JPH0419137Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンクリートブロツク（以下ブロツ
クともいう）内部を総て鉄材にて構成し、ブロツ
ク自身の強度を著しく増大させるとともに、ブロ
ツク製造を簡略化ならしめ、且つブロツク積込み
により構築されるブロツク壁面を強度増強等なさ
しめたコンクリートブロツクに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来のコンクリートブロツク１′は、第５図に
示す如く、一定間隔を有してなる２枚の壁面板
２′及び該２枚の壁面板２′間に接続された接続板
３′からなるものであり、当該ブロツクを上下、
左右に連接させて各種建物の間仕切り、門、塀等
としての利用、或いは空洞５′に鉄筋を配しコン
クリートを流し込み、補強コンクリートブロツク
として低層建物の構造壁体として利用されている
ものである。

そして、ブロツク製造に際しては、通常金型か
らなる成形用型枠をセツトし、該型枠内にコンク
リートを注入し固め脱型後、養生固化されて製品
となるものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前述した従来のコンクリートブロツクは、この
ブロツク自身の強度に限界を有するもので、過大
な重量が掛かる場合或いは壁体が過大な強度を要
求される場合、例えば中層、高層での建造物に於
ける構造壁体としては、ブロツクを鉄筋にて補強
しても強度上問題点を有するものであつた。建造
物壁体を形成させるためのブロツクの利用は、ブ
ロツク組積によつて容易に成され、本質枠体によ
る仮枠組等の現場施工手間が省略される等、多く
の長所を有しており、強度のある構造体としての
ブロツクの出現が期待されていた。

また、従来のコンクリートブロツクの製造段階
に於ける成形用型枠は、内部に空洞部が形成され
る為、複雑なものとなるとともに、該型枠の脱型
に於いても、空洞部を形成するがための中枠が外
し難い等ブロツク量産上の問題も有していた。

本考案は、前述した従来のコンクリートブロツ
クの問題点を解決するがためになされたもので、
ブロツク自身に於いて著しく強度増強され、且つ
ブロツク組積工法の簡略化がなされ且つ構築され
たブロツク壁面が強靱なものとなり、ブロツク構
造壁体の応用面を拡げるとともに、ブロツクの量
産製造段階に於ける型枠、型枠セツト、脱型工程
な簡略化ならしめるコンクリートブロツクを提供
することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

前述した問題点は、２枚の壁面板が一定間隔を
有してほぼ平行に対向するコンクリートブロツク
に於いて、前記壁面板の裏面に鉄板を配設し、且
つ前記壁面板を鉄部材にて接続してなるコンクリ
ートブロツクによつて解決されるものである。

〔実施例〕

以下、本考案の構成を実施例に基づいて詳述す
る。

第１図は本考案のコンクリートブロツクの一実
施例を示す斜視図であり、コンクリート、モルタ
ル等の水硬性物質からなる２枚の壁面板２の裏面
には、鉄板３が配設され、２枚の壁面板２には鉄
部材、即ち２枚（１枚若しくは２枚以上の複数で
あつても良い）の鉄板４により接続されることに
より、２枚の壁面板２が一定間隔を有してほぼ平
行に対向するもので、これによりコンクリートブ
ロツク１に空胴６が形成される。

第２図は、鉄部材が鉄棒５である場合の本考案
の実施例であり、複数本の鉄棒５である場合の本
考案の実施例であり、複数本の鉄棒５である場合
の本考案の実施例であり、複数本の鉄棒５により
壁面板間を接続する。

鉄板３と鉄部材は、プレス成形若しくは板金加
工等の手段で、相互連結形成されても良く、また
特に鉄板３と鉄部材である鉄板４は、これらが一
体化された断面形状と同一の断面形状を有する形
鋼等をコンクリートブロツク１の高さに等しく裁
断されたものであつても良い。

コンクリートブロツク成形段階では鉄板３及び
鉄部材が型枠内にセツトされ、然る後コンクリー
トと鉄板３が一体となつてコンクリートブロツク
１が完成されるものである。或いは、あらかじめ
鉄部材と一体化された鉄板３の表面に壁面板を堅
固に固設することでなくても良い。

第３図は、本考案のコンクリートブロツク１の
他の実施例を示す斜視図であり、鉄部材である鉄
板４の上端４ａが壁面板２の上端２ａより凸設さ
れ、且つ鉄板４の下端４ｂが壁面板２の下端２ｂ
より凹設されており、この鉄板４の下端４ｂの凹
設深さは、鉄板４の上端４ａが壁面板２の上端２
ａより凸設した高さに等しいか若しくはその高さ
を少し上回る深さになされるものである。然し
て、ブロツク積込み時には、下方に位置するブロ
ツクの凸設した鉄板４の上端４ａが上方に位置す
るブロツクの凹設した鉄板４の下端４ｂに嵌合さ
れ、ブロツク積込み時のブロツクの位置ずれが防
止されるとともに、ブロツク組積み工程が堅固に
且つ正確に且つ作業効率の向上を伴つてなされる
ものである。

第４図は、本考案のコンクリートブロツク１の
他の実施例を示す斜視図であり、２枚の壁面板２
の上縁にブロツク積込み接続用の段部７を内方に
形成させたもので、この段部７の奥行きは壁面板
２の下端２ｂの厚さにほぼ等しく、且つ前記段部
７の高さに相当して鉄部材の下端５ｂが壁面板２
の下端２ｂより上方に位置されている。

