JPH04227505A - 嵌挿体取外し方法および嵌挿体取付け方法およびその装置並びに嵌挿体脱着ロボット - Google Patents

嵌挿体取外し方法および嵌挿体取付け方法およびその装置並びに嵌挿体脱着ロボット

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JPH04227505A
JPH04227505A JP9758591A JP9758591A JPH04227505A JP H04227505 A JPH04227505 A JP H04227505A JP 9758591 A JP9758591 A JP 9758591A JP 9758591 A JP9758591 A JP 9758591A JP H04227505 A JPH04227505 A JP H04227505A
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桑山 一平
Ippei Kuwayama
本多 桂二郎
Keijiro Honda
池添 善幸
Yoshiyuki Ikezoe
松藤 健二
Kenji Matsufuji
赤津 慶信
Yoshinobu Akatsu
後藤 忠憲
Tadanori Goto
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、嵌挿体取外し方法お
よび嵌挿体取付け方法およびその装置並びに嵌挿体脱着
ロボットに関し、特に、停止位置がばらつく再生ドラム
缶等の充填孔を塞ぐネジ込みプラグを取外したり取付け
たりするのに好適である。
【0002】
【従来の技術】第14図は、ドラム缶の充填孔部分を示
す断面説明図である。
【0003】ドラム缶70は、天板71、胴板73およ
び図示しない底板から構成され、天板71に、円筒状の
プラグ装着部72が上方に突出して取付けてある。収容
物の充填孔Hは、プラグ装着部72の内部に形成され、
そこにプラグPをねじ込んで充填孔Hを塞ぐようになっ
ている。天板71には、さらに空気孔(図示省略)が設
けてある。
【0004】プラグPの嵌合部の外面には、プラグ装着
部72の内壁の雌ネジに噛合する雄ネジが形成してあり
、上面には係止用突起Pbを有する凹部Paが形成して
ある。プラグPの嵌合部には、さらに密封用のOリング
Sが嵌入してある。プラグPをプラグ装着部72に取付
ける際には、プラグPをプラグ装着部72に着座させた
後、適当なプラグ回転器具を凹部Paの係止用突起Pb
に係止させてから右あるいは左に回転させて、ネジを噛
合させると共に締付けを行なう。プラグPをプラグ装着
部72から取外す際には、プラグ回転器具を係止用突起
Pbに係止させてから左あるいは右に回転させて噛合を
解除する。
【0005】従って、ドラム缶70に収容物(例えば合
成樹脂)を充填する作業(以下、装缶という)では、■
プラグ回転器具を凹部Paに係合して回転させ、プラグ
装着部72に噛合・締付けされたプラグPを取外す、■
充填孔Hより収容物を充填する、■プラグPをプラグ装
着部72に着座させてからプラグ回転器具で回転させ、
噛合させると共に所定トルクで締付ける、という3つの
工程が必要である。
【0006】ところで、従来より、例えば合成樹脂を収
容するのに、いわゆる再生ドラム缶が使用されている。 再生ドラム缶は、一度あるいは二度以上使用されたドラ
ム缶を回収し、洗浄・乾燥を行なって再度使用できるよ
うにしたものである。
【0007】再生ドラム缶は、天板71の湾曲、胴板7
3の膨張、底板の撓み等により、プラグ装着部72の位
置が横方向(天板に沿う方向)あるいは縦方向(天板に
直角な方向)にずれていたり、傾斜していたりしている
ことが多い。また、再生ドラム缶の高さ自体も変化して
いることが多い。
【0008】その程度は、例えば容量200リットルの
再生ドラム缶では、プラグ装着部72(充填孔H)の横
方向の位置ずれ範囲が約9mm、プラグ装着部72の傾
斜範囲が縦軸(天板に直角な軸)に対して約6゜、その
縦方向の位置ずれ範囲が約12mm、再生ドラム缶自体
の高さの変化範囲が約14mmである。
【0009】このようなプラグ位置および姿勢の変動幅
が大きい再生ドラム缶について、装缶作業を自動的に行
なう自動装缶装置は、従来より開発され使用されている
【0010】従来の自動装缶装置は、回転ローラ等によ
ってドラム缶70をその中心軸(垂直軸)の周りに回転
させるドラム缶回転手段と、そのドラム缶70のプラグ
装着部72の位置を検出する位置検知手段と、検知した
位置にエアドライバの回転軸の先端を移動してその回転
軸の先端をプラグPの凹部Paに係合させて回転するこ
とにより、プラグ装着部72に噛合・締付けされたプラ
グPの噛合を解き、あるいはプラグ装着部72に着座し
たプラグPをプラグ装着部72に噛合させて締付けるプ
ラグ回転手段と、噛合を解かれてプラグ装着部72上に
置かれているプラグPを把持して待避位置まで移送し、
また、プラグPを待避位置からプラグ装着部72まで移
送してそこに着座させるプラグ移送手段とを備えている
【0011】上記ドラム缶回転手段は、ローラコンベア
等で装缶場所まで搬送されて来たドラム缶70を回転さ
せ、そのプラグ装着部72を所定の位置に停止させる。 上記位置検知手段は、センサにより、装缶場所で位置決
めされたドラム缶70のプラグ装着部72の水平方向の
位置を検知する。上記プラグ回転手段は、エアドライバ
の回転軸の向きが所定範囲内で変化できるように構成し
てあり、回転軸の先端がプラグPの凹部Paに係合した
際にプラグPの傾斜角に応じて受動的に変化する。
【0012】この従来の自動装缶装置を用いて装缶を行
なう場合、ドラム缶70はプラグ装着部72を上方に向
けて装缶場所まで搬送され、そこでエアドライバのほぼ
真下にプラグ装着部72が来るようにドラム缶回転手段
により位置決めされる。次に、位置検知手段によりプラ
グ装着部72の位置を検知し、その位置にエアドライバ
を下降してその回転軸の先端をプラグ装着部72に噛合
・締付けされたプラグPに係合させる。続いて、その回
転軸を回転させてプラグPの噛合を解く。噛合を解かれ
たプラグPは、プラグ移送手段によりプラグ装着部72
から待避位置まで移送される。そこで、収容物の充填を
行なう。充填が完了すると、プラグ移送手段によりプラ
グPをプラグ装着部72に着座させる。その後、そのプ
ラグPにエアドライバの回転軸を係合させてから回転さ
せ、プラグ装着部72にプラグPを噛合させると共に締
