JPH0419201B2 - - Google Patents

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JPH0419201B2
JPH0419201B2 JP50363283A JP50363283A JPH0419201B2 JP H0419201 B2 JPH0419201 B2 JP H0419201B2 JP 50363283 A JP50363283 A JP 50363283A JP 50363283 A JP50363283 A JP 50363283A JP H0419201 B2 JPH0419201 B2 JP H0419201B2
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tissue
surfactant
weight
glutaraldehyde
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Oozu Esu Nashefu
Aametsudo Ai Aametsudo
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Baxter International Inc
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Description

請求の範囲 1 組織の固定条件下で生物組織を固定する工
程、及び移植後の組織のカルシウム沈着を低下さ
せるのに有効な量の非イオン性界面活性剤の溶液
を固定した生物組織に接触させる工程から成るこ
とを特徴とする、動物においてカルシウム沈着を
阻止するために移植前に生物組織を処理する方
法。
2 界面活性剤はポリオキシアルキレンエーテ
ル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエー
テル、ポリオキシアルキレンエステル、ソルビタ
ンエステル、及びポリオキシアルキレンソルビタ
ンエステルより成る群から選ぶ、請求の範囲第1
項記載の方法。
3 固定時に組織を界面活性剤に接触させる、請
求の範囲第1項記載の方法。
4 固定後の滅菌時に固定組織を界面活性剤に接
触させる、請求の範囲第1項記載の方法。
5 溶液中の界面活性剤の量が約0.1−約10重量
%である、請求の範囲第1項記載の方法。
6 組織を約2−約30時間界面活性剤の溶液に接
触させる、請求の範囲第5項記載の方法。
7 溶液中の界面活性剤の量は約0.5−約5重量
%である、請求の範囲第5項記載の方法。
8 界面活性剤がモノオレイン酸ソルビタンポリ
オキシエチレンである、請求の範囲第7項記載の
方法。
9 組織をグルタールアルデヒドで固定する、請
求の範囲第1項記載の方法。
10 組織をグルタールアルデヒドで固定し、ポ
リオキシアルキレンエーテル、ポリオキシアルキ
レンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアル
キレンエステル、ソルビタンエステル、及びポリ
オキシアルキレンソルビタンエステルより成る群
から選んだ約0.1−約10重量%の界面活性剤を有
する溶液に接触させる、請求の範囲第1項記載の
方法。
11 生物組織が腱、靭帯、心臓弁、脳硬膜、又
は心膜である、請求の範囲第1項記載の方法。
12 溶液中の界面活性剤の量が約0.1−約1.5重
量%であり、生物組織は腱、靭帯、心臓弁、脳硬
膜、又は心膜であり、生物組織はグルタールアル
デヒドで固定され、界面活性剤はモノオレイン酸
ソルビタンポリオキシエチレンであり、組織を約
6−約24時間、PHは約7.0−約7.6で界面活性剤に
接触させる、請求の範囲第1項記載の方法。
13 固定後の滅菌時に組織を界面活性剤に接触
させ、界面活性剤は約4−約5%のホルムアルデ
ヒドをさらに含む、請求の範囲第12項記載の方
法。
14 固定条件下で生物組織を固定する工程、そ
して移植後の組織のカルシウム沈着を低下させる
のに有効な量の陽イオン性界面活性剤(この界面
活性剤はアルキル四級アンモニウム塩である)の
溶液に固定生物組織を接触させる工程を含む、動
物においてカルシウム沈着を阻止するために、移
植前に生物組織を処理する方法。
