JPH0421976B2 - - Google Patents
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- JPH0421976B2 JPH0421976B2 JP6542683A JP6542683A JPH0421976B2 JP H0421976 B2 JPH0421976 B2 JP H0421976B2 JP 6542683 A JP6542683 A JP 6542683A JP 6542683 A JP6542683 A JP 6542683A JP H0421976 B2 JPH0421976 B2 JP H0421976B2
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Classifications
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J37/00—Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
- H01J37/02—Details
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- H01J37/08—Ion sources; Ion guns
-
- H—ELECTRICITY
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- Analytical Chemistry (AREA)
- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の利用分野〕
本発明は液体金属イオン源において、B、Si、
P、As等の高融点元素イオン種を単元素イオン
として効率よく安定に長時間引出せるイオン種材
料に関する。 〔発明の背景〕 マイクロ・ドライ・プロセス(イオンビーム露
光・ドライ現象、マイクロドーピング等)、サブ
ミクロン表面分析等の分野における高性能化と共
に、高輝度の液体金属イオン源の開発が強く要望
されており、特にエレクトロ・デバイスの分野に
おいては、ドープイオン種として重要なB、P、
Si、As等を液体金属イオン源を用いて、直接半
導体材料にドーピングする試みがなされている。
この液体金属イオン源の動作原理は次の如くであ
る。先ずW、Ta、カーボン等から成るエミツタ
チツプに、抵抗加熱あるいは電子線加熱により溶
融させたイオン種材料を供給し、チツプ先端に強
電界を印加し、チツプ先端より電界電離イオンを
引出す。従つてイオン源としては長時間、安定
に、目的とするイオンビームを引き出せることが
重要である。 従来このイオン種材料として融点が400〜1000
℃のPt82B18、Pd40Ni40B20、Pt27Ni13B60、Au36.5
Pt20Ge13.5B30、Pd40Ni40B10As10、Pt72As28、
Pd24Sn68As8等の合金が用いられている(例え
ば、特開昭57−132653号公報参照)。しかしこれ
らイオン種材料は以下に示すいずれかの問題があ
るため、イオン源の寿命が10時間以下と極めて短
いという致命的な欠点を有していた。 (1) 溶融イオン種材料の蒸気圧が高いため、蒸発
が激しく、目的とする引出し元素イオンが短時
間で枯渇してしまう。 (2) エミツタチツプと溶融したイオン種材料が激
しく反応し、短時間でイオンビームの引出しが
停止する。 (3) 溶融イオン種材料の粘性が高すぎる、あるい
はエミツタチツプとのぬれ性が悪い等の理由に
よりイオンビームの引出しが困難である。 〔発明の目的〕 本発明の目的は安定で且つ長寿命のB、Si、
P、As等の高融点元素イオンビームを取り出せ
るイオン源のイオン種材料を提供することにあ
る。 〔発明の概要〕 上記のように、本発明はB、Si、P、As等の
高融点イオン種を安定に且つ長寿命で引き出すこ
とを目的としており、融点が低くて、その温度で
の蒸気圧も低く、特にチツプ材料として高温長時
間使用可能なガラスカーボンあるいはSiC系、
WC系、LaB6系材料を用いた時それと反応が皆
無か、あるいはあつても少で、濡れ性も良好なイ
オン種材料(合金)を得ようと試み、本発明に到
達したものである。 本発明者等は先ずNi元素が目的とする高融点
イオン種元素のB、Si、P、もしくはAsと、こ
れら元素の低濃度側(20〜50原子パーセント)
で、比較的低融点(800〜1000℃)の共晶合金が
得られることに着目し、これら二元系合金のイオ
ン種材料を作製した。しかし、ガラスカーボンあ