付けを行なう。こうして、装缶作業を終了する。
【0013】関連する他の従来技術としては、ラジエー
タキャップ、オイルキャップ等のキャップを自動的にそ
の装着部から取外したり、装着部に取付けたりするキャ
ップ自動開閉装置がある(特開昭62−105788号
公報参照)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の自動装缶装
置は、搬送されて来るドラム缶毎にプラグの位置および
姿勢を検知し、それに応じてエアドライバの回転軸の位
置および方向を調整してからプラグに係合させるもので
はない。また、エアドライバの回転軸が1回、回転を始
めて停止するまでの間に、プラグ装着部に着座したプラ
グの噛合から締付け完了までの作業を行なうようになっ
ている。このため、プラグの取外しができない場合があ
ったり、プラグの取付けはできたがその締付けトルクが
過大であったり過小であったりする不具合が頻発し、装
缶作業に対する信頼性が十分でないという問題がある。
【0015】そこで、これに対処するため、装缶場所に
常時、作業員を配置してドラム缶70の位置決め状況を
監視し、異状があれば直ちに手作業でその修正を行なう
ことが必要となる。また、プラグの取付け終了後に、作
業員がプラグの実際の締付けトルクを手作業で検査し、
不具合があればそれを手作業で直す必要がある。従って
、作業の無人化を達成することは到底不可能である。
【0016】特に、複数回使用したものを再生した再生
ドラム缶については、プラグ装着部の位置や方向の変化
が特に大きいため、信頼性はいっそう低下する。
【0017】上記特開昭62−105788号公報記載
のキャップ自動開閉装置は、キャップ装着部を所定位置
に精確に位置決めしてからキャップの取付けおよび取外
しを行なうため、上記従来の自動装缶装置と同様の問題
がある。
【0018】そこで、この発明の目的は、嵌合部(例え
ばドラム缶のプラグ装着部)や、嵌合部に嵌挿された嵌
挿体(例えばドラム缶のプラグ)に位置ずれあるいは嵌
挿方向の変化があっても、嵌合部からの嵌挿体の取外し
や嵌合部への嵌挿体の取付けを高い信頼性をもって行な
うことができる、嵌挿体取外し方法および嵌挿体取付け
方法およびその装置並びに嵌挿体脱着ロボットを提供す
ることである。
【0019】この発明の他の目的は、嵌挿体を嵌合部に
噛合して取付ける場合に、高い信頼性をもって所望の締
付けトルクで嵌挿体を嵌合部に取付けできる、嵌挿体取
付け方法およびその装置並びに嵌挿体脱着ロボットを提
供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】(1)この発明の嵌挿体
取外し方法は、嵌挿体または嵌合部の基準面を検出する
ステップと、上記基準面の位置および傾斜方向を算出す
るステップと、上記基準面と嵌挿体または嵌合部との位
置関係を算出するステップと、上記基準面の位置および
傾斜方向並びに上記位置関係に基づいて嵌挿体の位置お
よび嵌挿方向を算出するステップと、算出した嵌挿体の
位置および嵌挿方向に応じて嵌挿体取外し手段を制御し
て嵌挿体を嵌合部から取外すステップとを具備してなる
ことを特徴とする。
【0021】(2)この発明の嵌挿体取外し装置は、嵌
挿体または嵌合部の基準面を検出する手段と、上記基準
面の位置および傾斜方向を算出する手段と、上記基準面
と嵌挿体または嵌合部との位置関係を算出する手段と、
上記基準面の位置および傾斜方向並びに上記位置関係に
基づいて嵌挿体の位置および嵌挿方向を算出する手段と
、嵌挿体を嵌合部から取外す作業を行なう嵌挿体取外し
手段と、算出した嵌挿体の位置および嵌挿方向に応じて
嵌挿体取外し手段を制御する制御手段とを具備してなる
ことを特徴とする。
【0022】(3)この発明の嵌挿体取付け方法は、嵌
合部の基準面を検出するステップと、上記基準面の位置
および傾斜方向を算出するステップと、上記基準面と嵌
合部との位置関係を算出するステップと、上記基準面の
位置および傾斜方向並びに上記位置関係に基づいて嵌合
部の位置および嵌挿方向を算出するステップと、算出し
た嵌合部の位置および嵌挿方向に応じて嵌挿体取付け手
段を制御して嵌挿体を嵌合部に取付けるステップとを具
備してなることを特徴とする。この方法では、さらに、
取付けた嵌挿体の高さを検知してその取付け状況を検査
するステップを設けることができる。上記嵌挿体が上記
嵌合部に噛合して取付けるように構成してある場合には
、上記嵌挿体を嵌合部に取付けるステップにおいて、嵌
合部に噛合された嵌挿体の締付けを少なくとも3段階に
分けて行なうのが好ましい。また、上記嵌挿体を締付け
る際にそのトルクを検知し、検知した値を設定値と比較
して締付けの良否を判定するのが好ましい。
【0023】(4)この発明の嵌挿体取付け装置は、嵌
合部の基準面を検出する手段と、上記基準面の位置およ
び傾斜方向を算出する手段と、上記基準面と嵌合部との
位置関係を算出する手段と、上記基準面の位置および傾
斜方向並びに上記位置関係に基づいて嵌合部の位置およ
び嵌挿方向を算出する手段と、嵌挿体を嵌合部に取付け
る作業を行なう嵌挿体取付け手段と、算出した嵌合部の
位置および嵌挿方向に応じて嵌挿体取付け手段を制御す
る制御手段とを具備してなることを特徴とする。この装
置では、さらに、取付けた嵌挿体の高さを検知してその
取付け状況を検査する手段を設けることができる。上記
嵌挿体が、上記嵌合部に噛合して取付けるように構成し
てある場合は、上記嵌挿体取付け手段が、嵌合部に噛合
された嵌挿体の締付けを少なくとも3段階に分けて行な
うように構成するのが好ましい。また、上記嵌挿体を締
付ける際にそのトルクを検知し、検知した値を設定値と
比較して締付けの良否を判定する手段を設けるのが好ま
しい。
【0024】(5)この発明の嵌挿体脱着ロボットは、
嵌挿体または嵌合部の基準面を検出する手段と、上記基
準面の位置および傾斜方向を算出する手段と、上記基準
面と嵌挿体または嵌合部との位置関係を算出する手段と
、上記基準面の位置および傾斜方向並びに上記位置関係
に基づいて嵌挿体または嵌合部の位置および嵌挿方向を
算出する手段と、嵌挿体を嵌合部から取外す作業および
嵌挿体を嵌合部に取付ける作業を行なう嵌挿体取付け・
取外し手段と、算出した嵌挿体または嵌合部の位置およ
び嵌挿方向に応じて嵌挿体取付け・取外し手段を制御す
る制御手段とを具備してなることを特徴とする。このロ
ボットでは、さらに、取付けた嵌挿体の高さを検知して
