JPH04227267A - 代替液を調製するための方法及び装置 - Google Patents

代替液を調製するための方法及び装置

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JPH04227267A
JPH04227267A JP3103635A JP10363591A JPH04227267A JP H04227267 A JPH04227267 A JP H04227267A JP 3103635 A JP3103635 A JP 3103635A JP 10363591 A JP10363591 A JP 10363591A JP H04227267 A JPH04227267 A JP H04227267A
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liquid
exchanger
flow rate
pump
compartment
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JP3103635A
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Marc Delaunay
マルク・ドローネ
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、代替液を調製するため
の方法及び装置に関する。ここで、「代替液」とは、例
えば、重傷の火傷患者、多量の血液を失った患者、腎機
能の一時的又は恒久的な喪失のために血液濾過又は血液
透析により血液浄化処理を受ける患者等の血管系統へ注
入するための液体のことをいう。血液濾過又は血液透析
処置においては非常に多量の代替液が必要とされる（例
えば４時間の処置時間中３０リットルもの代替液が必要
とされる場合がある）ので、本発明はこの種の処置に特
に適用することができる。
【０００２】
【従来の技術】代替液は、無菌で、かつ、ピロゲンを含
まないものでなければならない。即ち、代替液は、病原
体や、患者に発熱を起こさせる原因と成る物質を含まな
いものでなければならない。更に、代替液は、血液に対
して等張でなければならない、即ち血液と同じ電解質濃
度を有するものでなければならない。代替液中の電解質
の解離によって生じる陽イオンと陰イオンの割合は、患
者の電解質平衡を維持する必要があるのか、あるいは患
者の電解質平衡を再設定しなければならないのか、患者
の要件に応じて調節しなければならない。
【０００３】又、代替液は、少くとも代謝作用において
重要な役割を果たす血液電解質成分、即ち、陽イオンと
陰イオンの形に解離された状態で、陽イオンとしてナト
リウム、カリウム及びマグネシウムを含有し、陰イオン
として塩化物及び重炭酸塩を含有していなければならな
い。重炭酸塩は、緩衝剤の機能を果たすものとして肝要
の物質である。
【０００４】代替液には、上述したように、無菌性、ピ
ロゲンがないこと、血液との等張性、及びその特定の電
解質組成等の特性が必要とされるので、代替液を調製す
るには特別の注意が必要とされ、その調製は簡単ではな
い。
【０００５】病院では、特定の業者によって工業的に調
製された標準組成の代替液を使用するのが一般的である
。しかしながら、そのような代替液は、高価であるとい
う欠点がある。更に、重炭酸塩を含有する代替液の場合
は、保管上の問題があり、その問題は、２つの要因によ
り現在でも完全には解決されていない。その要因の１つ
は、重炭酸塩は、不安定であり、気密状態に密閉されて
いない限り、自然に漸次二酸化炭素に分解してしまうこ
とである。第２の要因は、代替液を包装するのに使用さ
れる袋が一般に透気性であるということである。従って
、正確な重炭酸塩濃度を有する代替液を使用することが
望ましい場合は、包装後非常に短時間のうちに使用しな
ければなら図、使用者にとって大きな制約を課すことに
なる。
【０００６】米国特許第４，７０２，８２９号は、血液
透析処置中に使用するための専用の代替液を調製するた
めの装置を開示している。同特許では、透析液再生器で
生成された透析液に基いて代替液を調製することを提案
している。この装置は、上述した欠点をある程度軽減し
ている。しかしながら、透析液は、一般に標準代替液と
実質的に同じ組成を有しているが、無菌ではなく、ピロ
