JPH0420363Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はサイフオン式コーヒーメーカーに関す
るものである。

従来、この種のコーヒーメーカーは、水を収容
する加熱用容器とコーヒー粉を収容する粉用容器
とを具備し、この両容器の内底部を互に連通させ
る構造であり、粉用容器はフイルターを内装して
その上方にコーヒー粉を収容し、かつフイルター
の下方より熱湯が流入するようになつている。而
して、加熱用容器内に水を入れ、加熱するとも加
熱用容器内の圧力が高まり、該容器内の熱湯を粉
用容器内に移送することになり、粉用容器内に流
入した熱湯はフイルターを通過してコーヒー粉に
触れ、コーヒー成分を抽出する。その後、加熱用
容器の加熱を止めると、加熱用容器は内部圧力が
下がり、粉用容器内のコーヒー液を吸引し収容す
るものである。

（考案が解決しようとする問題） ところで、粉用容器内に流入した熱湯はフイル
ターを通過してコーヒー粉に触れることになる
が、この際コーヒー粉が熱湯の表面に浮いたまま
熱湯で押し上げられるだけで、熱湯と充分に混合
されないことが多分にあり、このような場合には
コーヒー成分を充分に抽出することができず、コ
ーヒーのうま味に欠けるものであり、又これを改
善する為には攪拌棒等を用いて人為的に攪拌し熱
湯とコーヒー粉とを充分に混合させる必要が生
じ、手間のかかるものになつていた。

然るに、本考案は熱湯とコーヒー粉とが確実に
攪拌されるようになし、おいしいコーヒーを手間
をかけることなく得られるようにするものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案の内容を、実施例に対応する図面を用い
て説明する。

水を収容する加熱用容器２と、フイルター２０
を内装しかつ該フイルター２０上にコーヒー粉を
収容する粉用容器３とを具備し、加熱用容器２か
ら熱湯を粉用容器３内にフイルター２０の下方よ
り流入させるようにしたサイフオン式コーヒーメ
ーカーにおいて、上記粉用容器３内に収容するす
のこ状の攪拌体２２の下部にフイルター押え２
２′を一体的に設け、当該粉用容器３内壁には、
上記フイルター２０より上方に複数の突起２１を
設け、該突起２１を利用して上記すのこ状の攪拌
体２２を着脱自在に支持するように設ける。

（作用） 加熱用容器２内に水を入れて加熱すると、該容
器２内の圧力が高まり、内部の熱湯は粉用容器３
側に移送され、フイルター２０を通過してコーヒ
ー粉と接触する。この時、コーヒー粉が熱湯の表
面に浮きそのまま押し上げられたところで、その
途中に攪拌体２２がある為、攪拌体２２が障害と
なつて湯中に浸漬され、しかも勢いよく流入した
熱湯と攪拌体２２との衝突によつて攪拌作用が生
じ、コーヒー粉と熱湯とが確実に混合されコーヒ
ー成分を充分に抽出できることになる。然る後、
加熱用容器２の加熱を止めると、加熱用容器２内
は圧力が下がり、粉用容器３内のコーヒー液をフ
イルター２０を通して吸引し収容する。

（実施例） 以下図面に示した本考案の実施例について詳細
に説明する。

本実施例のサイフオン式コーヒーメーカーは、
器具本体１、加熱用容器２及び粉用容器３等によ
り構成する。

器具本体１は台部４、後壁部５及び天井部６，
７により側面略コ字状をなしており、台部４には
加熱用容器２を載せるための載置部４ｂと粉用容
器３を載せるための載置部４ｂとを左右に並設す
る。尚、上記載置部４ａには図面上省略している
が、加熱用容器２を加熱する電気ヒーター、該容
器２の温度を感知する温度センサー等を設ける。

天井部６は載置部４ａと対向して位置してお
り、この天井部６には上下に貫通するねじ孔８を
有し、このねじ孔８にロツク用軸９を螺合する。
このロツク用軸９は回転操作により上下するもの
で、その下端面にシールパツキン１０を装着す
る。

