JPH04218213A - 放射線モニター付電線・ケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、ビニル絶縁電線やビニルルシースケーブル
に放射線劣化を予知する機能を付与した放射綿モニター
付電線・ケーブルに関する。

［従来の技術］ 原子力発電所内に使用される電線・ケーブルは、通常運
転において例えば４０年間といった設計寿命に耐えるよ
うに布設される。この寿命期間中に５×１０７ｒａｄと
いった累積放射線量を被爆して、布設された電線・ケー
ブルの絶縁材料が硬化劣化し、時にはワレが発生したり
して、突然にその絶縁機能を衰失した場合には多大な混
乱と損失を発生することになる。

原子力発電所内には、一般に２万本に亘る回路として電
線・ケーブルが布設されており、これらを１本１本綿密
に点検チェックすることは、限られた１年に１回の定期
点検期間中に実施することは不可能である。これは、定
期点検時に原子炉の運転が停止したとしても、状態監視
等の目的の回路は生かしておかなければならないからで
ある。

また、電線・ケーブルの点検といっても、電気的に絶縁
抵抗を測定し、その値だけでは現状では異常が生じてい
ないという程度にしか分からないのが実態である。

［発明が解決しようとする課題］ このように、１つの原子力発電所では少なくとも２万本
にも及ぶ数の電線・ケーブルを点検するのには、１本毎
の電気的に絶縁抵抗を測定してチェックしなければなら
ない。これには、原子力発電所が停止したとしても、回
路として生かしたままの回路もある。また、回路が停止
したとしても、接続されている電線・ケーブルの両端末
を一旦取り外し、チェックを行わなければならず、チェ
ック後の再施工時に接続ミスが生じても困ることになる
。また、絶縁抵抗だけでは、本当に電線・ケーブルが劣
化しているのか、どのようなレベルにまで寿命が近づい
ているのかはっきり分からないことが多い。したがって
、定期点検においても、外観から目視で判断できる劣化
指標が得られることが最も望ましいことである。

この発明は、このような点に鑑みてなされたもので、原
子力発電所内に布設された電線・ケーブルを外観を見て
劣化度が分かるように放射線モニターを電線・ケーブル
に付与することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この発明では、電線・ケーブルの放射線による劣化度が
モニターできるように、電線・ケーブルの表面層に電線
・ケーブルの材料よりも放射線に弱く、しかも放射線に
より形態が異なって表われ、外観からどこまで放射線の
影響が進んでいるのか確実に把握することができるよう
にした放射線モニター付電線・ケーブルである。

［実施例］ 以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。電
線・ケーブルの代表的な構成を第６図の横断面図に示す
。即ち、導体１を絶縁体２で被覆した心線を撚り合せて
シース３で被覆して構成される。この発明では、電線・
ケーブルのシース３の表面にその材料よりも放射線に弱
く、放射線の累積量レベルで劣化時に崩壊し形状を異に
して現われる材料を筋状に設けるものである。

即ち、第１図は、ビニルシースケーブルのシース３上に
放射線モニターの筋４、５を二列に並列して設けたもの
である。

この並列して設けられた放射線モニターの材質として、
シース３のビニルが１０８ｒａｄ級であるのに対し、第
一モニターとして１０５ｒａｄ級のふっ素樹脂の筋４を
、第二モニターとして１０７ｒａｄ級のブチルゴムの筋
５を組み合わせて設けるようにする。シース材料の放射
線レベルが変ればモニター材料の組み合せを変えればよ
い。筋４、５はビニルシースケーブルの外周に直線状で
も螺旋状でもよい。

しかし、電線・ケーブルの放射線被爆は布設された場所
に応じ一般的に方向性を有するので、第２図に示すよう
に放射線モニターの筋４、５は１８０度対抗した位置の
２方向、あるいは第３図に示すように１２０度の３方向
に設けるようにするのが望ましい。

また、モニターである筋状材料に色を付けておき、目視
点検時に容易に見えるようにすると都合がよい。

上記の例は、シース面と同一レベルに放射線モニターの
筋を設けたものであるが、点検の容易さから次のように
形成してもよい。即ち、第４図において、シース３上に
設ける放射線モニターの筋４ａ、５ａは、点検時に手で
触れてベトつきを見易くするため断面円形の筋４ａ、５
ａの半分をシース３の表面よりも突出させて設けたもの
である。また、第５図に示す電線・ケーブルでは、シー
ス３上に設ける放射線モニタの筋４ｂ、５ｂに三角形状
の突起を形成し、この突起がシース３表面から突出する
ように設けたものである。

このように、この発明では、電線・ケーブルの表面に、
そのシース材料よりも放射線に弱く、放射線の累積線量
レベルで劣化時に崩壊して形状を変えるものを放射線モ
ニターの筋として設けてあるので、点検時に電線・ケー
ブルの機能を停止することなしに、外観から劣化の進行
レベルを確実に把握することができ、突然寿命が生じて
その機能を停止するような事故を未然に防止することが
可能になる。

［発明の効果］ 以上説明したとおり、この発明の放射線モニター付電線
・ケーブルは、これまで原子力発電所内で約２万本にも
及ぶ布設されている電線・ケーブルを、これまで回路機
能を停止させて両端末を外し、絶縁抵抗を測定する術し
かなかったが、この発明の放射線モニター付電線・ケー
ブルにすることにより、定期点検時の目視や触手により
何ら回路機能を停止することなく、しかも２段階で警告
を示し、寿命を予知することにより、突然の機能喪失に
よって生じる事故による混乱と損害とを回避することが
できることは、原子力発電所の安全運転と信頼性を向上
させ、ひいては我国のエネルギーの安定確保上において
極めて安心かつ有効なものである。原子力発電所は、一
応その設計寿命を４０年間としているが、この発明の放
射線モニター付電線・ケーブルを活用することにより更
に延命することも可能となり、極めて経済的である。ま
た、立地問題上からも日本においては大きなメリットが
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の実施例の放射線モニター付電線・
ケーブルの構成を示す横断面図、第２図〜第３図は、変
形例の放射線モニター付電線・ケーブルの構成を示す横
断面図、第４図および第５図は、他の実施例の放射線モ
ニター付電線・ケーブルの構成を示す横断面図である。 １…導体 ２…絶縁体 ３…シース ４…ふっ素樹脂 ５…ブチルゴム 特許出願人　日立電線株式会社 代理人　小山田光夫

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 電線・ケーブルの表面の一部にその材料よりも放射線に
   弱い材料で外観から変化が分かるようにシース表面に放
   射モニターの筋を設けたことを特徴とする放射線モニタ
   ー付電線・ケーブル。