し管を有する水車の効率改善装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この発明は、曲がり吸出し管を有する水車またはポンプ
水車の吸出し管曲管部の水の剥離を抑制して、水車の効
率を改善する曲がり吸出し管を有する水車の効率改善装
置に関する。

【従来の技術】

従来の水車またはポンプ水車では、ランナを出た水流を
次第に減速させ、速度ヘッドを圧力ヘッドに変換して吸
出し管出口の流出速度で定まる排圧損失を減らすため、
吸出し管を備えている。そのため、吸出し管は末広がり
の形に作り出口面積をなるべく大きくする。垂直に設置
される水車の吸出し管は、円錐形直管、エルボ型面がり
拡大管などがある。円錐形吸出し管は、通常小容量機に
用いられる。エルボ形では、流速の大きい部分は鋼板ラ
イナを設けるか、それ以外の部分はコンクリートとした
ものが多い。 従来の水車またはポンプ水車では、ランナの出口にはケ
ーシングに吸出し管入口円錐部が連結されていて、この
吸出し管入口円錐部にトライボッドを取付け、ランナ出
口直後の低圧を利用して吸出し管軸中心付近にこのトラ
イボッドから空気を供給して水圧脈動の低減を図ってい
る。トライボッドの代わりに、給気管を用いることもあ
る。

【発明が解決しようとする課題】

一般的に、主流に正の圧力勾配がある場合、境界層内の
流れは圧力による力と粘性による摩擦力に抗して流れる
ので、運動エネルギーを奪われ、物体表面のごく近くの
速度の小さい物体は、ついには運動エネルギーを失って
停止し、上流側の圧力が低いため逆流を生じ、上流から
の境界層は物体表面から剥がれることになる。剥がれる
と、圧力分布が変わるので、剥離点が移動する。この現
象を境界層の剥離とよぶ。 従来の水車またはポンプ水車では、吸出し管軸中心付近
に空気を供給して水圧脈動を抑えていたが、水車または
ポンプ水車の曲がり吸出し管は低エネルギー水を吸い取
る装置を持たなかった。そのため、水車またむよ水車運
転中のポンプ水車が、最適状態から大きく離れた状態で
運転される場合には、吸出し管曲管部の曲がり内側壁面
付近から流れの剥離を生じ、吸出し管の圧力回復性能が
悪化して水車効率を低下させるという問題があった。 この発明は、最適状態から大きく離れた運転条件下での
水車効率の低下を抑制し、広い運転範囲にわたって水車
を高効率で運転する水車の効率改善装置を提供すること
を目的とする。

【課題を解決するための手段】

上記目的は、曲がり吸出し管を有する水車またはポンプ
水車の吸出し管曲管部の曲がり内側壁面と、前記吸出し
管入口円錐部とを連通管を介して連通し、前記吸出し管
曲管部の曲がり内側壁面から水を吸い込んで前記吸出し
管入口円錐部へ注入することによって達成される。

【作　用】

吸出し管入口円錐部はランナから出た水の流れが速（、
そのため水の静圧が低いのに対し、吸出し管曲管部は流
速が遅く、静圧は高くなる。曲がり吸出し管を有する水
車またはポンプ水車の吸出し管曲管部の曲がり内側壁面
と、前記吸出し管入口円錐部とを連通管を介して連通ず
ると、吸出し管曲管部の曲がり内側壁面付近に集積した
水が吸い取られ、吸出し管入口円錐部に導かれる。吸出
し管入口円錐部の流速は大きく、低エネルギー水は主流
と素早く混合し、主流の流速分布を正常に保ち、吸出し
管曲管部の曲がり内側壁面からの流れの剥離を抑制して
、吸出し管の圧力改善性能を向上させ、水車の効率を改
善させる。 さらに、連通管の開口部を吸出し管入口円錐部にランナ
の回転方向に沿って傾斜させて取付けることにより、吸
出し管管壁付近に旋回流が形成される。この旋回流の遠
心力効果により、吸出し管入口円錐部から吸出し管曲管
部にかけて壁面からの流れの剥離が抑制され、吸出し管
の圧力改善性能を向−ヒさせ、水車の効率を改善させる
。 その際、吸出し管入口円錐部にトライボッドまたは給気
管を取付け、吸出し管曲管部の曲がり内側壁面とトライ
ボッドまたは給気管とを連通させて、吸出し管入口円錐
部の管軸中心付近に水を注入すると、吸出し管の管軸中
心付近は管壁にくらべてランチを出た水の流速が速く、
吸出し管の管軸中心付近の静圧は管壁にくらべて低いの
で、吸出し管曲管部の曲がり内側壁面からの吸い取り効
果がさらに高まり、吸出し管曲管部の曲がり内側壁面か
らの流れの剥離を抑制して、吸出し管の圧力改善性能を
向上させ、水車の効率を改善させる。

