JPH0421285Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案は、さいふのスペアとして、手帳や定期
券入れに挟み、洋服などのポケツトに入れておけ
るコイン入れに、テレホンカードやオレンジカー
ドなども入れられる薄型のコイン入れに関する。

（従来技術） 本考案同出願人が提案した、昭和60年実用新案
登録願第184450号「硬貨収納カード」があるが、
これは、弾性のある材質からなり、キヤツシユカ
ードなどの大きさとほぼ同程度のカード本体と、
このカード本体に硬貨を一枚一枚嵌め込む底面に
透孔を設けた複数個の嵌入凹部と、この嵌入凹部
の内側上縁に少くとも一個所以上設けられたかか
り部と、このかかり部の外側に弾性壁を形成する
ための横長透孔とから構成されたものである。

しかし、この硬貨収納カードは、硬貨が嵌入さ
れた表側は全面露出しているので、ポケツトに直
接入れていて、体の屈折とともにカードも曲がつ
て、硬貨が嵌入凹部からこぼれ落ちる心配があ
る。また、硬貨を平面的に一枚づつ嵌め込んだだ
けのものは、金額的に少く、最近利用度の高いテ
レホンカード、オレンジカードなど（以下カード
と記す）も持つている。しかも、別々に持つこと
になる。

また、硬貨入れとカードを一緒にしたものとし
て、実願昭61−175969号（実開昭63−79727号公
報）の「テレホン用コンパクトケース」がある
が、（第１０図、第１１図示） 蓋体と外枠は別体に成形され、後端部で開閉
自在に枢支されている。

硬貨を収納した中枠は、この中枠の両端の上
面と下面を、一般に使用されるマツチ箱の外ケ
ース状の外枠内（第１０図示のリブが設けてあ
る部分と第１１図示の外枠の部分の間）に挿入
するので、下面側に折れ曲がつている部分の厚
み分だけ厚くなる。

カードは外枠の上に載置させるだけで、開閉
自在の蓋体を閉め、係止突起と係止部とで係止
させておかないと、カードは保持できない。

収納時は、カードも硬貨を入れた中枠も全面
が隠れているので、取り出したいときは、蓋体
の係止を一旦はずし、蓋体を開いてからカード
を取り出す。また硬貨の場合は、ケースを裏返
えして開口部を下に向け、中枠の裏に刻設した
滑り止め用の横溝に親指をかけ、中枠を引出し
状に繰り出して硬貨を下へ落して出す。硬貨を
下へ落して出すので硬貨が何枚残つているか見
えないとともに床に硬貨を落すおそれがある。

中枠の底部に滑り止め用の横溝が刻設された
有底なので、溝の厚さ分だけ厚さを必要とす
る。

以上のように構成されているので、硬貨及びカ
ードを取り出し易くしたとなつていますが手間取
り、こぼれ易い構造であり、ケース全体の厚みも
厚くなつている。

（考案の目的及びその解決手段） したがつて、本考案は、硬貨がこぼれ落ちない
ように硬貨が嵌入された開口部を覆うようにカバ
ー内へ挿入させるとともにカードも挿入でき、し
かも全体が薄型にまとまるようにすることと取り
出し易しすることを目的とする。

そこで、複数枚の硬貨を平面的に嵌入させる独
立孔を有した台板と、この台板がスライドして挿
入しうるカバー本体とからなるコイン収納ケース
において、上記台板の裏面の左右両側端に傾斜面
を形成した台板と、左右両端が下方へ折り曲がり
前記台板の傾斜面と合致して係合しうる傾斜面と
なつているとともに、この傾斜面の幅は前記台板
の傾斜面の幅と同幅或いは同幅以下である内側
に、上記台板が前方端開口部から挿入されるスラ
イド溝を形成するとともに、その上部に、後方端
開口部からカードを挿入させるスライド溝を前記
台板用の溝より左右に広い溝を形成し、前方端開
口部の一部に、挿入した台板の表側の一部が露出
し引き出すときに、台板に指をかけるための切り
欠き部を形成し、また、後方端開口部の一部に、
挿入したカードの一部を露出させ、引き出すとき
にカードに指をかけ易くするための切り欠き部を
形成し、この切り欠き部の下部に、突起体を上面
に形成した弾性舌片を設けた底部のないカバー本
体とから構成され、上記カバー本体の後方端開口
部からカードを挿入した際に、上記突起体と開口
部との接点でそり返えり状に押えられ、抜け落ち
ないようにしてある。