その取付け状況を検査する手段を設けることができる。 上記嵌挿体が、上記嵌合部に噛合して取付けるように構
成してある場合は、上記嵌挿体取付け・取外し手段が、
嵌合部に噛合された嵌挿体の締付けを少なくとも3段階
に分けて行なうように構成するのが好ましい。また、上
記嵌挿体をネジ込む際にそのトルクを検知し、検知した
値を設定値と比較して締付けの良否を判定する手段を設
けるのが好ましい。
【0025】(6)上記基準面は、嵌挿体または嵌合部
の適当な面を利用してもよいし、別個に基準面を持つ部
材を嵌挿体または嵌合部に付設してもよい。
【0026】
【作用】嵌挿体あるいは嵌合部が持つ一面を利用し、ま
たは基準面を持つ部材を付設して基準面を設定すると、
その基準面は、嵌挿体あるいは嵌合部と一定の位置関係
にある。また、嵌挿体と嵌合部の間にも一定の位置関係
がある。従って、基準面を検出してその位置および傾斜
方向を算出する一方で、基準面と嵌挿体あるいは基準面
と嵌合部の間の位置関係を算出すれば、嵌挿体または嵌
合部の位置と嵌挿方向を知ることができる。そこで、得
られた嵌挿体または嵌合部の位置および嵌挿方向に適合
するように、嵌挿体取外し手段あるいは嵌挿体取付け手
段を制御すれば、確実に嵌挿体の取付けあるいは取外し
を行なうことができる。
【0027】また、得られた嵌挿体または嵌合部の位置
および嵌挿方向に適合するように、嵌挿体の姿勢を適宜
変化させてから嵌合部に嵌挿するので、嵌挿体の中心軸
と嵌合部の中心軸が常に合致する。このため、嵌挿体の
嵌合部への取付けおよび取外しが正確に行なえ、しかも
、嵌挿体と嵌合部とがネジで噛合する場合であっても、
嵌挿の際に嵌挿体を回転させることにより常に好適な状
態で噛合およびその解除が行なわれ、従って嵌挿体を所
望の締付けトルクで取付けることができる。
【0028】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限定さ
れるものではない。図1は、この発明の嵌挿体脱着ロボ
ットをドラム缶のプラグ脱着ロボットとして構成した一
実施例を示す。
【0029】(ロボットの構成)プラグ脱着ロボット1
0は、6軸制御の多関節型ロボットで、本体部20とハ
ンド30を備えてなり、ロボット制御部11により制御
される。本体部20は、ベース21の上に取付けられた
第1アーム22と、第1アーム22に接続された第2ア
ーム23を有しており、第2アーム23の先端には手首
部24が取付けてある。手首部24には、ハンド接続部
材25を介してハンド30が取付けてある。
【0030】ベース21より上位の部分は、垂直に設け
た第1軸A1の周りに回転し、第1アーム22とそれよ
り先の部分は、水平に設けた第2軸A2の周りに旋回す
る。第2アーム23とそれより先の部分は、水平に設け
た第3軸A3の周りに旋回する。手首24とそれより先
の部分は、第4軸A4の周りに回転すると共に、第5軸
A5の周りに旋回する。ハンド30は、第6軸A6の周
りに回転する。
【0031】ハンド30は、図2および図3に詳細に示
すように、ドラム缶70のプラグ装着部72にねじ込ま
れたプラグPを回転させるエアドライバDRと、プラグ
Pを把持する把持器GRを備えている。
【0032】エアドライバDRと把持器GRは、共に支
持プレート37に固定してある。エアドライバDRは、
本体部を支持プレート37の上方におき、その回転軸4
1を、支持プレート37の孔を通ってその下方に突出さ
せている。把持器GRは、支持プレート37の下位に位
置している。
【0033】支持プレート37は、後部において、その
上に固定したブラケット36を介してスライダ34に接
続してある。スライダ34は、保持部材32に固定され
た案内バー33に嵌挿してあり、案内バー33に沿って
変位可能である。また、スライダ34は、2個の圧縮バ
ネ35によって上下両側から付勢され、ハンド30に外
力が作用しないときは、案内バー33の中央付近に位置
する。保持部材32は、接続バー31を介してハンド接
続部材25に接続してある。
【0034】支持プレート37の下方には、複数のボル
ト38とナット39により、支持プレート37の下面と
の間に隙間をあけて可動プレート40が吊り下げ支持し
てある。ボルト38は、支持プレート37のいわゆるバ
カ孔に挿通してあるため、可動プレート40は支持プレ
ート37に対して変位可能である。
【0035】把持器GRは、可動プレート40に、3個
の把持爪44を下方に向けて固定してある。把持器GR
の制御は、管45を通じて供給される圧縮空気により行
なう。圧縮空気を供給すると、把持器GR内のエアシリ
ンダ(図示省略)が作動し、3個の把持爪44の下端が
内側(または外側)に向かって揺動する。こうして、プ
ラグPを把持することができる。圧縮空気を排出すると
、把持爪44はバネ(図示省略)の弾性力により外側(
または内側)に向かって揺動する。
【0036】把持爪44には、近接スイッチ(図示省略
)が取付けてあり、プラグPの把持を非接触で検出でき
るようにしてある。この近接スイッチにより、プラグP
の取外しの際に、充填孔HからプラグPが取り外された
か否かを確認することができる。
【0037】把持器GRの内部には、エアドライバDR
の回転軸41の回転を伝達する伝達軸42が設けてある
。伝達軸42の上端は、回転軸41に係止され、下端は
、把持器GRの中央を貫通してその下方に突出している
。伝達軸42の下端には、プラグPの凹部Paに係合す
る係合部材43が取り付けてある。
【0038】伝達軸42と回転軸41との係止は、遊び
を持たせて行なうのが好ましい。こうすると、プラグP
との係止の際に多少の位置ずれがあっても、伝達軸42
が変位してそれを吸収し、回転軸41に無理な力が作用
するのを防止することができる。
【0039】支持プレート37には、さらに前部上面に
エアシリンダCLが取り付けてある。エアシリンダCL
は、位置センサ50を取付けたセンサ保持部材48、4
9を上下に移動させる。中央のセンサ保持部材48の略
中央には、シリンダロッド47が接続してあり、両端部
には下方に向けてセンサ保持部材49が接続してある。 センサ保持部材48にはさらに、両端において、支持プ
レート37を貫通する2本の案内バー46が取付けてあ
る。案内バー46は、センサ保持部材48、49の上下
移動の際にそれらを案内する。
【0040】2本のセンサ保持部材49の下端には、そ
れぞれ投光器50aと受光器50bが取り付けてある。 投光器50aと受光器50bは、図示しない光電スイッ
チ、電源およびそれらを接続するリード線51とで位置
