JPH04216800A - トランスポータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はトランスポータに係り、
特にトンネル掘削作業や山岳部での作業等において、ベ
ースから作業先端部までの資機材の輸送距離が順次延長
される作業環境に用いるのに好適なトランスポータに関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、トンネル工事現場等においては
、発進立坑から掘削先端に向けてトンネル工事に必要な
セグメント、レール、枕木、鋼管等の資機材を送るため
、従来から搬入台車（バッテリーロコ等）が用いられて
いた。このため、坑内に発進立坑から掘削先端坑まで軌
条を敷設し、トンネル限定空間内において前記軌条を利
用して搬送台車を走行させて運搬するようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】所が、上記従来のトン
ネル坑のトランスポータでは、トンネル掘削距離の延長
に伴って、トンネル工事に必要な資機材の搬入、ズリ出
しに要する時間的ロスがあった。すなわち、トンネル工
事においては、断面空間が小さい限定された空間を搬送
路として利用するために、ズリ出し、資機材の搬入、作
業人員の出入りを並列して行なうことが困難となってお
り、特に小口径断面のトンネル工事において顕著であっ
た。したがって、安全上の観点から各トランスポータ作
業を独立して行なわなければならず、工事効率の低下に
より工事が長期化する問題があった。しかも、急勾配、
急曲線部での資機材類の運搬にも安全上問題がある上、
長距離掘進に伴う資機材の増加等が合せて発生し、工事
費に対する経済的負担が増大する問題もあった。

【０００４】また、従来のトンネル坑内の資機材運搬方
法による工程は、バッテリロコ、運搬台車による軌条の
共用および専用によって行なっているが、これではバッ
テリロコの推進管理、運行上の安全対策を施さなければ
ならず、また、レール、枕木等の変更、特に枕木長さを
トンネル径によって変更しなければならない等、経済的
問題が多い。最近では、小口径トンネル掘進の長距離化
が増加し、上記の諸問題を抱えているのが現状である。

【０００５】本発明は、上記不具合点に着目し、資機材
類の適切な輸送、作業環境の改善、安全上の向上、設備
人件費の低減化を図ることができるトランスポータを提
供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るトランスポータは、トンネル坑内等に
資機材を搬送するためのトランスポータであって、ベー
ス位置から作業先端部まで配設された主索ワイヤロープ
と、この主索ワイヤロープに案内されて循環移動可能と
されるとともに積載物を懸吊するキャリアが取り付けら
れる曳索ワイヤロープとからなるロープ手段を備え、こ
のロープ手段には繰り出し長さの調整手段を設けるとと
もに、前記作業先端部のロープ反転部には作業の進行に
合せて位置移動可能な歩進手段を有するプラットホーム
を設置したものである。

【０００７】

【作用】上記構成によれば、ベース位置と作業先端部と
が主索ワイヤロープと曳索ワイヤロープからなるロープ
手段によって連絡される。曳索ワイヤロープには搬入対
象の積載物を懸吊するキャリアが設けられ、曳索ワイヤ
ロープの循環移動によって目的位置まで運ぶことができ
る。作業先端部ではロープ手段の反転部となるプラット
ホームを設置するが、これには歩進手段を設けて、例え
ばトンネル掘削の場合は、シールド掘削機の掘削進行に
合せて位置移動させる。これによって搬送箇所が移動す
る場合であっても、ロープ手段の先端が移動し、軌条敷
設作業を要することなく搬送路を延長することができる
。この場合、ベース位置には繰り出し長さの調整手段を
設けており、先端プラットホームの位置移動に合せてロ
ープ手段が繰り出される。

【０００８】前記繰り出し長さの調整手段としては、主
索ワイヤロープに対しては主索ワイヤロープ引出・自動
張力調整装置、曳索ワイヤロープに対してはワイヤロー
プ・プール機構装置をもって対応すればよい。また、ベ
ース位置から作業先端部までの中間部には、中間支柱ユ
ニット、中間部主索ワイヤロープ張力分配調整装置、ガ
イドレール部、曲線部専用支柱等を配置し、トンネル掘
削距離に合せて必要箇所に設置すればよい。更に、作業
先端部のプラットホームには、前記歩進手段の他に主索
ワイヤロープ自動張力調整装置、自動積荷卸機構も合せ
て設けるようにすればよい。

【０００９】このようなことから、シールド掘削機の掘
進とともに歩進手段の作用によって、シールド掘削機に
同期して前進移動し、これに伴って主索ワイヤロープが
引出され、同時に曳索ワイヤロープも引出され、両ワイ
ヤロープには各々のロープ張力機構によって適切な張力
が与えられる。そして、循環する曳索ワイヤロープを利
用して前述の積載キャリアを運行させて先端作業箇所ま
で運ぶことができる。プラットホームにおいては、所定
の積載物を自動的に懸吊し曳索ワイヤロープに把索、離
索できる機構を合せもたせることにより、自動的に資機
材の積下ろしができるのである。