15 界面活性剤は塩化トリメチルフエニルアン
モニウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、
及び臭化ヘキサデシルトリメチルより成る群から
選ぶ、請求の範囲第14項記載の方法。
16 塩は塩化物又は臭化物である、請求の範囲
第14項記載の方法。
17 固定時に組織を界面活性剤に接触させる、
請求の範囲第14項に記載の方法。
18 固定後の滅菌時に組織を界面活性剤に接触
させる、請求の範囲第14項に記載の方法。
19 溶液中の界面活性剤の量が約0.1−約10重
量%である、請求の範囲第14項に記載の方法。
20 組織を約2−約30時間界面活性剤溶液に接
触させる、請求の範囲第19項に記載の方法。
21 溶液中の界面活性剤の量が約0.5−約5重
量%である、請求の範囲第14項に記載の方法。
22 組織をグルタールアルデヒドで固定する、
請求の範囲第14項に記載の方法。
23 組織をグルタールアルデヒドで固定し、組
織をハロゲン化トリメチルフエニルアンモニウ
ム、ハロゲン化デシルトリメチルアンモニウム、
及びハロゲン化ヘキサデシルトリメチルより成る
群から選んだ約0.1−約10重量%の界面活性剤を
有する溶液に接触させる、請求の範囲第14項に
記載の方法。
24 生物組織が腱、靭帯、心臓弁、脳硬膜、又
は心膜である、請求の範囲第14項に記載の方
法。
25 溶液中の界面活性剤の量が約0.1−約1.5重
量%であり、生物組織が腱、靭帯、心臓弁、脳硬
膜、又は心膜であり、生物組織はグルタールアル
デヒドで固定され、界面活性剤はハロゲン化トリ
メチルフエニルアンモニウム、ハロゲン化デシル
トリメチルアンモニウム、及びハロゲン化ヘキサ
デシルトリメチルより成る群から選び、組織を約
6−約24時間PH約7.0−約7.6で界面活性剤溶液に
接触させる、請求の範囲第14項に記載の方法。
26 固定後の滅菌時に組織を界面活性剤に接触
させ、界面活性剤溶液は約4−約5%のホルムア
ルデヒドをさらに含む、請求の範囲第25項に記
載の方法。
27 固定時に組織を界面活性剤に接触させる、
請求の範囲第17項に記載の方法。
発明の背景 生物組織のグルタールアルデヒドによる保存
と、特にブタの人工生体心臓弁の導入により、(a)
初期のホルムアルデヒド保存の移植組織弁の性能
の悪さを克服し、(b)同種移植片心臓弁の使用をや
め、(c)特に子供において非生体(機械)人工心臓
弁の使用に関連した血栓塞栓症を防止するために
必要ではあるが好ましくない抗凝固剤の使用を避
けることが可能になつた。しかし他の類似の重要
な発見と同様に、グルタールアルデヒド保存した
人工生体器官もジレンマが生まれた。
カーペンテイア(Carpentier)らの比較的生物
学的に不活性なグルタールアルデヒド保存した弁
は多くの例においてすぐれた長期耐久性を証明し
たが、組織の疲労やカルシウム沈着が起きやすい
という問題が発生した。さらに機械的人工心臓弁
に必要な抗凝固剤の使用が不要になるであろうか
ら、このグルタールアルデヒド保存人工生体心臓
弁により最大の恩恵を被るのは小児や青少年であ
ろうと初め考えられた。最近増え続けている臨床
研究例の結果は、これらの組織のカルシウム沈着
が激しく、比較的短期間で使いものにならなくな
るということが、小児や青少年の間に広がつてい
ることを示している。従つて長期的な耐久性や総
合的に合併症の発症率が低いという利点があるに
もかかわらず、このグルタールアルデヒド保存し
た弁は小児の使用には不適であると考えている人
もいる。
組織のカルシウム沈着というのは概して不明な
点が多い。しかしカルシウム代謝疾患、年令、食
餌、組織成分(たとえばコラーゲン)の退化、そ
して撹乱運動などの種々の要因がある程度関与し
ていることがこれまでに証明されている。最近グ
ルタールアルデヒド保存したブタの異種移植片の
移植後に作られた、特異的カルシウム結合アミノ
酸(ガンマカルボキシグルタミン酸)の存在が証
明され、これがカルシウム沈着に関与していると
考えられている。カルシウム沈着は、移植組織の
グルタールアルデヒド処理コラーゲン繊維の分解
的変化を伴なうが、萎縮性のカルシウム沈着が組
織の退化の原因であるのか結果であるのか不明で
ある。しかし移植組織のカルシウム沈着の原因究