センサ50を構成する。投光器50から発せられた光が
物体により遮断され、受光器51の受光する光量が所定
値以下に低下すると、光電スイッチが作動してその位置
を検出する。  位置センサ50から出力される電気信
号は、リード線51を介してロボット制御部11に送ら
れる。この位置センサ50は、プラグ装着部72の中心
位置を検出するためのものである。
【0041】エアシリンダCLの制御は、ロボット制御
部11により、管52を通じて圧縮空気を給排して行な
う。
【0042】支持プレート37の側面には、センサ保持
部材53を介して変位センサ54が取り付けてある(図
3参照)。変位センサ54は、下端に設けた投光部から
レーザ光を下方に向けて照射し、物体から反射してくる
レーザ光を投光部に隣接して設けた受光部で受光するこ
とにより、その物体の変位(傾斜)を検出する。変位セ
ンサ54から出力される電気信号は、リード線55を介
してロボット制御部11に送られる。この変位センサ5
0は、プラグPまたはプラグ装着部72の傾斜の向きと
角度を検出するためのものである。
【0043】エアドライバDRは、図4に示す制御回路
により、管56を通じて供給される圧縮空気により制御
される。すなわち、ロボット10の制御部11に設けた
エアドライバ制御装置12は、エアドライバDRの回転
軸41さらには伝達軸42を正転させる電磁バルブMV
1、あるいは回転軸41(伝達軸42)を逆転させる電
磁バルブMV2に制御信号を送る。電磁バルブMV1、
MV2は、この制御信号に応答して流路を開閉し、空気
源SからエアドライバDRに圧縮空気を供給する。
【0044】エアドライバDRには、回転軸41に作用
するトルクと回転数(回転角)を検知するセンサが設け
てあり、作動中、トルク信号と回転数信号をエアドライ
バ制御装置12に送る。また、トルクに異常が生じると
、トルク異常信号を送る。
【0045】トルク信号と回転数信号により、ロボット
10は、プラグPの締付けトルクと回転数を常に監視す
る。また、トルク異常信号が発せられると、直ちに作動
を停止する。
【0046】(基準プレートの構成)図5は、基準面を
形成するための基準プレートの一実施例の断面図である
。再生ドラム缶は、天板71が不規則に変形しているこ
とが多いため、天板71を基準面に利用するのは適当で
ない。また、プラグPやプラグ装着部72は小さいため
、これらの一面を基準面とするのも困難である。そこで
、別個に基準プレート60を作製し、作業時に基準プレ
ート60をプラグPあるいはプラグ装着部72上に載置
するようにしたものである。
【0047】基準プレート60は、平坦な円板状の本体
部61と、本体部61の下位に配置した円柱状の載置部
62と、本体部61の上位に配置したプラグPとほぼ同
じ形状を持つ把持部63から構成してある。本体部61
、載置部62および把持部63は、互いに重ね合わせら
れ、それらの中心に挿通したボルト64にワッシャ66
を介してナット65を螺合することにより、一体化され
ている。
【0048】本体部61の上側が、基準面61aとされ
、載置部62の下側は、プラグPまたはプラグ装着部7
2に接触する載置面62aとされている。基準面61a
と載置面62aは、互いに平行である。
【0049】本体部61の直径は、プラグPの直径より
も数倍大きくされ、ハンド30の変位センサ54からレ
ーザ光が照射される際に、ハンド30の停止位置にずれ
があってもレーザ光を確実に受けるようにしている。
【0050】また、載置部62の直径は、本体部61の
直径よりは小さいが、プラグPの直径よりは大きくして
ある。このため、プラグPあるいはプラグ装着部72上
に載置される際に位置ずれがあっても、基準プレート6
0は確実に載置されることができる。
【0051】なお、対象物に基準面として適当な面があ
る場合には、基準プレート60を使用せずに、その面を
利用することも可能である。
【0052】(ロボットの動作)次に、以上の構成とし
たプラグ脱着ロボット10の動作について説明する。図
6は、ドラム缶70のプラグ装着部72に取付けられた
プラグPを取外す場合の手順を示すフローチャートであ
る。
【0053】ドラム缶70は、天板71を上に向けて図
示しないコンベアにより順に搬送され、プラグ脱着ロボ
ット10の作動範囲内の所定位置で停止する。このとき
充填孔Hが所定範囲内に位置するように、ドラム缶70
をその中心軸の周りに適宜回動させ、その向きを調整す
る。
【0054】基準プレート60は、把持部63を上方に
向けて図示しないプレート台に載置してある。
【0055】プラグ脱着ロボット10は、まず、ハンド
30を待機位置からプレート台まで移動し、把持爪44
により基準プレート60の把持部63を把持する。次に
、ハンド30をドラム缶70の上方まで移動し、基準プ
レート60をプラグ装着部72に取付けられたプラグP
上に載置する。こうして、プラグPに基準面61aが形
成される(ステップS1)。
【0056】基準プレート60を載置した後、ハンド3
0は基準プレート60の上方の所定位置で待機する。
【0057】可動プレート40は、支持プレート37に
対して変位可能としてあるため、把持爪44で基準プレ
ート60やプラグPを把持する際に、把持器GRの中心
と基準プレート60あるいはプラグPの中心がずれてい
ても、可動プレート40が変位してそのズレを吸収し、
それらの把持を適切に行なうことができる。また、支持
プレート37が、案内バー33に沿って変位可能である
ため、案内バー33に沿う方向に位置ずれがあっても、
把持爪44などが破損する恐れがない。
【0058】プラグ脱着ロボット10は、次に、以下の
ようにして、基準面61aを検出してその上の3点の高
さを算出する(ステップS2)。まず、ハンド30を移
動してそれに取り付けた変位センサ54を基準プレート
60の真上の所定位置に静止させる。次に、図8(b)
に示すように、変位センサ54から真下に向けてレーザ
光を投光し、基準面61a上の点Oに照射する。次に、
ハンド30を水平方向に移動させ、図8(a)に示す基
準面61a上の点Xに同様にしてレーザ光を照射する。 さらに、ハンド30を水平方向に移動させ、図8(a)
に示す基準面61a上の点Yにレーザ光を照射する。な
お、投光時に静止する変位センサ54の位置(それぞれ
点O、X、Yの真上にある)は、ロボット10に予め教
示しておく。
【0059】図8(b)に示すように、基準面61aが
傾斜している場合、反射光は照射光からずれる。変位セ
