JPH0419512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、検出器本体に対し検出素子を備えた
センサユニツトのスライド調整により警戒エリア
を調整する熱線式検出器の警戒エリア表示装置に
関する。

（従来技術） 従来、人体等から放出される熱線（赤外線）を
検出して警報信号を出力する熱線式検出器にあつ
ては、警戒区域の状況によつて天井面を設置する
か、あるいは壁面に設置するようにしている。

第４図は従来の天井面設置を示したもので、検
出器本体１内には熱線検出素子を内蔵したセンサ
ユニツト２がスライド自在に設けられ、センサユ
ニツト２はポリエチレン等の熱線透過材料で作ら
れたカバー３で覆われている。またカバー３には
第５図に示すように、警戒エリラに対する警戒パ
ターンを決めるために、天井面設置用のプレネル
レンズ４と壁面設置用のフレネルレンズ５が一体
に形成されており、天井面設置の際には、第４図
に示すようにフレネルレンズ４をセンサユニツト
２の受光面側に配置し、フレネルレンズ４の指向
範囲を警戒エリアとして設定している。

また第６図の壁面設置にあつては、センサユニ
ツト２の受光面側にフレネルレンズ５が位置する
ようにカバー３を入れ換え、同様にフレネルレン
ズ５の指向範囲を警戒エリアとして設定するよう
にしている。

更に、天井面設置及び壁面設置のいずれにあつ
ても、取付状態で警戒エリア（警戒距離）を調整
する場合には、センサユニツト２をスライド調整
する。

即ち、第４図の天井設置にあつては、センサユ
ニツト２を矢印Ａに示すように検出器本体１方向
の２ａにスライドしたとすると、点線で示すよう
に警戒距離は短くなる。

また第６図の壁面設置にあつても、センサユニ
ツト２を矢印Ｂに示すように同じく検出器本体１
方向２ｂにスライドしたとすると、点線で示すよ
うに警戒距離を長くすることができる。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来の天井面設置時
と壁面設置時の警戒エリア（警戒距離）の調整に
あつては、同じ本体側へのスライド調整であつて
も、第４図の天井面設置時には警戒距離が短くな
り、これに対し第６図の壁面設置では警戒距離が
長くなる。

そのため天井設置時と壁面設置時ではスライド
方向が同じであつても距離の関係が逆となり、天
井設置と壁面設置ではスライド方向の距離の関係
が非常に分りづらく調整作業が煩雑になるという
問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたもので、天井面設置時と壁面設置時では逆
向きとなる調整を迷うことなく確実且つ容易にで
きるようにした熱線式検出器の警戒エリア表示装
置を提供することを目的とする。

この目的を達成するため本考案にあつては、熱
線検出素子を内蔵し検出器本体に対してスライド
自在に設けられたセンサユニツトと、天井面設置
用のフレネルレンズと壁面設置用のフレネルレン
ズを一体又は個別に備えた熱線透過カバーとを有
する熱線式検出器に於いて、前記センサユニツト
のスライド位置を指標する指標部材と、天井面設
置時と壁面設置時で相互に逆関係となる天井面設
置用距離目盛りと壁面設置用距離目盛りとを前記
指標部材に対応して表示した警戒距離表示手段と
を設けるようにしたものである。

（作用） このような構成を備えた本考案の熱線式検出器
の警戒エリア表示装置にあつては、センサユニツ
トの指標部材に対応して天井設置用距離目盛りと
壁面設置用距離目盛りが表示されているため、天
井設置時又壁面設置時のいずれにおいても、対応
する距離目盛りを見ながらセンサユニツトをスラ
イド調整することで適切な警戒エリア（警戒距
離）を簡単且つ確実に設定でき、調整作業が極め
て行ない易くなる。

（実施例） 第３図は本考案の警戒エリア表示装置を備えた
熱線式検出器の一実施例を示した組立分解図であ
る。

まず構成を説明すると、１０は天井面にネジ止
め固定される固定台、１１は固定台１０と天井面
の間に位置して回転自在に支持されるベース部材
であり、ベース部材１１には固定台１０の平面形
状に対応した通し穴１２が設けられ、この通し穴
１２を介して下側より固定台１０を挿入し、固定
台１０の両側に張出しているアーム部に設けた取
付けネジ穴を介して天井面にネジ止め固定するよ
うになる。また、固定台１０の下部周縁に鍔部１
３を備えており、この鍔部１３によつてベース部
材１１を回転自在に支持するようになる。