明の研究は続いている。
本発明において発明者らは、移植生物組織のカ
ルシウム沈着の程度を効果的に減少させ、かつ移
植心臓弁の尖頭の本来の血行力学的性質を維持す
る方法を開発した。方法は移植組織のカルシウム
沈着のし易さを低下させ、異種移植片心臓弁の耐
久性に関するいくつかの問題を克服するのに有効
である。
発明の要約 本発明においては、移植後の生物組織のカルシ
ウム沈着を軽減又は低下させるように、移植前に
組織を処理する方法の改良法を開示する。本法は
移植後の生物組織のカルシウム沈着を低下させる
のに有効な量の界面活性剤を組織に接触させるこ
とより成る。
【発明の詳細な説明】
本発明に従うと、多くの動物や解剖体の一部か
ら得られる種々の移植可能な生物組織のカルシウ
ム沈着を起こりにくくすることが可能であると考
えられる。たとえば組織は、たとえば牛、ブタ、
馬、羊、カンガルー、又はウサギなど(ただしこ
れらに限定されるものではない)の種々の物から
得られ、組織としては腱、靭帯、心臓弁、又は
(脳硬膜や心膜のように)心臓弁を作るのに用い
る組織などがある。又皮膚移植、心膜移植、大動
脈移植、そして鼓膜の移植など増加させるのに用
いる組織も本発明に適していると考えられる。本
発明の好適な態様のひとつにおいては、グルター
ルアルデヒドで固定し次に界面活性剤で処理した
ブタの心臓弁又は心膜組織をウサギの皮下に移植
した。この処理した組織は移植後のカルシウム沈
着の軽減能又は低下能を予想外に有効に長く維持
していた。カルシウム沈着の経験が長期間続くこ
とは、移植組織(特に移植心臓弁)の耐久性を増
加させる方法を与える。
本発明においては、組織は通常の公知の条件に
より保存及び処理され、リン酸緩衝液又はリン酸
を含まない緩衝液(後述)中約0.2−約0.6重量
%、好ましくは約0.5−約0.7重量%のグルタール
アルデヒドで通常に固定(硬化)される。特に明
記しない限り通常公知の組織の取扱い条件は本発
明には含まない。さらに組織は0.625%のグルタ
ールアルデヒド又は約4−約5%のホルムアルデ
ヒドで減菌し得る。
本発明の範囲内の有機界面活性剤としては、陰
イオン性、陽イオン性、そして非イオン性界面活
性剤とそれらの塩がある。本発明の好ましい界面
活性剤の塩にはナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩及びハロゲン化物がある。本発明の非
イオン性界面活性剤とは、脂肪族基、芳香族基、
及び陰性荷電のイオン性基に結合したそれらの組
み合わせなどの、炭化水素残基の比較的大きな疏
水性部分を持つものである。脂肪族残基は分枝
鎖、直鎖、環式、複素環式、飽和又は不飽和でも
よい。これらの疏水性残基はカルボン酸塩、硫酸
塩、又はスルホン酸塩などの陰イオン性官能基に
直接結合していてもよいし、エステル、アミド、
スルホンアミド、エーテル、又はアリール基など
の中間の結合を介して陰イオン性官能基に結合し
ていてもよい。本発明のひとつの態様における陰
イオン性界面活性剤は、ステロイドのアルキル側
鎖に結合したカルボン酸を有するもの、又は側鎖
のアミノ酸を介して結合したカルボン酸を持つも
の、(たとえば胆汁酸)である。本発明の胆汁酸
としてはデオキシコール酸、コール酸、リトコー
ル酸、タウロコール酸、グリココール酸及びそれ
らの塩があるが、これらに限定されるものではな
い。本発明者らが見出した移植組織のカルシウム
沈着の軽減に有効な好適な胆汁酸とその塩はデオ
キシコール酸ナトリウムである。本発明の陰イオ
ン性界面活性剤は、好ましくは約8−約20個の炭
素原子を有する直鎖の脂肪族基に結合したカルボ
キシル基を持つもの(たとえば脂肪酸のナトリウ
ム塩)をさらに含む。本発明のカルボキシル基を
有する陰イオン性界面活性剤は、N−アルカノイ
ルアミノ酸やN−アセチル化アミノ酸のように、
アミド、スルホンアミド、又はエステル結合を介
して疏水部に結合したカルボキシル基を有するも
のをさらに含む。N−アルカノイルアミノ酸の例
としては、式R1CONR2CHR3CO2 -(式中R1は好
ましくは約8−約18の炭素原子を有する脂肪族残
基であり、R2は水素又はメチルであり、R3は通
常のアミノ酸側鎖である)を有する界面活性剤を
さらに含む(ただしこれらに限定されるものでは