るいは炭化物をエミツタチツプ材料とし、これら
Ni基二元系合金をイオン種材料として用いた場
合(i)融点での粘性が高い、(ii)エミツタチツプとの
ぬれ性が悪い、(iii)エミツタチツプと反応する、(iv)
融点での蒸気圧が高く短時間で蒸発してしまう
等々、これまでと同様の問題が生じ、イオン源の
寿命は従来材と比べて延びたものの高々100時間
程度であつた。従つてさらに長寿命のイオン源を
得るために、これら共晶合金組成附近のNi基2
元系合金に各種の添加元素を加えることにより、
融点をさらに下げ、その温度での蒸気圧、粘性を
低くし、またエミツタチツプ材料(主としてガラ
スカーボン、炭化物、LaB6等)との反応を軽減
して、ぬれ性を良くすることを試みた。 その結果、XをB、Si、P、C、およびAsか
らなる群より選択した少なくとも2元素とすると
き、一般式NiaXbで示される組成を有し、且つ30
≦a≦68(Niが30at%以上68at%以下を示す、以
下同様に解する)、b=100−aである液体金属イ
オン種合金により前記目的が達成できることを見
出した。したがつて、本発明の液体イオン種合金
はNiを含む少なくとも3元素からなり、B、Si、
P、CおよびAsからなる群より選択した2以上
の元素の合計量は32〜70at%であるが、このNi
以外の元素のうちの少なくとも2元素はそれぞれ
1at%以上含有されていることが、より好ましい。
これは上記Ni基2元合金に添加する元素の効果
を大ならしめるためには添加元素の量を1at%以
上とすることが望ましいからである。しかし、こ
の添加元素は少量でも添加すればそれなりの効果
があるので、1at%未満でも前記2元系合金より
すぐれた特性を示す。 さらにまた、より好ましい添加元素は、Ni−
B合金にはSi、Pおよび/もしくはCで、Ni−
P合金にはB、Si、および/もしくはCで、Ni
−Si合金にはBで、Ni−As合金にはB、Si、P
および/もしくはCであつた。 上記の如く構成した本願発明の液体金属イオン
種合金は、融点が約1000℃以下である他、前記の
各目標特性を満足するものであり、良好な特性で
寿命も長いイオン源を得ることに成功した。 なお、上記組成範囲外では融点が高く、好まし
くない。 Bおよび/もしくはSiのイオンを目的とする場
合には、特にBとSiの2元素を同時に含むNi基
合金でBとSiの濃度の合計が35〜70at%のもの
が、融点1000℃未満であることはもちろん、エミ
ツタチツプ材料との反応がほとんど無く、ぬれ性
も良好で、イオン源の寿命を飛躍的に向上させる
ことが見出された。この場合、この合金系に20at
%以下のPおよび/もしくはCを添加することに
より、その合金の融点、粘性をさらに低下せし
め、且つチツプ材料とのぬれ性をさらに改善する
ことができた。Pおよび/もしくはCが20at%を
越えると合金の融点が高まり、且つ求めるイオン
となる元素の量が減りイオン放射の効率の点から
好ましくない。この組成を示す一般式は、YをB
およびSiとし、ZをPおよびCからなる群より選
択した少なくとも1元素とするとき、NieYdZeで
示され且つ30≦c≦65、35≦d≦70、0≦e≦
20、c+d+e=100であるとするものである。
この場合も、BおよびSiはいずれも1at%以上含
まれていることがより好ましい。 Pイオンを目的とするイオン種合金ではNi以
外の上記元素(P、B、Cおよび/もしくはSi)
の総量を35at%以上、50at%以下とすることがよ
り望ましく、このようにすることにより、より長
寿命のイオン源が得られることを見出した。これ
は、TをB、CおよびSiからなる群より選択した
少なくとも1元素とするとき、一般式NifPgThで
示される組成を有し、且つ50≦f≦65、35≦g+
h≦50、f+g+h=100である液体金属イオン
種合金である。この場合も、B、Cおよび/もし
くはSiは1at%以上であることがさらに望ましい。 また、Asイオンを目的とするイオン種合金の
場合も、同様に、MをB、Si、C、およびPから
なる群より選択した少なくとも1元素とすると
き、一般式NikAslMnで示される組成を有し、且
つ55≦k≦65、35≦l≦45、0<m≦20、k+l
+m=100であることがより望ましい。この場合
もB、Si、Cおよび/もしくはPは1at%以上で
あることがさらに好ましい。 さらに上記Ni基合金のNiをCu、Ru、Rh、
Pd、Ag、Au、Pt等の元素で1部置換(10原子
パーセント以下)することによつても、合金の融
点をさらに下げることが出来、イオン源の寿命を
さらに向上出来ることを見い出した。ここで重金
属は半導体材料では特性を劣化させる効果がある
