JPH04191319A - 低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法 - Google Patents

低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法

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JPH04191319A
JPH04191319A JP32370890A JP32370890A JPH04191319A JP H04191319 A JPH04191319 A JP H04191319A JP 32370890 A JP32370890 A JP 32370890A JP 32370890 A JP32370890 A JP 32370890A JP H04191319 A JPH04191319 A JP H04191319A
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明博 宮坂
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパ
イプの製造方法に係り、さらに詳しくは例えば石油・天
然ガスの輸送に使われるラインパイプとして、湿潤炭酸
ガスや湿潤硫化水素を含む環境中で優れた耐食性を有し
、かつ溶接性が優れる鋼管の製造方法に関する。
(従来の技術) 近年生産される石油・天然ガス中には、湿潤な炭酸ガス
を多く含有する場合が増加している。こうした環境中で
炭素鋼や低合金鋼は著しく腐食することがよく知られて
いる。このため、かかる石油・天然ガスの輸送に使用さ
れるラインパイプの防食対策として、腐食抑制剤の添加
が従来より行なわれてきた。しかし、腐食抑制剤は高温
ではその効果が失われる場合が多いことに加えて、海底
パイプラインでは腐食抑制剤の添加・回収処理に要する
費用は膨大なものとなり、適用できない場合が多い。従
って、腐食抑制剤を添加する必要のない耐食材料に対す
るニーズが最近とみに高まっている。
炭酸ガスを多く含む石油・天然ガス用の耐食材料として
は、耐食性の良好なステンレス鋼の適用がまず検討され
、例えばり、J、クライン、コロ−ジョン(Corro
sion) ’84.ペーパーナンバー211にあるよ
うに、高強度で比較的コストの安い鋼としてAl5I4
20鋼に代表されるような、0.2%程度のCと12〜
13%程度のCrを含有するマルテンサイト系ステンレ
ス鋼が広く使用され始めている。しかしながら、これら
の鋼は高強度を得るために比較的多量の炭素が添加され
ている。
Al5I420鋼では0.16%以上0.22%以下の
炭素が添加されている。ラインパイプでは、敷設に際し
てパイプとパイプは溶接で接続されるのが常であるが、
こうした比較的多量の炭素を含有するマルテンサイト系
ステンレス鋼を通常の溶接方法で溶接すると、溶接熱影
響部では著しく硬さが上昇するとともに衝撃靭性が劣化
する。また溶接熱影響部の硬さ上昇は、輸送流体内に硫
化水素が含有されている場合には、硫化物応力割れを生
じてパイプラインの破壊に至る危険性を極めて高くする
。溶接後に例えば600℃以上に保持する溶接後熱処理
を施せば、溶接熱影響部の硬さを低減することは可能で
あるが、ラインパイプ敷設現場でかかる溶接後熱処理を
施すことは、温度管理や品質保証に著しい困難を伴なう
とともに膨大な費用を要する。このため通常の溶接方法
で溶接しても溶接熱影響部の硬さ上昇が少ない鋼が求め
られている。
これに対して、マルテンサイト系ステンレス鋼中の炭素
含有量を低減すれば、溶接熱影響部の硬さ上昇を少なく
し、実用上充分な特性を有する鋼を得ることができる。
しかし、この場合には従来のマルテンサイト系ステンレ
ス鋼管が製造されてきたプロセスである継目無鋼管圧延
法では製造が困難である。本発明者らの検討によれば、
その原因は炭素量を低減したために継目無鋼管の圧延前
の加熱時にフェライト組織が多量に生産されるためであ
ることが分かった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明はこうした現状に鑑み、溶接性および耐食性を改
善するためにCを低減したマルテンサイト系ステンレス
鋼を鋼管として製造する方法を提供することを目的とし
ている。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の目的を達成すべく、まずマルテン
サイト系ステンレス鋼の成分について検討した結果、溶
接性および耐食性を改善するには炭素量を低減すること
が極めて有効であること、炭素量を0.08%以下とす
