JPH0419349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は発電機などを駆動するエンジンの排
ガスより熱エネルギーを回収する排ガス用熱交換
器に関する。

従来技術 従来この種の熱交換器としては、第１図に示す
ように本体ａ内にフインｂを有する多数の管体ｃ
を設け、本体内に排ガスを、そして管体ｃ内に水
を流通させて排ガスと水を熱交換するものが一般
に使用されている。

しかし、エンジンの燃料は軽油等の液体燃料が
用いられるので、その排ガスに多くのススを含み
特に燃焼が不完全となりやすい起動時においては
このススが特に多量発生する。

このような液体燃料使用のエンジン例えばデイ
ーゼルエンジンに上記のような熱交換器を使用す
ると、時間とともにススがガス側伝熱面に付着堆
積し、定期的にこのススの取除き作業を行なわな
いと熱交換器の伝熱性能は急速に低下し、逐には
排ガス通路の閉塞という事態に迄発展する。

このススの取除き作業は、スペース上の制約な
どにより、一般的に煩雑で保守上より見て余分に
多大な労力を費すことになる。またこれを自動化
して省力化を計ると、装置の大形化と投資費用の
増大を招くことになり、このことは排ガス用熱交
換器による省エネルギー効果を大巾に減ずること
になる。

考案の目的 この考案はかかる不具合を改善する目的でなさ
れたもので、フインなどに付着したススなどを簡
単に取除くことができる排ガス用熱交換器を簡単
な構成で提供しようとするものである。

考案の構成 内部に排ガスが流通する管体を有する熱交換器
本体の入口側に排ガス中へ水を噴出する水噴出ノ
ズルを、また出口側に、管体に付着したスス等を
除去した汚水を収容する回収槽を設けて、エンジ
ンの運転中に管体内面に付着したスス等が除去で
きるようにした排ガス用熱交換器。

実施例 以下この考案を図示の一実施例を参照して詳述
すると、図においては１は発電機などの負荷２を
駆動するエンジンで、排気管３の途中に排ガス熱
交換器の本体４が設けられている。

上記本体４は第３図に示すように円筒状をなし
ていて、両端部に排気管３が接続され、内部に入
口側排気管３ａより流入した排ガスが流通する多
数の管体５が設けられている。

上記管体５は本体４の入口側及び出口側に設け
られた管板６に両端部が液密に固着されていると
共に、本体４の出口側には水の流入口４ａが、ま
た入口側には同流出口４ｂが設けられていて、流
入口４ａより本体４内に流入した水が各管体５間
を流通する間に管体５内を流通する排ガスと熱交
換されると共に、排ガス中のエネルギーを回収し
た水は流出口４ｂより排出される。

一方上記本体４の入口側に接続された排気管３
ａ内には１個の水噴出ノズル７が突出されてい
て、エンジン１の運転中定期的にこのノズル７よ
り排気管３ａ内に水が噴出されるようになつてい
る。排気管３ａ内に噴出された水は排ガスの熱に
より蒸気となつて排ガスと共に管体５内に流入す
る。この蒸気の量とともに排ガスの露点は上昇す
る。管体５の壁面温度はほぼ各管体５間を流通す
る水の温度と等しいので、この壁面と接触した水
蒸気は管体５内周面で凝縮して水滴となり、さら
に管体５内周面に付着したスス等を溶解する。水
滴により溶解されたススは水滴とともに管体５内
より本体４の出口側へ排出され、出口側排気管３
ｂの底部に設けられた回収槽８に回収される。回
収槽８内に溜められたスス等を含む汚水は排ガス
の熱により水分が蒸発され、スス等のみが回収さ
れる。回収槽８の底部には開閉自在な蓋体８ａが
設けられていて、この蓋体８ａをエンジン１の停
止中に開放することにより、回収槽８に回収され
たスス等を排出することができる。

考案の効果 この考案は以上詳述したように、本体４の排ガ
ス入口側に１個の水噴出ノズル７を設けて、この
水噴出ノズル７より排ガス中へ水を噴出するよう
にしたことから、排ガス中に噴出された水は排ガ
スの熱により水蒸気となつて排ガスとともに各管
体５内へ流入し、管体５内を流通する間に、各管
体５間を流れる水によつて冷却されて再び水とな
り、この水が管体５に付着したスス等を洗い流す
ようになる。

これによつて１個の水噴出ノズル７より噴出し
た水によつて多数の管体５内面に付着したスス等
を均一かつ効率よく除去することができると共
に、水噴出ノズル７を多数設ける必要がないた
め、簡単な構成でスス等の除去が行えるようにな
る。

また定期的に水噴出ノズル７より水を噴出する
だけでスス等の除去が行えるため、除煤のために
エンジン１を停止する必要がないと共に、管体５
内より流れ出た水は一旦出口側に設けられた回収
槽８に回収された後、水のみが排ガスの熱で再び
蒸発されるため、除煤後の処理も容易に行えるよ
うになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱交換器の説明図、第２図はこ
の考案の一実施例を示す全体図、第３図はこの装
置の断面図である。 １はエンジン、３は排気管、４は本体、４ａは
流入口、４ｂは流出口、５は管体、７は水噴出ノ
ズル、８は回収槽。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン１に接続された排気管３の途中に、内
   部に排ガスが流通する管体５を有する本体４を設
   け、該本体４内には流入口４ａ側より流出口４ｂ
   側へ排ガスと熱交換すべき水が流通するようにし
   た排ガス用熱交換器において、上記本体４の排ガ
   ス入口側に、排ガス中に水を噴出して排ガスの熱
   により水蒸気化する１個の水噴出ノズル７を設け
   ると共に、排ガスの出口側には、管体５内より流
   出する水及びスス等を回収する回収槽８を設けて
   なる排ガス用熱交換器。