（実施例の構成） 図面は本考案の一実施例を示している。

１は、弾性のある材質からなり、カードとほぼ
同程度の大きさの台板であり、裏面の左右両端に
削れた状態の傾斜面２を形成している。

この台板１は、500円玉、100円玉、10円玉など
を嵌め込む、底面３ａに透孔を設けた嵌入凹部３
が複数個、平面的に独立孔として設けてある。な
お、この台板１および嵌入凹部の厚みはコインが
一枚入る薄さ３ミリ前後で、手帳などに挟むのに
は好ましいが、要望によつては、コインが二枚或
いは三枚重なる嵌入凹部を形成する厚みのものも
考慮される。

上記嵌入凹部３の内側上縁に少くとも一個所に
かかり部３ｂが設けてあり、このかかり部３ｂの
外側に横長の透孔３ｄを形成して弾性壁３ｃが設
けてある。

４は、上記台板１が挿入されるカバー本体であ
り、このカバー本体４の左右両側端が下方に折り
曲がり内側が上記台板１をスライド挿入させるス
ライド溝９が設けてある。このスライド溝９の形
状は、台板１の左右両側端に設けられた傾斜面２
と合致し係合しうる傾斜面９ａとなつているとと
もに、この傾斜面９ａの幅ロは、前記台板１の傾
斜面２の幅イと同幅或いは同幅以下とし、第５図
及び第９図示のように台板１の裏面１ａより突出
しないようになつている。

そして前方端に台板を挿入するための開口部５
が設けてある、この開口部５の一部には、挿入し
た台板１の一部が露出し、引き出すときに台板１
に指をかけつまみ易くするための切り欠き部５ａ
が形成され、また、後方端にはカード１１を挿入
するための開口部６が設けてあり、この開口部６
の一部には挿入したカード１１の一部が露出し、
カード１１をつまみ出し易くするための切り欠き
部６ａが形成されている。

そして、上記カード１１を挿入する後方端開口
部６側から前方端に向かつてスライド溝９の上方
にカード１１用のスライド溝１０が前記溝９より
左右に少し広く設けてあり、その先はカード１１
がつき抜けないように塞がつていてストツパー４
ａとなつている。

上記カード用の開口部６の下方の切り欠き部６
ａでカード１１が露出する部分に、ゆるやかな円
弧状の突起体７を上面に形成した弾性舌片８が設
けてある。この突起体７の高さは、上記カード１
１が挿入されるスライド溝１０の上部より僅かに
低くなつている。

１４は、上記カバー本体４の内部に設けられた
スライド溝１０内に設けられる中仕切であり、台
板１とカード１１の間を仕切るものである。この
中仕切りを設けておくと、カード１１を出すとき
より入れるときにコインに引つかからないように
するためのものであるが、この中仕切１４はなく
ても、カード１１はカード用のスリイド溝１０を
スライドするので支障はない。

また、カバー本体４に鎖などを通す孔を設ける
と、ベルトに連結し紛失防止ともなる。

（実施例の作用） 本考案のコイン収納ケースの台板１の嵌入凹部
３の大きさに合つたコインを嵌入する。

コインの入つた台板１をカバー本体４の前方端
開口部５から挿入すると、台板１の裏面の左右両
側端の傾斜面２の幅イと同幅或いは同幅以下のカ
バー本体のスライド溝９の傾斜面９ａの幅ロの下
端が、第５図及び第９図示のように台板１の裏面
１ａより突出しないで係合される。

台板１を引き出すときは、切り欠き部５ａで露
出している部分の台板１をつまみ引き出し、嵌入
凹部３に嵌入された任意のコインを裏側の透孔か
ら押し上げて取り出す。

カバー本体４の後方端開口部６からカード１１
を挿入すると、スライド溝１０を通つてストツパ
ー４ａで止まり、開口部６の端部で下方へ押えら
れ、カードの端は第７図示のように弾性舌片８の
突起体７の上に乗り上げ状態となり、上方へ若干
そり返り一部を露出して保持される。