ゲンも含まれていないわけではない。この装置には、透
析液回路から分岐させた分岐導管が設けられ、その分岐
導管に循環ポンプを挟んで２つの除菌濾過器が設けられ
ている。この装置は、特殊な要件に適応するのに不適当
であるばかりでなく、定期的に交換しなければならない
高価な濾過器を使用するという固有の欠点があり、それ
らの濾過器の詰まりを常時監視していなければならない
。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
した従来技術の欠点を解決することである。従って、本
発明の目的は、特定の処置又は治療のための専用ではな
い（汎用性のある）代替液を調製するための簡単で、安
価な方法を提供することである。本発明の他の目的は、
血液透析による治療に特に適するように適合された代替
液調製装置を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、代替液を調製するための方法であって、
少くとも１種類の緩衝剤又は緩衝剤の少くとも１種類の
先駆物質を含む血液電解質成分の少くとも幾種類かの成
分を含有した無菌で、かつ、ピロゲンのない第１液体と
、少くとも１種類の緩衝剤又は緩衝剤の少くとも１種類
の先駆物質を含む血液電解質成分のうちの少くとも幾種
類かの成分を含有しており、交換器の上流においてはそ
の電解質成分のうちの少くとも幾種類かの成分の濃度が
第１液体とは異る第２液体とを交換器内の半透膜のそれ
ぞれ反対側を通して通流させ、交換器の下流側の第１液
体によって前記代替液を調製することを特徴とする方法
を提供する。
【０００９】本発明は、又、代替液を調製するための装
置であって、少くとも１種類の緩衝剤又は緩衝剤の少く
とも１種類の先駆物質を含む血液電解質成分の少くとも
幾種類かの成分を含有した無菌で、かつ、ピロゲンのな
い第１液体の供給源と、少くとも１種類の緩衝剤又は緩
衝剤の少くとも１種類の先駆物質を含む血液電解質成分
のうちの少くとも幾種類かの成分を含有しており、その
電解質成分のうちの少くとも幾種類かの成分の濃度が第
１液体とは異る第２液体の供給源と、半透膜によって分
離された第１画室と第２画室を有する交換器とから成り
、該第１画室は、第１液体の供給源に接続された入口と
、受容体（患者、又は、適宜に必要な処方箋に従って即
席で調合された追加の代替液源）に接続するための出口
を有し、該第２画室は、第２液体の供給源に接続された
入口と、随意選択として透析器に接続するための出口を
有して成る装置を提供する。
【００１０】
【実施例】第１図を参照すると、本発明の一実施例によ
る代替液調製装置が図解的に示されている。この代替液
調製装置は、基本的には、第１液体の供給源７と、第２
液体の供給源１７と、半透膜４によって分離された第１
画室２と第２画室３を有する交換器１とから成る。交換
器１の第１画室２及び第２画室３は、それぞれ第１液体
及び第２液体を搬送するために後述する第１回路及び第
２回路に接続されている。第１液体及び第２液体の特性
については後述する。
【００１１】第１回路は、それを通る液体の流れ方向で
みて交換器１の上流側に位置する上流区間５と、交換器
１の下流側に位置する下流区間６の２つの区間から成る
。第１回路の上流区間５は、第１液体の供給源７と交換
器１の第１画室２の入口９の間に延長し、それらに接続
された導管８を有する。第１回路の導管８には、蠕動ポ
ンプ（第１ポンプ）１０が設けられている。蠕動ポンプ
１０は、第１液体をその供給源７から交換器１に向けて
ポンプ送りし、その流量を調節するためのものである。 代替液は、第１液体を交換器２の半透膜４を通して第２
液体との間でイオン交換させることによって得られる。 このようにして調製された代替液は、下流区間６の導管
１３を通して患者１２に注入される。患者１２に注入さ
れる代替液の流量を正確に測定するための流量計１１が
設けられている。
【００１２】本発明の装置の簡略化された変型例では、
第１回路にポンプ１０を設けず、流量計１１も設けず、
第１液体の供給源７を患者１２より高い位置に配置して
第１液体を重力によって送るようにすることができる。 その場合、導管８に第１液体の流量を調節するための弁
を設ける。
【００１３】第１回路の下流区間６は、一端を交換器の
第１画室２の出口１４に接続し、他端に患者１２の静脈
に挿入するためのカニューレを備えた導管１３によって