ない)。側鎖の例としてはアラニン、ロイシン、
イソロイシン、バリンそしてプロリンの非極性脂
肪族側鎖、グリシン、セリン、スレオニン、シス
チンなどの極性側鎖、そしてアスパラギン酸、グ
ルタミン酸、リジンなどの荷電した極性基があ
る。本発明のこの態様における好適なカルボン酸
含有界面活性剤は、N−ラウロイルサルコシンの
ようなアミド結合を含むものである。
本発明の別の態様の陰イオン性界面活性剤には
脂肪族アルコールのエチレンオキサイドで変化さ
せた硫酸塩、硫酸塩化エタノールアミド、又はア
ルキルフエノール(たとえばスルホン化アルキル
フエニルエーテル)がある。陰イオン性界面活性
剤はさらにアルカンスルホン酸やアルキルアリー
ルスルホン酸がある。本発明のアルカンスルホン
酸には、イオウが疏水性残基に直接結合したもの
(たとえば1−デカンスルホン酸)、又はエステ
ル、アミド又はエーテルを介して結合したもの
(たとえばN−メチルタウリン)がある。アルキ
ルアリールスルホン酸塩とは、イオウがフエニル
又はナフチルなどの芳香族環に直接結合し、一方
これが好ましくは約8−約18個の炭素原子を有す
る疏水性残基に結合したものである。後者の界面
活性剤の例としてはドデシルベンゼンスルホン酸
がある。
本発明の陽イオン性界面活性剤にはアルキル四
級アミンやそのハロゲン化塩がある。本発明の好
適な界面活性剤には疏水性残基に直接、又はアミ
ド結合を介して結合した四級アミンの塩化物塩や
臭化物塩がある。このアミンはベンゼン、ピリジ
ン又はナフチレンなどの芳香族残基;分枝又は分
枝してない、環状、飽和又は不飽和の脂肪族鎖;
又は芳香族残基と脂肪族残基の組合せを有する比
較的大きな疏水性部分に直接結合していることが
好ましい。アルキル四級アンモニウム界面活性剤
の例としては、塩化セチルピリジニウム、臭化デ
シルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシル
トリメチルアンモニウなどがあるが、これらに限
定されるものではない。
本発明の非イオン性界面活性剤には、ポリオキ
シアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレンア
ルキルアリールエーテル、脂肪族エステル、ポリ
エーテル、ポリオキシアルキレンエステル誘導
体、糖類エステル誘導体、及びこれらの組合せが
ある。非イオン性ポリオキシアルキレン(好まし
くはポリオキシエチレン)エーテルとは、比較的
長い疏水性残基とひとつ又は2つ以上の酸化アル
キレン残基に結合したヒドロキシル末端を有する
ものである。ポリオキシアルキレンエーテルの例
としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
(Birj)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシエチレンセチルエーテルなどがある。
非イオン性ポリオキシアルキレン(好ましくはポ
リオキシエチレン)アルキルアリールエーテルと
は、比較的大きな疏水性残基と、アリール(たと
えばベンゼン又はナフタレン)やひとつ又は2つ
以上の酸化アルキレン残基により、その疏水性残
基に結合したヒドロキシル末端を有するものであ
る。ポリオキシアルキレンアルキルアリールエー
テルの例としては、ポリエチレングリコールp−
イソオクチルフエニルエーテル(たとえばトリト
ンX−100)などがある。非イオン性ポリエーテ
ルとは式CH3(CH2N−O−(C2H4O)M(式中Nは
約11であり、Mは約23である)を有するものであ
る。
非イオン性脂肪族エステルには、脂肪族脂肪酸
エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エス
テル(たとえばモノステアリン酸プロピレングリ
コール)、そしてグリセロール脂肪酸エステル
(たとえばモノステアリン酸グリセロール)があ
る。脂肪族脂肪酸エステルとは、式R4COOR5(式
中、R4は好ましくは約8−約20個の炭素原子を
有するアルキルであり、R5は1−約5個の炭素
原子を有する脂肪族残基である)を有するもので
ある。糖類及びポリオキシアルキレンエステル誘
導体とは、前者に5炭糖又は6炭糖を有し後者に
ポリオキシアルキレン鎖を有しており、エステル