１４は検出器本体であり、検出器本体１４には
センサ取付部１５が斜めに形成され、センサ取付
部１５の両側の内側面にスライド溝１６が形成さ
れている。

検出器本体１４のセンサ取付部１５に対しては
指標部材１８、シールドケース１９、熱線検出素
子（焦電センサ等の赤外線センサ）２０、及びそ
の受光回路・増幅回路を備えたプリント基板２
１、及びシールドケース２２の組立体で成るセン
サユニツト２４がスライド調整自在に装着され
る。

更にセンサユニツト２４を取付けた状態で、検
出器本体１４には検出器回路を実装したプリント
基板２５、及び後の説明で明らかにするセンサユ
ニツト２４のスライド調整に対する警戒距離の関
係、及び操作項目を印刷表示した回路保護銘板２
６がビス２７によるネジ止めで装着される。更に
検出器本体１４の下側にはポリエチレン等の熱線
透過材料で作られた半透明のカバー２８が装着さ
れ、このカバー２８内には第５図に示したよう
に、天井面設置用のフレネルレンズ４と壁面設置
用のフレネルレンズ５が、例えば内面に一体に形
成されいてる。勿論、カバー２８としては、天井
面用フレネルレンズ４と壁面設置用フレネルレン
ズ５を個別に備えた２種類のカバーを使用するよ
うにしてもよい。また、カバー２８に設けるフレ
ネルレンズはカバー内周面に限定されず、カバー
外周面に設けるようにしてもよい。

第１図は第３図の組立分解図に示した検出器本
体１４をカバー２８を取外した状態で下方から見
て示した平面図である。

第１図において、検出器本体のセンサ取付部１
５には熱線検出素子２０を内蔵したセンサユニツ
ト２４が斜め上下方向にスライド調整自在に設け
られており、センサユニツト２４の表面には操作
部材としての機能を備えた指標部材１８が装着さ
れ、指標部材１８の両側に突出して設けた操作ツ
マミ３０ａ又は３０ｂを押すことで、検出器本体
に対しセンサユニツト２４を上下方向にスライド
できるようにしている。指標部材１８に一体に設
けた操作ツマミ３０ａ，３０ｂを指針としての機
能を持つており、この操作ツマミ３０ａ，３０ｂ
が外側に位置する検出器取付部１５の左側の端面
に天井設置用の距離メモリ３２ａが表示され、ま
た、右側の側端面には壁面設置用の距離メモリ３
２ｂが表示されている。更に検出器本体１４のプ
リント基板２５を覆つて設けられた回路保護銘板
２６には、センサユニツト２４に設けた指標部材
１８の操作ツマミ３０ａ，３０ｂと、それに対応
した距離目盛り３２ａ，３２ｂとの関係を表示し
たスケール表示３４ａ，３４ｂが描かれており、
更にセンサユニツト２４による警戒方向を示す矢
印３５が描かれている。

即ち、スケール表示３４ａは、操作ツマミ３０
ａと天井面設置用の距離目盛り３２ａとのスケー
ル関係を表示したもので、このスケール表示３４
ａから天井面設置状態でセンサユニツト２４を検
出器本体１４側に押込めば警戒距離が短くなり、
逆に押出せば警戒距離が長くなることがわかる。

一方、壁面設置用のスケール表示３４ｂにあつ
ては、センサユニツト２４を検出器本体１４に対
し押込めば警戒距離が長くなり、逆に押し出せば
警戒距離が短くなることがわかるようにしてい
る。

第２図は第１図における検出器本体１４に設け
たセンサ取付部１５に対するセンサユニツト２４
の取付け状態を示した断面図であり、センサ取付
部１５の側壁内面に形成したスライド溝１６に対
するセンサユニツト２４の側部の嵌込みにより、
所定の摺動抵抗をもつてセンサユニツト２４をス
ライド調整できるようにしている。尚、センサユ
ニツト２４のスライド機構は第２図の実施例に限
定されず、適宜のスライド調整機構を用いること
ができる。

次に上記の実施例の作用を説明する。

まず天井面設置については、第４図に示したと
同様、センサユニツト２４における熱線検出素子
２０の前面に、カバー２８に設けた天井面設置用
のフレネルレンズ４が位置するようになる。

