JPH0421700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両の窓縁部に窓ガラスをボルト締め
固定する構造に関するものである。

［従来技術］ 車体パネルの窓縁部に窓ガラスを固定する場
合、スペーサを介在せしめて窓縁部に窓ガラスを
ボルトで締結固定する手段が用いられている。第
６図はこのような手段で窓ガラス２をルーフパネ
ル１に固定した車両のサンルーフを示すものであ
り、固定構造を第５図に示す。

即ち、窓ガラス２およびルーフパネル１にはそ
れぞれボルト取付穴２ａ，１ａが形成されてお
り、ルーフパネル１と車外側の窓ガラス２との間
にスペーサ５′を介在せしめてボルトＢのボルト
軸４′を貫通せしめ車内側からボルト軸４′の内端
にナツト６を螺合してボルト頭部３′とルーフパ
ネル１間に窓ガラス２とスペーサ５′を締付けて
いる。

［本考案が解決しようとする問題点］ 上記のような固定構造では次のような問題があ
る。即ち、窓ガラス２にはボルトＢおよびナツト
６の締付力が直接に作用するため頭径を大きくし
ないとガラス破損のおそれがある。一方、頭径を
大きくすると外観をそこねる。また、ナツト６の
締付力を得るためにはボルトが回転しないように
これを押さえるか、あるいはガラス２に接着する
必要があり作業性が悪い。またスペーサ５′もガ
ラス２が縦面の場合には落下防止のために接着し
なければならない。また、外からボルト頭部３′
をプライヤー等ではさんで外されるのを防止する
にはボルトＢをガラス２に接着しなければならな
い。スペーサ５′はガラス２およびルーフパネル
１を保護するために適度の軟質のものを使用する
場合が多いが、ナツト締付後、経時的に材質のへ
たりなどにより締付トルクが低下する。

そこで本考案は、作業性にすぐれ、ボルト頭部
を小さくして外観を良好ならしめ、かつスペーサ
のへたりによる締付トルクの低下がなく、更に外
部からの力に対してボルトが回り止め機能を有す
る窓ガラスの固定構造を提供し、もつて従来の問
題点を解決することを目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 第１図に例示するように、ボルトＢはボルト頭
部３と、外端をボルト頭部３に螺結するボルト軸
部４の２部材よりなりボルト軸部４にはその中間
位置につば部４０が形成してある。

スペーサ５は、ボルト軸部４を貫通せしめる中
心穴５ａを有する硬質部５１と、硬質部５１の外
周両面を被覆する軟質部５２とよりなる。上記中
心穴５ａは例えばこれを四角形とし、同じく四角
形としたボルト頭部３の下端を係合せしめて回り
止め部Ｒを形成する。

［作用］ ボルト頭部３を嵌着した窓ガラス２とスペーサ
５とボルト軸部４を第２図に示すように配し、ボ
ルト軸部４の外端をボルト頭部３に締結すること
によりボルト頭部３、窓ガラス２、スペーサ５お
よびボルト軸部４を一体化する。次に第３図に示
すように車体パネル１をボルト軸部４に嵌め、ボ
ルト軸部４の内端にナツト６を締付けることによ
り、第１図に示すようにスペーサ５を介して窓ガ
ラス２と車体パネル１を締結する。

［実施例］ 第１図ないし第３図に本考案の一実施例を示
す。車体パネル１およびこれに固定する窓ガラス
２にはそれぞれボルト取付穴１ａ，２ａが設けて
ある。ボルトＢはボルト頭部３と、これとは別体
で外周にねじを形成したボルト軸部４とよりな
る。軸部４の中間位置にはつば部４０が形成して
ある。軸部４の内端には工具でボルトを回すため
のやや小径の操作部４１が形成してある。スペー
サ５は金属等よりなり中心にボルト軸部４を貫通
せしめるための中心穴５ａを有する硬質部５１
と、硬質部５１の外周両面を被覆する合成樹脂ま
たはゴムよりなる軟質部５２とで構成してある。
上記中心穴５ａは四角形としてある。一方、ボル
ト頭部３の中心にはボルト軸部４の外端を螺入す
るためのねじ穴３０が形成してあり、下端には四
角形で、上記硬質部５１の中心穴５ａに係合する
突出部３１が形成してあつて、この係合部がボル
ト頭部３とスペーサ５との相対回転を阻止する回
り止め部Ｒを形成する。ナツト６はボルト軸部４
の外端より螺合せしめられる。

