JPH0421433A - 免震積層体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、建物およびｉ波装置等の構造体に地震等の
振動が伝わるのを防止するため、上記構造体と基礎との
間に介在させる免震積層体の製造方法に関するものであ
る。

（従来の技術） 上記の構造体と基礎との間に介在させるための免震積層
体として、鋼板のような硬質板とゴム板のような軟質板
とを交互に重ねて貼合せたものが知られている（例えば
、特開昭６２−２１１４７１号公報、特開昭６２−２２
４７４２号公報および特開昭６１−２２９０７５号公報
等参照）。そして、これらの免震積層体は、その１個ず
つを成形し、上部熱板に固定された上型と下部熱板に固
定された下型とからなる開閉自在の金型で加硫して製造
されていた。

（発明が解決しようとする課題） 従来は、免震積層体を１個ずつ成形し、金型で加硫して
いたので、加硫が熱板からの伝熱加硫となり、しかも金
型の側面から放熱が生しるため、加硫に長時間を必要と
した。また、成形の際、中心孔を有する硬質板とゴム板
とを交互に棒状の巻芯に嵌合して積層し、これを金型に
取付けて加圧し、加硫していたので、ゴム板の厚みの不
均一や金型を閉しるときの圧力などによって硬質板の間
隔や向きにずれが生したり硬質板が変形したりして製品
の免震積層体の性能が不十分になるという問題があった
。しかも、金型で１個ずつ加硫するので、金−型の準備
に多額の費用を必要とした。

また、最近では、ゴム板の代わりに有機質繊維や金属繊
維のコードからなるメツシュやすだれ織物にゴムをトッ
ピングして得られた円板状のゴム引き布を用いたり、こ
のゴム引き布のみを積層して硬質板を省略したり、また
長尺のゴム引き布を棒状の巻芯上にロール状に巻いたり
、更に上記のコードをゴムで被覆したひも状のゴム被覆
コードを上記棒状の巻芯上に多層のコイル状に巻いたり
することが試みられているが、いずれも免震積層体１個
の長さに成形し、金型で加硫していたので、前記同様の
問題があった。

なお、この発明の出願人は、上記の問題を解決するため
、先に、断面円形の棒状巻芯上に免震積層体用のゴム状
軟質材および硬質材により上記免震積層体の複数個分に
相当する長さの円柱状複合体を成形し、この円柱状複合
体に布を巻付は固定し、しかるのち上記円柱状複合体を
棒状巻芯と共に加硫缶に入れて高温の空気または蒸気で
加熱し、次いで上記円柱状複合体を棒状巻芯から取外し
て所望の長さに切断することを提案した。しかしながら
、この先願発明は、上記円柱状複合体に布を多重に巻付
けて固定していたので、布の巻付は作業が面倒であり、
かつ円柱状複合体の表面に布目が付くという不都合があ
った。

この発明は、上記の先願発明と同様に、金型を必要とせ
ず、硬質板やコード等の硬質材のずれや変形を生じるこ
とがなく、金型で加硫する場合に比べて生産性の高い免
震積層体の製造方法を提供すると共に、その際に積層体
に布を巻き付けるという面倒な作業を必要とせず、積層
体表面に布目が付かないようにしたものである。

（課題を解決するための手段） この発明に係る免震積層体の製造方法は、ゴム状軟質材
および硬質材からなる免震積層体を製造する方法におい
て、真っ直ぐな棒状の巻芯上に上記のゴム状軟質材およ
び硬質材により上記免震積層体の複数個分に相当する長
さの円柱状複合体を成形し、この円柱状複合体を外側支
持円筒と内側ゴムチューブとからなる二重構造の加硫用
チューブに挿入し、この加硫用チューブに高温高圧の流
体を導入して上記内側ゴムチューブを円柱状複合体の表
面に圧接させると共に、この円柱状複合体を加熱し、次
いでこの加硫用チューブから円柱状複合体を取り出し、
この円柱状複合体を所望の長さに切断することを特徴と
する。