結合を介して比較的長い疏水性残基に結合してい
るものである。糖類誘導体の例としては、ソルビ
トールが脂肪酸に結合して、トリオレイン酸ソル
ビトール、ステアリン酸ソルビタン、モノオレイ
ン酸ソルビタンなどを形成しているものがある。
ポリオキシアルキレンエステル誘導体には、モノ
オレイン酸ポリオキシエチレン、モノステアリン
酸ポリオキシエチレンなどがある。本発明におい
て有効と見出されたポリオキシアルキレンエーテ
ル誘導体とソルビトールエステル誘導体の組合せ
には、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)
ソルビタン(DIFCOの製造しているポリソルベ
ート−80、ツイーン−80)のようなポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸誘導体がある。
本発明において界面活性剤の有効濃度はその分
子量により若干変化するが、好ましくは約0.1−
約10%(W/V)であり、さらに好ましくは約
0.5−約5%である。最も好ましい界面活性剤の
濃度は約0.5−約1.5%である。組織の界面活性剤
による処理は、固定化(硬化)工程の時、滅菌工
程の時、又は固定化のあとと滅菌の前で別々に実
施され、そして約2−約30時間、好ましくは約6
−約24時間実施される。
本発明の好適な態様においては、組織は約20℃
−約40℃の温度で界面活性剤で処理する。ある態
様においては界面活性剤は滅菌段階に含まれ、そ
の有効性は室温(20℃)以上の温度で約30−40℃
の範囲まで上昇することがわかつている。
本発明においては、組織安定化PH、すなわち組
織成分に対し無害なPHの範囲で、組織を固定、保
存、及び滅菌をすることが好ましい。好適なPHの
範囲は約7.0−約7.6であり、さらに好ましくは約
7.1−約7.4であり、本発明において最も好ましい
PHは7.3である。
本発明の態様に使用される緩衝液は、安定で、
安定化工程と相互作用はせず、特に組織の固定時
に許容できるPHを維持できるだけの充分な緩衝能
を有することが好ましい。選ぶべき適当な緩衝液
とその濃度は個々の組織の固定化条件により異な
り、いくつかの製造業者が異なる方法を採用して
いる。緩衝液は通常の0.01−0.02Mのリン酸緩衝
化生理食塩水(PBS)、又は0.1−0.2MのPBSよ
りもリン酸の含量の少ないリン酸欠乏溶液でもよ
く、好ましくは約0.001−約0.002Mリン酸以下の
ものである。本発明の好適な緩衝液としてはホウ
酸緩衝液、炭酸緩衝液、重炭酸緩衝液、カコジル
酸緩衝液(動物において毒性がない)、及び他の
合成、人工、又は有機緩衝液、たとえばHEPES
(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−M′−2
−エタンスルホン酸)、MOPS(2−(N−モルホ
リノ)プロパンスルホン酸)、そしてPIPES(1,
4−ピペラジンジエタンスルホン酸)がある。
本発明に使用する緩衝液又は非緩衝液は、グル
タールアルデヒドのような固定化剤により与えら
れる組織の安定化工程を妨害しないことが好まし
い。すなわちそれらが固定化剤と反応したり、固
定化剤による組織の正しい固定化を妨害したりし
てはいけない。この例としてはトリス(ヒドロキ
シメタン)アミノエタン(トリス)のような一級
及び二級アミンを含有する緩衝液があり、これは
グルタールアルデヒドやホルムアルデヒドのアル
デヒド基と反応することが知られており、従つて
通常の組織安定化工程を妨害する。
本発明を以下の例により説明するが、これらに
限定されるものではない。
例 1 抽出したブタの大動脈心臓弁組織を0.02M
PBS(塩化ナトリウム0.885重量%)の等張(285
+15ミリオスモル)液でPH7.3、約4℃で完全に
洗い、液を大量にかける。そして等張のリン酸緩
衝液(PH7.4)中の0.625重量%のグルタールアル
デヒド中室温で固定する。
例 2 抽出したブタの大動脈心臓弁組織を、0.54g/
のN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N′−2−エタンスルホン酸(HEPES)のナトリ
ウム塩と0.885重量%の塩化ナトリウムを含有す