ンサ54は、この反射光の変位を検出し、基準面61a
が傾斜していることを認識する。基準面61aが傾斜し
ていない場合は、反射光は照射光と重なるため、変位セ
ンサ54は、基準面61aが傾斜していないことを認識
する。
【0060】ハンド30の上記移動により、変位センサ
54は、基準面61a上の点O、X、Yにおける反射光
の変位量を検出する。点O、X、Yにレーザ光を投光す
る時の変位センサ54の高さは同じであり、また点O、
X、Yにおける反射光の反射角は同じであるが、点O、
X、Yの高さが異なるため、各点で変位センサ54が検
出する変位量は異なる。そこで、得られた3点での変位
量データを使用して、3点O、X、Yの相対高さ(高さ
の差)を算出する。
【0061】なお、3点O、X、Yにおける相対高さの
代わりに、3点O、X、Yにおけるセンサとの相対距離
を検出するようにしてもよい。
【0062】次のステップでは、得られた3点O、X、
Yでの相対高さから、以下のようにして、基準面61a
の傾斜方向すなわち傾斜の向きと傾斜角を算出する(ス
テップS3)。まず、得られた相対高さから、3点O、
X、Yを通過する平面を算出する。算出された平面は基
準面61aと平行であり、同じ傾斜角を持つ。そこで、
算出された平面の傾斜の向きと傾斜角を算出すれば、そ
れらは、基準面61aの傾斜の向きと傾斜角に一致する
【0063】以上のステップが完了すると、基準プレー
ト60は不要となる。そこで、ハンド30を下降して把
持爪44によりプラグP上の基準プレート60を把持し
、プレート台に戻す(ステップS4)。
【0064】基準プレート60をプレート台に戻した後
、ハンド30は再びドラム缶70の方向に移動し、プラ
グ装着部72の上方の所定位置に停止する。
【0065】次のステップS5では、次のようにして、
プラグ装着部72の位置を2点で検出する。まず、ハン
ド30に取付けたエアシリンダCLを作動して位置セン
サ50を下降させ(図3参照)、プラグ装着部72の近
傍に設定した基準位置に位置させる。この基準位置は、
位置センサ50をそこから水平方向に移動させると、投
光器50aと受光器50bを結ぶ直線がプラグ装着部7
2と交差する高さに設定してある(図9(b)参照)。
【0066】次に、図9(a)に示すように、上記基準
位置から水平に矢印aの方向にハンド30を移動させる
。そして、移動中に受光器50bの受光量が大きく低下
する位置を検出する。こうして、プラグ装着部72の端
縁の位置Aを検出する。
【0067】次に、移動方向を変え、上記基準位置から
水平に矢印bの方向(矢印aの方向に直交する)にハン
ド30を移動させ、プラグ装着部72の端縁の位置Bを
検知する。
【0068】こうして、プラグ装着部72の端縁の基準
位置に対する相対位置を2点A、Bで検出すると、これ
らの位置データと、ステップS3で算出した基準面61
aの傾斜方向データを利用して、プラグ装着部72に取
付けられたプラグPの中心位置と嵌挿方向を算出する(
ステップS6)。
【0069】プラグPの中心位置は、プラグ装着部72
の2点A、Bにおける相対位置データから算出する。す
なわち、これらの相対位置データから、プラグ装着部7
2の端縁の2点A、Bにおける位置座標を算出し、算出
した位置座標と、予め記憶されているプラグ装着部72
の直径データを用いて、水平面内の一つの円を特定する
。この円は、プラグ装着部72の水平断面の輪郭を表わ
す円である。従って、その円の中心の座標を算出すれば
、それがプラグ装着部72の上記水平面内における中心
の座標となる。
【0070】充填孔Hは、プラグ装着部72とほぼ同心
に形成されているので、プラグPの中心位置はプラグ装
着部72の中心位置とほぼ一致する。そこで、上記円の
中心座標を、プラグ装着部72内にあるプラグPの上記
水平面内における中心位置座標とすればよい。
【0071】プラグPの嵌挿方向は、基準面61aとプ
ラグPの間の位置関係と、基準面61aの傾斜方向デー
タから算出する。すなわち、基準面61aはプラグPの
上面と平行であり、またプラグPの嵌挿方向(ねじ込み
方向)はその上面に対してほぼ直角をなす。そこで、基
準面61aに直交する方向をプラグPの嵌挿方向とする
【0072】次のステップS7では、まず、得られたプ
ラグPの嵌挿方向に合わせてハンド30の姿勢を制御し
、エアドライバDRの回転軸41をプラグPの嵌挿方向
に一致させる。そして、得られたプラグPの中心位置に
向かって移動して係合部材43をプラグPの凹部Paに
係合させ、回転軸41を回転させてプラグPの噛合を解
除する。その間、把持器GRの把持爪44は、邪魔にな
らないように外側に開いた状態に保たれる。そこで、把
持爪44を閉じてプラグPを把持した後、持ち上げてプ
ラグPをプラグ装着部72から取外す。
【0073】エアドライバDRは、その回転軸41が、
係合部材43をプラグPに係合させる直前に緩め方向に
回転を始めるように制御される。こうすることにより、
係合部材43を、プラグPの係止用突起Pbに適切に係
止させることができる。そして、係合部材43が係止用
突起Pbに係止すると、回転はいったん停止され、その
後、プラグPの噛合を解除するために再び緩め方向に回
転される。
【0074】エアドライバDRが作動している間に、エ
アドライバDRに設けたセンサが回転トルクの異常を検
知すると、直ちにエアドライバDRの作動を停止すると
共に、ハンド30を待機位置に移動して装缶作業を中止
する。
【0075】次のステップS8では、変位センサ54に
より、プラグ装着部72からプラグPが取外されている
か否かを確認する。取外されていないと判断した場合は
、ステップS7に戻り、もう一度プラグPの取外し作業
を行なう。取外されていると判断した場合は、次のステ
ップS9に進む。
【0076】ステップS8の検査は、図10に示すよう
に、変位センサ54を充填孔Hの上方の所定位置(充填
孔Hの中心の上方が好ましい)に停止させ、そこで下方
に向けてレーザ光を照射して行なう。プラグ装着部72
にプラグPが残っていると、レーザ光はプラグPの上面
により反射されるため、変位センサ54は、ステップS
2で基準面61a上の点O、X、Yの高さを検出した時
とほぼ同じ変位量を検出する(図10(b)参照)。し
かし、プラグPが残っていないと、レーザ光を受光でき
ないか、受光しても変位量が異なる(図10(a)参照
)。そこで、受光の有無および変位量の違いによって、
プラグPの有無を検査する。
【0077】なお、把持爪44がプラグPを適切に把持