【００１０】

【実施例】以下に、本発明に係るトランスポータの具体
的実施例をトンネル坑道に適用した場合について図面を
参照して詳細に説明する。

【００１１】実施例に係るトランスポータは、図１に示
すように、発進立坑１０を資機材の搬出部としており、
この発進立坑１０の坑道１２の入口に発進プラットホー
ム１４を設置している。この発進プラットホーム１４は
鋼材を枠組みしたもので、坑道１２に固定されるフレー
ム体として形成されている。トランスポータはこの発進
プラットホーム１４を起点として主索ワイヤロープ１６
と曳索ワイヤロープ１６からなるロープ手段を坑道１２
に掘削先端側に繰り出すようにしている。

【００１２】まず、主索ワイヤロープ１６はその一端が
発進プラットホーム１４に固定され、坑道１２に沿って
掘削先端側に向けて張り渡された後、反転して発進プラ
ットホーム１４側に戻るように取り付けられている。こ
の主索ワイヤロープ１６の戻り端は発進立坑１０内に設
置されたロープドラム２０に巻き付けられており、図示
しない駆動手段によって主索ワイヤロープ１６の繰り出
し長さを調整できるようになっている。また、主索ワイ
ヤロープ１６の途中には当該主索ワイヤロープ１６の張
り出し張力を自動的に調整するための張力調整装置２２
が設置され、坑道１２内に張り渡されたロープ張力が一
定になるようにしている。これは図６に示すように、張
力を検知しつつこれが設定した張力に見合うように油圧
シリンダ手段等により、ロープを引き込みあるいは繰り
出すことで調整する構成としている。

【００１３】一方、曳索ワイヤロープ１８は両端が接続
された無端状のリングとされたもので、前記主索ワイヤ
ロープ１６をガイドとして周回移動できるように張り巡
らされている。この曳索ワイヤロープ１８は発進立坑１
０の側壁に取り付けられたローププール装置２４に巻き
付けられた状態で坑道１２に繰り出されるようになって
いる。ローププール装置２４は一対の平行ロール２４Ａ
、２４Ｂを有し、この平行ロール２４Ａ、２４Ｂの一方
を移動可能として間隔の調整ができるようにされ、平行
ロール２４Ａ、２４Ｂ間に巻き付けられた曳索ワイヤロ
ープ１８のプール量を調整可能としている。このため、
平行ロール２４Ａ、２４Ｂの間隔を調整する駆動装置が
具備されるとともに、図７に示した平行ロール２４Ａ、
２４Ｂを回転駆動して曳索ワイヤロープ１８を周回運動
させる駆動装置２５が具備されている。また、曳索ワイ
ヤロープ１８には運搬すべき資機材２６を懸吊するため
のキャリア２８が取り付けられている。キャリア２８は
曳索ワイヤロープ１８に対し離索可能に固着されたもの
で、図８に示すように、平行に張られている曳索ワイヤ
ロープ１８を把持するチャッキング部２７を有するとと
もに、主索ワイヤロープ１６上を転がる転動ローラ２８
Ａを具備し、曳索ワイヤロープ１８の周回運動に伴って
、当該キャリア２８が主索ワイヤロープ１６をガイドと
して移動するようになっている。

【００１４】前記発進プラットホーム１４は積荷懸吊プ
ラットホームとされ、前記キャリア２８を曳索ワイヤロ
ープ１８に把索、離索させるとともに、資機材２６の自
動荷積み、荷卸しを行なわせる。また、必要に応じてキ
ャリア２８の自動発進機構を本体フレーム機構体内に装
備格納するようにすることもできる。

【００１５】また、坑道１２の先端ではシールド掘削機
３０が掘進作業を行なっているが、このシールド掘削機
３０の直後には前記ロープ手段の反転部を構成する先端
プラットホーム３２が備えられている。先端プラットホ
ーム３２は発進プラットホーム１４と同様に鋼材を枠組
みして形成され、特にこれは坑道１２に固定されておら
ず、壁面のセグメント３４を案内面としてシールド掘削
機３０に伴って移動できる可動フレーム体として形成さ
れている。この移動のために、当該先端プラットホーム
３２の床面側には歩進手段３６が設けられ、これは前進
油圧ジャッキ３６Ａ、反力調整盛替用油圧ジャッキ３６
Ｂを備えた構造とされる。すなわち、歩進手段３６は主
索ワイヤロープ１６、曳索ワイヤロープ１８の反力（張
力）と前進（移動）とバランスしつつ、セグメント３４
を反力支点として移動可能となっており、シールド掘削
機３０の掘進に合せて油圧ジャッキ３６Ａ、３６Ｂを作
動させることにより、先端プラットホーム３２の位置移
動を可能にしている。