るとその効果が特に顕著であることを知見した。さらに
本発明者らは製造方法について検討をすすめ、炭素量を
0.08%以下としたマルテンサイト系ステンレス鋼を
鋼管とする製造プロセスを種々検討してきた結果、通常
の継目無鋼管圧延法による製造は困難であること、これ
に対してマルテンサイト系ステンレス鋼を、ます鋼帯と
した後に電縫溶接によって鋼管として造管するとともに
、特にその後の熱処理条件を適正に選択すれば、ライン
パイプとしての必要特性を満足し、ラインパイプの円周
溶接部の溶接熱影響部の特性が従来のマルテンサイト系
ステンレス鋼管をはるかに凌ぐマルテンサイト系ステン
レス鋼ラインパイプを製造できることを確認した。
ここに、本発明の要旨とするところは、炭素含有量が重
量%で0.08%以下のマルテンサイト系ステンレス鋼
片を下記の工程で順次鋼管とする低炭素マルテンサイト
系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法にある。
■鋼片を1050〜1300℃の温度に加熱した後に、
板厚4. Owa以上25.4 w以下に熱間圧延し、
さらに600℃以上の温度でホットコイルとして巻き取
る工程、 ■上記ホットコイルを所定の幅に切断した後、連続的に
円筒状に成形しつつ調帯両端を電縫溶接して鋼管として
造管する工程、 ■上記電縫鋼管を950℃以上1100℃以下の温度範
囲に1+iin以上加熱した後に、少なくとも300℃
以下までを空冷以上の冷却速度で冷却して50容量%以
上がマルテンサイトで占められる組織とする工程、 ■550℃以上A c !変態点以下の温度に再加熱し
て1s+in以上保持した後、少なくとも300℃以下
までを空冷以上の冷却速度で冷却する工程。
あるいはさらに本発明の要旨とするところは、次の工程
で順次鋼管とする低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼
ラインパイプの製造方法にもある。
■鋼片を1050〜1300℃の温度に加熱した後に、
板厚4.0 m以上25.4mm以下に熱間圧延し、さ
らに600℃以上の温度でホットコイルとして巻き取る
工程、 ■上記ホットコイルを所定の幅に切断した後、連続的に
円筒状に成形しつつ鋼帯両端を電縫溶接して鋼管として
造管し、その後直ちに、少なくとも電縫部の両側2mm
以内の部分を含んだ部分を500℃以上A6.変態点以
下の温度に再加熱する工程、 ■上記電縫鋼管を950℃以上1100℃以下の温度範
囲に1a+in以上加熱した後に、少なくとも300℃
以下までを空冷以上の冷却速度で冷却して50容量%以
上がマルテンサイトで占められる組織とする工程、 ■550℃以上AcI変態点以下の温度に再加熱して1
 win以上保持した後、少なくとも300℃以下まで
を空冷以上の冷却速度で冷却する工程。
(作用) 本発明の対象となるマルテンサイト系ステンレス鋼とは
、炭素量が0.08%以下であって実質的に微細組織の
50%以上がマルテンサイト組織であるすべてのマルテ
ンサイト系ステンレス鋼である。以下、本発明の対象と
して望ましいマルテンサイト系ステンレス鋼の標準的な
成分を例示し、含有量の選定理由を説明する。なお、元
素の含有量はすべて重量%である。
C:0.08%以下 Cは0.08%を超えて添加すると、ラインパイプの現
地円周溶接時の溶接熱影響部の硬さが高(なりすぎて特
性が低下するとともに耐食性を低下させるので、含有量
は0.08%以下とすべきである。
Si:  1%以下 Siは脱酸剤および強化元素として有効であるが、1%
を超えると靭性が低下するので、上限含有量は1%とす
る。
Mn: 2%以下あるいは2%を超えて5%以下Mnは
脱酸剤および強化元素として有効であるが、5%を超え
て添加してもその効果は飽和するばかりか、逆に硫化水
素含有環境における応力腐食割れ抵抗を低下させるよう
になるので、上限含有量は5%とする。
Cr:  7.5〜14% Crはマルテンサイト系ステンレス鋼を構成するもっと
も基本的な元素であって、炭酸ガス環境での耐食性を確
保するためには7.5%以上を添加する必要があるが、
14%を超えて添加すると他の成分を如何に調整しても
ラインパイプとして必要な強度を確保することが難しく
なるので、添加範囲は7.5〜14%とすべきである。
Af:0.1%以下 A1は脱酸元素として非常に有用であるが、含有量が0
.1%を超えるとアルミナ系介在物が増加して靭性が低
下するので、上限含有量は0.1%とする。
N:0.02%以下 NもCと同様に多量に存在するとラインパイプの現地円
周溶接時の溶接熱影響部の硬さが高くなりすぎて特性が