構成する。導管１３の他端は、患者の状態に応じて適宜
に必要な処方箋に従って即席で調合された追加の代替液
源に接続し、その追加の代替液源と合わせて交換器から
の代替液を患者に注入するようにすることもできる。従
って、導管１３の他端を接続すべき患者又は追加の代替
液源を総称して、ここでは受容体と称することとする。 又、導管１３には、脱気チャンバー２８を設けることが
できる。安全対策として、脱気チャンバー２８の上流に
おいて導管１３にバクテリア濾過器１５を配設すること
ができる。
【００１４】患者１２に注入する代替液の流量が約１リ
ットル／時より高い場合、代替液の温度を人間の体温に
近い温度にまで加熱するための加熱手段２３を第１回路
の下流区間６に設ける。（１リットル／時より低い流量
の場合は、代替液を周囲温度のままで患者に注入しもよ
い。）
【００１５】第２回路も、それを通る液体の流れ方向で
みて交換器１の上流側に位置する上流区間１６と、交換
器１の下流側に位置する下流区間２７の２つの区間から
成る。第２回路の上流区間１６は、第２液体の供給源１
７と交換器１の第２画室３の入口１９の間に延長し、そ
れらに接続された導管１８を有する。第２回路の導管１
８には、蠕動ポンプ（第２ポンプ）２０が設けられてい
る。蠕動ポンプ２０は、第２液体をその供給源１７から
交換器１に向けてポンプ送りし、その流量を調節するた
めのものである。
【００１６】本発明の装置の簡略化された変型例では、
第２回路の上流区間１６にポンプ２０を設けず、第２液
体の供給源１７を患者１２より高い位置に配置して第２
液体を重力によって送るようにすることができる。その
場合、導管１８に第２液体の流量を調節するための弁を
設ける。
【００１７】本発明の装置の変型例では、加熱手段２３
を第１回路の下流区間６に設けず、第２回路の上流区間
１６に設ける。その場合、第１液体は、交換器１内で第
２液体によって加熱される。
【００１８】第２回路の下流区間２７は、一端を交換器
の第２画室２の出口２２に接続し、他端を廃液ドレン回
路に臨ませた導管２１によって構成する。
【００１９】第１図にみられるように、第１及び２回路
の上流区間５、１６及び下流区間６、２７は、第１液体
と第２液体とが同じ方向に並流関係をなして流れるよう
に交換器１に接続されている。この構成は、後述するよ
うに両液体間でイオン交換させるための配置としては最
善ではないが、半透膜４の両側の液体の圧力勾配が同じ
方向の傾きを有するという利点があり、従って、たとえ
交換器の半透膜４が透過性の高い膜であっても、第２液
体が限外濾過現象により第１回路の第１液体側へ浸透す
る危険性が小さい。
【００２０】無菌で、かつ、ピロゲンのない第１液体が
いかなる場合にも汚染されないようにすることが条件で
あるから、第１液体が、無菌にする必要もなく、ピロゲ
ンを除去する必要もない第２液体によって汚染されるこ
とは避けなければならない。第１液体が汚染される危険
性を排除するために、交換器１の第１画室２と第２画室
３との間に第１画室側（即ち、第１液体側）からみて常
に正の膜間圧力差を維持するように交換器１の上流の第
１回路の上流区間６に水頭圧損失調整器２９を設ける。 水頭圧損失調整器２９は、調節自在とし、膜間圧力差を
実質的に一定に維持するように制御器２５によって制御
する構成とすることができる。その制御は、交換器１内
の第１回路（第１画室）と第２回路（第２画室）内に存
在する圧力の関数として実施することができる。
【００２１】制御器２５は、又、第１液体のポンプ１０
を医師が決めた代替液流量ＱＬと、流量計１１から送ら
れる第１液体の流量測定値の関数として制御する働きも
し、それによって、交換器１内でどのような限外濾過が
行われようともそれにかかわりなく（交換器１内での限
外濾過の態様は半透膜４の特性に依存する）、患者１２
に実際に注入される代替液の流量がＱＬに実質的に等し
くなることを保証する。制御器２５は、又、加熱器２３
の加熱量を代替液の流量の関数として調節する働きもす
る。交換器１を通る２種類の液体の流量比率、及び交換
器１の特性（半透膜４の特性と面積）によって規定され
るある種の使用条件下においては、例えば後述するよう
に交換器内でのイオン交換を正確に制御しなければなら
ない場合のように、制御器２５により第２液体のポンプ
２０の流量を第１液体のポンプ１０の流量の関数として