然して、ブロツク積込み時には第５図に示す如
く、下方に位置するブロツクの上端の段部７に、
上方に位置するブロツクの下端２ｂが嵌合され、
第３図の実施例の場合以上に、ブロツク積込み時
のブロツクの位置ずれが防止されるとともにブロ
ツクを空積みした後、一括して中詰めコンクリー
ト、モルタル等を流し込むことも可能となり、ブ
ロツク組積み工程が堅固に且つ正確に且つ作業効
率の向上を伴つてなされるものである。加えて、
段部７によりブロツク接合時の横目地モルタルは
要しないものとなり、且つ雨水等のブロツク内部
への侵入も防止されるものである。

また、本考案のコンクリートブロツクに於い
て、第３図に併記した如く、１枚若しくは２枚の
壁面板２の表面に曲線状、直線状、図形状等若し
くは表面の凹凸等による装飾用模様８を形成させ
たり、或いは第４図に併記した如く、タイル、石
材等の装飾用外装部材９を添設させれば、ブロツ
ク積込み工事終了とともに外観美装された堅固な
ブロツク構造壁面が完成されるものである。

尚、本考案のコンクリートブロツクの壁面板の寸
法は、JIS規格寸法（長さ390mm×高さ190mm）で
あつても良いし、さらに大寸法のものであつても
良い。大型のコンクリートブロツクであれば、ブ
ロツク壁面構築上、組積みされるブロツク数が減
じ、施工手間が減少する等の利点を生ずるもので
ある。

〔考案の作用及び効果〕

上記構成に係る本考案のコンクリートブロツク
は、コンクリートブロツクの壁面板の裏面に鉄板
を配設し、且つ前記壁面板を鉄部材に接続されて
いるから、ブロツク自身が従来のブロツクに比し
て著しい高強度を有するとともに、ブロツク積込
みによる壁体構築に於いては、ブロツクの空胴部
にコンクリートを流し込むことで当該鉄板及び鉄
部材が所謂鉄筋の役目を果たし、従来のブロツク
に配筋を施した場合と比較して、同等若しくはそ
れ以上の強度を有するブロツク壁体を構築するこ
とができ、本考案のコンクリートブロツクの応用
性は著しく拡がるものである。

即ち、各種建物の間仕切り、門、塀等としての
利用に於いては、従来に比して著しく補強された
ブロツク壁面を構築でき且つ配筋作業を略し作業
効率が向上し得るものとなり、さらに本考案のブ
ロツクの空胴部に中詰めコンクリートの注入にに
加えて鉄筋等による配筋を行えば、低層建物は無
論のこと中層、高層建物の構造壁体としてその他
高強度を要求される壁体の構造体として使用でき
るものとなる。

さらに、鉄部材が鉄棒である場合の本考案のブ
ロツクでは、中詰めコンクリートが上下左右方向
に連結されるとともに、縦筋及び横筋も別途に配
すことができ、一段と強固なブロツク壁面を構築
できるものである。

さらに、本考案のコンクリートブロツクの製造
に於いては、成形用型枠の中の中枠として本考案
のコンクリートブロツクの鉄板が利用することが
でき中枠を省略することができ、型枠の簡略化に
伴う型枠代の軽減、脱型工程の簡略化、ブロツク
生産効率の上昇等の利点が発揮されるものであ
る。

さらに、本考案のコンクリートブロツクの内部
を構成する鉄板と鉄部材をあらかじめ一体的に製
作した後に、鉄板３の表面に壁面板を堅固に固設
するに於いては、ブロツク成形用の形枠は全く不
要となり、一段とブロツク製造上の経済性並びに
生産効率の向上がなされるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案のコンクリートブロ
ツクの一実施例を示す斜視図、第３図及び第４図
は本考案のコンクリートブロツクの他の実施例を
示す斜視図、第５図は第４図によるコンクリート
ブロツクの積込み状態を示す縦断面図、第６図は
従来のコンクリートブロツクの斜視図である。 １……コンクリートブロツク、２……壁面板、
３……鉄板、４……鉄板、５……鉄棒、６……空
胴、７……段部、８……装飾用模様、９……装飾
用外装部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ２枚の壁面板が、一定間隔を有してほぼ平行
   に対向するコンクリートブロツクに於いて、前
   記壁面板の裏面に鉄板が配設し、且つ前記壁面
   板を鉄部材にて接続してなるコンクリートブロ
   ツク。 (2) 鉄部材が鉄板からなることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のコンクリート
   ブロツク。 (3) 鉄部材が鉄棒からなることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のコンクリート
   ブロツク。 (4) 鉄部材の上端が壁面板上端より凸設され、且
   つ少なくとも前記鉄部材の上端が壁面板上面よ
   り凸設した高さに相当して前記鉄部材の下端が
   前記壁面板の下端より凹設されたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第２項記載のコン
   クリートブロツク。 (5) 壁面板の上縁にブロツク積込み接続用の段部
   が内方に形成され、前記段部の奥行きは前記壁
   面板の下端の厚さにほぼ等しくなされ、且つ少
   なくとも前記段部の高さに相当して、鉄部材の
   下端が前記壁面板の下端より上方に位置された
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項又は第３項記載のコンクリートブ
   ロツク。 (6) 壁面板の表面に装飾用模様が形成されてなる
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項又は第３項又は第４項又は第５項
   記載のコンクリートブロツク。 (7) 壁面板の表面に装飾用外装部材を添設させた
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項又は第３項又は第４項又は第５項
   記載のコンクリートブロツク。