ため、イオンドーブ時にその混入を防止するため
にもイオン種材料としては10原子パーセント以下
に抑えることが好ましい。このようにして得た上
記発明の該Ni基イオン種材料は、特にガラスカ
ーボン、炭化物(SiC、WC)、LaB6等をエミツ
タチツプ材料として用いた場合イオン源として
100時間を越える長寿命化を図ることが出来る。 以上の本発明の該Ni基合金でNiの一部あるい
は全部をFeあるいはCoで置換して、上記と同様
の長寿命化を図ることが出来るが、この場合1000
℃以下の低融点を得るにはFe、Co、Niの全濃度
を70〜85原子パーセントにする必要がある。 〔発明の実施例〕 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。 実施例 1 本発明のイオン種材料を用いたイオン源の構造
の概略図を第1図に示す。イオン源は幅2〜3
mm、長さ20mm、厚さ200μmの板状焼結カーボン
からなる抵抗加熱ヒータ1、イオン種材料2、電
流導入端子3、止めネジ4、イオン引出し電極
5、ニードル状エミツタチツプ(ガラスカーボン
あるいはSiC、WC等の炭化物あるいはLaB6)
6、支持台8、加熱電源9、引出し電源10、加
速電源11より構成されている。7はイオンビー
ムを示す。 Bイオンのイオン種材料としてNi50B40Si10、
Ni45B45Si10、Ni45Cu5B40Si10、Ni43B45Si10C2、
Ni45B45P10、Ni50B30Si10P5C5合金を、Pイオン
のイオン種材料として、Ni65P25C10、
Ni60P30B10、Ni50Cu5P35B10合金を、Siイオンの
イオン種材料としてNi45Si45B10、Ni35Si55B10、
Ni40Pd5Si45B10合金を、Asイオンのイオン種材
料としてNi50As40Si10、Ni50As40B10、
Ni45As40B10C5合金をプラズマ溶解、高周波加熱
により作製した。ここでPあるいはAsを含む合
金系は焼結後、石英管に真空封じこめした後、加
熱溶解することにより作製した。これら合金の測
定した融点を第1表に示す。表には比較のため
Ni50B50、Ni50Si50、Ni75P25、Ni60As40合金の融
点も示してある。表から二元系にB、P、C、
Si、Cu、Pd等を添加したことにより融点がさら
に低下していることがわかる。 このように作製した合金から径が1〜2mmの大
きさのイオン種材料を作製し、第1図に示す抵抗
加熱ヒータ1の上にのせて溶融し、イオン源の寿
命を検討した。その結果エミツタチツプ材とし
て、ガラスカーボンあるいはSiCあるいはLaB6を
用いた時、いずれの試料においてもチツプとのぬ
れ性が良く、チツプとの反応も少なく、100時間
を越えてもイオンビームを引出さることを確認し
た。 特にNiBSi合金のイオン種材料とSiCエミツタ
チツプ材料とを組み合わせたイオン源ではチツプ
とのぬれ性が極めて良く、反応も全く無く、溶融
イオン種材料が枯渇するまでイオンビームを引出
すことが出来た。第2図に代表的な本発明の
Ni45B45Si10イオン種材料のイオン放出角が数m
radでの質量分析スペクトルの一例を示す。この
時の引出し電圧は10.5kV、全イオン電流は約
150μAであつた。 なお、本発明の液体金属イオン種合金ならびに
その応用方法において、上記せざる事項について
は、従来この分野で知られている知見を利用して
よい。 〔発明の効果〕 以上説明したところから明らかなように、本発
明のイオン種材料は従来の液体金属イオン源の致
命的な欠点であつた短寿命を克服し、B、Si、
P、As等の高融点元素イオン種を単元素イオン
として効率よく安定に長時間引出せる材料として
極めて優れていることがわかつた。 【表】
P、As等の高融点元素イオン種を単元素イオン
として効率よく安定に長時間引出せるイオン種材
料に関する。 〔発明の背景〕 マイクロ・ドライ・プロセス(イオンビーム露
光・ドライ現象、マイクロドーピング等)、サブ
ミクロン表面分析等の分野における高性能化と共
に、高輝度の液体金属イオン源の開発が強く要望
されており、特にエレクトロ・デバイスの分野に
おいては、ドープイオン種として重要なB、P、
Si、As等を液体金属イオン源を用いて、直接半
導体材料にドーピングする試みがなされている。
この液体金属イオン源の動作原理は次の如くであ
る。先ずW、Ta、カーボン等から成るエミツタ
チツプに、抵抗加熱あるいは電子線加熱により溶
融させたイオン種材料を供給し、チツプ先端に強
電界を印加し、チツプ先端より電界電離イオンを