上記のゴム状軟質材は、天然ゴム、エチレンプロピレン
ゴム、エチレンプロピレンデイエンゴム、ニトリルゴム
、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソプレ
ンゴム、スチレンブタジェンゴム、ブタジェンゴム、エ
チレン酢ビゴム、可塑化ビニルゴムなどのゴム、および
ポリウレタンなど、従来の免震積層体の軟質材として使
用されたものと同様のものであり、その加硫後における
硬度は、ＪＩＳ−Ａゴム硬度の３０〜７０度が好ましい
。

また、硬質材は、板またはコードに形成して上記のゴム
状軟質材と複合される。この硬質材からなる板は、好ま
しくはＪＩＳ−Ａ硬度９５度以上の金属、セラミックス
、ＦＲＰ、木材、紙、スレト板、およびポリスチレン、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ＡＢＳ樹脂、ポリ塩化
ビニル、ボリカーボ７−ト、ナイロン、ポリアセタール
、エチルセルロース等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂
、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
、アルキド樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化製樹脂で成形
することができる。また、コードは、ポリエステル、ナ
イロン、レーヨン等の有ｌ！ｌ’ＩＩＮ維、スチール、
アルミニウム等の金属線、カーボン繊維などで好ましく
は０．２〜３ｍの直径に形成することができる。

上記のゴム状軟質材および硬質材で円柱状複合体を成形
する場合、上記のゴム状軟質材および硬質材でそれぞれ
上記の棒状巻芯の挿入可能な中心孔を有する孔あき円板
を形成し、上記の棒状巻芯にゴム状軟質材製孔あき円板
と複数枚の硬質材製孔あき円板とを交互に嵌め込んで積
層してもよく、また上記のコードを用いたメツシュもし
くはすだれ織物を上記のゴム状軟質材で被覆して得られ
たゴム引き布からなる孔あき円板と硬質材製の孔あき円
板とを同様に積層してもよ（、また上記ゴム引き布製の
孔あき円板のみを多数枚積層してもよい。この場合、・
棒状巻芯の一端側にフランジ板を固定して上記の１種ま
たは２種の孔あき円板を順に積層し、他端側に他のフラ
ンジ板を固定し、両側のフランジ板を円柱状複合体の端
面に密着させることが好ましい。また、長尺のゴム引き
布を上記の丸棒状の巻芯にロール状に巻いたり、またコ
ードを上記のゴム状軟質材で被覆して得られたひも状の
ゴム被覆コードを多層のコイル状に巻いたりして成形す
ることができ、この場合は、２枚のフランジ円板をあら
しめ棒状巻芯に固定しておくことができる。なお、上記
のゴム状軟質材製の孔あき円板は、厚み１〜２００■、
特に１〜５ｍが好ましく、硬質材製の孔あき円板の厚み
は１〜５ｍが好ましい。また、長尺のゴム引き布をロー
ル状に巻いたり、ひも状のゴム被覆コードを多層のコイ
ル状に巻いたりする場合、コードの好ましい配列ピッチ
は、棒状巻芯の長さ方向および半径方向にそれぞれ０．
５〜４■が好ましい。

上記の円柱状複合体の加硫に使用する加硫用チューブは
、外側支持円筒の両端に内側ゴムチューブの両端を固定
して二重構造に形成し、外側支持円筒に高温高圧の蒸気
または空気の導入口を取付け、この高温高圧の蒸気また
は空気を導入することにより、内側ゴムチューブを内側
に膨らませるようにしたものであり、内側ゴムチューブ
の内径を上記円柱状複合体の外径よりも小さく形成し、
このチューブ内を減圧して内側ゴムチューブの内径を上
記円柱状複合体の外径よりも大きくした状態でその内側
に円柱状複合体を挿入し、しかるのち内側ゴムチューブ
を膨張させて円柱状複合体の外面に密着させることが好
ましい。

上記の円柱状複合体の成形に際し、免震積層体１個分の
長さごとに１枚または２枚の境界板を介在させ、加硫後
に境界板の位置で複数個の免震積層体に分割することが
できる。ただし、境界板を１枚ずつ介在させた場合は、
加硫後に境界板を免震積層体から取外し、また境界板を
２枚介在させた場合は、２枚の境界板をそれぞれの接す
る免震積層体に加硫接着して使用することができる。