低下するので、含有量は0.02%以下とすべきである
以上の成分の他に残部がFeおよび不可避不純物からな
る鋼が本発明が対象とする鋼として最も基本的なもので
ある。これに加えて、必要に応じて下記の元素を添加あ
るいは低減した鋼を使用してラインパイプを製造するこ
ともできる。
Ni: Niは湿潤炭酸ガス環境中での耐食性をさらに
改善するのに効果があるが、4%を超えて添加してもそ
の効果は飽和するばかりか、逆に硫化水素含有環境にお
ける応力腐食割れ抵抗を低下させるようになるので、上
限含有量は4%とする。
Cu: Cuも湿潤炭酸ガス環境におけるマルテンサイ
ト系ステンレス鋼の腐食速度を減少させるととに、Cお
よびNの含有量を調整した綱に添加して溶接熱影響部の
靭性を改善するのに効果があるが、4.5%を超えて添
加してもその効果は飽和するばかりか、熱間加工性を低
下させるようになるので、上限含有量は4.5%とする
Co: Coも湿潤炭酸ガス環境中の耐食性をさらに改
善するのに効果があるが、4%を超えて添加してもその
効果は飽和するばかりか、いたずらにコストを上昇させ
るだけであるので、上限含有量は4%とする。
Mo: Moは湿潤炭酸ガス環境中での耐食性を改善す
るのに効果があるが、2%を超えて添加してもその効果
は飽和するばかりか、靭性なと他の特性を低下させるよ
うになるので、上限含有量は2%とする。
W:Wも湿潤炭酸ガス環境中での耐食性を改善するのに
効果があるが、4%を超えて添加してもその効果は飽和
するばかりか、靭性など他の特性を低下させるようにな
るので、上限含有量は4%とする。
P:Pは熱間加工性を低下させる元素であるので少ない
ほうが好ましいが、あまりに少ないレベルにまで低減さ
せることはいたずらにコストを上昇させるのみで特性の
改善効果は飽和する。本発明の場合、目的とするライン
パイプを製造するのに必要な熱間加工性を確保するのに
必要充分なほど少ない含有量として0.02%以下に低
減すると熱間加工性が一段と改善される。
S:SはPと同様に熱間加工性を低下させる元素である
ので少ないほうが好ましいが、あまりに少ないレベルに
まで低減させることはいたずらにコストを上昇させるの
みで特性の改善効果は飽和する。本発明の場合、目的と
するラインパイプを製造するのに必要な熱間加工性を確
保するのに必要充分なほど少ない含有量として0.00
3%以下に低減すると耐応力腐食割れ性が一段と改善さ
れる。
V、 Ti、 Nb、 Zr、 Ta、 Hf、  B
:  V、 Ti、 Ta、 Zr。
Nb、 If、  Bは耐食性を一段と向上させるのに
有効な元素であるが、Ti、 Zr、 Ta、 Ofで
は0.2%、■。
Nbでは0.5%、Bでは0.01%をそれぞれ超えて
添加すると粗大な析出物・介在物を生成して応力腐食割
れ抵抗を低下させるようになるので上限含有量はTi、
 Zr、 Ta、 Hfでは0.2%、V、Nbでは0
、5%、Bでは0.01%とした。
Ca、希土類元素:Caおよび希土類元素(REV)は
熱間加工性の向上、耐食性の向上に効果のある元素であ
るが、Caでは0.01%を超えて、希土類元素では0
.02%を超えて添加すると、それぞれ粗大な非金属介
在物を生成して逆に熱間加工性および耐食性を劣化させ
るので、上限含有量はCaでは0.01%、希土類元素
では0.02%とした。
なお、本発明において希土類元素とは原子番号が57〜
71番、89〜104番およびYを指す。
次に本発明の詳細な説明する。
綱片加熱温度二 綱片をその中心部まで均一に加熱して熱間圧延における
熱間加工性を確保する必要がある。加熱温度が1300
″Cを超えると、酸化スケール生成による材料ロスが著
しくなり歩留りが低下するため好ましくない。一方、加
熱温度が1050℃未満では熱間圧延における変形抵抗
が大きくなりすぎるので好ましくない。従って鋼片加熱
温度は1050〜1300℃とする。
熱間圧延: 熱間圧延は通常の板圧延が可能である。ラインパイプと
しての実用性から板厚としては4.0W以上25.4m
m以下とする。後続の電縫溶接における生産性の観点か
らは板の形状はホットコイルとする。
巻き取り: 熱間圧延後ホットコイルとして巻き取るに際して、巻き
取り温度が600℃未満では巻き取り力が強大になって
巻き取りに困難を生ずるとともに、巻き取り後に強度が
上昇して後続の電縫溶接に支障をきたすので、600℃
以上の温度で巻き取ることが必要である。
成形および電縫溶接: 成形および電縫溶接には通常の電縫溶接鋼管製造プロセ
スが適用でき、ラインパイプとして必要な外径に応じて
所定の幅に切断してから成形および電縫溶接して鋼管と
して造管すればよい。
熱処理: 第1段目の熱処理(焼き入れ)においては、加熱温度が