したか否かを、把持爪44に取付けた近接スイッチによ
り検知できるので、変位センサ54によるプラグPの有
無の検査と相まって、プラグ取外し作業の信頼性が高く
なる。
【0078】ステップS9では、ハンド30が、プラグ
装着部72から取外したプラグPをプラグ台まで移動し
てその上に載置する。ステップS10では、プラグPを
プラグ台に載置したハンド30が、待機位置に移動し、
次のプラグ取付け作業を待つ。以上のステップS1〜S
10を経て、プラグ取外し作業は完了する。
【0079】そこで、収容物のドラム缶70への充填作
業が行なわれる。充填が完了すると、図7に示す手順で
プラグPの取付けを行なう。
【0080】ステップS21では、待機位置にあるハン
ド30が、プレート台上の基準プレート60を取りに行
き、充填完了したドラム缶70のプラグ装着部72の上
面に載置する。これで、プラグ装着部72に基準面61
aが形成される。
【0081】ステップS22では、変位センサ54によ
り、ステップS2と同様にして基準面61a上の3点O
、X、Yの高さを算出する。
【0082】ステップS23では、得られた基準面61
a上の3点O、X、Yの位置データから、ステップS3
と同様にして基準面61aの傾斜方向を算出する。
【0083】ステップS24では、ステップS4と同様
にして、プラグ装着部72上の基準プレート60をプレ
ート台に戻す。その後、ハンド30はドラム缶70の上
方の所定位置に停止する。
【0084】ステップS25では、ステップS5と同様
にして、位置センサ50を用いてプラグ装着部72の位
置を2点A、Bで検出する。
【0085】ステップS26では、得られたプラグ装着
部72の位置データに基づいて、ステップS6と同様に
して、充填孔Hの中心位置と嵌挿方向を算出する。すな
わち、基準面61aはプラグ装着部72の上面と平行で
あり、またプラグ装着部72の嵌挿方向はその上面に対
してほぼ直角をなすので、基準面61aに直交する方向
を充填孔Hの嵌挿方向とする。充填孔Hの中心位置は、
プラグ装着部72の相対位置データから算出した2点の
位置座標と、プラグ装着部72の直径データを用いて、
水平面内で一つの円を特定し、その円の中心の座標をプ
ラグ装着部72の中心の座標とする。
【0086】以上のステップS21〜S26は、ドラム
缶70に収容物を充填すると、収容物の重量等により、
充填孔Hの中心位置や嵌挿方向が充填前に比べてずれる
恐れがあることを考慮し、再確認する意味で行なうもの
である。従って、その恐れがほとんどない場合には、ス
テップS21〜S26を省略し、次のステップS27か
ら開始してよい。
【0087】ステップS27では、ドラム缶70の上方
に位置していたハンド30が、プラグ台まで移動し、そ
こに載置していたプラグPを把持爪44で把持する。
【0088】ステップS28では、ステップS7と同様
に、回転軸41が算出した嵌挿方向に沿うと共に回転軸
41の先端が算出した中心位置に向かうようにハンド3
0の姿勢を制御し、把持したプラグPを充填孔Hに向か
って移動させる。そして、プラグPをプラグ装着部72
の上面に着座させた後、把持爪44を開放する。そこで
、係合部材43をプラグPの凹部Paに係合させると共
に、エアドライバDRを作動させ、プラグ装着部72に
プラグPを噛合させると共に所定のトルクで締付ける。
【0089】このときのエアドライバDRの動作は、図
12に示す通りである。すなわち、プラグPがプラグ装
着部72の上面に着座すると、最初の「噛合調整モード
」では、エアドライバDRの回転軸41を緩め方向に回
転させる(時刻t0〜t1)。これは、次の「仮締めモ
ード」において、プラグPの雄ネジとプラグ装着部72
の雌ネジの噛合を適切且つ確実に行なうために行なうも
のである。それは、プラグPは、通常のボルトに比べる
と大口径(例えば約60mm)であり、しかもプラグP
の雄ネジとプラグ装着部72の雌ネジがいずれも平行ネ
ジであるため、プラグPをプラグ装着部72に着座させ
てから直ちに締付け方向に回転させると、回転軸41(
伝達軸42)の方向とプラグPの嵌挿方向が合致してい
ても、プラグPの雄ネジとプラグ装着部72の雌ネジが
うまく噛合しない恐れが大きいからである。回転軸41
は、所定時間回転するといったん停止させる。この回転
時間の制御は、ロボット制御部11に設けたタイマで行
なう。
【0090】次の「仮締めモード」では、回転方向を反
転させ、回転軸41を締付け方向に回転させてプラグP
の噛合と締付けを行なう(時刻t2〜t3)。その回転
は、締付けトルクが所定の仮締めトルク値になるまで行
なう。こうしてプラグPの仮締めを行なった後、回転軸
41をいったん停止させる。
【0091】次の「本締めモード」では、再び、回転軸
41を締付け方向に回転させてプラグPの本締めを行な
う(時刻t4〜t5)。その回転は、締付けトルクが所
定の本締めトルク値(仮締めトルク値より高い)になる
まで行なわれる。本締め終了後、回転軸41をいったん
停止させる。
【0092】最後の「増締めモード」では、回転軸41
をさらに締付け方向に回転させてプラグPの増締めを行
なう(時刻t6〜t7)。その回転は、締付けトルクが
所定の増締めトルク値になるまで行なわれる。こうして
、プラグPを仮締め、本締め、増締めの3段階を経て締
付け、プラグPの取付けを終了する。
【0093】このように、プラグPの締付けを設定トル
ク値の異なる3モードで行なうので、プラグPの締付け
が確実に行なわれると共に、締付けトルクもほぼ一定に
保たれる。
【0094】締付けを行なっている間、プラグPの締付
けトルクは、例えば図13に示すように変化する。「仮
締めモード」では、仮締めの当初にネジの噛合により第
1のピーク(a点)が形成され、その最後に締付けによ
り第2のピーク(b点)が形成される。第2のピークは
、予め設定された仮締めトルク値を示す。
【0095】仮締めが終了すると、その締付けトルク値
は少し低下する。そこで、「本締めモード」では、その
最初の締付けトルク値は、第2のピーク(b点)よりも
低い値(点c)にある。本締めにより、締付けトルク値
は急激に上昇し、第3のピーク(点d)を形成する。第
3のピークは、予め設定された本締めトルク値を示す。
【0096】本締めが終了すると、その締付けトルク値
は少し低下する。そこで、「増締めモード」では、その
最初の締付けトルク値は、第3のピーク(d点)よりも
低い値(点e)にある。増締めにより、締付けトルク値
はさらに上昇し、第4のピーク(点f)を形成する。第