（作用） 棒状巻芯上に成形した円柱状複合体を加硫用チューブに
挿入し、この加硫用チューブに高温高圧の流体を導入す
ると、加硫用チューブの内側ゴムチューブが膨張し、円
柱状複合体の表面に圧接して円柱状複合体の外形を円柱
状に保持すると共に、円柱状複合体が高温の高圧流体で
加熱され、その加硫が行われる。そして、免震積層体複
数個分の長さの柱状複合体が一度に加硫され、これを加
硫後に切断することにより、所望の長さの免震積層体が
複数個得られる。また、上記の円柱状複合体に境界板を
介在した場合は、切断によらずに所望の大きさの免震積
層体が得られる。なお、ゴム引き布の形で使用した場合
は、ゴム状軟質材のみからなる板を使用した場合よりも
、保管時の温度、湿度、放置時間などによる寸法変化が
少なく、円柱状複合体の成形が容易になる。また、得ら
れた免震積層体は、適当な金具を取付けて構造体と基礎
との間に介在させる。

（実施例） 第１図に示すように、棒状巻芯１の一端にフランジ円板
２を着脱自在に固定し、ゴム状軟質材製の孔あき円板３
および硬質材製の孔あき円板４を１枚交互に嵌装して積
層し、棒状巻芯１の他端に第２のフランジ円板２を、こ
の他端側に位置するゴム状軟質材製の孔あき円板３に密
着させて固定し、この２枚のフランジ円板２．２間の積
層体の外周に別のゴム状軟質材からなるシート５を巻付
けて円柱状複合体６を成形する。この場合、ゴム状軟質
材製孔あき円板３を硬質材製孔あき円板４よりも大きく
しておき、積層後にゴム状軟質材製孔あき円板３の外周
部を折り曲げて硬質材製孔あき円板４の外周を被覆して
全体を−様な断面形状の円柱状複合体６とすることがで
きる。

次いで、上記の円柱状複合体６を第２図の加硫用チュー
ブ１１に挿入して加硫する。この加硫用チューブ１１は
、外側支持円筒１２の内側に内側ゴムチューブ１３を挿
入し、この内側ゴムチューブ１３の両端を外側に折り曲
げて外側支持円筒１２の両端に被せ、リング１４で締付
は固定し、かつ外側支持円筒１２に高温高圧の蒸気導入
管１５を取付けたものである。そして、上記円柱状複合
体６の加硫の際は、図示のように、この加硫用チューブ
１１に円柱状複合体６を挿入して同心状に固定し、蒸気
導入管１５から高温高圧の蒸気を導入する。この蒸気の
導入により、内側ゴムチューブ１３が二点鎖線で示すよ
うに膨張して円柱状複合体６の表面に密着し、この円柱
状複合体６の外形が整えられる。そして、この高温高圧
の蒸気が内側ゴムチューブ１３を介して円柱状複合体６
を加熱する。所定時間の加熱により加硫が終了すると、
円柱状複合体６が取り出され、棒状巻芯ｌおよび両端の
フランジ円板２が外され、この円柱状複合体６が所望の
長さに切断され、第３図の免震積層体７が得られる。こ
の免震積層体７は、その両端にフランジ８を固定して使
用される（第４図参照）。

第５図に示す第２実施例は、ゴム状軟質材製の孔あき円
板１６．１６間に、スチールコードを用いたすだれ織物
にゴムをトラピンクして得られたゴム引きコード製の４
枚の孔あき円板１７を硬質板として介在させて円柱状複
合体１８を形成したものである。ただし、４枚のゴム引
きコード製孔あき円板１７は、そのコード方向を４５度
ずつずらして積層される。そして、この円柱状複合体１
８は、上記第１実施例と同様に加硫用チューブ１１に挿
入されて加硫される。

第６図の第３実施例は、スチールコード製すだれ織物に
ゴムをトラピンクして得られたゴム引きコード１９を円
形断面の棒状巻芯ｌにロール状に巻いて円柱状複合体２
０を成形する例である。

第７図の第４実施例は、棒状巻芯１の両端のフランジ板
２１．２１間に所望の大きさの免震積層体に対応する短
い円柱状複合体２２を複数個、その間に境界板２３を１
枚ずつ挟んで成形したものであり、前記同様に加硫した
のち境界板２３を取り外すことにより、前記第３図の免
震積層体７が得られる。