【００１６】ここで、前述したように、先端プラットホ
ーム３２にはロープ手段の反転部が設けられているが、
これはロープ手段が巻回されるプーリ３８により構成さ
れている。プーリ３８は、図２に示すように、前方下向
きに傾斜配置して先端プラットホーム３２に取り付けら
れ、同時に先端プラットホーム３２にはプーリ３８の傾
斜を利用してキャリア２８を曳索ワイヤロープ１８から
離索して搬送資機材２６をプラットホーム前端に切り離
し誘導する誘導板４０が設けられている。これはキャリ
ア２８の転動ローラ２８Ａが主索ワイヤロープ１６から
乗移るレール部を有するもので、キャリアチャッキング
部２７を外して離索させたた後に慣性で誘導板４０に乗
移ることができるようになっている。したがって、先端
プラットホーム３２では懸吊された資機材２６の曳索ワ
イヤロープ１８の周回移動から分離して誘導板４０部分
にて積み卸しが可能となっている。誘導板４０上のキャ
リア２８は反転して復路側の曳索ワイヤロープ１８に把
索し、発進プラットホーム１４側に搬送される。

【００１７】なお、前記誘導板４０の下方位置には資機
材２６の積み卸しを簡易にできるように昇降荷台４２が
据え付けられている。

【００１８】前記発進プラットホーム１４と先端プラッ
トホーム３２との間の坑道１２内には、図４に示すよう
に、ロープ手段を所定高さに保持するための中間支柱ユ
ニット４４が備えられている。中間支柱ユニット４４は
シールド掘進したトンネル坑内の軸方向区間に適時増設
し、キャリア２８の運行を保持するものである。曲線部
分は曲率に合せて方向規制する曲線部専用支柱を設置す
る。また、中間支柱ユニット４４がシールド掘進距離に
対応して増設された場合、ワイヤロープが垂れ、懸吊物
がトンネル坑と干渉する場合が生じる。これを解消する
ため、中間部主索ワイヤロープ張力分配調整装置４６を
適所の中間支柱ユニット４４に取り付けるようにしてい
る。また、懸吊された資機材２６が一定以上低い位置を
搬送しないように、ガイドレール４８を中間支柱ユニッ
ト４４の間の直線路部分に設け、中間支柱ユニット４４
の間引きを行なって設備コストを低減するようにしてい
る。

【００１９】なお、先端プラットホーム３２にも発進プ
ラットホーム１４と同様に、主索ワイヤロープの自動張
力調整機構を装備することができる。

【００２０】このように構成されたトランスポータによ
れば、先端プラットホーム３２をシールド掘削機３０の
掘削移動に同期して移動させることができ、これと同時
にロープ繰り出し長さの調整手段としてのロープドラム
２０、ローププール装置２４によってロープ手段を順次
延長させることができる。このようなロープ手段による
複線式循環輸送装置によって、トンネル坑内等の作業現
場において、連続的に輸送作業を継続して行なうことが
できる。そして、段取り替え作業、中間支柱ユニット４
４類の増設、かつ更に長距離化した場合には主索ワイヤ
ロープ１６、曳索ワイヤロープ１８の追加接続によって
、輸送距離長の増大に対しても簡単に対応延長すること
が可能になり、レール敷設等の大掛かりな作業が不要と
なる。

【００２１】上記実施例ではトンネル坑道に適用した場
合について説明したが、このトランスポータは山岳部に
おけるケーブル敷設工事等、作業箇所が順次延長される
作業形態をもつものに適用することができ、作業用資材
の輸送システムとして非常に有効である。また、スキー
リフト類、ロープウェイの設置工事等を行なう場合にも
当然適用することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るトラ
ンスポータによれば、レールや枕木等の軌条設備が不要
となって輸送設備の低減が図れると同時に、大量の資機
材類を高速かつ安全に輸送できる効果が得られる。しか
も、トンネル坑内などの狭い空間でも占有空間が小さく
、急勾配や急曲線部でも簡単に設置でき、かつ坑内作業
環境が改善され、省力化と設備維持費の低減が図れる利
点が得られる。またシールド掘進部等の先端作業部の進
行が輸送力の増大によって高速化され、大幅に作業効率
を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係るトランスポータの発進側の設備を
示すトンネル断面図である。

【図２】先端側の設備を示すトンネル断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】トランスポータの中間輸送部を示すトンネル断
面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ線断面図である。

【図６】主索ワイヤロープの配置平面図である。

【図７】曳索ワイヤロープの配置平面図である。

【図８】キャリアの正面図である。

【符号の説明】

１０　　　　発進立坑 １２　　　　坑道 １４　　　　発進プラットホーム １６　　　　主索ワイヤロープ １８　　　　曳索ワイヤロープ ２２　　　　張力調整装置 ２６　　　　資機材 ２８　　　　キャリア ３０　　　　シールド掘削機 ３２　　　　先端プラットホーム ３６　　　　歩進手段 ４０　　　　誘導板 ４４　　　　中間支柱ユニット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　トンネル坑内等に資機材を搬送するた
   めのトランスポータであって、ベース位置から作業先端
   部まで配設された主索ワイヤロープと、この主索ワイヤ
   ロープに案内されて循環移動可能とされるとともに積載
   物を懸吊するキャリアが取り付けられる曳索ワイヤロー
   プとからなるロープ手段を備え、このロープ手段には繰
   り出し長さの調整手段を設けるとともに、前記作業先端
   部のロープ反転部には作業の進行に合せて位置移動可能
   な歩進手段を有するプラットホームを設置したことを特
   徴とするトランスポータ。