カード１１を取り出すときは、上方へそり返り
露出している部分を下方へ押えると、弾性舌片８
は下方へ下がり、カード１１を水平にして引き出
す。

（考案の効果） 台板の裏面両側端に傾斜面を形成し、その傾
斜面と合致しうる内側をもつとともに、挿入し
たときに傾斜面の下端、いわゆる台板の裏面か
ら突出しないようになつているので、台板にカ
バー本体を設けても、従来技術のマツチ箱の引
出し状のように、台板の裏側覆う厚みを必要と
せず、薄型となり、ポケツトなどに入れても目
立たず、手帳にも挟んでおける。

カバー本体の台板が挿入される開口部及びカ
ードを挿入する開口部の一部がそれぞれ切り欠
いてあり、台板及びカードの一部が露出してい
るので、それぞれ指がかけ易く抜き取り易い。

カードを挿入する開口部の下方に、突起体を
形成した弾性舌片が設けてあるので、カードを
挿入するとカードの手元側が突起体の上に乗り
上げ開口部の端部で下方へ押さえ二点で保持
し、そり返えり状にしている。そのため、一部
露出しているカードは抜け落ちない。

カードの手元側がそり返つていても、弾性舌
片を下方へ押えると下がるのでカードは水平に
なり、スムースに取り出せる。

カバー本体の内側と台板との間に僅かな空間
を形成したカード用のスライド溝が設けてある
ので、複数種類のコイン以外にテレホンカード
やオレンジカードなど複数種類のカードを一緒
に入れて持ち歩きでき、電話もかけられ、JR
など電車にも乗れると言つたように、金額的に
も比較的多く持てる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図。第２図は
同上カバー本体の斜視図。第３図は第２図のＢ−
Ｂ線断面図。第４図は本考案の一実施例の中仕切
の斜視図。第５図は第１図の台板が挿入された側
から見た正面図。第６図は第１図のＡ−Ａ線断面
図。第７図は弾性舌片側の要部拡大断面図。第８
図は本考案の台板の斜視図。第９図は第５図の要
部拡大図。第１０図及び第１１図は従来技術の
図。 １は台板、１ａは裏面、２は傾斜面、３は嵌入
凹部、３ａは底面、３ｂはかかり部、３ｃは弾性
壁、３ｄは横長の透孔、４はカバー本体、４ａは
ストツパー、５は台板用の前方端開口部、５ａは
切り欠き部、６はカード用の後方端開口部、６ａ
は切り欠き部、７は突起体、８は弾性舌片、９，
１０はスライド溝、９ａはカバー本体の傾斜面、
イは台板の傾斜面の幅、ロはカバー本体の傾斜面
の幅。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数枚のコインを平面的に嵌入させる独立孔を
   有した台板とこの台板がスライドして挿入しうる
   カバー本体とからなるコイン収納ケースにおい
   て、上記台板の裏面の左右両側端に傾斜面を形成
   した台板と、左右両端が下方へ折り曲がり前記台
   板の傾斜面と合致して係合しうる傾斜面となつて
   いるとともに、この傾斜面の幅は前記台板の傾斜
   面の幅と同幅或いは同幅以下である内側に、上記
   台板を前方端開口部から挿入させるスライド溝を
   形成するとともに、その上部に後方端開口部から
   カードをスライド挿入させるスライド溝を前記台
   板用の溝より左右に広い溝を形成し、前方端開口
   部の一部に、挿入した台板の表側の一部が露出し
   引き出すときに、台板に指をかけるための切り欠
   き部を形成し、また、後方端開口部の一部に、挿
   入したカードの一部を露出させ、引き出すときに
   カードに指をかけ易くするための切り欠き部を形
   成し、この切り欠き部の下部に、突起体を上面に
   形成した弾性舌片を設けた底部のないカバー本体
   とからなるコイン収納ケース。