上記構成部材よりなる窓ガラス固定構造におい
て、第２図に示すようにボルト頭部３を、パツキ
ン７を介在せしめて窓ガラス２の取付穴２ａに嵌
着しスペーサ５およびボルト軸部４を配し、第３
図に示すようにスペーサ５の硬質部５１をボルト
頭部３とボルト軸部４のつば部４０との間に介在
せしめてボルト軸部４の外端をボルト頭部３に操
作部４１を治具で回転させることにより締結す
る。締付力はボルト頭部３、スペーサ５の硬質部
５１およびボルト軸部４のつば部４０が当接する
ことで規制され、軟質部５２には適当な締付力が
作用して過度につぶされることはない。また、ボ
ルト頭部３の下端突出部３１とスペーサ硬質部５
１の中心穴５ａとが回り止め部Ｒで係合すること
で相互に相対回転は防止される。

次に車体パネル１をその取付穴１ａによりボル
ト軸部４に挿通し、車内側からナツト６を締付け
る。これにより第１図に示すように窓ガラス２と
車体パネル１は強固に固定される。

なお、第４図は他の実施例を示すもので、ボル
ト軸部４には段部４２を形成し、段部４２とボル
ト頭部３の下端と当接することでボルトＢの締付
力を規制する点において上記実施例と異なり、他
は実質的に同一である。

本考案の固定構造においては、窓ガラス２とス
ペーサ５をボルト頭部３と軸部４をねじ嵌合する
ことにより簡単に固定できる。また、ボルト頭部
３とスペーサ５とは回り止め係合しているので、
スペーサ５を治具等でセツトするだけでボルトを
所定のトルクまで締め込むことができる。そして
ボルトを過大なトルクで締込んでも、またその
後、ナツト６を過大なトルクで締付けても、ガラ
ス２に過大な締付力が加わらないため、ボルト頭
部径を小さくしてもガラス破損のおそれなく、見
栄をよくすることができる。また、ボルトＢおよ
びナツト６の締付力は所定に規制されるので、パ
ツキン７、スペーサ５の軟質部５２が過度に圧縮
され、へたりが生ずることがなく、またこのへた
りにより締付けにゆるみが生じることはない。

また、ボルト頭部３とスペーサ５とは回り止め
嵌合としてあり、またガラス２とスペーサ５との
間、ガラス２とボルト頭部３の間、スペーサ５と
車体パネル１との間は軟質材を介して接触し抵抗
が大きいからボルト頭部３を外部からはずすこと
は不可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の固定構造の実施
例を示すものであつて、第１図は固定部を示す第
６図Ａ−Ａ線断面図、第２図および第３図は固定
の手順を示す図、第４図は他の実施例の断面図、
第５図は従来の固定構造の断面図、第６図は窓ガ
ラスを固定した自動車サンルーフの要部斜視図で
ある。 １……車体パネル、２……窓ガラス、Ｂ……ボ
ルト、３……ボルト頭部、４……ボルト軸部、４
０……つば部、５……スペーサ、５１……硬質
部、５２……軟質部、Ｒ……回り止め部、６……
ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体パネルの窓縁部と該窓縁部の外側に位置す
   る窓ガラスとにそれぞれ取付穴を形成し、窓縁部
   と窓ガラスとの間にスペーサを介在せしめてボル
   トを挿通し、車体パネル側からナツトにて締付け
   固定する車両の窓ガラス固定構造において、上記
   ボルトをボルト頭部と、外端をボルト頭部に締結
   する該頭部とは別体のボルト軸部とで構成すると
   ともに、ボルト軸部にはその中間につば部を形成
   し、上記スペーサを上記ボルト軸部を貫通せしめ
   る中心穴を有する硬質部と、硬質部の外周部両面
   を被覆する軟質部とで構成し、上記硬質部とボル
   ト頭部には互いに係合して回り止めをなす回り止
   め部を形成し、窓ガラスの取付穴に嵌着したボル
   ト頭部とボルト軸部のつば部との間にスペーサの
   硬質部を介在せしめてボルト頭部にボルト軸部の
   外端を締結し、スペーサとナツトとの間に車体パ
   ネルを介在せしめてナツトをボルト軸部の内端に
   締付けた車両の窓ガラス固定構造。