る等張(285+15ミリオスモル)液(PH7.)中約
4℃で完全に洗い、液を大量にかける。そして
5.39g/のHEPESのナトリウム塩(0.02M)、
0.440重量%の塩化ナトリウム、そして2.6g/
のMgCl2・6H2Oを含有する等張液中0.625重量%
のグルタールアルデヒドで室温で固定する。
例 3 例1の抽出組織を4+0.4%のモノオレイン酸
ソルビタンポリオキシエチレン(ツイーン−80)
を含有する0.02MのPBS(0.885重量%の塩化ナト
リウム)(70ml中3平方インチの組織)(PH7.3)
中35℃でさらに安定化する。24時間後この溶液か
ら組織を取り出し、0.02M PBS中0.625%のグル
タールアルデヒドで10分間ずつ4回洗い、発育期
のウサギの皮下に移植する。この弁組織を正確に
1週間隔で6終後まで取り出した。取り出した後
原子吸光分析法で乾燥組織中のカルシウムの重量
%を定量的に追跡し、又Von Kossa染色した組
織のカルシウム沈着の程度を目で追跡することに
より組織学的に、カルシウム沈着の程度を測定し
た。組織学的及び定量的結果共に、ツイーン−80
を加えない以外は基本的に全ての詳細な点におい
てここに記憶したのと全く同じ方法で処理した弁
組織に比較し、移植した弁組織はカルシウム沈着
が有意に低下していたことを示している。
例 4 例2の抽出組織を4+0.4%ホルムアルデヒド、
22.5%のエタノール、0.26g/のMgCl2・6H2O
を含有する0.02MのHEPES(5.39g/のナトリ
ウム塩)緩衝化生理食塩水(70ml中3平方インチ
の組織)中PH7.3、35℃でさらに安定化させた。
24時間後に組織を取り出し、0.02M HEPES緩衝
化生理食塩水中0.625%のグルタールアルデヒド
で10分間ずつ4回洗い、発育期のウサギの皮下に
移植した。正確に1週間隔で6週後まで弁組織を
取り出した。取り出した後原子吸光分析法で乾燥
組織中のカルシウムの重量%を定量的に追跡し、
又、Von Kossa染色した組織のカルシウム沈着
の程度を目で追跡することにより組織学的に、カ
ルシムウ沈着の程度を測定した。組織学的及び定
量分析の結果を、種々の界面活性剤で処理した組
織の結果と比較した。
例 5 例2の抽出組織を4+0.4%ホルムアルデヒド、
22.5%のエタノール、11.3mM(1.5重量%)のモ
ノオレイン酸ソルビタンポリオキシエチレン(ツ
イーン−80)、0.26g/のMgCl2・6H2Oを含有
する0.02MのHEPES(5.39g/のナトリウム
塩)緩衝化生理食塩水(70ml中3平方インチの組
織)中PH7.3、35℃でさらに安定化させた。24時
間後組織を取り出し、0.02M HEPES緩衝化生理
食塩水中0.625%のグルタールアルデヒドで10分
間ずつ4回洗い、発育期のウサギの皮下に移植し
た。正確に1週間隔で6週後まで弁組織を取り出
した。取り出した後原子吸光分析法で乾燥組織中
のカルシウムの重量%を定量的に追跡し、又Von
Kossa染色した組織のカルシウム沈着の程度を目
で追跡することにより組織学的に、カルシウム沈
着の程度を測定した。組織学的及び定量的分析の
結果共に、界面活性剤なしで例4に従い処理した
弁組織に比較し、移植組織のカルシウム沈着は有
意に低下していた。
例 6 例2の抽出組織を、エタノールを加えないこと
を除いては基本的に全ての詳細な点において例5
と同様に処理した。組織を滅菌し洗浄した後、発
育期のウサギに移植し正確に1週間隔で6週後ま
で組織を取り出した。取り出した後原子吸光分析
法で乾燥組織中のカルシウムの重量%を定量的に
追跡し、又Von Kossa染色した組織のカルシウ
ム沈着の程度を目で追跡することにより組織学的
に、カルシウム沈着の程度を測定した。組織学的
及び定量的分析の結果共に、界面活性剤溶液中の
エタノールの存在はカルシウム沈着の軽減に効果
がなかつたことを示している。
例 7 ツイーン−80のかわりに24.0mMのトリトンX
−100(1.5重量%)を用いたことを除いては、基
本的に全ての詳細な点において例5と同様に、例
2の抽出組織を処理し、発育期のウサギに移植
し、分析した。結果は、界面活性剤を含まず例4
に従い処理した弁組織に比較し、この移植弁組織
ではカルシウム沈着が有意に低下していたことを