【実施例］ 以下図に基づいてこの発明の詳細な説明する。 第１図はこの発明の実施例による効率改善装置を備えた
水車の縦断面図である。第１図において、ランナ７の出
口にはケーシング８に吸出し管入口円錐部１ａが連結さ
れていて、この吸出し管入口円錐部１ａに吸出し管曲管
部１ｂが接続されている。連通管３の入口部３ａを多孔
板４を取付けたチャンバー５に連結すれば広い範囲の低
エネルギー水の吸い取りができる。 第２図は第１図のＡ−Ａ断面図である。連通管の一端は
図示されない吸出し管曲管部の多孔板４を取付けたチャ
ンバー５に結合され、連通管の他端は第２図のごとく３
本に分岐された分岐管３の出口部３ｂを吸出し管入口円
錐部１ａに図示矢印の方向に注入して、吸出し管入口円
錐部１ａに図示旋回矢印のごとく旋回流を形成し、吸出
し管入口円錐部１ａの壁面及び吸出し管曲管部１ｂの曲
がり内側壁面２からの流れの剥離を抑制する。 第３図はこの発明の他の実施例による効率改善装置を備
えた水車の縦断面図である。第３図において、第１図及
び第２図と同じ部位には同じ番号を付しである。この例
では、連通管の出口部３ｂを吸出し管入口円錐部１ａに
溶接により取付けたトライボッド６に接続した。トライ
ボッド６は、３本のバイブを中央のバイブに連結して構
成され、脚部を吸出し管入口円錐部１ａに取付け、連通
管３を介して吸出し管曲管部１ｂの曲がり内側壁面２か
ら吸い込んだ水を吸出し管入口円錐部１ａの管軸付近に
位置する中央のバイブから注入する。 吸出し管入口円錐部１ａの管軸付近は管壁付近にくらべ
て更に低圧になるため、連通管３による水の吸い取り効
果が高く、吸出し管曲管部１ｂの曲がり内側壁面２にお
ける流水の剥離を防止する。 トライボット６の代わりに給気管を吸出し管入口円錐部
１ａの管壁付近に開口させ、連通管により吸い込んだ水
を注入してもよい。 【発明の効果】 この発明の効率改善装置によれば、水車またはポンプ水
車の吸出し管曲管部の曲がり内側壁面と、吸出し管入口
円錐部とを連通管を介して連通させることにより、曲が
り内側壁面付近に集積した水が吸い取られ、吸出し管入
口円錐部に導かれるので、吸出し管曲管部の曲がり内側
壁面からの流れの剥離を抑制し、吸出し管の圧力回復性
能を向上させて、水車または水車運転中のポンプ水車の
効率を改善させる。 この発明の効率改善装置によれば、吸出し管入口円錐部
に連通管の開口部をランナの回転方向に沿って傾斜させ
て取付けることにより、吸出し管管壁付近に旋回流が形
成され、この旋回流の遠心力効果により吸出し管入口円
錐部壁面及び曲管邪曲がり内側壁面からの流れの剥離が
抑制され、吸出し管のく圧力回復性能を向上させ、水車
または水車運転中のポンプ水車の効率を改善させる。 この発明の効率改善装置によれは、トライボッドまたは
給気管を介して吸出し管入口円錐部の管軸付近に水を噴
出させることにより、吸出し管軸中心付近は管壁にくら
べて圧力が低く、曲管部の曲がり内側壁面の低エネルギ
ー水の吸い取り効果を高め、水車または水車運転中のポ
ンプ水車の効率を改善させる。 この発明の効率改善装置は、連通管の設置により最高効
率点付近において効率が低下する場合には、連通管にバ
ルブを設け、運転条件によってバルブの開閉を抑制する
ことにより、最高効率の低下を招かずに、最高効率点か
ら離れた運転条件下の効率を改善できる。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明の実施例による効率改善装置を備えた
水車の縦断面図、第２図は第１図のＡＡ断面図、第３図
はこの発明の他の実施例による効率改善装置を備えた水
車の縦断面図である。 １ａ：吸出し管入口円錐部、１ｂ＝吸出し管曲管部、２
：曲がり内側壁面、３；連通管、３ａ：入口部、３ｂ＝
出口部、６：トライポンド、７：ランナ、８：ケーシン
グ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １）曲がり吸出し管を有する水車またはポンプ水車の吸
   出し管曲管部の曲がり内側壁面と、前記吸出し管入口円
   錐部とを連通管を介して連通し、前記吸出し管曲管部の
   曲がり内側壁面から水を吸い込んで前記吸出し管入口円
   錐部へ注入することを特徴とする曲がり吸出し管を有す
   る水車の効率改善装置。