950℃より低い温度ではオーステナイト化が充分では
な(、従って必要な強度を得ることが困難だからであり
、加熱温度が1100℃を超えると結晶粒が著しく粗大
化して応力腐食割れ抵抗が低下するようになるので、加
熱温度は950〜1100”Cとすることが必要である
オーステナイト化後の冷却における冷却速度を、少なく
とも300℃以下までを空冷以上の冷却速度としたのは
、空冷よりも遅い冷却速度ではマルテンサイトが充分生
成せず、所定の強度を確保することが困難になるからで
あり、鋼管の温度が300℃以下となるまでこの冷却速
度を確保しないと、やはり所定の強度を確保することが
困難になるからである。
第1段目の熱処理後に少なくとも50容量%以上がマル
テンサイトで占められていないとラインパイプとして必
要な強度を得ることが難しい。
第2段目の熱処理(焼き戻し)において加熱温度を55
0℃以上AcI温度以下としたのは、加熱温度が550
℃未満では充分な焼き戻しが行われず、加熱温度がAC
I温度を超えると一部がオーステナイト化し、その後の
冷却時にフレッシュ・マルテンサイトを生成し、いずれ
も充分に焼き戻しされていないマルテンサイトが残留す
るために応力腐食割れ感受性を増加させるためである。
焼き戻し後の冷却における冷却速度を空冷以上の冷却速
度としたのは、空冷よりも遅い冷却速度では靭性が低下
するためである。
必要に応じて上記の工程に加えて、ホットコイルを所定
の幅に切断した後直ちに円筒状に成形しつつ鋼帯両端を
電縫溶接して造管した後に、さらに、直ちに少なくとも
電縫部の両側2m+以内の部分を含んだ部分を500℃
以上ACI温度以下の温度に再加熱する工程を付加して
もよいが、この工程の目的は電縫溶接によって生成した
硬化M織、特にマルテンサイトによって最終熱処理(焼
き入れおよび焼き戻し)までの間に電縫溶接部に割れが
発生するのを防止することにある。この目的からは再加
熱温度が500℃未満では硬化組織を軟化する効果が顕
著ではなく、再加熱温度がAcI温度を超えると一部が
オーステナイト化しその後の冷却時にフレッシュ・マル
テンサイトを生成して、充分に焼き戻しされていないマ
ルテンサイトが残留するために、かえって最終熱処理ま
での間に割れが発生する恐れが高まる。従って、再加熱
温度を500℃以上A、1温度以下の温度とする。また
かかる硬化組織は電縫溶接部の両側2m以内の部分に最
も顕著に生成するため、少なくともこの部分を含んだ部
分を再加熱する必要があるが、この部分を含んで鋼管の
一部のみを再加熱しても良く、あるいは鋼管の全体を再
加熱してももちろんかまわない。いずれにしても電縫溶
接後可及的速やかに再加熱処理するほど、電縫溶接部の
割れを防止する効果が大きい。
次に本発明の実施例について説明する。
(実施例) 第1表に示す成分のステンレス鋼阻1〜10を溶製し、
熱間圧延によって厚さ12.7 mのホットコイルとし
た後、成形および電縫溶接して鋼管として造管し、第1
表に併せて示す条件で熱処理を施していずれも降伏強度
が45.7 kgf/mm”以上のラインパイプ用鋼管
とした。熱間圧延に際して加熱温度は1200℃とし、
巻き取り温度は650℃とした。また、連2およびNα
5の鋼管は高周波電縫溶接によって鋼管として造管した
直後に電縫部の両側10m+以上を650℃に再加熱し
た。焼き入れ時の冷却は室温まで水冷とし、焼き戻し後
の冷却は室温まで空冷とした。一方、比較例阻11はA
l5I420鋼であり、阻12は9Cr−IMo鋼であ
って、いずれも従来から湿潤炭酸ガス環境で使用されて
いる従来鋼である。比較例N[111,12はいずれも
従来法であるシームレス圧延法によって鋼管とし、第1
表に併せて示す条件で熱処理を施した。
次にラインパイプの敷設時における現地円周溶接に相当
する溶接として、これらの鋼管を手溶接によって溶接し
て継手を作製した。溶接入熱は17kJ/amとした。
母材および該溶接部の溶接熱影響部からJISA号衝撃
試験片(フルサイズ)を採取して衝撃試験を実施した。
また溶接熱影響部の最高硬さを荷重5kgのビッカース
硬さとして測定した。一方母材から試験片を採取して湿
潤炭酸ガス環境における腐食試験を行なった。湿潤炭酸
ガス環境における腐食試験としては、厚さ3圓、幅15
mm、長さ50mの試験片を用い、試験温度120℃の
オートクレーブ中で炭酸ガス分圧40気圧の条件で3%
Na(J水溶液中に30日間浸漬して、試験前後の重量
変化から腐食速度を算出した。腐食速度の単位は閣/y
で表示したが、一般的にある環境におけるある材料の腐
食速度が0.1 m/7未満の場合、材料は充分耐食的
であり使用可能であると考えられている。