引出す。従つてイオン源としては長時間、安定
に、目的とするイオンビームを引き出せることが
重要である。 従来このイオン種材料として融点が400〜1000
℃のPt82B18、Pd40Ni40B20、Pt27Ni13B60、Au36.5
Pt20Ge13.5B30、Pd40Ni40B10As10、Pt72As28、
Pd24Sn68As8等の合金が用いられている(例え
ば、特開昭57−132653号公報参照)。しかしこれ
らイオン種材料は以下に示すいずれかの問題があ
るため、イオン源の寿命が10時間以下と極めて短
いという致命的な欠点を有していた。 (1) 溶融イオン種材料の蒸気圧が高いため、蒸発
が激しく、目的とする引出し元素イオンが短時
間で枯渇してしまう。 (2) エミツタチツプと溶融したイオン種材料が激
しく反応し、短時間でイオンビームの引出しが
停止する。 (3) 溶融イオン種材料の粘性が高すぎる、あるい
はエミツタチツプとのぬれ性が悪い等の理由に
よりイオンビームの引出しが困難である。 〔発明の目的〕 本発明の目的は安定で且つ長寿命のB、Si、
P、As等の高融点元素イオンビームを取り出せ
るイオン源のイオン種材料を提供することにあ
る。 〔発明の概要〕 上記のように、本発明はB、Si、P、As等の
高融点イオン種を安定に且つ長寿命で引き出すこ
とを目的としており、融点が低くて、その温度で
の蒸気圧も低く、特にチツプ材料として高温長時
間使用可能なガラスカーボンあるいはSiC系、
WC系、LaB6系材料を用いた時それと反応が皆
無か、あるいはあつても少で、濡れ性も良好なイ
オン種材料(合金)を得ようと試み、本発明に到
達したものである。 本発明者等は先ずNi元素が目的とする高融点
イオン種元素のB、Si、P、もしくはAsと、こ
れら元素の低濃度側(20〜50原子パーセント)
で、比較的低融点(800〜1000℃)の共晶合金が
得られることに着目し、これら二元系合金のイオ
ン種材料を作製した。しかし、ガラスカーボンあ
るいは炭化物をエミツタチツプ材料とし、これら
Ni基二元系合金をイオン種材料として用いた場
合(i)融点での粘性が高い、(ii)エミツタチツプとの
ぬれ性が悪い、(iii)エミツタチツプと反応する、(iv)
融点での蒸気圧が高く短時間で蒸発してしまう
等々、これまでと同様の問題が生じ、イオン源の
寿命は従来材と比べて延びたものの高々100時間
程度であつた。従つてさらに長寿命のイオン源を
得るために、これら共晶合金組成附近のNi基2
元系合金に各種の添加元素を加えることにより、
融点をさらに下げ、その温度での蒸気圧、粘性を
低くし、またエミツタチツプ材料(主としてガラ
スカーボン、炭化物、LaB6等)との反応を軽減
して、ぬれ性を良くすることを試みた。 その結果、XをB、Si、P、C、およびAsか
らなる群より選択した少なくとも2元素とすると
き、一般式NiaXbで示される組成を有し、且つ30
≦a≦68(Niが30at%以上68at%以下を示す、以
下同様に解する)、b=100−aである液体金属イ
オン種合金により前記目的が達成できることを見
出した。したがつて、本発明の液体イオン種合金
はNiを含む少なくとも3元素からなり、B、Si、
P、CおよびAsからなる群より選択した2以上
の元素の合計量は32〜70at%であるが、このNi
以外の元素のうちの少なくとも2元素はそれぞれ
1at%以上含有されていることが、より好ましい。
これは上記Ni基2元合金に添加する元素の効果
を大ならしめるためには添加元素の量を1at%以
上とすることが望ましいからである。しかし、こ
の添加元素は少量でも添加すればそれなりの効果
があるので、1at%未満でも前記2元系合金より
すぐれた特性を示す。 さらにまた、より好ましい添加元素は、Ni−
B合金にはSi、Pおよび/もしくはCで、Ni−
P合金にはB、Si、および/もしくはCで、Ni
−Si合金にはBで、Ni−As合金にはB、Si、P
および/もしくはCであつた。 上記の如く構成した本願発明の液体金属イオン
種合金は、融点が約1000℃以下である他、前記の
各目標特性を満足するものであり、良好な特性で
寿命も長いイオン源を得ることに成功した。 なお、上記組成範囲外では融点が高く、好まし
くない。 Bおよび/もしくはSiのイオンを目的とする場
合には、特にBとSiの2元素を同時に含むNi基
合金でBとSiの濃度の合計が35〜70at%のもの
が、融点1000℃未満であることはもちろん、エミ
ツタチツプ材料との反応がほとんど無く、ぬれ性
も良好で、イオン源の寿命を飛躍的に向上させる
ことが見出された。この場合、この合金系に20at