調節することが有利な場合もある。
【００２２】上述した本発明の装置の作動は、それぞれ
異る濃度の電解質成分を含有した２種類の液体を半透膜
を介して接触させると、両液体の間で半透膜（以下、単
に「膜」とも称する）を通してイオン交換が行われると
いう原理に基づいている。各種のイオンは、イオン濃度
の高い側の液体から拡散作用により膜を通してイオン濃
度の低い側の液体へ移行する。イオンの移行は、膜の両
側の液体のイオン濃度が均衡するまで続く。
【００２３】交換器１内でのイオン移行速度が常時一定
であれば、常に所定の電解質成分濃度を有する代替液が
調製される。この交換器１内でのイオン移行速度は、交
換器１を通る第１液体及び第２液体のそれぞれの流量、
及び、交換器１の特性（半透膜４の特性と面積）に依存
するが、交換器１を通る第１液体と第２液体の流量比率
によっても多少とも影響される。代替液流量ＱＬが通常
規定される範囲であるとした場合、イオン移行速度が第
１液体の流量の変化によって全く、あるいは、ほとんど
影響されないような態様に、可能な範囲で交換器１の特
性及び第２液体の流量を選択するのが有利である。それ
ができない場合は、交換器１を通る第１液体と第２液体
の流量比率が実質的に一定に維持されるように第２液体
のポンプ２０を第１液体のポンプ１０にサーボ式に連動
させて制御する。
【００２４】本発明によれば、第１液体は、好ましくは
簡単な電解質組成を含有した無菌で、かつ、ピロゲンの
ない溶液とする。第２液体は、無菌である必要もなく、
ピロゲンを除去する必要もない。第２液体の電解質組成
は、第１液体を交換器１内で第２液体との間でのイオン
交換によりイオン富化させることによって得られた液体
（即ち代替液）の電解質組成、イオン濃度、及び温度が
患者１２に適したものとなるように、第１液体の電解質
組成と、第１回路及び第２回路を通る第１液体及び第２
液体のそれぞれの流量と、患者１２の特定の要件の関数
として規定する。代替液の温度は、それ自体を加熱器２
３によって加熱することにより、あるいは、交換器１内
での第２液体との熱交換によって高めることができる。 原則的に、第１液体としては、市場で簡単に入手するこ
とができる標準組成の液体を使用する。第２液体は、そ
の調製に特別の注意を払う必要がなく、病院内の通常の
薬局の能力の範囲内で調製することができるので、濃縮
食塩水又は固形の塩を蒸留水で稀釈することによって調
製するのが便利である。
【００２５】以下に、本発明の具体例として、それぞれ
異る３つの液体組合せ（第１液体と第２液体との組合せ
）を上記本発明の装置に用いた場合について説明する。
【００２６】具体例１ 第１液体は、血液の塩化ナトリウムの濃度に実質的に等
しい濃度の塩化ナトリウム溶液とする。第２液体は、陽
イオンと陰イオンとして解離された、血液の主要な電解
質成分、即ち、陽イオンとしてナトリウム、カリウム、
カルシュウム及びマグネシウムを含有し、陰イオンとし
て塩化物及び重炭酸塩を含有したものとする。重炭酸塩
は、特に緩衝剤として機能する。（ここでは、「重炭酸
塩」という用語は、本発明に適用することができるあら
ゆる重炭酸塩を包括的に意味するものとして使用されて
いる。）第２液体には、この特定の緩衝剤（重炭酸塩）
に代えて、例えば酢酸塩、又は酢酸塩と乳酸塩のような
緩衝剤の先駆物質を含有させてもよい。そのような緩衝
剤の先駆物質は、人間の身体の中で重炭酸塩に変換され
る。第２液体が重炭酸塩を含有したものである場合は、
カルシュウム及びマグネシウムイオンが重炭酸塩イオン
を析出させるのを防止するために第２液体に十分な量の
酢酸を添加する。第１液体と第２液体の間で膜４を通し
てナトリウムイオン及び塩素イオンの拡散が実質的に生
じないように、第２液体中のナトリウムイオン及び塩素
イオンの濃度は、第１液体中のそれと同等にしておく。 上記の２種類の液体を交換器１を通して通流させると、
第２液体から第１液体へイオンの拡散浸透が起こる。
【００２７】具体例２ 第１液体は、ナトリウム、カルシュウム及びマグネシウ
ムの塩化物の溶液とする。第２液体は、緩衝剤としての
重炭酸を含む、血液の主要な電解質成分を含有したもの
とするが、カルシュウムイオン及びマグネシウムイオン
を含有しないものとし、それによって、カルシュウムイ
オン及びマグネシウムイオンの存在による重炭酸塩イオ
ンの望ましくない析出を回避する。このように第２液体