なお、上記の円柱状複合体２２は、第１実施例のゴム状
軟質材製孔あき円板３および硬質材製孔あき円板４を交
互に積層する方法、第２実施例のゴム状軟質材製孔あき
板１６およびゴム引きコード製孔あき板１７を交互に積
層する方法、第３実施例のゴム引きコード１９をロール
状に巻く方法等のいずれの方法によって成形してもよい
。

第８図の第５実施例は、両端のフランジ板２１に接して
１枚の境界板２３を、また隣接する短い円柱状複合体２
２．２２の間に２枚の境界板２３．２３をそれぞれ挟ん
で成形する例であり、この場合は、加硫により境界板２
３が円柱状複合体２２の両端に接着され、第９図に示す
ように、両端に境界板２３を有する免震積層体２４が加
硫と同時に得られる。

（発明の効果） この発明は、棒状の巻芯上に免震積層体の複数個分の長
さに相当する円柱状複合体を成形し、この円柱状複合体
を外側支持円筒と内側ゴムチューブとからなる二重構造
の加硫用チューブに挿入し、この加硫用チューブに高温
高圧の流体を導入して上記の円柱状複合体を周囲から加
圧しながら加熱し、加硫するので、−度に多数個の免震
積層体を加硫することができ、生産性が高く、かつ金型
を用いないため、設備費を下げることができる。また、
高温高圧の流体の熱が薄い内側ゴムチューフを介して円
柱状複合体に四周から加えられるので、従来の金型によ
る加硫に比べて加硫時間が短縮される。また、金型を使
用しないで、円柱状複合体よりも大径の加硫用チューブ
に円柱状複合体を挿入し、しかるのち加硫用チューブの
内側ゴムチューブを内側へ膨張させて円柱状複合体を加
圧するので、金型使用時のように硬質材の配列乱れが生
じることはな（、製品である免震積層体の品質が安定し
、向上する。また、加硫用チューブを使用するので、円
柱状複合体に布を巻付ける面倒な作業が不要で、加硫作
業が容易であり、かつ免震積層体の表面に布目がつかな
い、そして、請求項２に記載の発明では、加硫後の切断
を省略することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の第１実施例の円柱状複合体の一部
を破断した正面図、第２図は加硫用チューブの断面図、
第３図は上記第１実施例の免震積層体の斜視図、第４図
は第３図の免震積層体を組立てたときの正面図、第５図
は第２実施例の円柱状複合体の断面図、第６図は第３実
施例の断面図、第７図は第４実施例の円柱状複合体の正
面図、第８図は第５実施例の円柱状複合体の要部の正面
図、第９図は第５実施例の免震積層体の正面図である。 １：棒状巻芯、６．１８．２０．２２：円柱状複合体、
１１：加硫用チューブ、１２：外側支持円筒、Ｉ３：内
側ゴムチューブ、１５：蒸気導入管、２３：境界板。 特許出願人　　東洋ゴム工業株式会社 代理人　弁理士　　　吉　１）了　司 第３図 第４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 〔１〕ゴム状軟質材および硬質材からなる免震積層体を
   製造する方法において、真っ直ぐな棒状の巻芯上に上記
   のゴム状軟質材および硬質材により上記免震積層体の複
   数個分に相当する長さの円柱状複合体を成形し、この円
   柱状複合体を外側支持円筒と内側ゴムチューブとからな
   る二重構造の加硫用チューブに挿入し、この加硫用チュ
   ーブに高温高圧の流体を導入して上記内側ゴムチューブ
   を円柱状複合体の表面に圧接させると共に、この円柱状
   複合体を加熱し、次いでこの加硫用チューブから円柱状
   複合体を取り出し、この円柱状複合体を所望の長さに切
   断することを特徴とする免震積層体の製造方法。 〔２〕請求項１記載の免震積層体の製造方法において、
   円柱状複合体を成形する際に免震積層体の１個分ごとに
   境界板を介在させ、加硫後に上記境界板の位置で複数個
   に分割する免震積層体の製造方法。