%以下のPおよび/もしくはCを添加することに
より、その合金の融点、粘性をさらに低下せし
め、且つチツプ材料とのぬれ性をさらに改善する
ことができた。Pおよび/もしくはCが20at%を
越えると合金の融点が高まり、且つ求めるイオン
となる元素の量が減りイオン放射の効率の点から
好ましくない。この組成を示す一般式は、YをB
およびSiとし、ZをPおよびCからなる群より選
択した少なくとも1元素とするとき、NieYdZeで
示され且つ30≦c≦65、35≦d≦70、0≦e≦
20、c+d+e=100であるとするものである。
この場合も、BおよびSiはいずれも1at%以上含
まれていることがより好ましい。 Pイオンを目的とするイオン種合金ではNi以
外の上記元素(P、B、Cおよび/もしくはSi)
の総量を35at%以上、50at%以下とすることがよ
り望ましく、このようにすることにより、より長
寿命のイオン源が得られることを見出した。これ
は、TをB、CおよびSiからなる群より選択した
少なくとも1元素とするとき、一般式NifPgThで
示される組成を有し、且つ50≦f≦65、35≦g+
h≦50、f+g+h=100である液体金属イオン
種合金である。この場合も、B、Cおよび/もし
くはSiは1at%以上であることがさらに望ましい。 また、Asイオンを目的とするイオン種合金の
場合も、同様に、MをB、Si、C、およびPから
なる群より選択した少なくとも1元素とすると
き、一般式NikAslMnで示される組成を有し、且
つ55≦k≦65、35≦l≦45、0<m≦20、k+l
+m=100であることがより望ましい。この場合
もB、Si、Cおよび/もしくはPは1at%以上で
あることがさらに好ましい。 さらに上記Ni基合金のNiをCu、Ru、Rh、
Pd、Ag、Au、Pt等の元素で1部置換(10原子
パーセント以下)することによつても、合金の融
点をさらに下げることが出来、イオン源の寿命を
さらに向上出来ることを見い出した。ここで重金
属は半導体材料では特性を劣化させる効果がある
ため、イオンドーブ時にその混入を防止するため
にもイオン種材料としては10原子パーセント以下
に抑えることが好ましい。このようにして得た上
記発明の該Ni基イオン種材料は、特にガラスカ
ーボン、炭化物(SiC、WC)、LaB6等をエミツ
タチツプ材料として用いた場合イオン源として
100時間を越える長寿命化を図ることが出来る。 以上の本発明の該Ni基合金でNiの一部あるい
は全部をFeあるいはCoで置換して、上記と同様
の長寿命化を図ることが出来るが、この場合1000
℃以下の低融点を得るにはFe、Co、Niの全濃度
を70〜85原子パーセントにする必要がある。 〔発明の実施例〕 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。 実施例 1 本発明のイオン種材料を用いたイオン源の構造
の概略図を第1図に示す。イオン源は幅2〜3
mm、長さ20mm、厚さ200μmの板状焼結カーボン
からなる抵抗加熱ヒータ1、イオン種材料2、電
流導入端子3、止めネジ4、イオン引出し電極
5、ニードル状エミツタチツプ(ガラスカーボン
あるいはSiC、WC等の炭化物あるいはLaB6)
6、支持台8、加熱電源9、引出し電源10、加
速電源11より構成されている。7はイオンビー
ムを示す。 Bイオンのイオン種材料としてNi50B40Si10、
Ni45B45Si10、Ni45Cu5B40Si10、Ni43B45Si10C2、
Ni45B45P10、Ni50B30Si10P5C5合金を、Pイオン
のイオン種材料として、Ni65P25C10、
Ni60P30B10、Ni50Cu5P35B10合金を、Siイオンの
イオン種材料としてNi45Si45B10、Ni35Si55B10、
Ni40Pd5Si45B10合金を、Asイオンのイオン種材
料としてNi50As40Si10、Ni50As40B10、
Ni45As40B10C5合金をプラズマ溶解、高周波加熱
により作製した。ここでPあるいはAsを含む合
金系は焼結後、石英管に真空封じこめした後、加
熱溶解することにより作製した。これら合金の測
定した融点を第1表に示す。表には比較のため
Ni50B50、Ni50Si50、Ni75P25、Ni60As40合金の融
点も示してある。表から二元系にB、P、C、
Si、Cu、Pd等を添加したことにより融点がさら
に低下していることがわかる。 このように作製した合金から径が1〜2mmの大
きさのイオン種材料を作製し、第1図に示す抵抗
加熱ヒータ1の上にのせて溶融し、イオン源の寿
命を検討した。その結果エミツタチツプ材とし