4のピークは、予め設定された増締めトルク値を示す。
【0097】このロボット10では、エアドライバDR
に取り付けたセンサにより、仮締め、本締め、増締めの
各モード毎にトルク、回転数、および回転時間を検知し
、検知した値が予め設定した範囲内にあるか否かを監視
している。そして、いずれかのモードで、トルク、回転
数または回転時間のいずれかについて予め設定した範囲
外の値を検知したときは、直ちに作動を停止する。従っ
て、すべてのドラム缶70について締付けトルク、回転
数等の管理を行なうことができるので、プラグPの締付
け不良に起因するドラム缶70の損傷や収容物の品質低
下等を確実に防止することができ、プラグ締付け作業の
信頼性が非常に高くなる。
【0098】ステップS29では、ステップS8(図1
0参照)と同様にして、プラグPがプラグ装着部72に
取付けられているか否かを検査する。プラグPがないと
判断した場合は、ハンド30が予備プラグを取りに行き
、それを把持する(ステップS30)。そして、ステッ
プS28に飛び、プラグ取付け作業をやり直す。プラグ
Pがあると判断した場合は、ステップS31に進む。
【0099】ステップS31では、位置センサ50によ
り、プラグPの締付け状況が良好か否かを判断する。締
付け状況が良好でないと判断されると、ハンド30が移
動して係合部材43を再びプラグPの凹部Paに係合さ
せ、エアドライバDRを逆転させてプラグPを取り外す
(ステップS32)。次に、取り外したプラグPを把持
爪44により把持してプラグ台まで移動し、その上に載
置する(ステップS33)。そしてステップS21に飛
び、ステップS21〜S28をやり直す。
【0100】締付け状況が良好と判断されると、ステッ
プS34に進み、ハンド30を待機位置へ移動して作業
を終了する。そして、次のドラム缶70に対する作業の
ために待機する。
【0101】ステップS31のプラグ締付け状況の判断
は、図11に示すようにして行なう。まず、ハンド30
をプラグPの上方の所定位置に停止させた後、シリンダ
CLを作動させて位置センサ50を下降させる。その位
置は、投光部50aと受光部50bの間にプラグ装着部
72が位置し、且つ、投光部50aから投光される光線
が、正常にねじ込まれたプラグPの直径に沿ってその上
面近傍を通過するように設定してある。次に、投光部5
0aから受光部50bに向けて投光し、光が遮断される
か否かを検査する。
【0102】プラグPが正常にねじ込まれていれば、図
11(a)(b)のように、光はまったく遮断されない
。しかし、正常にねじ込まれていないときは、図11(
c)(d)(e)のように、光が遮断され、受光量がゼ
ロとなるか減少する。そこで、受光量を検出することに
より、プラグPの締付け状況の良否を判断することがで
きる。図11(c)(e)はプラグPの噛合が適切でな
い場合を、図11(d)は増締めが不良の場合を示す。
【0103】なお、位置センサ50を配置する位置は、
算出したプラグPの嵌挿方向に応じて調整され、投光部
50aから受光部50bに向けて投光される光線が、プ
ラグP上面と平行になるように設定される。従って、プ
ラグPの傾斜角が大きくても、光線はプラグP上面と必
ず平行になるので、判断を誤る恐れはない。
【0104】上記実施例では、ドラム缶のねじ込みプラ
グについて説明したが、この発明はねじ部を持たないプ
ラグにも適用できる。また、この発明は、嵌挿体を所定
方向に移動して嵌合部に取付けあるいは取外す構成を有
するもの、例えばラジエータの給水口部分にねじ込まれ
るキャップや、ボルトやナットの締付け等にも、任意に
適用することができる。
【0105】
【発明の効果】この発明の嵌挿体取外し方法および嵌挿
体取付け方法およびその装置並びに嵌挿体脱着ロボット
は、嵌合部や嵌合部に嵌挿された嵌挿体に位置ずれある
いは嵌挿方向の変化があっても、嵌合部からの嵌挿体の
取外しや嵌合部への嵌挿体の取付けを高い信頼性をもっ
て行なうことができる。従って、作業の無人化を達成す
ることができる。
【0106】また、取付けた嵌挿体の高さを検知してそ
の取付け状況を検査することにより、その信頼性はいっ
そう向上する。
【0107】さらに、嵌挿体を嵌合部に噛合して取付け
る場合には、嵌挿体の締付けを少なくとも3段階に分け
て行なうことにより、所望の締付けトルクを高い信頼性
をもって得ることができる。
【0108】従って、例えば再生ドラム缶のプラグ装着
部のように、位置のずれや姿勢の変動が大きく、且つ、
プラグの中心軸とプラグ装着部の中心軸が合致していな
いと適切な噛合やその解除が期待し難いプラグの取外し
および取付け作業を、無人化することが可能となる。
【0109】また、装缶を終了したドラム缶すべてにつ
いて、プラグの締付トルクが一定の範囲内に保たれるの
で、プラグあるいはプラグ装着部のネジの損傷やOリン
グの損傷が生じる恐れがないと共に、収容物が大気中に
漏れたり収容物中に湿気等が混入してその品質が低下し
たりする恐れがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の嵌挿体脱着ロボットを、ドラム缶の
プラグ脱着ロボットとして構成した一実施例を示す側面
説明図である。
【図2】図1のロボットのハンドの側面図である。
【図3】図2のハンドの正面図である。
【図4】図2のロボットハンドに取付けたエアドライバ
の制御回路図である。
【図5】図1のロボットと共に使用する基準プレートの
一実施例の断面図である。
【図6】ドラム缶のプラグを取外す手順を示すフローチ
ャートである。
【図7】ドラム缶のプラグを取付ける手順を示すフロー
チャートである。
【図8】基準プレート上の3点の位置の検出状況を示す
説明図である。
【図9】ドラム缶のプラグ装着部の位置の検出状況を示
す説明図である。
【図10】プラグ装着部におけるプラグの有無の検査方
法を示す説明図である。
【図11】プラグの締付け状況の検査方法を示す説明図
である。
【図12】プラグ締付け時のエアドライバ制御方法を示
すタイムチャートである。
【図13】プラグ締付け時の締付けトルクの変化を示す
グラフである。
【図14】ドラム缶の充填孔付近の構成を示す部分断面
説明図である。
【符号の説明】
10  プラグ脱着ロボット 11  ロボット制御部 12  エアドライバ制御装置 20  本体部                  
21  ベース22  第1アーム         
     23  第2アーム24  手首部    