一方、天井部７は載置部４ｂと対向して位置す
るもので、コーヒーミル１１を装備する。このコ
ーヒーミル１１の構造は特に限定するものではな
いが、コーヒー豆を上部より投入し粉砕したコー
ヒー粉を下部より落下させる構造のものが好し
く、例えばうす型のコーヒーミルを使用する。

上記加熱用容器２は例えば耐熱ガラス製の容器
よりなり、注出口を兼ねるパイプ１２を一体に有
する。パイプ１２は加熱用容器２の外側面に沿つ
て縦方向に設けられ、その下端は加熱容器２２の
内底部に連通しかつ上端は該容器２の上端より若
干低い位置で横向きに開口する。蓋１３はパツキ
ン１４を具備し、加熱用容器２の上部開口部に嵌
合して該開口部を密閉するためのものであり、そ
の上面のつまみ部１５の中央に貫通孔１６を形成
する。又、蓋１３には常温で開放状態にあり、加
熱用容器２内の湯温が沸騰温度に近い高温度にな
つた時に閉塞する感温弁装置１７を設けてある。
而して、加熱用容器２を載置部４ａ上に載せた状
態で蓋１３の貫通孔１６がロツク用軸９の下端と
対向し、該軸９の下降によりシールパツキン１０
で貫通孔１６を閉塞できるようになつている。
尚、１８は加熱用容器２に設けた把手で、左右一
対の部材を結合することにより構成され、把持部
１８ａとパイプ１２の上端を支持しかつ保護する
パイプ保護部１８ｂとを有する。

粉用容器３は例えば耐熱ガラス製の容器よりな
り、その底部に連通口１９を有しかつこの内側に
フイルター２０を着脱自在に配置する。又、粉用
容器３の内面には複数個の突起２１を設け、この
突起２１を利用してすのこ状の攪拌体２２を着脱
自在に支持するものであり、この攪拌体２２は多
数の環状桟２２ａとこれらを支持する放射方向の
桟２２ｂとからなる。尚、攪拌体２２は少なくと
も桟２２ａを断面三角形状、半円形状若しくは円
形状等に形成することにより、桟２２ａ上にコー
ヒー粉が推積することを防止している。又、攪拌
体２２はフイルター押え２２′を一体的に設けて
おり、このフイルター押え２２′によつてフイル
ター２０を所定位置に保持する。パイプ２３は粉
用容器３の外側面に沿つて縦方向に設けられ、下
端を継手パイプ２４及び連通口１９を介して粉用
容器３の内底部に連通する。パイプ２３の上端に
は吸着パツキンよりなるエルボ状の継手パイプ２
５を嵌着しており、この継手パイプ２５によつて
パイプ１２，２３の上端を互に分離自在に連結し
パイプ１２，２３，２４，２５により形成される
逆Ｕ字状の通路で両容器２，３の内底部間を連通
する。而して、粉用容器３は載置部４ｂに載せた
状態でコーヒーミル１１より落下するコーヒー粉
を受けるようになつている。尚、２６は粉用容器
２の外側面に形成した縦溝で、内部にパイプ２
３，２４を配置してこれらを保護している。２７
は把手を示す。

上記構成において、先ず加熱用容器２内に所定
量の水を入れ、該容器２の上部開口部を蓋１３に
より閉塞する。次に、器具本体１の台部４上に加
熱用容器２と粉用容器３とを並置すると共にパイ
プ１２，２３の上端を継手パイプ２５により互に
連結し、さらにロツク用軸９を回転操作すること
によりシールパツキン１０で貫通孔１６を閉じか
つ蓋１３を閉状態にロツクする。