このような天井面設置状態で警戒距離を調整し
たい場合には、第１図に示すように、回路保護銘
板２６の左側に描かれたスケール表示３４ａを見
ながら指標部材１８の操作ツマミ３０ａの下端を
天井面設置用の目盛り３２ａの適宜の位置に合わ
せることで、必要とする警戒距離を設定すること
ができる。即ち、操作ツマミ３０ａによつてセン
サユニツト２４を検出器本体１４に対し押込め
ば、スケール表示３４ａに示すように警戒距離を
短くすることができ、逆に押出せば警戒距離を長
くすることができる。

一方、壁面設置の場合には第６図に示したよう
に、壁面設置状態でセンサユニツト２４における
熱線検出素子２０の前方に壁面設置用のフレネル
レンズ５が位置するようにカバー２８の位置を入
れ換える。

この壁面設置状態における警戒距離の調整は、
第１図に示すように、回路保護銘板２６の右側に
描かれたスケール表示３４ｂを見て操作ツマミ３
０ｂによりセンサユニツト２４をスライド調整す
るようになる。即ち、壁面設置にあつてはセンサ
ユニツト２４を押込むと、スケール表示３４ｂか
ら明らかなように警戒距離を長くすることがで
き、逆にセンサユニツト２４を押出せば警戒距離
を短くすることができる。

この結果、天井面設置、或いは壁面設置のいづ
れの設置状態にあつても、作業者は回路保護銘板
２６のスケール表示３４ａ、又は３４ｂを見て指
標部材１８に設けた操作ツマミ３０ａ，３０ｂの
位置で決まる適宜の距離目盛りの位置にセンサユ
ニツト２４をスライド調整することができ、設置
状態の如何んに関わらず簡単且つ確実に警戒距離
（警戒エリア）の調整作業が可能となる。

尚、上記の実施例にあつては、センサユニツト
２４に設けた指標部材１８と距離目盛りの関係を
回路保護銘板２６の表面にスケール表示３４ａ，
３４ｂとして表示しているが、センサ取付部に形
成した距離目盛り３２ａ，３２ｂにスケール表示
を行うようにしてもよい。

（考案の効果） 以上説明してきたように本考案によれば、セン
サユニツトのスライド位置を指標する指標部材
と、天井面設置時と壁面設置時で相互に逆関係と
なる天井面設置用の距離目盛りと、壁面設置用の
距離目盛りとを前記指標部材に対応して表示する
警戒距離表示手段とを設けるようにしたため、天
井面設置時と壁面設置時とで距離調整のためのセ
ンサユニツトのスライド方向が作業者から見て逆
向きとなつても、この逆向きとなるスライド方向
との距離の関係を確認していなくても、検出器に
設けられた指標部材と警戒距離表示手段とによつ
て簡単且つ容易にセンサユニツトのスライドによ
る各設置状態での警戒距離の調整ができ、調整作
業が極めて簡単で且つ確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカバーを外して下側から検出器本体を
見た状態にて本考案の一実施例を示した説明図、
第２図は第１図における検出器ユニツトのスライ
ド構造を示した断面図、第３図は本考案の警戒エ
リア表示装置を備えた熱線検出器の組立分解図、
第４図は天井面設置状態を示した説明図、第５図
はカバーに形成されたフレネルレンズの説明図、
第６図は壁面設置状態を示した説明図である。 １０……固定台、１１……ベース部材、１２…
…通し穴、１３……鍔部、１４……検出器本体、
１５……センサ取付部、１６……スライド溝、１
８……指標部材、１９，２２……シールドケー
ス、２０……熱線検出素子、２１……プリント基
板、２４……センサユニツト、２５……プリント
基板、２６……回路保護銘板、２８……カバー、
３０ａ，３０ｂ……操作ツマミ、３２ａ……距離
目盛り（天井面設置用）、３２ｂ……距離目盛り
（壁面設置用）、３４ａ……（スケール表示（天井
面設置用）、３４ｂ……スケール表示（壁面設置
用）、３５……警戒方向を示す矢印。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 熱線検出素子を内蔵し検出器本体に対しスライ
   ド自在に設けられたセンサユニツトと、天井面設
   置用のフレネルレンズと壁面設置用のフレネルレ
   ンズを一体又は個別に備えた熱線透過カバーとを
   有する熱線式検出器に於いて、 前記センサユニツトのスライド位置を指標する
   指標部材と、天井面設置時と壁面設置時で相互に
   逆関係となる天井面設置用の距離目盛りと壁面設
   置用の距離目盛りとを前記指標部材に対応して表
   示した警戒距離表示手段とを設けたことを特徴と
   する熱線式検出器の警戒エリア表示装置。