て、ガラスカーボンあるいはSiCあるいはLaB6を
用いた時、いずれの試料においてもチツプとのぬ
れ性が良く、チツプとの反応も少なく、100時間
を越えてもイオンビームを引出さることを確認し
た。 特にNiBSi合金のイオン種材料とSiCエミツタ
チツプ材料とを組み合わせたイオン源ではチツプ
とのぬれ性が極めて良く、反応も全く無く、溶融
イオン種材料が枯渇するまでイオンビームを引出
すことが出来た。第2図に代表的な本発明の
Ni45B45Si10イオン種材料のイオン放出角が数m
radでの質量分析スペクトルの一例を示す。この
時の引出し電圧は10.5kV、全イオン電流は約
150μAであつた。 なお、本発明の液体金属イオン種合金ならびに
その応用方法において、上記せざる事項について
は、従来この分野で知られている知見を利用して
よい。 〔発明の効果〕 以上説明したところから明らかなように、本発
明のイオン種材料は従来の液体金属イオン源の致
命的な欠点であつた短寿命を克服し、B、Si、
P、As等の高融点元素イオン種を単元素イオン
として効率よく安定に長時間引出せる材料として
極めて優れていることがわかつた。 【表】
第1図は液体金属イオン源の縦断面図、第2図
は本発明の一実施例におけるNi45B45Si10合金を
イオン種材料として用いた時のイオンビームの質
量分析図である。 1……ヒータ、2……イオン種材料、3……電
流導入端子、4……止めネジ、5……イオン引出
し電極、6……ニードル状チツプ、7……イオン
ビーム、8……支持台、9……加熱電源、10…
…引出し電源、11……加速電源。
は本発明の一実施例におけるNi45B45Si10合金を
イオン種材料として用いた時のイオンビームの質
量分析図である。 1……ヒータ、2……イオン種材料、3……電
流導入端子、4……止めネジ、5……イオン引出
し電極、6……ニードル状チツプ、7……イオン
ビーム、8……支持台、9……加熱電源、10…
…引出し電源、11……加速電源。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 XをB、Si、P、C、およびAsからなる群
より選択した少なくとも2元素とするとき、一般
式NiaXbで示される組成を有し、且つ30≦a≦
68、b=100−aであることを特徴とする液体金
属イオン種合金。 2 上記Xを構成する元素の少なくとも2元素が
いずれも1at%以上含有されてなることを特徴と
する特許請求の範囲第1項記載の液体金属イオン
種合金。 3 YをBおよびSiとし、ZをPおよびCからな
る群より選択した少なくとも1元素とするとき、
一般式NieYdZeで示される組成を有し、且つ30≦
c≦65、35≦d≦70、0≦e≦20、c+d+e=
100であることを特徴とする特許請求の範囲第1
項もしくは第2項記載の液体金属イオン種合金。 4 上記Yを構成するBおよびSiがいずれも1at
%以上含有されてなることを特徴とする特許請求
の範囲第3項記載の液体金属イオン種合金。 5 TをB、CおよびSiからなる群より選択した
少なくとも1元素とするとき、一般式NifPgThで
示される組成を有し、且つ50≦f≦65、35≦g+
h≦50、f+g+h=100であることを特徴とす
る特許請求の範囲第1項もしくは第2項記載の液
体金属イオン種合金。 6 h≧1なることを特徴とする特許請求の範囲
第5項記載の液体金属イオン種合金。 7 MをB、Si、CおよびPからなる群より選択
した少なくとも1元素とするとき、一般式Nik
AslMnで示される組成を有し、且つ55≦k≦65、
35≦l≦45、0<m≦20、k+l+m=100であ
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項もしく
は第2項記載の液体金属イオン種合金。 8 m≧1なることを特徴とする特許請求の範囲
第7項記載の液体金属イオン種合金。 9 上記Niを、Cu、Ru、Rh、Pd、Ag、Auお
よびPtからなる群より選択した少なくとも1元
素で、10at%以下置換してなることを特徴とする
特許請求の範囲第1項乃至第8項のいずれかの項
に記載の液体金属イオン種合金。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