而して、所定量のコーヒー豆をコーヒーミル１
１により粉砕して、その粉を粉用容器３内に落下
させる。すると、コーヒー粉は、攪拌体１１の桟
２２ａをコーヒー粉が推積し難い形状にしている
為、桟２２ａ上に推積することなくフイルター２
０上に落下し推積する。次に、電気ヒーターに通
電すると、加熱用容器２内の水は加熱されて温度
上昇を始め、やがて沸騰温度近くまで昇温し水蒸
気の発生が盛んになり、感温弁装置１７が閉じる
と、加熱用容器２内の圧力は急速に高まり、その
圧力によつて加熱用容器２内の熱湯はパイプ１
２、継手パイプ２５、パイプ２３及び継手パイプ
２４を経て粉用容器３内に移行する。そして、粉
用容器３内においてフイルター２０を通過した熱
湯がコーヒー粉と接触することになるが、この
時、コーヒー粉が熱湯の表面に浮きそのまま熱湯
に押し上げられたところで、コーヒー粉は攪拌体
２２の桟２２ａ，２２ｂが障害となつて湯注に浸
漬され、その上熱湯と攪拌体２２との衝突によつ
て生じる攪拌作用を受けることにより、熱湯と充
分に混合する。従つて、コーヒー粉より充分にコ
ーヒー成分を抽出する。

熱湯の移行に伴う加熱用容器２の温度変化を温
度センサーで感知すると、制御回路部においては
所定の時間経過後に電気ヒーターへの通電を停止
する。すると、加熱用容器２内の蒸気が徐々に冷
却されて該容器２内の圧力が下がり、粉用容器３
内のコーヒー液をフイルター２０を通して吸引す
ることになり、加熱用容器２内にコーヒー液が収
容される。

従つて、ロツク用軸９を回転させて上昇させ、
貫通孔１６の開放と同時に蓋１３のロツク解除を
行ない、次に把手１８の把持部１８ａを握り加熱
用容器２を引けば、パイプ１２は継手パイプ２５
より外れ載置部４ａより取出せ、加熱用容器２を
傾けてパイプ１２よりコーヒー液を注ぐようにす
れば、貫通孔１６からの空気の流入によりコーヒ
ーカツプ等に注ぐことができる。

一方、フイルター２０上に残つているコーヒー
粉（粕）は水洗い等により除去すればよく、その
際に攪拌体２２の桟２２ｂを適宜変形して突起２
１との係合を解除すれば、攪拌体２２は勿論、フ
イルター２０も取外せ、水洗い等を容易に行なえ
る。

（考案の効果） 以上の如く本考案の構成によれば、コーヒー粉
と熱湯は粉用容器内全体てせコーヒー粉も通す、
すのこ状の攪拌体に衝突しながら大きく循環する
ためコーヒー成分を充分に抽出することができる
ので人為的な攪拌作業は一切必要なく、又コーヒ
ー粉を入れる際にもいちいち攪拌体を取り外す手
間もないので非常に便利で早くおいしいコーヒー
をつくることができる。

又、フイルターは、攪拌体と一体化しているフ
イルター押えによつて所定位置に保持されている
ため加熱用容器から沸騰した熱湯が下方からフイ
ルターにあたつてもフイルターは擦れることがな
いのでコーヒー粉が下方連通口へ漏れ付着するこ
ともなく、洗う時などには非常に便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例におけるサイフオン式
コーヒーメーカーを示す外観斜視図、第２図は同
コーヒーメーカーの構造説明の為の要部断面図、
第３図は同粉用容器を示す平面図である。 ２……加熱用容器、３……粉用容器、１２……
パイプ、２０……フイルター、２２……攪拌体、
２３……パイプ、２５……継手パイプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 水を収容する加熱用容器と、フイルターを内装
   しかつ該フイルター上にコーヒー粉を収容する粉
   用容器とを具備し、加熱用容器からの熱湯を粉用
   容器内に上記フイルターの下方より流入させてな
   るサイフオン式コーヒーメーカーにおいて、 上記粉用容器内に収容するすのこ状の攪拌体の
   下部にフイルター押えを一体的に設け、当該粉用
   容器内壁には、上記フイルターより上方に複数の
   突起を設け、該突起を利用して上記すのこ状の攪
   拌体を着脱自在に支持することを特徴とするサイ
   フオン式コーヒーメーカー。