示している。
例 8 ツイーン80のかわりに57.2mMの1−デカンス
ルホン酸(1.5重量%)を用いたことを除いては、
基本的に全ての詳細な点において例5と同様に、
例2の抽出組織を処理し、発育期のウサギに移植
し、分析した。結果は、界面活性剤を含まず、例
4に従い処理した弁組織に比較し、この移植弁組
織ではカルシウム沈着が有為に低下していたこと
を示している。
例 9 ツイーン−80のかわりに45.9mMのドデシルベ
ンゼンスルホン酸(1.5重量%)を用いたことを
除いては基本的に全ての詳細な点において例5と
同様に、例2の抽出組織を処理し、発育期のウサ
ギに移植し、分析した。結果は、界面活性剤を含
まず例4に従い処理した弁組織に比較し、この移
植弁組織ではカルシウム沈着が有為に低下してい
たことを示している。
例 10 ツイーン−80のかわりに42mMのカリウムココ
ナツ脂肪酸加水分解タン白(Maypon−4C)(1.5
重量%)を用いたことを除いては基本的に全ての
詳細な点において例5と同様に、例2の抽出組織
を処理し、発育期のウサギに移植し、分析した。
結果は、界面活性剤を含まず例4に従い処理した
弁組織に比較し、この移植弁組織ではカルシウム
沈着が有意に低下していたことを示している。
例 11 ツイーン−80のかわりに55.3mMのN−ラウロ
イルサルコシン(1.5重量%)を用いたことを除
いては基本的に全ての詳細な点において例5と同
様に、例2の通出組織を処理し、発育期のウサギ
に移植し、分析した。結果は、界面活性剤を含ま
ず例4に従い処理した弁組織に比較し、この移植
弁組織ではカルシウム沈着が有意に低下していた
ことを示している。
例 12 ツイーン−80のかわりに36.2mMのデオキシコ
ール酸(1.5重量%)を用いたことを除いては基
本的に全ての詳細な点において例5と同様に、例
2の抽出組織を処理し、発育期のウサギに移植
し、分析した。結果は、界面活性剤を含まず例4
に従い処理した弁組織に比較し、この移植弁組織
ではカルシウム沈着が有意に低下していたことを
示している。
例 13 ツイーン−80のかわりに53.5mMの臭化デシル
トリメチルアンモニウム(1.5重量%)を用いた
ことを除いては基本的に全ての詳細な点において
例5と同様に、例2の抽出組織を処理し、発育期
のウサギに移植し、分析した。結果は、界面活性
剤を含まず例4に従い処理した弁組織に比較し、
この移植弁組織ではカルシウム沈着が有意に低下
していたことを示している。
例 14 ツイーン−80のかわりに41.2の臭化ヘキサデシ
ルトリメチルアンモニウム(1.5重量%)を用い
たことを除いては基本的に全ての点において例5
と同様に、例2の抽出組織を処理し、発育期のウ
サギに移植し、分析した。結果は、界面活性剤を
含まず例4に従い処理した弁組織に比較し、この
移植弁組織ではカルシウム沈着が有意に低下して
いたことを示している。
例 15 ツイーン−80のかわりに87.4の塩化トリメチル
アンモニウム(1.5重量%)を用いたことを除い
ては基本的に全ての点において例5と同様に、例
2の抽出組織を処理し、発育期のウサギに移植
し、分析した。結果は、界面活性剤を含まず例4
に従い処理した弁組織に比較し、この移植弁組織
ではカルシウム沈着が有意に低下していたことを
示している。
例 16 例3の方法に従い処理した組織を、界面活性剤
に接触後の組織に対する影響を調べるためにさら
に分析した。収縮温度による架橋安定性、プロナ
ーゼ分解による組織安定性、アミノ酸分析、ニン
ヒドリン分析、ウロン酸含量、ヘマトキシリン−
エオシン染色、アルデヒドフクシン染色、
PAS/アルシアンブルー染色、そしてトリクロ
ーム染色による組織学的検査、走査電子顕微鏡と
透過電子顕微鏡により測定した表面形態において
有意な差がなかつた。
本発明を詳細に好適な態様に関連して説明し
た。しかし当業者は本発明の精神と範囲を逸脱す
ることなく、本発明を変更できる。
JP50363283A 1982-11-12 1983-11-03 移殖可能な生物組織のカルシウム沈着を阻止するための界面活性剤による処理 Granted JPS59502104A (ja)

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