のカルシュウムイオン及びマグネシウムイオンの濃度は
ゼロであるから、カルシュウムイオン及びマグネシウム
イオンは、交換器の膜を通って第１液体から第２液体へ
拡散浸透する。従って、得られる代替液中のカルシュウ
ムイオン及びマグネシウムイオンの濃度を所望のレベル
とするためには、交換器内の拡散による損失分を考慮し
て代替液中のカルシュウムイオン及びマグネシウムイオ
ンの所望の最終濃度より高い濃度の第１液体のカルシュ
ウムイオン及びマグネシウムイオンを含有した第１液体
を選択しなければならない。
【００２８】具体例３ 第１液体は、重炭酸ナトリウムの溶液とする。第２液体
は、重炭酸塩以外の、血液の主要な電解質成分を含有し
たものとする。具体例２の場合と同様に、第２液体のカ
ルシュウムイオン及びマグネシウムイオンの濃度はゼロ
であるから、カルシュウムイオン及びマグネシウムイオ
ンは、交換器の膜を通って第１液体から第２液体へ拡散
浸透する。従って、得られる代替液中のカルシュウムイ
オン及びマグネシウムイオンの濃度を所望のレベルとす
るためには、交換器内の拡散による損失分を考慮して代
替液中のカルシュウムイオン及びマグネシウムイオンの
所望の最終濃度より高い濃度の第１液体のカルシュウム
イオン及びマグネシウムイオンを含有した第１液体を選
択しなければならない。
【００２９】代替液を調製するための第１図に示された
本発明の装置の作動は、以下の通りである。第１液体及
び第２液体をそれぞれ選択し、調製したならば、それら
の供給源７、１７及び交換器１を支持体（図示せず）上
に設置する。第１回路及び第２回路の上流区間５、１６
及び下流区間６、２７を交換器１の第１及び第２画室２
、３の入口及び出口と、供給源７、１７に接続する。 その際、第１回路の導管８を第１液体の供給源７に接続
する前に、第１回路及びそれを接続する交換器の第１画
室２を無菌の、ピロゲンのない液体で洗浄し、第１回路
及び第１画室２に洗浄に使用したのと同じ液体をプライ
ミング液（「呼び水」）として満たす。この洗浄及びプ
ライミング液体として、第１液体を使用するのが有利で
ある。
【００３０】代替液の所望の流量値ＱＬを制御器２５に
入力すると、制御器は、ポンプ１０の流量が実質的にＱ
Ｌに等しくなるようにポンプ１０を制御する。ポンプ２
０をポンプ１０にサーボ式に連動させて制御する場合は
、制御器２５は、交換器１内での第１液体と第２液体の
間のイオン移行速度が実質的に一定に維持されるように
ポンプ２０をも制御する。第１回路及び第１画室２に（
プライミング液として）最初に満たされた液体が供給源
７からの第１液体によって完全にパージ（放逐）され、
第２液体が第１回路及び第２画室３を満たして導管２１
から流出し始めた後、第１回路の導管１３の先端に連結
されたカニューレを通して流出する液体が所望の代替液
である。この時点で、カニューレを患者１２の静脈に挿
入し代替液の注入を開始することができる。制御器２５
は、流量計１１によって検出された流量値を代替液の所
望の流量値ＱＬと比較し、代替液の実際の流量が所望流
量値ＱＬに等しくなるようにポンプ１０の回転速度を調
節する。制御器２５は、又、加熱器２３の作動を制御し
、加熱器の放出熱量をＱＬの関数として調節する。
【００３１】第２図は、特に血液透析に適用するように
した本発明の別の実施例による代替液調製装置を示す。 第２図では、第１図の装置の各構成部品と同様な部品は
、同じ参照符号によって示されている。この代替液調製
装置は、第２回路の下流区間２７の導管２１の先端を廃
液ドレン回路に臨ませずに、透析器３２の第１画室３１
の入口３０に接続し、透析器３２の第１画室３１の出口
３３を透析液循環ポンプ３４を含む慣用の透析液回路（
一部分だけが示されている）に接続する。かくして、血
液透析装置として構成された第２図の代替液調製装置に
おいては、第２液体供給源１７からの液体は、交換器１
に通された後、透析液として使用される。
【００３２】第１画室３１から半透膜３６によって分離
された透析器３２の第２画室３５は、血液循環ポンプ３
９を有する動脈側導管３８に接続された入口３７と、脱
気チャンバー２８に開口する静脈側導管４１に接続され
た出口４０を有している。
【００３３】第２図に示された第２実施例による代替液
調製装置においては、第２回路に第２液体のためのポン
プを設けず、第２液体は透析器３２の下流に配置したポ