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EP19840901430 EP0140979B1 (en) | 1983-04-15 | 1984-04-13 | Alloy containing liquid metal ion species |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6542683A JPS59191225A (ja) | 1983-04-15 | 1983-04-15 | 液体金属イオン種合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS59191225A JPS59191225A (ja) | 1984-10-30 |
JPH0421976B2 true JPH0421976B2 (ja) | 1992-04-14 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6542683A Granted JPS59191225A (ja) | 1983-04-15 | 1983-04-15 | 液体金属イオン種合金 |
Country Status (5)
Country | Link |
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EP (1) | EP0140979B1 (ja) |
JP (1) | JPS59191225A (ja) |
CA (1) | CA1225229A (ja) |
DE (1) | DE3484167D1 (ja) |
WO (1) | WO1984004202A1 (ja) |
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JPH0685309B2 (ja) * | 1985-12-13 | 1994-10-26 | 株式会社日立製作所 | 液体金属イオン源 |
US4775818A (en) * | 1986-04-14 | 1988-10-04 | Hughes Aircraft Company | Liquid metal ion source and alloy |
US4670685A (en) * | 1986-04-14 | 1987-06-02 | Hughes Aircraft Company | Liquid metal ion source and alloy for ion emission of multiple ionic species |
Family Cites Families (2)
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JPS57131360A (en) * | 1981-02-03 | 1982-08-14 | Rikagaku Kenkyusho | Electric field evaporation type ion source using liquid alloy |
-
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- 1983-04-15 JP JP6542683A patent/JPS59191225A/ja active Granted
-
1984
- 1984-04-13 WO PCT/JP1984/000188 patent/WO1984004202A1/ja active IP Right Grant
- 1984-04-13 DE DE8484901430T patent/DE3484167D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1984-04-13 EP EP19840901430 patent/EP0140979B1/en not_active Expired
- 1984-04-16 CA CA000452060A patent/CA1225229A/en not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS59191225A (ja) | 1984-10-30 |
WO1984004202A1 (en) | 1984-10-25 |
EP0140979B1 (en) | 1991-02-27 |
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EP0140979A4 (en) | 1988-01-26 |
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CA1225229A (en) | 1987-08-11 |
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