JPH0419280Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、酸素ボンベに接続する調整器に関す
るものである。

［従来の技術］ 酸素は支燃性ガスで、可燃性の物質を急激に燃
焼させる性質をもつている。

通常、酸素は高圧ガスボンベ内に35℃において
150Kg／cm²の圧力で充填されている。この高圧酸
素を減圧して使用するために酸素調整器を用い
る。酸素調整器の弁シートパツキング及びダイヤ
フラムは可燃性物質により製作され、ガスボンベ
に取付けて使用する際、ボンベの弁を開くと、酸
素調整器に瞬間的に高圧がかかり、この時の急激
な断熱圧縮作用によつて部分的には数100℃に温
度が上昇する。そのため圧力計を爆破させたり、
調整器全体を爆発させる事故が発生する。

この危険を防ぐためガス調整器に減圧弁を取付
けたものが提案されているが、（実開昭62−
113875号）減圧弁をハンドルにより一々開閉する
必要があり、作業上非常に面倒である。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案の課題は、酸素ガスボンベの弁を開いた
とき、高圧酸素の圧力が自動的に極めてゆるやか
に流れるようにして事故の発生を防止することが
可能な酸素調整器を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案の手段は、高圧ガスボンベに連通するス
リーブを調整器本体に設け、スリーブの内面に、
弁と、これを作動させるコイルばねを収容し、前
記弁は外周に凹部を設けてスリーブ内面との間に
大流路を形成し、中心の小孔を小流路となし、前
記弁により大流路を塞ぐ弁座部をスリーブ内面に
形成したことにある。

［実施例］ 図において１は調整器本体で高圧圧力計２を有
し、かつスリーブ３を導出し、スリーブ３の内面
は弁座となる段部３ａを境として大径孔３ｂと小
径孔３ｃに分け、小径孔３ｃにコイルばね４を大
径孔３ｂに弁５を収容し、連通孔７をあけたキヤ
ツプ６をねじ込む。

弁５は外周の凹部５ａによりスリーブ内面との
間に大流路８を形成し、中心の小孔を小流路９を
なす。更にスリーブ３にはガスボンベへの連結用
袋ナツト１０を係合する。

［作用］ 使用前、弁５はコイルばね４の力によりキヤツ
プ６に密着し、この状態でガスボンベの弁を開く
と、高圧酸素の圧力が弁５に急激に係るので、弁
５はコイルばね４を押し、弁座段部３ａに密着す
る。そのため弁５によつて形成されていた大流路
８は塞がり、高圧酸素は小流路９のみよりゆるや
かに本体１の内部に流入する。

使用状態においては、弁５はコイルばね４の力
と、弁５の上流側と下流側の差圧力の力が平衡す
る位置にあつて、大流路８が開いた状態になりガ
スは円滑に流れる。

［考案の効果］ 本考案によれば、ガスボンベからの高圧酸素が
急激に断熱圧縮されないため、前記の危険を防止
することができる。

即ち、本考案の酸素調整器は、使用前にガスボ
ンベの弁を開ければ、大流路は閉じて少量の酸素
ガスが調整機本体１内に流れ、使用状態では弁５
が平衡位置にあつて大流路を開いて酸素を十分に
送ると共に使用開始時に急激に高圧が調整器に加
わらないので、圧力計を破損させる等のおそれが
ない。特に本考案においては、前記従来の調整器
のように減圧弁のハンドルを一々開閉することな
く、使用開始時ガスの流れを自動的に調整できる
ので作業上有利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る酸素調整器の一実施例を示
したもので、第１図は一部を横断した平面図、第
２図は要部の断面図、第３図は第２図のＩ−I′線
における断面図、第４図は弁の正面図である。 １……調整器本体、３……フリーブ、３ａ……
弁座段部、４……コイルばね、５……弁、５ａ…
…凹部、８……大流路、９……小流路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下記(A)(B)(C)３要素の結合から成り立つ酸素調整
   器。 (A) 高圧ガスボンベに連通するスリーブを調整器
   本体に設けたこと、 (B) 前記スリーブの内面に、弁と、これを作動さ
   せるコイルばねを収容したこと、 (C) 前記弁は外周に凹部を設けてスリーブ内面と
   の間に大流路を形成し、中心の小孔を小流路と
   なし、前記弁により大流路を塞ぐ弁座部をスリ
   ーブ内面に形成したこと。