ンプ３４によって通流させる。ポンプ１０と３４とは、
互いに独立して作動する。この装置の有利な特徴の１つ
は、透析液及び代替液の流量が一般に用いられる範囲で
あり、透析液の流量を一定のレベルとした場合、代替液
の流量に比較的大きい範囲に亙っての変動があったとし
ても、交換器１の膜を通してのイオン移行速度に影響を
及ぼさないことである。
【００３４】換言すれば、交換器１の上流において、即
ち交換器に通す前の段階においてそれぞれ所定の組成を
有する第１液体と第２液体を使用し、透析液の流量を一
定とした場合、交換器の下流における、即ち交換器に通
された後のそれぞれの液体（透析液と代替液）の組成は
、相当に広い流量範囲内でどのような代替液の流量を選
択したとしても、それによってほとんど変化することが
ない。例えば、「キュプロファン」という商標名で販売
されている面積約０．５ｍ２　の周知の半透膜を装着し
た交換器を用いて、透析液の流量を約５００ｍｌ／分と
して作動させた場合、代替液の流量を約０〜５０ｍｌ／
分の範囲内とする限り、交換器１内において両液の間に
実質的に１００％の平衡が生じる。
【００３５】第２図の装置は、又、第１回路及び第２回
路の上流区間５、１６及び下流区間６、２７に接続する
交換器１の第１画室２の入口及び出口と、第２画室３の
入口及び出口を互いに反対側にし、交換器１の第１画室
２を通る液体の流れと、第２画室３を通る液体の流れを
向流関係にし、それによって膜４と通してのイオン交換
操作を高めるようにした点でも、第１図の装置と異る。 この向流構成は、第１図の並流構成に比べて、理論的に
は逆濾過の危険性を大きくするが、他の条件が第１図の
構成の場合と同じであれば、実際に逆濾過が起こる危険
性は低い。なぜなら、第１に、第２図の装置の血液透析
回路（２１、３１、３８、３９、３５、４１）において
は透析器３２の血液のための画室３５と透析液のための
画室３１との間に血液側からみて正の膜間圧力差が存在
するように血液回路（導管４１を含む回路）の圧力と透
析液回路の圧力が調節されるからであり、第２に、第２
図の装置においては血液回路の圧力と代替液回路（第１
回路）の圧力とが実質的に等しくなるように設定される
からである。血液回路は、脱気チャンバー２８に連通し
ているので、装置の作動中、交換器１の第１液体（代替
液）のための画室２と透析液のための画室３との間には
、第１液体側からみて正の膜間圧力差が存在する。
【００３６】この第２図の実施例の装置にいおいて代替
液を調製するのに使用される第１液体及び第２液体の組
成は、先に説明したものとなんら変らない。ただし、そ
れぞれの液体の電解質成分の濃度は、交換器１の第２画
室３から流出して着たときの第２液体が透析液としての
特性を有するように調節される。交換器１におけるイオ
ン交換速度の関数として所定の組成及び電解質濃度の代
替液及び透析液を得るための電解質成分の濃度調節は、
半透膜を通しての周知のイオン交換法則を適用すること
によって達成される。
【００３７】第２実施例の代替液調製装置においては、
加熱器２３を備えた透析液再生器４２内で第２液体を連
続的に調製し、加熱するのが有利である。透析液再生器
４２は、透析器３２及びその関連回路を含めた第２図の
血液透析装置の一部を構成する。加熱器２３は、患者１
２に注入される代替液、及び交換器１の下流の第２液体
が、いずれも約３７℃の温度となるように第２液体を２
７℃より高い温度に加熱し、交換器１内で第２液体を介
して第１液体を加熱し、第１及び第２回路での熱損失を
補償するようにすることができる。
【００３８】第２図の装置の代替液調製部分の作動は、
第１図に示された装置に関連して先に説明したのとほぼ
同じである。第１液体回路を第１液体供給源７に接続し
、かつ、脱気チャンバー２８を介して血液回路（導管３
８、４１及び透析器３２の画室３５）に接続すれば、第
１液体を洗浄液としても、又、第１液体回路及び血液回
路のためのプライミング液として用いることができる。
【００３９】
【発明の効果】本発明の方法によれば、無菌で、かつ、
ピロゲンのない第１液体を第２液体とのイオン交換によ
り所定の電解質成分（イオン）について所定の割合で富
化させることによって代替液を得ることができ、しかも
、その無菌でピロゲンのない第１液体が、無菌にする必
要もなく、ピロゲンを除去する必要もない第２液体によ
って汚染されるおそれもないという大きな利点が得られ