試験結果を第1表に併せて示した。第1表のうち、衝撃
試験結果において○は破面遷移温度が一30℃以下、×
は破面遷移温度が一30℃を超え0℃以下、××は破面
遷移温度が0℃超であったことをそれぞれ表わしており
、溶接熱影響部最高硬さにおいてOは最高硬さが300
未満、×は最高硬さが300以上450未満、××は最
高硬さが450以上であったことをそれぞれ表わしてお
り、腐食試験結果において◎は腐食速度が0.05m/
y未満、Oは腐食速度が0.05 m/y以上0.10
m/y未満、×は腐食速度が0.1薗/y以上0.5■
/y未満、××は腐食速度が0.5 m/y以上であっ
たことをそれぞれ表わしている。
第1表から明らかなように、本発明例である漱1〜10
は、母材および溶接熱影響部の衝撃靭性が格段に優れ、
溶接熱影響部の最高硬さが充分低く、湿潤炭酸ガス環境
において120℃というラインパイプとしては非常な高
温であっても実用的に充分な耐食性を有しており、優れ
た溶接性と耐食性を有していることが分かる。これに対
して比較例であるNo、11.12は母材および溶接熱
影響部の衝撃靭性、溶接熱影響部最高硬さ、耐食性とも
著しく劣っている。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明はラインパイプとして極めて
有用な低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方
法を提供することを可能としたものであり、産業の発展
に貢献するところ極めて大である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素含有量が重量%で0.08%以下のマルテン
    サイト系ステンレス鋼片を下記の工程で順次鋼管とする
    低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製
    造方法。 [1]鋼片を1050〜1300℃の温度に加熱した後
    に、板厚4.0mm以上25.4mm以下に熱間圧延し
    、さらに600℃以上の温度でホットコイルとして巻き
    取る工程、 [2]上記ホットコイルを所定の幅に切断した後、連続
    的に円筒状に成形しつつ鋼帯両端を電縫溶接して鋼管と
    して造管する工程、 [3]上記電縫鋼管を950℃以上1100℃以下の温
    度範囲に1min以上加熱した後に、少なくとも300
    ℃以下までを空冷以上の冷却速度で冷却して50容量%
    以上がマルテンサイトで占められる組織とする工程、 [4]550℃以上A_C_1変態点以下の温度に再加
    熱して1min以上保持した後、少なくとも300℃以
    下までを空冷以上の冷却速度で冷却する工程。
  2. (2)炭素含有量が重量%で0.08%以下のマルテン
    サイト系ステンレス鋼片を下記の工程で順次鋼管とする
    低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製
    造方法。 [1]鋼片を1050〜1300℃の温度に加熱した後
    に、板厚4.0mm以上25.4mm以下に熱間圧延し
    、さらに600℃以上の温度でホットコイルとして巻き
    取る工程、 [2]上記ホットコイルを所定の幅に切断した後、連続
    的に円筒状に成形しつつ鋼帯両端を電縫溶接して鋼管と
    して造管し、その後直ちに、少なくとも電縫部の両側2
    mm以内の部分を含んだ部分を500℃以上A_C_1
    変態点以下の温度に再加熱する工程、 [3]上記電縫鋼管を950℃以上1100℃以下の温
    度範囲に1min以上加熱した後に、少なくとも300
    ℃以下までを空冷以上の冷却速度で冷却して50容量%
    以上がマルテンサイトで占められる組織とする工程、 [4]550℃以上A_C_1変態点以下の温度に再加
    熱して1min以上保持した後、少なくとも300℃以
    下までを空冷以上の冷却速度で冷却する工程。
  3. (3)低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼が下記第1
    群、第2群、第3群、第4群、第5群、第6群、第7群
    あるいは第8群のいずれかの成分からなる請求項1ある
    いは2に記載の低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼ラ
    インパイプの製造方法。 第1群 重量%で、C0.08%以下、Si1%以下、Mn2%
    以下、Cr7.5〜14%、Al0.1%以下、N0.