              25  ハンド接続部材
30  ハンド                  
31  接続バー32  保持部材         
       33  案内バー34  スライダ  
              35  圧縮バネ36 
 ブラケット              37  支
持プレート40  可動プレート          
  41  回転軸42  伝達軸         
         43  係合部材44  把持爪 
                 46  案内バー
47  シリンダロッド 48、49、53  センサ保持部材 50  位置センサ              50
a  投光器50b  受光器           
     54  変位センサGR  把持器    
              DR  エアドライバC
L  エアシリンダ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  嵌挿体または嵌合部の基準面を検出す
    るステップと、上記基準面の位置および傾斜方向を算出
    するステップと、上記基準面と嵌挿体または嵌合部との
    位置関係を算出するステップと、上記基準面の位置およ
    び傾斜方向並びに上記位置関係に基づいて嵌挿体の位置
    および嵌挿方向を算出するステップと、算出した嵌挿体
    の位置および嵌挿方向に応じて嵌挿体取外し手段を制御
    して嵌挿体を嵌合部から取外すステップとを具備してな
    ることを特徴とする嵌挿体取外し方法。
  2. 【請求項2】  嵌挿体または嵌合部の基準面を検出す
    る手段と、上記基準面の位置および傾斜方向を算出する
    手段と、上記基準面と嵌挿体または嵌合部との位置関係
    を算出する手段と、上記基準面の位置および傾斜方向並
    びに上記位置関係に基づいて嵌挿体の位置および嵌挿方
    向を算出する手段と、嵌挿体を嵌合部から取外す作業を
    行なう嵌挿体取外し手段と、算出した嵌挿体の位置およ
    び嵌挿方向に応じて嵌挿体取外し手段を制御する制御手
    段とを具備してなることを特徴とする嵌挿体取外し装置
  3. 【請求項3】  嵌合部の基準面を検出するステップと
    、上記基準面の位置および傾斜方向を算出するステップ
    と、上記基準面と嵌合部との位置関係を算出するステッ
    プと、上記基準面の位置および傾斜方向並びに上記位置
    関係に基づいて嵌合部の位置および嵌挿方向を算出する
    ステップと、算出した嵌合部の位置および嵌挿方向に応
    じて嵌挿体取付け手段を制御して嵌挿体を嵌合部に取付
    けるステップとを具備してなることを特徴とする嵌挿体
    取付け方法。
  4. 【請求項4】  さらに、取付けた嵌挿体の高さを検知
    してその取付け状況を検査するステップを有している請
    求項3に記載の嵌挿体取付け方法。
  5. 【請求項5】  上記嵌挿体が、上記嵌合部に噛合して
    取付けるように構成してあり、しかも、上記嵌挿体を嵌
    合部に取付けるステップにおいて、嵌合部に噛合された
    嵌挿体の締付けを少なくとも3段階に分けて行なう請求
    項3または4に記載の嵌挿体取付け方法。
  6. 【請求項6】  上記嵌挿体を締付ける際にそのトルク
    を検知し、検知した値を設定値と比較して締付けの良否
    を判定する請求項5に記載の嵌挿体取付け方法。
  7. 【請求項7】  嵌合部の基準面を検出する手段と、上
    記基準面の位置および傾斜方向を算出する手段と、上記
    基準面と嵌合部との位置関係を算出する手段と、上記基
    準面の位置および傾斜方向並びに上記位置関係に基づい
    て嵌合部の位置および嵌挿方向を算出する手段と、嵌挿
    体を嵌合部に取付ける作業を行なう嵌挿体取付け手段と
    、算出した嵌合部の位置および嵌挿方向に応じて嵌挿体
    取付け手段を制御する制御手段とを具備してなることを
    特徴とする嵌挿体取付け装置。
  8. 【請求項8】  さらに、取付けた嵌挿体の高さを検知
    してその取付け状況を検査する手段を有している請求項
    7に記載の嵌挿体取付け装置。
  9. 【請求項9】  上記嵌挿体が、上記嵌合部に噛合して
    取付けるように構成してあり、しかも、上記嵌挿体取付
    け手段が、嵌合部に噛合された嵌挿体の締付けを少なく
    とも3段階に分けて行なうように構成してある請求項7
    または8に記載の嵌挿体取付け装置。
  10. 【請求項10】  さらに、上記嵌挿体を締付ける際に
    そのトルクを検知し、検知した値を設定値と比較して締
    付けの良否を判定する手段を有している請求項9に記載
    の嵌挿体取付け装置。
  11. 【請求項11】  嵌挿体または嵌合部の基準面を検出
    する手段と、上記基準面の位置および傾斜方向を算出す
    る手段と、上記基準面と嵌挿体または嵌合部との位置関
    係を算出する手段と、上記基準面の位置および傾斜方向
    並びに上記位置関係に基づいて嵌挿体または嵌合部の位
    置および嵌挿方向を算出する手段と、嵌挿体を嵌合部か
    ら取外す作業および嵌挿体を嵌合部に取付ける作業を行
    なう嵌挿体取付け・取外し手段と、算出した嵌挿体また
    は嵌合部の位置および嵌挿方向に応じて嵌挿体取付け・
    取外し手段を制御する制御手段とを具備してなることを
    特徴とする嵌挿体脱着ロボット。
  12. 【請求項12】  さらに、取付けた嵌挿体の高さを検
    知してその取付け状況を検査する手段を有している請求
    項11に記載の嵌挿体脱着ロボット。
  13. 【請求項13】  上記嵌挿体が、上記嵌合部に噛合し
    て取付けるように構成してあり、しかも、上記嵌挿体取
    付け・取外し手段が、嵌合部に噛合された嵌挿体の締付
    けを少なくとも3段階に分けて行なうように構成してあ
    る請求項11または12に記載の嵌挿体脱着ロボット。
  14. 【請求項14】  さらに、上記嵌挿体を締付ける際に
    そのトルクを検知し、検知した値を設定値と比較して締
    付けの良否を判定する手段を有している請求項13に記
    載の嵌挿体脱着ロボット。
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