る。しかも、第１液体は、安価で、容易に入手すること
ができる簡単な電解質組成の標準溶液から選択すること
ができる。
【００４０】本発明の随意選択の特徴によれば、第２液
体を交換器１の下流において透析液として使用すること
ができる。この構成は、血液透析治療に特に有利である
。なぜなら、代替液と透析液を、通常の調製手段を用い
て同時に調製することができるからである。
【００４１】本発明の随意選択の特徴によれば、第１液
体の温度が交換器１の下流において人間の体温に近い温
度となるように、交換器の上流で第１及び第２液体のう
ちの一方の液体を加熱することができる。加熱する液体
が第２液体である場合は、主としてイオン交換のために
設けられている交換器１は、熱交換器としても利用され
ることになる。この構成は、第２液体の供給源が透析液
の再生器である場合は特に有利である。なぜなら、透析
液再生器は、通常、液体を加熱するための加熱手段を備
えているからである。
【００４２】以上、本発明を実施例に関連して説明した
が、本発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に
限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸
脱することなく、いろいろな実施形態が可能であり、い
ろいろな変更及び改変を加えることができることを理解
されたい。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１図は、本発明の一実施例による代替液調製
装置の概略図である。
【図２】第２図は、本発明の別の実施例による代替液調
製装置の概略図である。
【符号の説明】
１：交換器 ２、３：画室 ４：半透膜 ５、６：第１回路 ７：第１液体供給源 ９：入口 １０：第１ポンプ １１：流量計 １２：患者（受容体） １４：出口 １５：バクテリア濾過器 １６、２７：第２回路 １７：第２液体供給源 １９：入口 ２０：第２ポンプ ２３：加熱器 ２５：制御器 ３２：透析器 ３４：ポンプ ４２：透析液再生器

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】代替液を調製するための方法であって、少
    くとも１種類の緩衝剤又は緩衝剤の少くとも１種類の先
    駆物質を含む血液電解質成分の少くとも幾種類かの成分
    を含有した無菌で、かつ、ピロゲンのない第１液体と、
    少くとも１種類の緩衝剤又は緩衝剤の少くとも１種類の
    先駆物質を含む血液電解質成分のうちの少くとも幾種類
    かの成分を含有しており、交換器（１）の上流において
    はその電解質成分のうちの少くとも幾種類かの成分の濃
    度が第１液体とは異る第２液体とを交換器（１）内の半
    透膜（４）のそれぞれ反対側を通して通流させ、交換器
    （１）の下流側の第１液体によって前記代替液を調製す
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項２】前記第１液体の温度が前記交換器（１）の
    下流において人間の体温に近い温度となるように、交換
    器（１）の上流で前記両液体のうちの一方の液体を加熱
    することを特徴とする請求項１に記載の方法。
  3. 【請求項３】前記第１液体を前記交換器（１）の下流で
    透析液として使用することを特徴とする請求項１又は２
    に記載の方法。
  4. 【請求項４】前記交換器（１）を通る前記両液体の流量
    の比率が実質的に一定になるように該交換器を通る両液
    体の流量を調節することを特徴とする請求項１〜３のい
    ずれかに記載の方法。
  5. 【請求項５】前記第２液体の流量を第１液体の流量の関
    数として調節することを特徴とする請求項１〜４のいず
    れかに記載の方法。
  6. 【請求項６】前記両液体は、向流関係をなして前記交換
    器（１）を通すことを特徴とする請求項１〜５のいずれ
    かに記載の方法。
  7. 【請求項７】前記両液体は、同一方向に並流関係をなし
    て前記交換器（１）を通すことを特徴とする請求項１〜
    ５のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項８】前記第１液体に接触する半透膜（４）の面