    02%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物から
    なる低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼。 第2群 重量%で、C0.08%以下、Si1%以下、Mn2%
    以下、Cr7.5〜14%、Al0.1%以下、N0.
    02%以下に加えて、 Ni4%以下、Cu4.5%以下、Co4%以下のうち
    1種または2種以上を含有し、 残部Feおよび不可避不純物からなる低炭素マルテンサ
    イト系ステンレス鋼。 第3群 重量%で、C0.08%以下、Si1%以下、Mn2%
    以下、Cr7.5〜14%、Al0.1%以下、N0.
    02%以下に加えて、 Mo2%以下、W4%以下のうち1種または2種を含有
    し、 残部Feおよび不可避不純物からなる低炭素マルテンサ
    イト系ステンレス鋼。 第4群 重量%で、C0.08%以下、Si1%以下、Mn2%
    以下、Cr7.5〜14%、Al0.1%以下、N0.
    02%以下に加えて、 Ni4%以下、Cu4.5%以下、Co4%以下のうち
    1種または2種以上を含有し、 さらに、Mo2%以下、W4%以下のうち1種または2
    種を含有し、 残部Feおよび不可避不純物からなる低炭素マルテンサ
    イト系ステンレス鋼。 第5群 重量%で、C0.08%以下、Si1%以下、Mn2%
    を超えて5%以下、Cr7.5〜14%、Al0.1%
    以下、N0.02%以下を含有し、残部Feおよび不可
    避不純物からなる低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼
    。 第6群 重量%で、C0.08%以下、Si1%以下、Mn2%
    を超えて5%以下、Cr7.5〜14%、Al0.1%
    以下、N0.02%以下に加えて、 Ni4%以下、Cu4.5%以下、Co4%以下のうち
    1種または2種以上を含有し、 残部Feおよび不可避不純物からなる低炭素マルテンサ
    イト系ステンレス鋼。 第7群 重量%で、C0.08%以下、Si1%以下、Mn2%
    を超えて5%以下、Cr7.5〜14%、Al0.1%
    以下、N0.02%以下に加えて、 Mo2%以下、W4%以下のうち1種または2種を含有
    し、 残部Feおよび不可避不純物からなる低炭素マルテンサ
    イト系ステンレス鋼。 第8群 重量%で、C0.08%以下、Si1%以下、Mn2%
    を超えて5%以下、Cr7.5〜14%、Al0.1%
    以下、N0.02%以下に加えて、 Ni4%以下、Cu4.5%以下、Co4%以下のうち
    1種または2種以上を含有し、 さらに、Mo2%以下、W4%以下のうち1種または2
    種を含有し、 残部Feおよび不可避不純物からなる低炭素マルテンサ
    イト系ステンレス鋼。
  4. (4)低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼が、不純物
    元素のうちPとSの一方あるいは両方を下記の範囲にそ
    れぞれ低減せられたものである請求項3に記載の低炭素
    マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法
    。 P:0.02重量%以下、 S:0.003重量%以下
  5. (5)低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼が、下記第
    9群、第10群のうち一方あるいは両方の群の元素を1
    種以上含有するものである請求項3あるいは4に記載の
    低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製
    造方法。 第9群 重量%で、V0.5%以下、Ti0.2%以下、Nb0
    .5%以下、Zr0.2%以下、Ta0.2%以下、H
    f0.2%以下、B0.01%以下 第10群 重量%で、Ca0.01%以下、希土類元素0.02%
    以下
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