    と第２液体に接触する半透膜（４）の面との間に第１液
    体側からみて正の膜間圧差を維持することを特徴とする
    請求項１〜７のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項９】前記第１液体を洗浄液として使用し、前記
    第２液体を、第１液体の供給源（７）を患者（１２）に
    接続する第１回路のためのプライミング液体として使用
    することを特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載の
    方法。
  10. 【請求項１０】前記交換器（１）へ通す前記第１液体は
    、塩化ナトリウムの溶液であることを特徴とする請求項
    １〜９のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項１１】前記交換器（１）へ通す前記第１液体は
    、塩化ナトリウムと、塩化カルシュウムと塩化マグネシ
    ウムとの溶液であることを特徴とする請求項１〜９のい
    ずれかに記載の方法。
  12. 【請求項１２】前記交換器（１）へ通す前記第１液体は
    、重炭酸塩を含有するが、カルシュウム及びマグネシウ
    ムを含まず、交換器（１）へ通す前記第２液体は、カル
    シュウムとマグネシウムを含有するが、重炭酸塩を含有
    しないことを特徴とする請求項１〜９のいずれかに記載
    の方法。
  13. 【請求項１３】代替液を調製するための装置であって、
    少くとも１種類の緩衝剤又は緩衝剤の少くとも１種類の
    先駆物質を含む血液電解質成分の少くとも幾種類かの成
    分を含有した無菌で、かつ、ピロゲンのない第１液体の
    供給源（７）と、少くとも１種類の緩衝剤又は緩衝剤の
    少くとも１種類の先駆物質を含む血液電解質成分のうち
    の少くとも幾種類かの成分を含有しており、その電解質
    成分のうちの少くとも幾種類かの成分の濃度が第１液体
    とは異る第２液体の供給源（１７）と、半透膜（４）に
    よって分離された第１画室（２）と第２画室（３）を有
    する交換器（１）とから成り、該第１画室（２）は、第
    １液体の供給源（７）に接続された入口（９）と、受容
    体（１２）に接続するための出口（１４）を有し、該第
    ２画室（３）は、第２液体の供給源（１７）に接続され
    た入口（１９）と、随意選択として透析器（３２）に接
    続するための出口（２２）を有して成る装置。
  14. 【請求項１４】前記第２液体の供給源（１７）は、透析
    液再生器（４２）であることを特徴とする請求項１３に
    記載の装置。
  15. 【請求項１５】前記両液体のうちの一方の液体を加熱す
    るための加熱手段が前記交換器（１）の上流に設けられ
    ていることを特徴とする請求項１又は２に記載の装置。
  16. 【請求項１６】前記第１液体を通流させるための第１ポ
    ンプ（１０）と、前記第２液体を通流させるための第２
    ポンプ（２０又は３４）を有することを特徴とする請求
    項１３〜１５のいずれかに記載の装置。
  17. 【請求項１７】前記第２ポンプ（２０）のポンプ送り流
    量を第１ポンプ（１０）のポンプ送り流量の関数として
    調節するための制御器（２５）を有することを特徴とす
    る請求項１６に記載の装置。
  18. 【請求項１８】前記第１液体の流量を測定するための流
    量計（１１）を有し、制御器（２５）は、該流量計（１
    １）の測定値と少くとも１つの基準値との比較差の関数
    として第１ポンプ（１０）のポンプ送り流量を調節する
    ようになされていることを特徴とする請求項１６に記載
    の装置。
  19. 【請求項１９】前記第１画室（２）の出口（１４）は、
    バクテリア濾過器（１５）に接続されていることを特徴
    とする請求項１３〜１８のいずれかに記載の装置。
JP3103635A 1990-04-13 1991-04-10 代替液を調製するための方法及び装置 Withdrawn JPH04227267A (ja)

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